俺よ、男前たれ

おもしろきこともなき世をおもしろく

「いま宇宙にいるよ」ーはあ、そうですか。

子「パパ、僕、将来はYoutuberになって宇宙に行きたい」

父「・・・。Youtuberはわかったけど、なんで宇宙なの?」

子「なんか今、ちょび髭のYoutuberが宇宙に行ってるんだって」

父「あの人、Youtuberじゃないよ」

母「あ、でもWikipediaには”実業家、起業家、ミュージシャン、Youtuberって書いてあるわ…」

父「ミュージシャンって・・・」

子「ね、だから僕もYoutuberになってお金持ちになって宇宙に行くよ」

父「うん・・・でも宇宙に行くならその~・・・宇宙飛行士になって行ったらどう?」

子「宇宙飛行士ってどうやってなるの?」

父「そりぁあ・・・まあ大学行って勉強して、何か専門性を手に入れて、そんで宇宙センターみたいなところに務めてっていうのが王道だろうな・・・」

子「う~ん・・・ちょっと遠回りじゃない?」

父「遠回り?だって、それが一番ストレートな道じゃない?」

子「ネットで一発当ててお金持ちになれれば宇宙に行けそうじゃない?」

母「あ~・・・イマドキねぇ~」

父「いや、ネットで一発当てるのって近道か?」

子「HIKAKINとかヒカルみたいになれれば簡単じゃない?」

父「いや、それが難しいんだって。別にYoutuberになってもいいんだけど、それで生計を立てられるようになるにはだね、いろいろと・・・」

子「なんか宇宙から友だちに電話したり、Twitterに投稿してるんだって。”宇宙なう”って」

父「なんか、宇宙も安っぽくなったな・・・」

母「他のYoutuberはまだできてないからね。生配信とか動画投稿をしまくってるみたいよ」

父「ああ~・・・それで再生数も上がって旅費回収できたりして。でも本当に宇宙が安っぽく感じるな・・・」

母「ま、あくまで宇宙”旅行”だからね。今後他のYoutuberも宇宙に行っていろいろやるんじゃない?”〇〇やってみた”動画なんてぴったりだし。」

子「僕もやってみたい。”宇宙でメントスコーラやってみた”」

父「いや、宇宙って、もっとこう人類の進歩のために研究をしたり・・・」

母「でも若田さんも”一人野球”やったり、山崎直子さんも赤いシャボン玉作ったり、結構おもしろ実験やってたよ」

子「僕もやってみたい。”Uber Eatsで注文したら何分で届くのか?”とか”シャトルの空気、全部抜いてみた”とか」

父「・・・きっと壮絶な失敗に終わるからやめときなさい。」

子「え~・・・僕も宇宙から友だちに電話したり、TikTok動画投稿したりしたいなぁ。あ、撮影する人も必要だからな。あと50億稼いで友だちのアキラくんも連れて行こう」

父「・・・」

母「がんばってね」

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(その夜)

妻「なんで子供の夢を応援してあげられないのよ」

夫「いや、だって・・・宇宙へ行くならもっとまっとうな道があるだろう?」

妻「いいじゃない。子供の夢なんだから。夢は叶うって前澤さんも言ってたし」

夫「いや、全く共感できないよ!俺が今から何億って稼いで宇宙に行きたいって思ってもその夢は叶わないだろ?」

妻「あんたには言ってないわよ。もっと子供たちとか、若い人に言ったのよ」

夫「・・・」

妻「あんたもネットで前澤さんを批判している人たちと一緒ね。がんばって夢を叶えた人を賞賛できないなんてね」

夫「いや、批判はしてないよ。応援もしてないけど。別に自分で稼いだお金なんだから自分の好きなことを使えばいいよ」

妻「じゃあなんでそんな否定的なのよ」

夫「だから、否定はしてないって。でも賞賛もしない。」

妻「なんでよ」

夫「・・・・ひがみだよ!わかるだろうよ!俺なんてどうやってもあんな金持ちになれっこないんだから。」

妻「だからって、いちいち非難しなくても・・・黙ってたらいいじゃない」

夫「非難なんかしてないよ。っていうか、向こうが勝手に自慢してきてるんだから、こっちだってひがみぐらい言ってもいいだろうよ。貧乏人が金持ちをひがむのは世の常だろうが!人の性だろうが!」

妻「・・・まあね」

夫「なんか、学生時代にバックパック背負って貧乏旅行してた友だちが自慢げに『インドで世界観が変わってね・・・ガンジス川で見た夕陽が・・・』なんて居酒屋で話してたのをみんなシラケた気持ちで聞いてたみたいな感じ?」

妻「わからん」

夫「セレブが夜の東京上空をヘリで遊覧したって自慢してるのをテレビで訊いても『ふ~ん、落ちれば良かったのに』って思うことあるじゃない?」

妻「ないけど」

夫「ニヤけた金持ちのちょび髭が若い女優とサッカーW杯を見にプライベートジェットで日帰りで行ったとか聞いたら、嫌にならない?」

妻「だれのことよ」

超貴重映像】エルメスコラボの新プライベートジェットを大公開! - YouTube

夫「それって別に憧れもないし、『俺もがんばっていつか・・・』みたいにも思わないし、『努力が実ったんですね。感動しました!勇気をもらいました!』って展開にもならないじゃない。」

