俺よ、男前たれ

おもしろきこともなき世をおもしろく

知りたい平石洋介監督の人間力

なんとなく見てしまうTBSの『消えた天才

有名スポーツ選手が少年時代に勝てなかった早熟な天才たちの現在を紹介する番組だが、結構面白くてつい見てしまう。

子どもの頃、どの学校にも一人や二人はいた”天才”
めちゃくちゃ足が速くて市民大会でぶっちぎりで優勝しちゃうやつとか
県大会で優勝して名門高校に入っちゃうやつとか・・・
でも実際にプロになったり、オリンピックに出たりするような人はごく一握り。
そんな人たちが意外な挫折をしていたり、別の道で成功したりしていたりするのを見るのがなんとも楽しい。

2019年4月7日の放送では新大関貴景勝が少年時代に勝てなかった天才空手少年や、平昌五輪金メダリストの小平奈緒が憧れた天才スケーター、リオ五輪金メダリストの登坂絵莉が勝てなかった天才レスリング少女などが取り上げられた。

ただ僕が強烈に印象に残ったのは同じ日に放送された「甲子園史上No.1と呼ばれる名勝負!松坂大輔率いる横浜高校と延長17回の死闘を繰り広げたPL学園のメンバーたち」という企画だ。

あの甲子園を沸かせたレギュラー陣はプロ野球選手になったり、大学野球部や社会人野球の監督やコーチになったり、起業したりと、みな頑張っていた。

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が、特にすごかったのが、当時PL学園のキャプテンを務めていた平石洋介氏だ。
実はこの平石さん、来年から東北楽天ゴールデンイーグルスの一軍監督になる人なのだ。
松坂世代で一番の出世!
その経歴がスゴイ

PL時代はケガで満足に試合が出られず、チームは甲子園に2回出場するも平石さんは補欠だった。
しかし、全国から野球エリートが集まるクセ者揃いのPL学園にあって、「キャプテンは平石。平石の言うことなら全員従う」とチームメイトに言われるほど、ずばぬけた”人間力”を持っていたという。

おそらく人並外れた努力と、チームを気遣う思いやりがあったのだと思う。
しかも三塁コーチャーボックスから相手バッテリーの癖を見つけ、チームメイトに伝えていたというのだから、観察眼・分析力があり、研究熱心であったのかもしれない。

その後、大学や社会人チームでも日本代表チームのメンバーになったり、ベストナインに選ばれたりしたのだから、野球のセンスも間違いなくあったはずだが、それだけではなかったんだろうと僕は思っている。

2004年のドラフト会議で東北楽天イーグルスに7巡目に指名され、翌年開幕一軍でスタートするが、その後は一軍と二軍を行ったり来たり・・・。
一軍での成績は6年間で37安打だから、松坂世代の他の選手に比べれば華々しい成績とは言えまい。
最後は戦力外通告をされ、転職を余儀なくされる・・・はずだった。

しかし平石は球団からコーチとして残るように打診されるのである。
2011年に育成のコーチ
2012年、2軍外野守備走塁コーチ
2014年、一軍打撃兼走塁コーチ
2015年、二軍監督
2018年、一軍ヘッドコーチ兼打撃コーチ → シーズン途中からは監督代行
そして今年、ついに一軍の監督に就任した。

楽天ゴールデンイーグルスの生え抜きとしては監督第一号
38歳というのも球団史上もっとも若い監督だ

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しかし、なぜ平石洋介氏だったのか、だ。
そもそも楽天の監督と言えば、野村監督、星野監督、梨田監督と名将揃い

2019年の他の球団を見渡しても
巨人は原監督、広島は緒方監督、DeNAはラミレス監督、中日は与田監督、阪神は矢野監督
西武は辻監督、ソフトバンクは工藤監督、日本ハムは栗山監督、ロッテは井口監督

みんな選手として華々しい成績を残してきたスターばっかり。
特にプロ野球ファンじゃない僕でも名前くらいは聞いたことがある人たちばかりだ。

その中で平石監督は楽天ファン以外は誰も知らない(と思う)
もしかしたら原監督あたりも「平石?えっと・・・だれだ?知らないな~」と思っているかもしれない。

だって平石監督は現役時代6年で37安打。
一軍に定着すらしていない人だったのだから、当然だ。

しかし引退後すぐに球団から声がかかるということは、相当な”人間力”を持っていたからに違いない。

周りの選手からの信頼
ひたすら練習に打ち込む姿が周りに与える好影響
後輩やチームメイトへの気遣い
生活態度
謙虚な姿勢
ファンへの対応、マスコミへの対応
言動、行動力・・・

