俺よ、男前たれ

おもしろきこともなき世をおもしろく

気が付けば悠々自適、叶姉妹

マツコの知らない世界』(TBS系)にて、久しぶりに叶姉妹を見た。

今、ハリウッドのセレブたちも愛用するスーパーマイクロバックやハイヒールのコレクションを披露。小さすぎて何も入らないカバンに対し「何かを入れなければいけないわけではない」、サイズも合わずヒールが高すぎて歩けない靴に対し「履かなければいけないわけではない」と気にも留めない。

それに対しマツコはもはや敬意のまなざしを向けていたのだが、実は僕も気づけば叶姉妹をありがたがっていた。

かつて疑いの目や好奇な目、嫉妬や蔑みの目で見ていたはずの叶姉妹が、今はもうそんな目で見るのは野暮だと思うようになっている。

 

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並ぶとマツコもセレブっぽい

wikipediaを見てみると、妹の美香さんが2021年8月現在で53歳(!)

確かに最初に観たのは20年以上前で、その時30歳くらいだったから当然と言えば当然なのだが、いやまああの頃より格段にパワーアップ(?)している。

2010年くらいまではやはり「収入源はなんだ?」ということが盛んに詮索され、やれ大金持ち専門の娼婦だの、実は貸衣装だのいろいろネットでも書かれていた。

叶姉妹のやることにいちいちケチをつけ、成金だのセンスがないだと書く人もいたし、「全身整形」「気持ち悪い」といった書き込みもよく見受けられる。

そうした声に当時は叶姉妹もムキになって反抗し、法的に訴えたりもしていたという。

 

しかし叶姉妹はその後もスタイルを変えることなく己の道を貫き通してきた。

その結果、令和3年に「叶姉妹はね、本当はセレブじゃないんだよ」なんてしたり顔で言うことはかなり野暮なことになってきた。

「その議論、昔からあったんだよ坊や。ネットで調べて見な」という感じだ。

もう本当にセレブかどうかなんてどうでもいい。

デーモン小暮を「本当は悪魔じゃないんじゃないか」って疑うくらい野暮な話だ。

 

叶姉妹もそのまま楽しめばいいし、息子に「あの人たち、何している人たちなの?」って聞かれたら「お父さんもわからないな~。でもすごいね~。息子よ、がんばってお前もお金持ちになってお父さんにマンションを買っておくれ」とか言っておけばいい。

叶姉妹”というキャラクター・ギミックをここまで貫き通しただけでもう天晴れなのである。

 

これまでセレブキャラが貫けなかったタレントはたくさんいる。

こりん星ちぇるちぇるランドから来たタレントはいつのまにかギミックを捨ててしまった。

だけど叶姉妹はもはや日本人に受け入れられている。”そういう人たちなんだ”と。
逆にチチを出していなかったり、Good Looking Guyを連れていないとちょっと寂しく感じる。もっともっとド派手に演出してくれていい。多くの人がそれを望んでいる。

 

今、叶姉妹がコスプレをしてコミケなどに行くと、中途半端なコスプレモデルより人気があるらしい。オタクの群れが道を開け、モーゼの海割りみたいになるらしい。

僕も別にファンでも憧れでもないけれど、叶姉妹を見たら思わず写真を撮るかもしれない。なんだったら「握手してください」なんて手を差し出すかもしれない。

だって生叶姉妹なんてめったに見られるもんじゃないし、きっと得した気分になるし、撮った写真を家族や親せきみんなに見せたくなるだろう。その写真を見たら今年喜寿のおじさんも「おおぉ~いいねぇ~」と鼻を伸ばし、ニートの従妹も「すげぇ~、本当にあの格好で歩いてるんだ!」と驚き喜んでくれるだろう。

 

たまにテレビに出てくる金持ちは豪華な自宅や車を自慢し、見栄えのいい旦那や嫁が小型を抱きながら「いや、普通の生活ですよ」なんて嫌味ったらしく笑って答え、値札も見ずに服やアクセサリーを買いまくる割に「これは~1200万くらい?」みたいに値段をちゃんと覚えていたりする成り上がりが多いし、それこそ成り上がりの象徴・売れっ子Youtuberの金持ち自慢はムカつくだけでありがたみがない。

 

しかし叶姉妹を見よ!あのリアリティのなさ!あれこそ叶姉妹の真骨頂!

あのルックス!あの衣装!実にゴージャス!なんとファビュラス!

なぜか「うらやましい」と思うこともなく、ジェラシーもいだくこともない。

叶姉妹が持っているやつ、俺も嫁に買ってあげたい」と思ったことが一度もないし、嫁も「あれは・・・いらない」という。

 

もはや我ら俗世間からの批判は聞こえなくなり、思うままに生きている二人の今後がますます楽しみである。