妻「まあね。なんでだろ?」

夫「レベルが違いすぎるんだよ。俺が武井壮とか孫正義だったら、宇宙にいる前澤さんから電話が来ても『良かったね。楽しんでね。気を付けて帰ってきなよ』って言えるよ?精神的余裕があるからね!でも今の俺には無理!」

妻「ま、そもそも前澤さんから電話は来ないけどね」

夫「あと、前澤さんが苦労してがんばって財を築いた過程を俺は知らないからね。共感できんのよ。実は苦労人だったとか、実はチャリティーな人とか、情熱大陸に出てたとか、そういうの知ってたら見方は変わったかもしれんけど。」

妻「確かに、いつもにやけて幸せそうだしね。きれいな女優さんをとっかえひっかえしたり、普通の日本人にお金配ったり」

夫「だから興味ないの!所詮金持ちの道楽だと思ってるの!俺はやつが金を配っても受け取らないぞ!Twitterもフォローしない!チャンネル登録もしない!」

妻「ひがみもそこまで行くと潔いね。」

夫「たぶん世の中の大半は俺と同じなんだよ!貧乏人なんだよ(根拠はないけど)!だからみんなでひがんでんだよ!」

妻「でも応援の声もあるじゃない」

夫「そりゃあ俺だって10代、20代ならこんなにひねくれてなかった!自分の可能性を信じてたよ。なにかで一発当てようと思ってたからね!」

妻「それはそれでイタイけど・・・」

夫「悔しいじゃない・・・俺より年下で、俺より成功してて、大金持ちって・・・」

妻「その悔しさをバネにがんばって自分のできる仕事をするしかないじゃない」

夫「・・・でも宇宙にはいけんよ」

妻「それは息子に託せばいいじゃない」

夫「・・・そうね。息子が何かで一発当てて、前澤さんみたいな世界的なセレブに・・・」

妻「あ、でもWikiによると、前澤さん世界長者番付で1135位、日本で23位だって。」

夫「・・・え?まじ?」

妻「保有資産額は2020年5月時点で20億ドル(2272億円)か・・・それでも日本で23番目なんだね」

夫「上には上がいるな・・・」

妻「ま、下にも下がいるわよ。あなただって最低というわけじゃないんだから、がんばりなさい」

夫「ぎゃふん」

前澤友作氏 宇宙旅行で100億円以上&「お金配り」計画も…お金は「まだもうちょいあります」― スポニチ Sponichi Annex 芸能

今年の漢字も「金」

1年の世相を表す「今年の漢字」として、2021年は『金』が選ばれた。2000年、2012年、2016年に続いて4回目。しかも選ばれたのは全てオリンピックが行われた年。もう完全にネタ切れですな。

今年の漢字は「金」 - 産経ニュース

今年の漢字”は1995年に日本漢字能力検定協会が始めたもので今年で27回目。公募で決った今年の漢字を京都の清水寺の住職さんが微妙な字で書く姿が年末の風物詩となっている。

僕はアラフィフのおじさんなのでさすがにもう「今年の漢字は何だろう?」なんてワクワクしながら待っていたりはしないし、何の漢字が選ばれようと正直、どうだっていい。本当は多くの国民にとってもどうだっていい。

なのに日本にはまだ”今年の漢字”に関心を持っている人がたくさんいて、律儀に応募したりしている。まあおじさんにはどうでもいい企画でも、学生さんにはまだ新鮮で、学校でもそれぞれの”今年の漢字”なんかを選ばされるのかもしれない。

しかし”今年の漢字”は学生さんだけのものではない。油断をしていると会社でも同僚に「〇〇さんの今年の漢字って何ですか?」なんて聞かれたりする。それを知ってどうすんだ?と思うが、この時期になるとなぜかお互いに訊きあったりしている。

先日は嫁にも訊かれてしまった。

嫁「あなたの今年の漢字は何?」 俺「だからそれを訊いて何になるんだよ!」 嫁「いいじゃない。家族の会話に意味を求めんな。暇つぶしだよ!」

ああ、そうか。それは嫁が正しい。

で、僕も”今年の漢字”を考えてみるんだけど、これがまた結構難しい。東京オリンピックは僕は無観客が盛り上がらな過ぎてほとんど見なかった。大谷翔平選手のニュースは確かに毎日楽しみにしていたけど、漢字一字にはならんし・・・。あとは今年は在宅勤務ばっかりだったな・・・「在」だけで通じるかな?あと子どもが小学校に上がったな。でもオンラインばっかりで可哀そうだったな。「哀」じゃ、ちょっと暗いよな。あとは特別なことはなかったな。岸田さんも個性ないしね。特別いいこともなかったし、悪いこともなかった。大人になるとね~、こうなっちゃうんだよね~。でも結構これで暇をつぶせたりするから、日本人にとってはありがたいフォーマットなのかもしれない。「新語・流行語大賞」も毎年「それ流行語か」なんて批判を浴びながらも続いているのは、暇つぶしはないよりあったほうがいいからだろう。僕なんてもう今年の流行語を忘れていたくらいどうでもいいけど。