さらには高校時代からあった相手チームの選手を研究する観察眼、分析力
コミュニケーション能力、コーチングスキル

平石監督は名選手ではなかったかもしれないが、コーチ・監督としてものすごい素質を持っているのかもしれない。

これまでも一軍で選手としての実績を積んでいない平石コーチの言うことを、野球のエリートコースを歩んできた選手たちや、年上のベテラン選手たちが素直に聞いていたのだから、その人望は相当なものなのだろう。

それにしても・・・コーチ時代の実績もあるのだろうが、”監督”となるとチームの顔なのだから、スター選手やスター監督を置きたくなるのが経営者の本音だ。

だが楽天の選手・コーチ・運営スタッフの中では「平石ならみんな納得するだろう、みんなついてくるだろう」という認識があったにちがいない。

これって、本当にすごいことだと思う。

と、同時に、これだけの信頼を集める平石監督の人間力って、どんなもんなんだろうと俄然興味が湧いてきた。

僕は楽天ファンどころか、野球ファンでもないのである。

でも平石監督に、今興味津々。

テレビで密着取材をするか、有名なインタビュアーに根掘り葉掘り聞いてもらうのでもいいが、
できれば昔から平石監督を知っている友人、チームメイト、コーチらに「平石洋介の人間力」を聞き出してもらいたいな。

んで楽天の選手が平石監督を信頼して優勝でもしたら、すごいことになるな。
”平石監督本”の出版が相次ぐな。

平石監督が天下を取れた要因とは何か。

ああ・・・知りたい!

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グッとくる上京ソング

テレビ朝日系「関ジャム完全燃SHOW」という番組だが大好きで、毎週欠かさず見ている。

関東では毎週日曜日の夜11時から放送なので、視聴率的にはそれほど振るわない番組だろう。

僕はもともとジャニーズも関ジャニ∞も興味がないどころか、むしろ嫌いな部類だったかもしれない。
だが、今ではこの番組の虜なのである。

この番組は音楽教養番組だ。

音楽について楽しく学ぶことができる。

扱うジャンルは本当に様々

ある日アニソンを扱ったかと思えば、次の週はクラシックの特集だったり

サザンやユーミンなど、特定のアーティストの特集もあれば

「卒業ソング」「夏の終わりソング」といったテーマ別の特集もある。

ピアノやギターといったメジャーな楽器の特集ならまだしも、雅楽の笙やクラリネットらマイナー楽器特集もある

さらには「アドリブ特集」、「共感特集」など、ちょっと聞いただけでは予想もつかないようなものまで。

とにかく音楽についての様々な知識をわかりやすく伝えてくれるのが楽しい。

僕が見始めたのはこの2年くらいだが、どうも番組が始まった当初(2015年~)は話題のアーティストを呼んでトークをしたり、「人気の謎に迫る」みたいなコーナーをしたりするありきたりの音楽番組だったようだ。

だが、いい意味で「ネタ切れ」もしくは「迷走」してきたのか、ここ1~2年の統一性のないめちゃくちゃなテーマ設定が実におもしろい。

音楽を広く、浅く、そして楽しく学べるので、リラックスして見られるし

それまで興味のなかった分野でも感心して見ることができる。

メインパーソナリティーであるはずの関ジャニ∞はひな壇におとなしく座り、毎回ゲストで呼ばれる音楽の”変態”たちがマニアックに、熱く得意分野を解説してくれるのがよい。

