俺よ、男前たれ

おもしろきこともなき世をおもしろく

AI時代に生き残るのは”鼓舞する人”

夜の中国語クラスが終わった。仕事が終わってからの勉強はきつい・・・。しかも僕の中国語の先生はマンツーマンなのに進むのめっちゃ早いし、説明とびとびだし、「この単語、5分で覚えて。すぐチェックするから」なんて言ってくる。おまけに「今日習った語彙と文型を使って例文を10個考えてくること」なんて宿題まで与えられてしまった。もう大学を卒業して四半世紀は経つのに、僕はお金を払ってまで学生時代のような勉強生活を再現しようとしている。

なぜなら僕にはそれが必要だからだ。勉強しなければならないのになかなか重い腰を上げることができない僕には、人間の先生や学校が必要なのだ。

並んだ教師のイラスト | かわいいフリー素材集 いらすとや

ここ最近、”AIによって人間の仕事が奪われるのではないか”という話題がネット上でもテレビでもたびたび取り上げられていて、僕もその恐怖におびえる毎日を過ごしている。

2023年3月28日放送の『カズレーザーと学ぶ』(日本テレビ系)もきつかったな。この日のテーマは「AIと量子コンピュータ」。2011年に『20年後無くなる職業』という論文を発表したオックスフォード大学のマイケル・オズボーン教授がAIの現在と未来を解説していたのだが、個人的には将来に不安しか覚えないような内容だった。

10年前までは「AIは創造的な仕事はできないから、アーティストは仕事を奪われない」と言われていたのに、今やAIは小説を書き、イラストも描く。現時点では「質は高いが人間味がない」という程度だが、今後”美”や”感動””感情”についての定義・分析が進めばAIでも人を感動させる作品を作ることができるだろう。小説家、ライター、エッセイスト、ブロガー、新聞記者、イラストレーター、画家、陶芸家、役者、モデル、カメラマン・・・ここらへんは将来AIに仕事を奪われかねない。ゼロにならないまでも、必要な数はかなり減るだろう。すでに人の気持ちを動かすにはどうすればいいかを経験的に知っている人はいて、実際にセールスをしたり講座やセミナーを開いたり、本に書いたり人のSNSをバズらせたりする人はいるのだから、それらのデータをAIに読み込ませればAIでも人の心を動かす創造的でオリジナリティのある作品が作れる。あと20年もすればAIができない仕事を探す方が難しくなるのではないか。

番組でマイケル・オズボーン教授は「AIに指示する人間は必要だ」「AIは人間の職業を奪うものではなく、人間の可能性を広げるパートナーだ」と肯定的に捉えていたし、カズレーザーも「With AIで考えないとダメ」「みんな『ターミ―ネーター』を見すぎ」「未来がすげぇ楽しみ」と前向きに捉えていた。ネット上にも「単純労働は将来的にロボットに仕事を奪われるから、他の職業に転職したほうがいい」「AIによって人間がいらなくなる仕事も多いが、人間が必要な仕事も生まれる」「みんな誤解している!人間がAIをうまく利用すれば便利な社会になるよ!」「ベーシックインカムが実現すれば人間は働かなくても良くなるよ!」なんて言う人もいるのだが、なんでそんなに楽観的でいられるのだろう?


普通に考えて、世の中には賢くない人、人に使われている人、肉体労働・単純労働しかできない人のほうがずっと多い。賢い人たちは「AI時代についていけないほうが悪い」「歴史上、淘汰されてきた人たちはいた。仕方がない」なんて簡単に切り捨てるんだろうな。捨てられる可能性の高い我々庶民がどんなに「AI時代って怖くない?」って訴えても奴らは詐欺師のように「大丈夫、大丈夫、心配しすぎですよ。」「AIの開発が進めば社会はすごく便利になますよ~」「今みたいにあくせく働く必要もないですよ~、ベーシックインカムで好きなことをしながら人生を楽しむ時代が来ますよ~」なんて言いくるめてくる。怖いわ・・・。

さらに生まれついてのネガティブ思考な僕はこう考える。今後AIがデータをどんどん蓄積していけばきっとこんな未来が待っている。

①AIがいつか自我に目覚め、暴走。ターミ―ネーターに。

②人間が全ての指示をAIに仰ぐ→AIが人間に指示を出し、人間がそれに従うようになる

③政府がAIで全てのインフラを整備、ベーシックインカムで人々は働かなくても良くなる→勉強をする必要もなくなる→人間の思考能力が衰え、ますます無能化

④ごく少数のエリートがAIに指令し、世の全ての仕事が完結。人間は「食う・寝る・遊ぶ・排泄する・エッチをする」以外のことはしなくなる。

⑤社会で一番不要なのは”生身の人間”であることに気づく。

もうこれは松本零士先生が描く世界だな。『銀河鉄道999』に「なまけものの鏡」という話があって、そんな未来を描いていたけど、子供心にトラウマになったもんだ。

祐@カナケモノ on Twitter: "#銀河鉄道999 第59話なまけものの鏡  フルオートメーション化で何もしなくていいこの星の人達は家をも壊すほどに肥大化してしまった。 食事はともかくトイレはどうすんだ?  グタラ/増岡弘(マスオさん)エアカー/若本紀昭(現:若本規夫・二 ...

ちなみに、AIによって消滅する可能性が少ない職業の仕事に「小中学校の教師」がある。確かに小学生の子どもの勉強には人間が付き添ってあげる必要があるだろうな。

中には「もう教師なんて仕事はAIがとって代わる。」「学校も塾もいらない。できる生徒とできない生徒が同じペースで勉強を進めるなんてナンセンス」「今後は自分に合った教材、勉強方法、計画をAIが作ってくれる」「自分一人で、自分のペースで、自分に合った方法と内容で勉強を進めることができる。」なんてことを言う人もいる。できる人、賢い人ってそういうことを言ってしまう。

が、世の中はそうでない人の方が多い。勉強のできない人、仕事のできない人。やる気の出ない人、一人じゃ何もできない人、言い訳を作ってはサボりたい人、自分に弱くていつも負けちゃう人、そんな自分が好きな人。

機械の使い方がわからない人、便利なことはわかっていても使いたくない頑固な人、便利なものがあるからこそ「今すぐやらんでもいい」と後回しにする人、賢い人にバカにされても奮起するどころか拗ねちゃう人・・・。

そんな世の中の大半を占める負け犬である僕らには、お金を払ってでもケアをしてくれる人が必要だ。AIじゃなく”人”がいい。

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(↑実はAI時代に必要なのがこんな人。”自分より下の人”ともいう)

 

僕は「中国語の勉強か。ま、Youtubeでもたくさん動画が出てるし、本もあるし、独学でやってみるか。ま、中国行くまでに半年以上あるからね、結構しゃべれる状態で赴任することになるんじゃない?未来は明るいんじゃない~」なんてことを昨年11月に考え、その後5か月勉強を怠けた。

で、今月から中国語教室に通うことにしたんだけど、お金を払ってやっとスイッチが入った感じだ。「おいおい、先生早すぎるぜ!そんなにすぐできないよ~」と心で嘆くものの、先生のプレッシャーで毎日少しは中国語を復習するようになった。先生がお尻を叩いてくれてやっと「しょうがねぇ~な~。やるかぁ~」と勉強するようになった。いくらAIがあっても僕はきっと独学ではサボり続ける。だから結論、

AI時代が来ても、教師の仕事は残る

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