 

2021流行語大賞】年間大賞はリアル二刀流/ショータイム/まとめ - 社会ライブ速報 : 日刊スポーツ

 

ちなみに爆笑問題の太田さんは昔、「僕の今年の漢字はですね、これです。”丑”」という干支ボケをよくかましていた。こういう持ちネタがあると毎年考えなくても済むからいいな。

 

櫻井翔君の炎上事件を確かめてみた。

12月6日放送『news zero』(日本テレビ系)にて、キャスターの櫻井翔さんが真珠湾攻撃に電撃機の搭乗員として参加した吉岡政光氏(103歳)にインタビュー。その際「戦時中ということはもちろんなんですけど」「アメリカ兵を殺してしまったという感覚は、当時は?」と質問したことに対し、ネット上で賛否両論の声が上がっているという。

僕はネット記事を見て初めてそのことを知って、ネットのコメントも読んだあとに録画してあったその放送を観てみたのだが、僕の中ではセーフ。ま、きっとネットに書き込む人のほとんどは実際の放送を観ずに、切り取られたネットの記事を元にマウントを取ろうとしているんだろうな。もちろん櫻井君の聞き方はベストではないかもしれないけれど、大変な仕事だったと思う。櫻井君、お疲れさん。

櫻井翔さん、真珠湾攻撃に参加した人物に「アメリカ兵を殺してしまったという感覚は?」と質問⇒大炎上 | 政治知新

僕はアラフィフのおじさんで、父方の祖父は戦死、父も5歳で終戦を迎えている。が、僕自身はもちろん戦争を知らない世代だ。20代の頃は小林よしのりさんの『戦争論』シリーズなんかを読んでいたこともあったが、基本的には難しいことには目を背けたままおじさんになってしまった。数年前にちょっとだけ戦争について復習をせざるを得ないようなこと(下記の記事参照)があったが、普段は戦争には全く興味を示さず、子供にも何も教えられないような平和ボケのおじさんだ。

『永遠の0』ごっこ① - 俺よ、男前たれ (hatenablog.com)

『永遠の0』ごっこ② - 俺よ、男前たれ (hatenablog.com)

『永遠の0』ごっこ③ - 俺よ、男前たれ (hatenablog.com)

『永遠の0』ごっこ④ - 俺よ、男前たれ (hatenablog.com)

『永遠の0』ごっこ⑤ - 俺よ、男前たれ (hatenablog.com)

 

一方、櫻井君は僕より若いにも関わらず、『news zero』のキャスターになったのをきっかけに「Newsweek」に2万5000字の戦争のレポートを書いたり、パプアニューギニアで遺骨収集に参加したり、今回のように元日本兵にインタビューをしたりと、戦争にがっつり向き合っている。偉いよな。俺なんて自分の祖父母にも戦争のことを聞くのを面倒くさがってたのに。大人になればなるほど、戦争と言うトピックは敏感で難しいテーマだということがわかるだけに、櫻井君の苦労がわかる。櫻井君の訊き方はベストではなかったかもしれなかったが、僕が同僚なら「いや、よくやったよ、あんな難しい仕事。」と労ってあげたい。

news zero』における櫻井君の役割は、”若い人にニュースに関心を持ってもらうこと”、”若い人に伝わる言葉でニュースを伝えること”、”若い人の感覚でニュースに接すること”である。

インタビュー中、吉岡氏の「出撃に参加できて嬉しかった」という発言に素直に「え?嬉しかったんですか?」と反応する櫻井君。また「出撃前に拳銃を一丁ずつ渡された」という発言に「え?どうしてですか?」とこれまたちゃんと確認をする櫻井君。ネット民は「ちょっと考えればわかるだろうが!」と思うかもしれないが、櫻井君はテレビを見ている若い人のために、ちゃんと言葉を引き出さなければならない。

そして問題となった例の質問。「戦時中ということはもちろんなんですけど」「アメリカ兵を殺してしまったという感覚は、当時は?」

当然櫻井君は「戦争当時は人を殺すという感覚はなかった。任務だった。自分がやらなきゃやられてしまうと思った。今思うと当時は感覚が麻痺していた。」というような言葉を期待したのではないかと思う。インタビュー映像を観る限り、決して吉岡氏を責めているわけではないし、軽い気持ちで訊いているわけでもない。訊く方も本当に神経を使うと思う。確かに訊き方はベストではなかったかもしれないけど、僕ならどう訊けるか・・・いや、ムリムリ。そもそも俺にはこの仕事、絶対無理。

吉岡氏は100歳まで戦争の話を一切してこなかったという。それはどうしても当時の仲間や戦死者のことを思い出してしまうからだそうだ。しかし戦争体験が年々語られなくなっている状況を憂い、100歳を超えて自らの戦争体験を語るようになったという。つまり吉岡氏に話を聞くことは、何をどうやっても辛いことを思い出させることになるし、吉岡氏にとって厳しい受け答えになる。それでも吉岡氏は自分の記憶を伝えることが後世のため、戦死した仲間のためにと考えて今もがんばっている。