たとえば「プロから見た(カラオケで歌うのが)難しい歌」という特集では、秦基博さんの「鱗」という曲が取り上げられた。

そして”サビの「Oh~今君に、会いたいんだ、会いに行くよ」までの10秒間を息継ぎなしで歌う”ということが紹介された。

これがマネしてみるとまあ、難しい。

あれだけの声量で、高音で、歌い続けるのも難しいのにノーブレス

しかも一瞬で息を吸ってすぐに次のフレーズを歌い始める。

僕は特に秦さんのファンというわけではなかったし、どうしてそこまで評価が高いのかわからなかった。

しかしこの日から秦さんを観る目はすっかり変わった。ただの小太りの親戚の兄ちゃんじゃなかったのだ。

お化けノド・・・恐るべし秦基博


で、今週(3月24日)の特集が「グッとくる上京ソング」が特集だったのだが、僕も番組を見る前に僕なりの「グッとくる上京ソングを上げてみた」

順位はともかく、思い出せるものを上げてみると

・『なごり雪』 イルカ
・『案山子』 さだまさし
・『帰ろうかな』 The Boom

・『遠く遠く』 槇原敬之
・『3人』 槇原敬之
・『I love you』 尾崎豊

・『とんぼ』 長渕剛
・『思えば遠くへ来たもんだ』海援隊

こんな感じかな。

んで、番組を見てびっくり。TOP10形式で発表されたのであるが「木綿のハンカチーフ」と「なごり雪」は1位と2位を獲得。「案山子」「遠く遠く」もTOP10に入っていた。

だよな。1位と2位は秒で浮かんだもんな。

あと槇原敬之ソングでは「どんなときも」がTOP10に入っていた。
でも、僕的には「3人」のほうが、ドラマティックで好きなんですよ。
ぜひ聞いてほしい。


あと、超個人的に思い入れがあるのが尾崎豊の「I love you」

これはJR東海のコマーシャルで使われていたものだ。

番組でもミスチル(Mr.Children)の桜井さんとジュンスカ(Jun Sky Walkers)の寺岡さんが「星になれたら」という曲を作った時に「JRのCMをイメージして作った」というような話をしていたが、JRのCMって確かに強烈に「上京」のイメージを植え付ける。

特に1991年のJR東海”ファイトエクスプレス”のCM

3人の若者が故郷を離れ、新幹線で上京してくる。
最初はハシャいでいた3人だが、両親からの手紙を見るうちに遊び半分じゃいけないと思い始める。
そして新幹線が東京に近付くと、ホームにあふれる人の群れや、窓から見える高層ビルに圧倒される。

その電車の窓から高層ビルを見上げる映像が今でも僕の脳裏に焼き付いていて、今でも僕は電車に乗って高層ビルが目に入ると自然に「I love you」が頭に流れてくるようになっている。

調べてみたら僕も高校を卒業して一人暮らしを始める年だった。
だからこそ共感するものがあったんだろう。


都会がそんな夢みたいなところじゃないこともわかってきたけど

でも都会暮らしになれると田舎には戻れない。

大人になると、いろいろな汚いところも知ってしまうけど

でも上京したいという若い人の気持ちは痛いほどわかるから止めることはできない。

年を取ったら田舎に戻りたいなんて、自分は絶対に思わないと思っていたけど

都会で死ぬのは結構辛い

でも、あと少し、僕は都会でがんばってみます。


・・・なんてな。

ちわきなおみ の 『喝采』

週末の夜中、なんとなく「昭和の歌謡曲が聴きたい」という衝動にかられ、Youtubeをいろいろ見ていると

ちあきなおみ 喝采 数多い中でも保存版 Wide画面でNew」なる動画を見つけた。

ちあきなおみって・・・

あのコロッケが物まねする人だよね?

鼻の横に大きなほくろ付けて、お辞儀の状態から頭を上げながら「いつものよお~に まくぅが あ~き~」と下顎を突き出して歌う・・・

本人は見たことがないけど、コロッケの物まねで知っている人は多いと思う。
というか、僕より下の世代はほとんどがそんな感じじゃないかと思う。

ものまねされる人。

それが ちあきなおみ

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でも”保存版”ってタイトルに書かれると惹かれるよね。

それで何となくその動画を見てみたんだけど・・・まあ、たまげた。

とんでもなく・・・すごい人だったのだ。

コロッケのものまねしか知らない世代にとっては、ただの「ものまねされる人」「変な顔のおばさん」くらいの認識しかなかったのに、実際に歌っている姿を見ると・・・

コロッケ!あんたなんちゅーことしてくれてんだ!

