俺よ、男前たれ

おもしろきこともなき世をおもしろく

大学院卒のワーキングプア

日曜日の朝
いつもと同じ時間に起きて、なんとなくテレビをつけた
日曜日の朝はどこも同じ感じ
おっさんが雁首そろえて偉そうに難しい話をしている。

ふと、とあるチャンネルで
「大学院を卒業し、博士号を取ったものの、非常勤講師しか仕事がないおっさん」の特集を組んでいた。
特に有名な国立大学を卒業した人に多く、月収は13万とか年収が130万とか言っている。
大学で専任の教員になるためにがんばっているのだが、なかなか専任の道は険しいとのこと

ああ、そうだろうな。
少子化で子供も減ってるしね。
それでいて博士号を取る人だって毎年何人もいる。
その博士達がみんな専任になれるほど大学は多くない。

博士号を持っているやつが月収13万て・・・
パートのおばちゃんレベルだな
下手するとイマドキの学生より少ないかもしれない
学生がバイトと仕送りで青春を謳歌してるのを
どんな気持ちで見てるんだろうな
大変だろうな・・・性処理とかどうしてんだろう?

するとその番組のコメンテーターであるどっかのお偉いさんが
「何が問題なんですか?自分の好きなことをやってるんだからいいじゃない?」
などとぬかす。

ゲストの茂木健一郎は「僕も大学院を卒業する1ヶ月前まで就職先が決まらなくて不安だった」と同情を示したが
先ほどのコメンテーターは「だからどうしろっていうの?非常勤講師の給料を上げろっていうの?」と意に介さない。
そしてまた「自分で選んだ道なんだから。お金がほしければ仕事を変えればいい」
などとほざく。

オイラはテレビを消し、日曜日の朝の運動をしに、近所の公園へ向かった。
3連休中日の午前10時
公園は家族連れでいっぱい
息子を相手にキャッチボールをする父親
芝生に愛犬を放し、その写真を取りまくる奥さん
小さな足でよちよち歩き、ストンと尻もち。お尻をぐいと持ち上げて必死に立ち上がる1歳児
それを見つめる若い夫婦

ああ、幸せそうだ・・・
そうだよ。これが幸せの形なんだよ。
日曜日の朝に子供や奥さんと公園に行って戯れる
これが幸せじゃなくてなんなんだ!
黒いジャージに身を包み、それを見ながらラジオ体操をする35歳独身のどこが幸せなんだ!
なにが「好きなことをしているからいいじゃないか」だ!
好きで独身でいるんじゃねー!
好きで貧乏でいるんじゃねー!
この不安がテメーにわかるかよ!
このまま行ったらどれだけ惨めに死ぬことになるかわかんのかよ!
社会的地位も金も家族も既に持ってるやつが偉そうに「好きなことしてるからいいじゃないか」なんて言ってんじゃねー!!
テメーみてーな庶民の気持ちがわからねーやつがテレビなんかに出て偉そうにしてるから
社会不安は一向に解消されねーんだ!
自殺や無差別殺人したくなる気持ちが貴様にわかるかよ!!

さわやかな日曜日の朝の公園で
1人憤慨する黒ジャージの男は突如公衆便所に突入
偶然、小便器に止まっていた鮮やかな緑色のバッタに
猛烈な勢いの小便をくらわすのであった・・・。