ちなみにネット上には他の方(ANN News)が吉岡氏にインタビューをしている映像も出ているが、こちらも結構厳しい質問をしている。

「やらなければ」103歳元搭乗員が語る“真珠湾”(2021年12月6日) - YouTube

「Q:戦後、ハワイに行ったことがあるか。」「吉岡:一回もない。何回か機会があったが、断った。」「Q:なぜですか。」

この「なぜですか」の言い方が結構きつい。「なんで行かなかったんだ。なんで戦没者を供養してやらないんだ」と責めているようで怖い。でもインタビュアーに悪気はない。「なぜ」の先の答えが大切だと思ったから思い切って聞いたのだ(それで語気が強くなってしまった)。何をしたかという客観的な事実だけでなく、その時の思い、感情を引き出せなければインタビューとしては失敗。それがその人の傷に塩を塗ることになったり、批判されたりしたとしても。このインタビュアーが櫻井君のように炎上しなかったのは、インタビュアーが櫻井君ほど知名度も好感度も人気もなかったからだ。

なお、櫻井君はインタビューの最後に「若い人たちに伝えたいこと」を聞き、吉岡氏から「戦争は一番人が死ぬ」「絶対にしてはいけない」というメッセージを引き出し、吉岡氏も笑顔でインタビューを終了。櫻井君は櫻井君の仕事を全うしているし、吉岡氏も吉岡氏の使命を全うした。今回の「news zero」でネット上で賛否のコメントがあふれるなら、それはそれで企画として大成功。若い人が吉岡氏の気持ちに寄り添ってくれたなら櫻井君も本望。

 こんな炎上事件があるたびに、僕の頭に流れるのは中島みゆきさんの『ファイト!』

戦う君の歌を 戦わないやつらが笑うだろう ファイト!

悲報】櫻井翔さん、元日本兵の方へのインタビューが酷すぎて批判殺到。 : ヲタクNEWS速報

それにしても吉岡さん、103歳にしてスーツ姿が凛々しく、言葉もはっきり、記憶も鮮明でびっくり。かっこいいっす、パイセン!

おじさんの目

先日の『アメトーーク』(テレビ朝日系)のテーマは「本屋で読書芸人2021」。僕は普段全くと言っていいほど本を読まないおじさんで本屋に行くだけで便意を催すほどの本嫌いあるが、やはり上手いプレゼンを聞いてしまうと「本屋に行ってみたいな」「いろいろ買って読んでみようかな」なんて思う小市民でもある。

特に番組でも紹介された『地球の歩き方』の「旅の図鑑」シリーズは前々から読んでみたいと思っていたのであるが、『地球の歩き方』と聞いて怖気づいてしまう僕がいる。というのは最近の僕の悩みは”小さい字が見えないこと”。老眼なのかわからないが、本当に最近、小さい字が見えなくなってしまった。つい2年前に買った『地球の歩き方』を薄暗いトイレで読もうとしてまったく字が見えなかったのがトラウマとなっているのだ。

地球の歩き方】見て読んで世界を学べる「旅の図鑑シリーズ」より新刊3タイトルを同時発売。世界の指導者/世界の奇岩・巨岩/世界の首都・主要都市をテーマに楽しく教養が身につく!|株式会社  学研ホールディングスのプレスリリース

僕は社会人になるまで眼鏡もコンタクトも使ったことがなかった。子供の頃から「暗い所を字を読むな!」と親にうるさいくらい注意されてきたし、片田舎育ちなので家の周りの田園風景や山の緑を見ているだけで目の保養になっていた。眼鏡をかける自分なんて想像すらできなかった。しかし大学を卒業し、2回目の免許更新の際に視力の問題で不可となってはじめて目が悪くなっていることに気づいた。あれはショックだった。「俺はこのまま眼鏡をかける人生を歩むのか・・・」と一生取れない鎖をつけられたような落ち込み方をしたものだ。

しかし2002年に意を決して当時流行っていた”レーシック手術”を受けた。当時25万円くらいしたが、まだ結婚もしてなかったし、今後一生目が悪い人生を歩むより手術によって人生を変えたいという思いが強かった。一世一代の博打でもあった。結果的に今に至るまで裸眼で運転できる程度には視力をキープできているので手術はして良かったと思うが、経年劣化(老眼)には逆らえないようだ。

最近、とにかく”見えない”と感じることが多くなった。薬の箱に書いてある「使用上の注意」とかKindleで読むマンガ『キングダム』のセリフとか。僕は最初、「なんでこんなに小さく書くんだろう?ま、薬の箱の文字なんて今さら読む人いないんだろうな。企業側も『一応、説明は載せてありますよ』って言い訳するために印刷しただけだろうし」と良いように勝手に解釈していた。Kindlreもピンチアウトできるし。