と思わず叫びたくなるほど、本物のパフォーマンスは崇高で美しいものだったのだ。

ちなみに、この「喝采」をカバーしているアーティストは多く、メジャーな人だけでも


とまあ、ものすごい顔ぶれ

Youtubeにアップされたものはなんとなく全部見てみたのだが

やはり本家ちあきなおみの「喝采」は、とんでもないパフォーマンスなのだ。

まずは見ていただこう。


コメント欄にある「映画を一本見たような気持になる」「美空ひばりが”押し”の歌い方なら、ちあきなおみは”引き”の歌」というコメントは秀逸

確かにこの曲をカバーする人のほとんどが声を張り、声量を発揮するのだが

ちあきなおみはあくまで「引く」のである。

サビの部分の「動き始めた汽車に 一人飛び乗った」の最後の”た”で一気に引くところなんて、ものすごい表現力だと思う。

歌手にとって、最後の「た」が腕の見せ所

声を張り、のびやかに、ビブラートを効かせながら、最大の声量で「どうだ!」とばかりにキメたいところなのに

ちあきなおみは最後の最後で、すっと落とすのである。

またメロディーに合わせて歌うというより、終始タメにタメて、「かろうじてついていっている」というように弱弱しく唄いあげるところなんて・・・まあ、すごい。

これが歌の世界観とぴったり合っているのである。


さらに、極力振り付けをなくし、力なく立っている様子

故郷や昔の記憶、在りし日の恋人を思い出そうとしているような遠い視線

間奏ではしんみりと目を伏せておきながら、最後の最後で眉間にしわを寄せながら合掌をするようなマイクの持ち方・・・


愛する人をなくし、心の中に穴がぽっかり空いたような喪失感

それでも故郷も捨て、自分の夢である歌手の道を歩んだ女性は今日も恋の歌を歌う

その”もの悲しさ”が実によく表れている。

歌う時の茫然自失とした表情、声を張りたくても力が入らない無力感

唄が進むたびに力が抜けていくような虚無感

ちあきなおみは本当に愛する人をなくしてこの歌を唄っているのではないかと錯覚するほどの演技力、表現力だ。

この曲をカバーする超一流のアーティストは、もちろん歌は抜群に上手いのだが

ちあきなおみの世界観を見てしまうと・・・・どうしても見劣りしてしまう。

すごすぎる!

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ちなみにこの曲が発表されたのは1972年
僕が生まれる前年だ。

その後、ちあきなおみさんは歌のうまさでは美空ひばりさんと比べられるくらい高い評価を得ていたそうだが、1992年にご主人と死別されたのをきっかけに全ての芸能活動を中止したそうである。

郷が荼毘に付される時、ちあきは柩にしがみつきながら「私も一緒に焼いて」と号泣したという。(wikipediaより)

これは考えてはいけないことかもしれないが

もし、仮にご主人が亡くなった後に、ちあきなおみさんが「喝采」を歌っていたら、どうなっていたんだろう。

かつて美空ひばりさんは「悲しい酒」という曲を歌うたびに涙していたが音程は絶対に崩さなかったという

ちあきなおみさんもそんなパフォーマンスができるだろうか。

見たいような見たくないような・・・

見たら絶対に号泣するな

ま、本人は芸能界復帰を完全拒否しているので・・・”絶対に歌いたくない”ということだろう

ご主人を思い出すのが辛いのか、歌いきれるはずがないとないと判断したか、プロとしてのパフォーマンスができない自分が許せないか

理由はわからない。

ただ、もう周りは決して干渉すべきではないし、復帰を誘うべきではない。

僕らはYoutubeを見ながらその情景を浮かべて楽しむしかない。

にしても・・・・ほんとうにすごい人がいたもんだ。

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マシュマロはまだ食べちゃダメ!

先日、プレゼンテーション動画のTEDを見ていたら、おもしろい実験結果を紹介していた。

まずはその動画を見ていただきたい。



動画を見るのが面倒だという人のために、要約を書くと

・4歳の子供に対し「ここにある1つのマシュマロを15分食べずに我慢出来たら、あとでマシュマロをもう1つあげる」と言って、大人は部屋を出ていく。(子供を一人にする)

・すると3人のうち、2人はがまんできずにマシュマロを食べてしまう。
・また3人のうち1人は手で顔を覆ったり、マシュマロを手でいじったり、服を触ったりしながらマシュマロを我慢している様子を見せる。
・その子たちは「楽しみを後にとっておく」という成功のために最も重要なことを知っている。

・この実験に参加した子供たちの14~15年後を追跡調査した結果、マシュマロを食べなかった子供たちはみんな「学校の成績が良い」「幸せだと感じている」「将来の見通しがある」「周りの人とよい人間関係を築いている」など人生がうまくいっていることがわかった。

