私の職場にイスラエルの人(I氏)がいる。
その人に「日本人は名前を言わないようにしているみたいだ」
と言われた。
話を始める前に言っておく。
まず俺に日本人のことを聞くのが間違いだっつーの。
少なくとも俺は”一般的な日本人”とは程遠いし、他の人(日本人)の気持ちもよくわからん。
だから友だちがいないんじゃないか!
しかしまあ、そんなことイスラエル人の彼には言ってもしょうがない。
そこで日本人代表として答えてみよう。
えと、日本人は名前を言わないようにしている?
たしかに、最近、自転車に名前を書く人って減ったし、小学生も名札をつけないようになった。
電話帳にも名前を載せないし、オイラのアパートの郵便受けも、みんな名前を書いてないしな・・・
「ドウシテ?ソウイエバ、郵便物間違エテ入ッテタッテ言ッテタネ」
ま、それは子供の安全上の問題とか、個人情報の漏洩を防ぐためとか
「個人情報ハ、カンケイナイジャナイ?」
ん~、関係なくはないけど・・・
でも正直言えば人に知られることは恐いというより面倒、だからかな。
「デモ、冷タクナイ?日本人ト距離感ヲカンジルネ」
冷たい、か。確かに俺、未だに職場の人の名前が全然覚えられなくて、主語のない会話を1年半続けている。それでもコミュニケーションは成立してるもんな。
おそらくI氏は、この「名前を言わずに話す」という行為に違和感を持っているのだろう。
彼は近所のコンビニで馴染みの店員がいて、あいさつから、ちょっとした世間話までするようになった。店員さんは名札をつけているから名前はわかる。しかし店員さんは自分の名前を聞こうとはしない。これが不思議でならないのだそうだ。
彼の気持ちもわからないでもない、けどね。
「噂話モ多イデショ?誰ガ言ッタカワカラナイ話」
ま、それは情報源のプライバシーを守るためでもあるし、情報源が不確かな場合もあるし
それに名前を出さないことは、便利でもあるんだな。
特にネットの社会では。
人は誰でも変身願望がある。
名前を変えて、ネット上で誹謗・中傷を書く、なんてのは日本や韓国ではよくあること。
そういった人たちは普段は大人しくて温厚な仮面をかぶっていたりする。
「シンジラレナイ、ワタシノクニデハ・・・」
ま、そうでしょうな。日本人の俺でさえ、嫌な感じだと思うもの。
でもそういう俺が一番、その恩恵に預かっているのも事実だし。
「トモダチニナリニクイデショ」
ん~、そうなんだけどさあ、しょうがないんだよ!
それに友達が少ないのは本人の責任でもあるし、そういう奴は好きで一人でいるんだから放っとけや!
「ヨカッタラ、友達、紹介シマショウカ」
はあ?なんで俺が知らん奴と会わなきゃならんねん!
日本人はそういうのが煩わしくて自分の殻に閉じこもるの!
「私ノガールフレンドノトモダチ」
え?
「ビョウインニツトメテル」
え?え?それって、看護婦ってこと?
「ン~、タブンソウ」
それ、早く言えよ!
大丈夫!俺、コミュニケーション大好き。友達たくさん作りたい!
知らない人と出会いを大切にするのが俺の信条だから。
いや、ホント。嘘じゃないって。
俺の名前?ああ、じゃんじゃん教えちゃって。なんなら俺のケータイ教えてもいいから。
頼むぞ!期待してるぞ!自然消滅なんて嫌だからな!紹介しなかったら無言電話したるからなー!!