別の日に、カミさんがキラキラネームの記事が書いてある雑誌を見せてきたときに、漢字の上に印刷されたふりがなが読めないことに気づいた。字の小ささもあるが、少し薄暗いところだと全く文字が識別できなかった。そこで蛍光灯の真下に来て光を当てるとやっとこさ見えたのだが、これもショックだった。それでも目が悪くなったことを認めるのは癪だったので、「まだイケる。まだ大丈夫」と自分に言い聞かせた。また別の日には、カミさんが「これを見ろ」と僕の顔面の20センチくらい前にスマホの画面を出してきたので反射的に払いのけたこともあった。昔ならすぐに目のピントがあったのだが、今は近すぎて腹が立つので「やめろ!」と手を払いのけてしまう。それでも僕は思っている。「まだ大丈夫」。

僕と同年代の同僚は、スマホやパソコンの文字を125%くらいにズーム設定して使っている。僕はそれを見ながら「あ~あ、ああはなりたくないねぇ~。ジジィか!」「あんなでかい字で映したら情報駄々洩れだよ」なんて見下しているのだが、正直僕も画面に焦点が合うのにコンマ何秒かかかっている。下らない意地でズームの倍率を上げることはまだしていないのだが、時間の問題かなと思っている。いやだなあ、いつか眼鏡をかけて東国原スタイルになるの。

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おじさんは今日も自分の目と戦っている。

昔ながらの「暗い所で字を読まない」「できるだけ緑を見る」という原始的な対策だけでここまでやってきた(ま、レーシック手術しちゃったけど)。

まだ裸眼で運転できるし、まだパソコンの文字は拡大しなくても読めるし・・・だから大丈夫!

 

ちなみに自分の都合の悪い情報は受け入れず、”俺は大丈夫”と自分に言い聞かせることを「正常性バイアス」というらしい。そんでこういう人は緊急時、非常時にてんぱって大事故につながり命を落としやすいのだという。

正常性バイアス - Wikipedia

でも・・・まだ大丈夫だろ?俺は。

飲みにケーション不要論が多数派に

2021年暮れに日本生命が行ったアンケートで「職場でも”飲みにケーション”が必要か不要か」を各年代の男女7774名に尋ねたところ、「不要・どちらかといえば不要」が61.9%となり、2017年の調査開始以来初めて「必要・どちらかといえば必要」を上回ったそうな。

確かに僕もお酒が強くない上に人見知りなので飲み会にいい思い出がないし、これまでいわゆる”付き合いの悪い男”、”ノリの悪い男”、”誘っても面白くない男”に思われていたように思う。だからこの結果は自分と同じような意見の人が多かったということになり、喜んでもいいのだが、天邪鬼な性格の僕はちょっと一言物申したくなった。

飲みにケーションが・・・1つもなくなったら・・・寂しくない?

飲みニケーション」不要が6割超 必要は少数派に 賛否の声(静岡朝日テレビ) - Yahoo!ニュース

アンケートの結果には”飲みにケーション”が不要な理由として

・気を遣うから

・仕事の延長と感じるから

・お酒が好きではないから

・拘束時間が長いから

・お金がもったいないから

・職場でのコミュニケーションが十分とれているから

などが挙げられた。

ネット上にも

・時代遅れ、昭和の悪習

・お金と時間の無駄

・ストレス、相手に合わせるのがしんどい。絡まれるのが嫌

パワハラ、セクハラ、アルハラの温床

・自分が下っ端だったら注文をしたり、取り分けたりするのが面倒

・上司や先輩の自慢話、武勇伝、説教、昔話がうざい。

・強制参加なら残業と一緒。査定に響くのもおかしい。

・コロナで飲み会がなくなってホッとした。不要だとわかった。

などなど、「飲みにケーション不要論」は優勢だ。

冒頭にも述べたが僕もお酒が強くない上に人見知りなのでほぼほぼ賛成。特に酔って気が強くなって調子に乗るヤツが大嫌いで、学生時代はサークル仲間が盛り上がってる中、無言で帰ったり、その後大声で「なんで帰ってんだよ~」と電話してきたやつに「うるせー!」と即切りしたりしたこともあった。また僕自身は酔ってつぶれるまでは飲まないので、寝落ちするやつとか吐くやつ、酔いつぶれて人に迷惑をかけるやつなんかを心底軽蔑していた。「男子5000円、女子3000円」みたいな会費設定も酒を飲まない僕には不満だったし、ちゃんとした布団かベッドでしか寝られない僕は終電近くになるととにかく早く帰りたがった。帰ってシャワーを浴びて、一人エッチをして寝る。そのことばかり考えていたな。

その後、幸か不幸か僕は正社員にならなかった。派遣でいろいろな職場にお邪魔したり、時間給で仕事をしたりすることが多かったので、上司に飲みに誘われることもなかったし、職場の飲み会の類も年に1~2度あるかないかだった。

男同士 その① - 俺よ、男前たれ (hatenablog.com)

忘年会2010 - 俺よ、男前たれ (hatenablog.com)

