『関ジャム完全燃SHOW』(テレビ朝日系)8月29日のテーマは「プロがまじめに選んだ”キュンとしたラブソング”特集」
ゴールデンボンバーの鬼龍院翔、TempalayのAAAMYYY、シンガーソングライターの草野華余子らが自身の恋愛経験を重ね「キュンとしたラブソング」として宇多田ヒカルの「First Love」、スピッツの「渚」、あいみょんの「君はロックを聴かない」、DreamsComeTrueの「大坂Lover]「やさしいキスをして」などを紹介。それ以外にもGO!GO!7188、チャットモンチー、RADWIMPSなども紹介されたが、おじさんである僕はいまいちわからず。
ということで、昭和のおじさんが昔「キュンとしたラブソング」の話。
①広末涼子:「MajiでKoiする5秒前」「大スキ!」
そもそも”キュンとする”という定義がなかなか難しく、『関ジャム~』のゲスト陣も「”キュン”をあまり意識せずに思い出の恋愛ソングを選んでしまった」と言っていたな。もうすぐ50になる僕も「”キュン”ってどんな感覚だっけ?」と忘れかけていたが、広末涼子さんのデビュー曲「MajiでKoiする5秒前」('97)を聴いた時の感覚はそれに近かったと思う。とにかくこの曲は”気恥ずかしい”。なんでかわからないけど、この曲を聴くと恥ずかしくなる。当時テレビで歌っている姿をまともに観れなかった。まともに観てしまうとにやけてしまうし、画面の向こうの広末さんとちゃんと目を合わせられなかった。なんだろう?この感覚は?「ちょっとやめてよ!恥ずかしいじゃん」と勝手に照れてしまう。それくらい当時の広末さんの破壊力はすさまじかった。決して歌が上手なわけではないのだが、それがアーティストっぽくなくて実にいい!はじけるように歌う姿がたまらなくいい。Majiで広末さんにKoiしないように自分を抑えるのに精いっぱいだったな。
ちなみに僕が大学生の時、サークルの後輩が広末さんのセカンドシングル「大スキ!」を歌ったんだが、この曲もまあ聴いている人を赤面させる曲だった。普段は杜撰(ずさん)な感じ、今でいう納言の薄幸さんみたいなルックスの後輩がこの曲を見事に歌いこなしてたのが今も記憶に残っている。その時も気恥ずかしかったな。別に自分に向けて歌ったわけでもないのに、この曲を歌うってことが僕はもうダメ。 「ちょっと待ってよぉ~、そんなストレートな歌、聴いてる方が恥ずかしいわあ」とニヤニヤしてしまう。広末さんもこの曲を歌う時、ちょっと恥ずかしいのか視線は上に下に右に左に、ちょっとにやけながら照れながら歌うのだが、これがもう強烈。それくらい広末最強。僕にとっての「キュンとしたラブソング」の1つと言っていいと思う。
Ryoko Hirosue Daisuki live + talk 慮湖広末 大好き - YouTube
(PVよりもスタジオ収録のほうが破壊力があったな)
②うしろ指さされ組:「渚の『・・・・・』」「うしろゆびさされ組」
もう何十年ぶりかにYoutubeでこの曲を聴いてみて、甘酸っぱさにゲロ吐きそう…。wikipediaで調べてうしろゆびさされ組の二人が僕より5つ上の50代って知って涙が出そう…。
当時12~13歳だった僕は兄貴と一緒に「夕焼けニャンニャン」(フジテレビ系)を毎日見ていて、自然におニャン子クラブやとんねるずのファンになっていくんだけど、特にこの”うしろゆびさされ組”の二人が大好きだった。思春期の僕はもう毎日毎日悶々としてたな。ゆうゆの可愛さ、高井麻巳子さんの可憐さに毎日打ちひしがれて、何かしてやりたいんだけど田舎の中坊には何もできなくて・・・とにかくたまらんかったな。
んで今、Youtubeで見てみると、まあ歌は下手だし踊りは素人。令和の若者が見たら鼻で笑うような代物。なんであんなに熱狂したんだろうとちょっと不思議に思うが、おニャン子クラブおよび夕焼けニャンニャン自体「近所のお姉さん」や「ちょっと気になる同級生」が「放課後の部活感覚」で出ていたものだった。それがまた「手が届きそう」な感じ、素人の擦れていない感じがしてたまらんかった(このぎこちない感じはTikTok慣れした令和の若者には逆に出せないのではないか)。そしてそうした思春期の学生を刺激するかのように「バナナの涙」とか「象さんのスキャンティ」とか暗喩の効いた曲を出していた。「キュンとした」というか、「ズキンとした、ムズムズしたラブソング」・・・だったような気がする。
うしろゆびさされ組 - 渚の「・・・・・」(live) - YouTube
うしろゆびさされ組Withおニャン子クラブ うしろゆびさされ組(1985年) - YouTube
③椎名林檎:「正しい街」「ここでキスして」
椎名林檎さんのファーストアルバム『無罪モラトリアム』に収録されている曲なんだけど、当時東南アジアの怪しい露店で違法にコピーされていたのを旅行先で見つけて買ったんだよな。ご丁寧に歌詞カードもMVのVCD(Video CD)もついてたのでお得感万歳だった。で、この曲の主人公の女性がまあ健気でいいんだ。「正しい街」は椎名林檎さんが18歳の頃に作った曲で、上京するために福岡で元カレと別れた時の心情を元に作られたらしい。
でもこの曲の中で男は「冷たいアスファルトに額をこすらせて期待外れのアタシを責めた」っていうのだからなかなかのクズっぷりだ。なのに歌詞は「さよならを告げたあの唇が一年後、どういう気持ちで今アタシにキスをしてくれたのかな」と続くのである。自分に暴力を振って去った最低男が1年後にまた帰ってきたのを喜ぶバカ女。これ以上は曲を聴いてほしいのだが、とにかくこの女は狂気!重い!だけどいじらしい!
当時も全くモテなかった僕は「これくらい誰かに愛されてみたい」「俺だったらあんなひどいことしないのに!」なんて思いながら椎名林檎さんの曲に「キュン」としていた。
正しい街 Tadashii Machi - 椎名林檎 Sheena Ringo(JP/KR/EN字幕) LIVE - YouTube
「ここでキスして」も最高にいじらしかったけど、何よりカッコ良かったな。
アナーキーって何よ?シドウシャスって何よ?!
でもいい!とにかくいい!
あの巻き舌。あの低音と高音の高低差!そして英語パート。決して流暢な発音じゃないのにカッコイイんだ。”これぞジャパングリッシュ!”って感じでクールなんだ。
そんでやっぱりモテない僕は悶々としちゃうんだ。こんな事言われてみてぇ!
こんな一途に惚れられてみてぇ!キスしてって言われてみてぇ!
この場合は舌は入れてもいいのかーい!
ということで、おじさんが昔「キュンとしたラブソング」でした。
ブログ書いててもキュンとしたよ・・・