・反対に、マシュマロを食べてしまった子供たちは「大学に行けなかった」「成績が悪い」「中退してしまった」など、何かしらの問題を抱えていたことがわかった。


ふ~ん、そんなもんかな、と思いつつ、親というのは「うちの子はどうするんだろう?」と思わずにはいられない生き物である。

しかも幸か不幸か、うちの息子も4歳なのである。

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僕はある日、息子の大好物、不二家のミルキーを見せながら

「ここにミルキーをおいておくから、ちょっと待っててね。食べちゃダメだよ。パパとママが来るまで待ってたら、ミルキー2つあげるからね」

と息子に告げ、書斎に籠った。

妻には事情を説明し、キッチンで洗い物をしてもらった。

その結果、どうなったかというと・・・

息子は食べなかったのである。

んで、15分の間、何をしていたかと言うと

ミルキーには目もくれず、おもちゃで遊んですごしていたらしい(妻談)。


僕の実験は、動画の実験と正確には同じではない。

なぜなら僕と妻は同じ家の中にいたので、息子はそれなりに親の存在を意識していただろうし、

「食べたら怒られるかもしれない」「ママはすぐそこにいるんだから」と思ったかもしれない。

また、ミルキーは息子の大好物だが、その時はそれほど食べたいタイミングではなかったかもしれない。

また、親が指示を出すのと、知らないおじさんが指示を出すのでも結果は変わるかもしれない。


それでも親は信じたい。

「息子はおもちゃで遊ぶことで、ミルキーを食べたい衝動をごまかしていたのだ」と。

いつもならミルキーを渡されたら喜んで袋を開け、口に放り込む息子がそうしなかったのだ。

息子なりに自分の欲求をがまんしたはずである(と信じたい)

先の動画でも、子供は遊具のようなものがある部屋で実験を行っていたので、そういうもので気を紛らわすこともできたはずだ。

ちなみにアメリカとコロンビアでは3人に2人がマシュマロを食べ、

韓国では(アメリカ人が見習わなければならないほど)素晴らしい結果が出たそうである。

地域によっても、子供の性格によっても、親の躾によっても差は出るだろうし

「がまんすれば2つ食べられる」と思って我慢した子もいれば

「言うことを聞かないと怒られるから」と思って食べなかった子もいるだろう。


でも親は信じたいのである

うちの子も人生がうまくいくはずである。

この実験で素晴らしい結果を残した韓国人がみな人生うまくいっているかどうかはさておき、

我が息子は人生で成功して、お金持ちになって親に家と車を買ってくれるはずである。


ちなみに親である僕も子供のころから「楽しみを後に取っておく」性分で

ショートケーキのイチゴもいつも最後に食べていたな。

でも人生がうまくいっていたか、人間関係を築くのが上手だったか、将来の明るい見通しが立っていたかは非常にビミョーなところだった・・・


そういえば、子供の頃に最後に食べようとしたショートケーキのイチゴは時々兄貴に食われたりしたしな。

「今を楽しむ」って考えのほうが21世紀を楽しむうえでは大切かもしれないな。

ま、あんたの人生。好きに生きろや、息子よ。

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ライバルはイチロー


イチローが引退してしまった。

イチローというのは、弓子の旦那の、一弓の飼い主の、あのイチローだ。

”最低50歳まで現役でプレーをしたい”と言っていたイチローだったが、有言実行とはならなかった。

”最低50歳まで”とイチローが言ったとき、

「いや~無理だろう」という気持ちより、「イチローならもしや」という気持ちのほうが大きかったな

でもさすがのイチローでも、それは無理だった。

ここ数年の起用のされ方を見ていて、終わりを覚悟している自分もいたし、それでも「レギュラー陣がけがをして、イチローのチャンスが増えれば勘も戻って、それなりに数字を残すんじゃないか」なんて信じている自分もいた。

でも、現役選手としては本当にこれで終わり。

寂しいけれど、今は「お疲れ様」と言いたい。

本当にお疲れ様。

たくさんの素晴らしいプレーをありがとう!