それはもちろん僕が望む形だったのだけれど、今思えば僕には最低限必要な飲みにケーションでもあり、社会と僕をかろうじてつなぐ機会でもあった。

僕は元々友達も少ないうえに、自分から飲み会に誘うこともほぼないのである。また貧乏性で自分一人のために高い飯に金を払うことはほぼない。だからオシャレなビストロとか、おいしいお酒と料理を出してくれるレストランなんかはもちろん、普通の居酒屋なんかもよく知らない。そんな感じなのでたまに数少ない友だちや職場の同僚が選んでくれた店に行くと、ちょっとテンションが上がって、嬉しかったりする。「へ~、こんな店があるのか~。東京ってすげーなー。」「え!締めサバをあぶるの?なにこれ!めちゃくちゃうめ~」「サワーにガリガリ君がそのまま入ってるんですけど…これもお酒として成立するのか・・・」「社会人ってみんなこんなところで楽しんでるだ~。毎週これやってたら金かかりそうだな~」なんて感心したりした。

肝心の飲みにケーションも、職場の高嶺の花だと思っていた女性が実は地方出身だったとか、昔男に騙されたとかいう話を聞くと(それを真に受けて)「なんだ、いい奴じゃないか」となぜか心を開いたり、上司が奥さんの尻に敷かれたりローンで苦しんだり、思春期の子供に無視されたりしていることを聴いたりすると「へ~。こいつも悪い奴じゃないな」と変に優しくなれたりした。その飲み会がなかったらずっと距離を保ったまま、ずっと陰口を言ったままだと思うと少しは効果があったし、今思うと僕の数少ない飲み会の記憶の中にもいい思い出がなかったわけではなかった。

職場の「飲みニケーション」必要と考える人 去年よりも大幅減(ABEMA TIMES) - Yahoo!ニュース

そんな僕ももうアラフィフだ。相変わらず自分から飲み会に誘うことはないし、もちろん誘われることもない。同じ趣味の仲間なんてのもいないし、Zoom飲み会は1回でギブアップ。若い人に気を遣うのも面倒だし、向こうもおじさんに気を遣うのは大変だろうから、職場の飲み会なんてないほうがお互いのためだろう。でもこのまま職場飲み会の文化が全くなくなったら・・・なんか寂しいな。僕のような陰キャはちょっと強制的にでも参加を促されたほうが社会訓練になるし、こうでもしなければずっと一人でいてしまう。職場の人が設定してくれる飲み会って、陰キャにとってはちょっと嬉しいものだったりするし、「いや~、会社の飲み会、最悪だったよ~」なんて言うセリフはちょっと憧れでもある。だから年に1回くらいは誘ってほしい。以下の条件なら。

・会費はお酒を飲む人と飲まない人で分ける。

・時間は夜7時~9時の2時間で解散。

・食事がおいしいお店を選ぶ

・参加者はパワハラ、セクハラ、アルハラにならないようにお互いに注意する

・お互いが大人の対応、紳士・淑女の対応をする。

プライベート」の記事一覧 | 人生楽しく生きる秘訣

億万長者になるには

実業家の西村博之ひろゆき)氏の”宝くじを買う奴バカ”という趣旨の発言が盛り上がっている。

ちなみに僕は宝くじを普通に買っているのでひろゆき氏の言う「頭の悪い人」「情弱」に当たる。でも不思議と宝くじを買うことについてはどんなにバカにされても腹が立たない。

「そうなんですよね~。俺っておバカさん」

そしてまた宝くじを買う。これこそ”庶民”だと思う。

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ひろゆき氏は「年末ジャンボ宝くじ販売開始」の記事と店舗に行列をなす人々の写真を取り上げて

「確率と投資金額からのリターンの計算が出来ない頭の悪い人が罰金を払う季節がやって参りました」とツィート

しかしあまり同意を得られなかったようで、リツイートされたものは「宝くじはくじ付きの寄付だから…」「ただの娯楽だよ…」「児童養護施設に(ひろゆき氏のように)PCを送る金がないから宝くじで貢献してる」など意外に温かく優しい反論ばかり。

そこでひろゆき氏は「庶民が億万長者になるには宝くじしかないってこと。実際当たっている人もいるんだから頭悪くはないでしょ」という反論を見つけて「おいらの家庭も庶民ですし、(中略)庶民から億万長者になった人は、IT起業家やYoutuberに大勢いる。宝くじを買うと金持ちになれると考える頭の悪さのせいで貧乏のままなんだと思いますよ」と煽る。

しかしそこからリツイートされたものは「ひろゆきの意見に賛成。でも買う」「耳が痛い」「夢を見るために貧乏くじを引き続け、夢を見続ける」「努力したくねぇんだよ」「あなたは庶民じゃなくない?」とあまり響いていない様子。

これが不満だったのか、さらにひろゆき氏は「少しでも稼ぎを増やす努力をせずに、頭が悪いとか運が悪いとか、自分自身の器を決めつける人は、周りからも頭が悪い人に見えるのでチャンスが来なくなります。」と再度ツイート。

