俺よ、男前たれ

おもしろきこともなき世をおもしろく

メダル狂騒曲

(以下の話はフィクションです)

【シーン1】川村市長の会見

川村「この度は、私の不適切な行動により、五島選手をはじめ、トヨダ自動車のトヨダ様、小村知事、JOC山上会長、IOCゴッホ会長、不快に思われた他の競技のメダリストの皆様、テレビコメンテーターの皆様、その他国民の皆々様に大変なご迷惑をおかけしたことをお詫び申し上げます。」

(頭を下げると大量のフラッシュ)

記者A「五島選手へは謝罪をしたのでしょうか。いつ、どのような形で、どのような言葉で謝罪をしたのか、お聞かせください。」

川村「はい、あの、私としまして誠心誠意、謝罪をさせていただきました」

記者A「具体的には?」

川村「あの、突然訪問しては五島選手にも迷惑がかかると思いましたので、私は直接赴かずにですね、秘書がDMを送ったという形でですね、私はあの~土下座と言いますか、心の中でですが、市長室で。」

記者A「・・・」

記者B「ご自身の進退についてはどうお考えですか?ネット上には約20000件ほどの批判コメントがあるようですが」

川村「まあ、私は市民から選ばれた首長ですから、どこの馬の骨ともわからないネットの声なぞ・・・」

秘書「市長!まずいですよ!」

川村「あ、あの~、批判の声をですね、真摯に受け止めまして、今後の市政に生かしてまいります」

記者B「つまり、辞任する気はないということですね」

川村「そうですね、その~・・・もう少し時間をいただいてですね、」

記者B「知事にも”けじめを”と言われていましたが?」
川村「そうですね、あの・・・次の知事選が公示される頃には・・・」

記者B「あなた、自分が何をしたかわかってるんですか?自分でトヨダ社長やJOC会長の山上さんに謝罪の電話をしていましたよね?何を謝ったんですか?どう責任を取るおつもりですか!」

川村「え~っと・・・私、何したんでしたっけ?なんで辞任を迫られているんでしたっけ?」

記者A「セクハラやパワハラの自覚がないんですか!」

川村「セクハラって・・・性的な・・・なんかしました?」

秘書「市長、反論しないでください!謝って!」

川村「パワハラっていっても・・・メダルは五島さんがかけてくれたんだし」

秘書「市長!ダメですって」

川村「(咳払い)あの、大切な金メダルを噛んでしまったことに関しては私の軽率な行動に全ての責任がありますので、仮にメダルが交換ということになりましたらですね、私のお金をですね、お支払いさせていただきたいと。ま、私のお金といっても市長の給料はアレなんですけど。」

秘書「・・・」

 

 

f:id:Yamazy2019:20210814010022p:plain

本文とは関係ありません

【シーン2】とある迷惑系Youtube

より「次の動画どうする?」

しん「やっぱ突撃系じゃね?」

より「今なら誰よ?」

しん「小池百合子、メンタリストDaigo、川村市長とかかな。あとオリンピックのメダリストとか旬じゃない?」

より「小池百合子の前でマスクとってくしゃみするとか?顔に唾かけて」

しん「それヤバイな。確実に塀の中だな」

より「ホームレスの格好で猫をいじめてみる?背中に”Daigo”って書いて」

しん「俺、猫ムリ。」

より「う~ん、じゃあメダリストか。だれだ?笑って許してくれそうなの」

しん「ウルフとかノリ良さそうだし、サインもらいに行くふりして倒してみるとか?」

より「あ~・・・ん~・・・。ウルフかぁ~・・・確かにテレビで観て面白そうな人だったけど・・・」

しん「あと金メダル触らしくてくれる人を探してさ、スキをみて噛みついてみるとか?」

より「あ、それいいかも。バズりそうじゃね?」

しん「ウルフいける?」

より「なんでウルフしばりなんだよ」

しん「おれ、タイプなんだよ」

より「・・・・」

f:id:Yamazy2019:20210814010240p:plain

本文とは関係ありません

【シーン3】とある国にて

選手「あの、コーチ、実は相談が・・・」

コーチ「どうした?深刻な顔して」

選手「実は・・・その・・・金メダルが・・・破損してしまったんです」

コーチ「は?何?なんで?」

選手「実はその・・・選手村でエッチしてたのが妻にバレまして・・・」

コーチ「え?あの段ボールベッドで?」

選手「ああ、まあ。あれ意外に頑丈でしたよ。そんなことより、それで喧嘩になって…」

コーチ「あちゃ~・・・」

選手「チームメイトのロドリゴの奴が昨日の飲み会で妻に話しちゃったんですよ」

コーチ「ロドリゴかぁ~。あいつ酒癖も悪いし口も軽いからなぁ~」

選手「そんで妻が金メダルをハンマーで叩き始めちゃって。押さえつけて止めたんですけど・・・」

コーチ「まじかぁ。来月、大統領官邸で祝賀会じゃなかったっけ?メダルそのままだとまずいよ」

選手「どうしましょう・・・」

MG「あ~、そういえば日本の選手がIOCにメダルの交換をしてもらったんだってよ。なんでもMayorに噛まれて感染の恐れがあるから、みたいな理由で」

コーチ「へ~、それOKなんだ。じゃあ俺も(ガブっ)」

選手「あっ」

MG「それなら私も。無症状ですけど、ちゃんと陽性です」

選手「そ、それなら大丈夫ですね」(?)