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僕は、イチローと同じ1973年生まれ

同学年だ。

んで、僕はイチローのライバルではないけれど

イチローは僕のライバルなのだ。

20代の時からずっと。

1994年に年間210安打を記録し、僕が”イチロー”の名を認識した時から今までずっと

イチローは僕のライバルなのだ。


ちなみに、僕と同じようにイチローをライバル視している芸人がいた。


ブラマヨの二人もまた73年生まれで、特に吉田はあらゆる面でイチローをライバル視していた。

テレビではそのことをみんな笑っていたが、僕だけは笑えなかったのを覚えている。

だって、まったく同じように考えていたのだから。


僕はこのことを誰にも言っていない。

友達にも、職場の同僚にも、嫁にも子供にも

言えば当然笑われるだろうからね。

でも本気なのだ。

本気で「いつか勝ちたい」と思っている。


僕も高校時代は野球部だった。
でも軟式野球部で、県大会止まりで、しかもレギュラーでさえなかった。
悔しくて途中で部活を辞めてしまったので、卒業時は帰宅部
誰にも見送られることもなく、高校生活を終えた。

それは少なからずコンプレックスになったが、大学では別のスポーツをはじめ
ちゃんと4年続けたことで自分にケリをつけた。

そんな僕にとってプロ野球の世界で次々と記録を打ち立てるイチローはまぶしすぎる存在だった。

イチローが年間210安打のプロ野球記録(当時)を打ち立てた1994年、僕は居酒屋でバイトをしながら大学に通う童貞君だった。

イチローがメジャー1年目で新人王、MVP、首位打者盗塁王ゴールドグラブ賞を獲得した2001年、僕はバイトもせず、アルバイトもしていないニートだった。

イチロージョージ・シスラーの持つメジャー年間最多安打記録を破る262安打を放った2004年、僕は仕事はしていたが年収はボーナスなしの240万円だった。

イチローオールスターゲームでランニングホームランを放ち、MVPを獲得した2007年、僕はアルバイトをかけもちするフリーターだったし

イチローが名門ヤンキースに移籍した2012年、僕の貯金はゼロに近かった。

それでもイチローは僕のライバルだった。

イチローの存在はいつも僕を奮い起こし、エネルギーを注入してくれた。

年収、知名度、ルックス、何をとっても現時点では勝てるものは一つもない

それでも、いつか追いついてやる

いつか追い抜いてやると思ってがんばっている。

何かで一発当てて、大金持ちになってやろうか

歴史に名を残すような偉業を成し遂げてやろうか

政治家になってイチロー国民栄誉賞をあげる立場になってやろうか

最悪、どれもかなわなかったら

せめてイチローより長生きして長寿対決を制してやろうか。

そんで奥さんと幸せに老後を暮らして、人生の総幸福度でも勝ってやろうか。

何で競うかは俺次第。

勝ったか負けたかの判断も俺次第。

俺は、「イチローに勝った」といつか言えるまで頑張る。

それだけ。

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僕のライバル・イチローは現役生活を終えた。

これからが勝負だ。

これからどんどん差を縮めて・・・・何かで勝ちたい。

イチローマリナーズで役職が用意されているらしいが、現役の時に比べれば収入も認知度も、影響力も、少しは弱まるはず。

でも、ま、ライバルにはがんばってもらわねば、こっちも張り合いがない。

勝負はこれから

がんばろう、イチロー

じゃない方・関取花

関取花さんというシンガーソングライターがいる。

僕が彼女を知ったのは2016年

行列のできる法律相談所』にゲスト出演し、”ひがみソングの女王”として紹介された時だ。

その代表曲『べつに』は、結婚前のモテない30代の僕だったら共感できたかもしれなかったが、当時すでに妻子のいた僕は「ああ、コミックソング歌うブスね」くらいの認識しか持たず、”べつに”たいして印象は残らなかった。

その後ひがみソングの女王はそれなりにおもしろがられ、バラエティ番組などにちょいちょい呼ばれ、ひがみエピソードを披露するようになった。

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その後何日かして、何気なくYoutubeを見ていると、「あなたにおすすめ」として関取花さんの「もしも僕に」がリストアップされているのに気付いた。

しかもその時ですでに250万回以上は再生されていたで、「おかしいな。この人のひがみソングで一番話題になったのって『べつに』じゃなかったの?」と思い、聴いてみたところ、この曲はとんでもなく素晴らしい曲だったのである。


しかも僕には一人息子がいるもんで、この「もしも僕に」の歌詞がドンピシャ!