別にそこまでムキにならなくてもいいと思うんだけどな。別に宝くじの購入者が増えるとひろゆき氏に損害が出るというわけでもあるまいし。彼の言う「頭の悪い人、情弱」が社会に多くいるというのが許せないのかな?「みんなにちゃんと真面目に働いて、無駄な出費をしないようにしてもらいたい!」なんて願うような人だったっけ?もしかしたら本当に”日本によくなってもらいたい。みんなに幸せになってもらいたい”と願っている人なのかもしれないけれど、残念ながら世の中には彼の言う「頭の悪い人」のほうが多い。だから宝くじは売れ続けている。

 

ちなみに僕も宝くじが大好きで、右の検索窓に「宝くじ」と打ってもらえれば宝くじのことについて言及した記事がたくさん出てくる。でそのほとんどが「人生を一発逆転するためには宝くじしかない!」ということが書かれているのだ。ひろゆき氏が読んだら「頭悪いな~」とため息が出るような内容ばかり。でも僕がYoutubeやブログで一発当てる確率よりは宝くじを買ったほうが・・・。投資信託やら株やらにかけるよりは宝くじのほうが・・・。だって努力をせずに来月大金持ちになれる可能性があるんだよ?投資やギャンブルでもある程度の時間と労力、勉強と経験、投資の費用がかかるけど、宝くじは300円で買うだけ。

さらに宝くじって・・・楽しいんだよね。僕はジャンボ宝くじを9000円ずつ、年に4~5回買うんだけど、1年中ずっとわくわくしてる。宝くじを買ってもすぐには当選確認はせずに、次のジャンボ宝くじを買う際に”外れている”のを一応確認してまた購入。こうすると1年中ずっと楽しい。「宝くじ当たっているかもしれないし」「今、全財産なくなっても宝くじがあるから」と思うと、ずっとポジティブでいられる。ずっと妄想出来る。

僕は別に「稼ぎを増やす努力」をしてないわけではない。普通に働いて、貯蓄も少しして、自己研鑽もしつつ余裕ある範囲で宝くじを買っている。競馬・競輪・競艇・パチンコなど他のギャンブルをする人に比べて、宝くじを買う人はそこまで勝負にこだわる人、お金をつぎ込む人、人生を棒に振る人も少ないし、真面目な人が多いように思う(エビデンスはないけど)。僕も酒はほとんど飲まないし、タバコ・他のギャンブル・風俗もやらない。金のかかる趣味も持っていないし、外食や娯楽で散財するわけでもない。でも宝くじは買う。おじさんの精神安定剤みたいなものか?当選確認をしていない宝くじを常に持っている状態を保ち、いつもにやにや、いつもポジティブに生きていられるのに年50000円弱なら、そんなに無駄な投資ではない。それで仕事もうまく行くならお金を払ってエステに行ったり座禅教室に行くのと変わらない。

 

ま、ひろゆき氏に「頭が悪い」と言われれば「へへ。すんません。だからこんな感じで50手前まで来ちゃって、お恥ずかしい限りです・・・」とヘイコラ頭を下げて逃げるだけ。そして今夜も1等大当たりの夢を見る。ニヤニヤしながら・・・。

よく当たる宝くじ売り場はどこ? 高額当選続出のおすすめ売り場12選!【東京・関東】 | 開運便利帳

 

 

いとしのロボット掃除機

我が家にロボット掃除機がやってきた。まさか僕の人生でロボット掃除機を買う日が来るとは思っても見なかった。ああいうのは広い家を持つセレブとか芸能人が持つものだと思っていた。

しかし実際に使ってみて、ロボット掃除機というやつは実に愛らしく、けなげで、ちょっとドジで、放っておけないヤツだということがわかった。

ハイテク機器、ロボット家具というより、「田舎から来た新人家政婦」とか「飼ったばかりの子犬」のような存在。目が離せぬ・・・。

Xiaomi Mi 1C EU (2020) - Robocleaners

 

僕は現在、仕事の関係で東南アジアのとある国に住んでいる。

借りている部屋は(畳や絨毯などもちろん敷かないので)フローリングなのだが普段は奥さんがフローリングワイパーのようなもので目に見えるゴミや毛を掃き、週末に僕が掃除機をかけている。それ以外にも僕は割と気にしいなのでミニ掃除機、コロコロ(フローリング用)、ウェットシートなどを駆使して床をそうじするのだが、僕の足の裏の脂、小学校1年生の息子の足の裏の汗と泥で、床はいつもザラザラなのだ。僕は夜、仕事から帰ってきてシャツ、スーツ、靴下なんかを全部抜いてフローリングの床にわざと倒れ込んで冷たさを感じるのが好きなのだが、床がザラザラでテンションが下がってしまうなんてことがよくある。「はあ、また週末に拭き掃除をするか。でもまだ水曜日だしな・・・」なんてこともしばしばであった。

で、ある日ふと「今の部屋ならロボット掃除機を有効に使えるんじゃないか?」「日本では贅沢品でも、この国なら2万円くらいの中国製のものがたくさん売ってるぞ」「2年もってくれたら御の字」と思い、奥さんにお願いして買ってもらったのである。僕がネットで購入したのはXiaomi(シャオミ)という中国のメーカーが作っている「Mija 1C」というモデルで、「安い割によく働く」と口コミがすこぶるいい。値段は1万8千円ほどだが掃除機とモップ掛けができるらしい。またスマホで遠隔操作したり、GPS機能(?)でどこを掃除しているか、どこを掃除したか、逐一確認できるという。