 

【シーン4】朝まで生討論会

俵「じゃ、次!大島さん」

大島「コジマだよ!あ、大島だった。あのね、この川村って男は他にも余罪がいっぱいあるんだよ。すぐに辞職するべきだ。」

清元「大事なのはゴトー選手の気持ちなんですよ!あんなジジイに唾つけられてね、本人は我慢してたと思いますよ!」

俵「あのね、清元さん。ジジイはダメ!あなたね、いつも差別やヘイトを批判するくせにね、そういう発言はやめなさい。はい、古下君!」

古下「いや、まあ、僕オリンピック見てないんですけど、そもそもなんですけど、その五島選手はメダルの交換を希望してるんですか?」

清元「希望してますよ。してるに決まってるじゃないですか!」

古下「でも五島選手はメダルの交換を”了承した”って記事に書いてありますよね。これって周りが勝手に盛り上がって五島選手も断り切れなくて渋々ってことも考えられますよね。これって何に対する”正義”なんですかね?」

大島「そんなの気にしなきゃいんだよ。まず川村をなんとかしないとダメなんだよ。あいつはバカなんだから。僕はね、」

清元「俵さん!俵さん!たーわーらーさーん!私はね!」

俵「ちょっと待て!今、大島さんが話してるんだから。終わった?一旦CM行きましょ」

 

【シーン5】ハノイオリンピック競泳で2つの金メダルを獲得した西島さん

(ツィート)

「僕だったら泣きますね。死ぬほど練習して命がけで獲得したメダルを知らない人に噛まれたら。そもそもなんで表敬訪問なんかする必要があるんですかね」

 

 TVのニュース「川村市長の行為にはメダリストからも批判の声があがっています。ハノイオリンピック金メダリストの西島陽介選手は以下のようにTwitterでコメントを発表しています。また、北京オリンピック銀メダリストの・・・」

ネット記事「なお、今回のことについては他のメダリストからも声が上がっている。ハノイオリンピック競泳で2冠を達成した西島選手は自身のTwitterで・・・」

雑誌広告『あの西島も激怒!”なんも言えねぇ”川村市長のお戯れ』

 

記者「西島さんも川村市長の行為にはお怒りでしたね。やはりあの行為は許せない、声を上げずにいられなかったということですか?」

西島「いや、あの~・・・あの時は五島選手に対して同情したということをつぶやいただけでして・・・」

記者「いや西島さんをはじめ多くの方が批判の声を上げていますから」

西島「いや、でも、僕もその、今後気をつけてほしいと思っただけで、軽い気持ちでつぶやいただけなので・・・」

記者「しかし西島さんの声に賛同するアスリートはたくさんいます。リツイートも2万件、”いいね”も4万5千件ですからね。やはり西島さんの声でこうして多くの方が賛同してくれてですね、名古屋も大きく変わるかもしれませんし、国際オリンピック連盟も動いてくれることになりましたしね」

西島「え?あの・・・(もう僕の名前出すのやめてもらえないかな・・・)」

 

【シーン6】友だち主催の祝賀会

友A「みうちゃん、金メダルおめでとう!」

みう「うん、ありがとう」

友B「ねぇ!金メダル持ってきた?見せて見せて!」

みう「ああ、ほら、これ」

友A「うぉ~すげぇ~、本物の金メダルだ!」

友B「これって、あれ?あのおじさんに噛まれたヤツ?(笑)」

友A「え?あれなの?マジ?(指でつまんで)うわっ、汚ねぇ~(笑)」

みう「いや、あの、これ、新しいヤツなんだ」

友A/B「新しいヤツ?」

みう「うん、なんかね。新しいのと交換してくれるっていうから換えてもらったの」

友A「へ~、そうなんだ~。なんだ、つまんない」

友B「つまんないって何よ(笑)。でもちょっとあれはあれで記念になったのに」

友A「”あの川村にかじられたメダル”です!って(笑)」

みう「私は別にそのままでも良かったんだけどね。みんなと取ったメダルだし」

友A「じゃあそう言えばよかったじゃん」

友B「言ったんだよ、みうは。でもあれでしょ?周りが”おじさんが噛んだメダルなんて可哀そう”って言ったんでしょ。知事とか、みうんとこの社長とか」

みう「まあね」

友B「そんでオリンピック連盟のゴッホだかバッハだかが新しいの用意してくれたんでしょ」

みう「なんか・・・そんな感じ」

友A「まあ、そんだけされたら断れないか」

みう「・・・」

友A「ねえ、あたしも噛んでいい?」

みう「やめてよ」

友B「じゃあたしが写真に撮ってインスタにあげてあげる」

友A「おまえ、マジ止めろ。それやったら殺すからな」

友B「写真加工して歯形つけてやろうか(笑)」

みう「もう面倒なことになるからやめて。もうコリゴリ。」