息子を持つ父親の心を鷲掴みにされてしまったのである。


僕が息子に対して思うことは

「自分のやりたいことは自分で決めて、あとは自分で責任を取ってやれ」

これだけ。

勉強はやりたきゃやればいいし、やりたくなければやらなくてもいい。

人に迷惑をかけないようには注意するけど

それ以上の躾はあんまりしたくない。

お行儀よくなくてもいいし、頭が悪くてもいい。

そこらへんで寝転がろうが、親の言うことに反抗しようが構わない。

俺だってそんな上等な人生を歩んできたわけでもないし

あまのじゃくな性格で学校の先生や親を困らせてきたしね。

自分では「がんばって」「まじめに」「努力して」生きてきたつもりだけど・・・それが収入に直結するわけでもなかったし・・・。

関取花さんの「もしも僕に」は、そんな僕がまさに息子に伝えたいメッセージが満載

しかも・・・歌がすこぶるうまい!

声がきれいだね。ファルセットっていうの?裏声?まあ、とんでもなくきれい。

僕の中で奥田民生さんの「息子」と並ぶ、息子ソングの永久保存版

もしかしたら関取花さんは将来の自分の子供に対してだけでなく

今を生きる若者

中学生や高校生に向けてのメッセージとして書いた曲なのかもしれないので、ぜひとも聞いてほしいね。

ま、普通の親や学校の先生はきっとこの曲を聴くことは勧めてはくれないだろうけど

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それからいくつか関取花さんの曲のPVを見て回ったんだけど

もう一曲心に響いたのが「むすめ」という曲

僕も今年46になるもんで、こういった曲にめっぽう弱い

関取花さんはちょっとずるい。

親父の弱点を見事についてくる。

僕の同僚に娘を二人持つ人がいて、上の娘さんが来年高校に入る年なのだが、「音楽を勉強しに留学したい」と言ってきたそうで同僚を悩ませているのである。

もちろん、同僚は大反対。
大切な娘を、まだ幼さの残る娘を外国になんてやれないし、
その娘さんも小さいころからバイオリンを習っていたとか、ピアノの練習に明け暮れていたとかいうわけでもなく、ボカロに曲を作るのが趣味、といった程度なのだそうだ。
昭和の親なら、まず反対するだろう。

でも・・・関取花さんの「むすめ」
一度聴いてほしいな。

前半だけでもいいから
*もっともPVの後半はエンドロールでリピートしているだけなんだけど。


これ、PVとしてもよくできてるんだよね。

主演の女の子のなんとも言えない表情

思春期特有の感情の揺れを見事に表現したあの顔

それからバレエの踊りを取り入れたしなやかさとちょっとコミカルな動き

一人の教室、夕方の港、風の吹く草原、日が落ちかけた学校の屋上

ソロのダンスもいいが、友だちとのダンスもいい
無理にシンクロさせるのではなく、少しバラバラなところが”それぞれの進路の悩み”を表しているようでなんともいい。

関取花さんの歌い方は「もしも僕に」とはちょっと違う、少し籠ったような声ではじまり、張りのある高音のサビにつながるのだが、シンプルなアコースティックギターがまたその歌声を生かしている。

歌詞はよく聴くとAメロが「むすめ側からの声」でサビが「親側からの声」となっている。
だから娘からの気持ちも、親の気持ちも両方混じっている。

親や教師は「自分のやりたいことを早く見つけて、進路を決めろ」「大学で何を勉強したいんだ!」なんてことを問い詰めちゃいがちだけど、大学入る前から将来やりたいことが決まっている高校生なんてそういない。
そんなことを言っている親だって、絶対に将来の職業を決めたのは就活するようになってからのはずだ。