で、2週間前に我が家にやってきたので早速使ってみたのであるが、これがなんとも不思議な感覚なのである。「新しい掃除機を買った」というより「初めてペットを飼った」という感覚に近いかもしれない。息子は「ろぼっち」と名前を付けたのだが、”ろぼっち”は不器用ながら、動きがかわいらしく、健気で、放っておけないやつだった。飼い主としても「”ルンバ”にはとてもかなわないし、8万円くらいする上位モデルほど仕事はできない。」ということがわかっている分、「でもうちの子にもしっかり仕事をさせて自信をつけさせたい」という親心が芽生える。その結果、最初の1週間は”ろぼっち”の邪魔にならないようにイスやおもちゃ箱を高い所に載せ、コード類も絡まらないように注意し、ベランダに落ちないように窓を閉め、ろぼっちの後ろについてその仕事ぶりを見守るということをしていた。以下、彼の観察日記である。

 

①意外にでかい図体

直径が35センチあるので、かなり存在感がある。椅子の間などを通り抜けて進むと思っていたのだが残念ながら我が家の椅子の間は通れず。コンセントの前に設置した充電ステーションにどっしりと構えているのだが、これ日本の六畳間とかだったら結構な場所をとって邪魔だろうな、と思う。

②意外に薄い。

テレビの面白映像などで、猫がロボット掃除機に載っているのを見たからか、息子がパンダのぬいぐるみを載せて遊び始めた。これがすこぶるかわいかったのだが、ベッドの下に入る際にパンダ撃沈。ちなみにベッドの下に入ることは想定外だったので僕もびっくり。”ろぼっち”はベッド下の大量の埃の半分をまき散らしながら突き進むのであった。

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③レレレのおじさん

”ロボッチ”には小さな回転ブラシ(上の写真参照)が付いているのだが、この動きが実にかわいい。まさに『天才バカボン』の「レレレのおじさん」なのだ。シャカシャカシャカシャカと履いてく姿が実に愛らしい。バカボン世代でない妻は「ワラジムシみたいで気持ち悪い」という。

画像】レレレのおじさんの超レア冬着シーンも! 「天才バカボン」着ムービー配信 - エンタメ - ライブドアニュース

④猪突猛進

”ろぼっち”は(上の写真にあるように)黒い部分を前に進んでいくのだが、おじさん世代には懐かしの「ロボコップ」に見える。で、センサーがきっとあるはずなのだが、ゴツゴツと顔から当たっていく。これが間抜けでおもしろい。もちろん衝撃を吸収する構造になっているのだが、いすの足とか本棚の角とかにコツコツと何度も何度も突っ込んでいる姿は、臭いを嗅いでいる犬のようにも見える。実に愛らしい。

犬に匂いを嗅がれる 飼い主は嗅がれているあいだ、じっと待とう 外の世界のいろいろなニオイを嗅いでいます | 子犬の記念日

⑤落下

ロボット掃除機は家を留守にしている時にも掃除をして勝手に充電器に戻ってくるらしい。”ろぼっち”も絨毯くらいの厚さなら乗り越えられるし、階段なども落ちないような設計になっているという。それならまあ任せても大丈夫だろうと”ろぼっち”に掃除を頼み買い物に出たのであるが、何分かして妻のスマホに”ろぼっち”からのSOSが来た。家のどこかで動けなくなったらしい。で、うちに帰ってみると物干し場の開き戸に頭から突っ込み、動けなくなった”ろぼっち”がいた。僕らがドアをしっかり締め忘れてしまったため、ドアを押し頭から突っ込んでしまったらしい。それにしても”ろぼっち”からのSOS「動けません」は「すみません、助けてください・・・」と言っているようで可愛かった・・・。

 

報連相(ホウレンソウ)

最初の何回かは”ろぼっち”が掃除をする後をついていってやらないと戻ってこれなくなることが何度かあったが、次第に一人で業務を完遂することができるようになってきた。仕事が終わって充電器に戻る時も、どこか誇らしげに、わざとゆっくり堂々と戻ってきたりしている(ような気がする)。

ある時、掃除を頼んで外出すると”ろぼっち”から「仕事終わりました!」という報告があった。僕は新人アルバイトを教育してきた店長のような気持ちになった。「ああ、成長したなあ。一人でできるようになったんだなぁ」

 

⑦仕事ぶり

”ろぼっち”の仕事ぶりは、「完璧」というには程遠い。吸い残し、履き残しもまだまだある。だが、がんばってくれている。僕一人だと時間のある週末しか掃除ができないから、平日に3回くらい掃除をしてくれるのは非常にありがたい。”ろぼっち”ができなかった部分は僕が週末にやればいい。ありがとう”ろぼっち”。

今年のクリスマスには換えのブラシとモップでも買ってやるか。(すっかり我が家の丁稚となった”ろぼっち”であった)