だからこそ、関取花さんが描く親は「(大学に入って)広い世界に触れてみなされ」「(大学で)夢を見つけなされ」と歌っているのだと思う。やさしい。

この曲は神戸女子大学のTVCMのタイアップに使われたそうだが、この曲を見つけた神戸女子大学はファインプレーである。

もし神戸女子大学が「うちの大学でいろいろ学んで夢を見つけてください」と迎えてくれるなら、僕も子供を神戸女子大学に入れたいな。

ま、うちは息子しかいないんだけど。

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で、つくづく残念なのは

関取花さんがテレビでは「ひがみソングの女王」としてしか紹介されず、ひがみエピソードを話す毒舌アーティストとしての役割しか期待されていないところである。

テレビの世界はあるタレントに一つのレッテルを貼りたがる。

そしてその一つだけを脚色して、おもしろおかしくいじろうとする。

でも関取花に一つレッテルを貼るならば

天才シンガーソングライター

これで十分だと思う。

しかし世の中は不条理だ。

天才が必ずしも評価されるとは限らない。

売れるほうの天才があいみょんだとするならば、

”じゃないほう”が関取花

でも、売れてほしいな。

今年の春からメジャーデビューが決定したということは、評価している人はいるはずである。

テレビに出なくても”曲はタイアップされる”とか”コンサートはいつもソールドアウト”とか

そんなんでいいから・・・評価されてほしいな・・・


人にやさしく

ザ・ブルーハーツの「人にやさしく」という曲が大好きだ
 
2018年にカロリーメイトのCMで使われたので、思い出してしまった。
それ以来、また「人にやさしく」を口ずさむようになった。

 
僕は今年46歳
ザ・ブルーハーツが活躍していたのが1985年から95年だから、ちょうど世代だな。
TV CMやドラマのタイアップ曲も多かったし、テレビやラジオでもガンガン流れ、高校の軽音楽部の友だちがコピーバンドをやっていたりと、ブルーハーツの楽曲は実に身近だった。
ただ、当時のブルーハーツは「ちょっと怖い人たち」という感じだった。
ライブのパフォーマンスもそうだし、街で女性ファンが急に「顔にサイン書いてください!」と近づいたところ、ボーカルの甲本ヒロトは平然と女性器のマークを書いて追い返した(女性は気づかずに喜んで去っていった)とかいう伝説も聞いた。
 
ちょっと気難しい、扱いづらい、近づきがたい人
 
そんな印象を持っていた。
 
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僕のイメージが一変したのが1991年に放送された「島原救済緊急特別番組・夜のヒットスタジオスペシャル」を見てからだ。
 
これは同年起こった島原の雲仙普賢岳の噴火による被害者を救済するためのチャリティー番組として放送されたのだが、当時は単に「チャゲアスが出るなら見てみようかな」くらいの気持ちでチャンネルを合わせていた。
 
この番組に出演していたのはHOUND DOG中森明菜TM NetworkにB'zといった当時(も)大人気のスターたち。正直、THE BLUE HEARTSは認知度では一番下だったと思う。
 
で、出演者は被災者への応援メッセージを交えつつ、歌を歌っていたのだが、このチャリティ番組でCHAGE & ASKAは新曲「SAY YES」を披露。

僕は「ん?新曲を披露?」と違和感を覚えたものだった。
 
一方、THE BLUE HEARTSが選んだのは4年前に作った「人にやさしく」。
ヒロトは特にしんみりとするでもなく、いつもどおり狂ったように舌を出し、体をくねらせ、足を上げ、焦点の合わない目で歌い続けた。
 
当時のパフォーマンスを僕の隣で見ていた父は怪訝な顔で見つめ、向かいに座っていた母は「いやね~、なにこれ?」と眉をひそめた。
 
ただ僕はその歌の歌詞を見ながら「・・・この人たちは・・・なんて、やさしい人たちなんだ・・・」と打ち震えていた。
 
新曲をプロモーションする気もなければ、格好をつける気もない。

ただ「がんばれ」というメッセージを届けるという使命だけで出演していた。

僕は被害者ではなかったけど、ブルーハーツのメッセージはちゃんと”聞こえていた”
 
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あれから27年
僕もすっかりおじさんになった。

仕事は楽しいが、はっきりいって生活は厳しい。
とてもじゃないが家族3人が暮らすのに精いっぱい。
家も買えなきゃ車も買えない。
子どもが「私立の学校に行きたい」なんて言おうものなら「うちにそんな金はない。行きたきゃ自分で稼いで行け」と突き放さなきゃいけない状態だ。
今の仕事はやりがいだけで続けている。
家族には申し訳ないが。
 
そんな僕に人生相談をしてくる20代の若者がいた。
「この仕事を続けていって大丈夫でしょうか」
 
こういう相談を受けると、僕は決まってこういう。

「他の仕事ができるなら、他の仕事を選んだ方がいい」
「この仕事では家族は養えないよ。家も車も買えないよ」
「同年代のサラリーマンとどんどん差がついていくよ」
「転職するなら今のうちだよ。俺みたいになったらおしまい。気づいたときにはどこにもいけなくなるよ」
 
おそらくその若者は背中を押してほしかったのかもしれない。
「大丈夫だよ」と言ってほしかったのかもしれない。
でも僕は無責任にそんなことは言えない。
彼の人生がかかっているのだ。
 
結局、彼はこの仕事を続ける決意をした。

「厳しいよ。大変だよ。」
 
~期待外れの 言葉を言う時に
 心の中では がんばれって言っている
 聞こえてほしい あなたにも
 
 がんばれ!