俺よ、男前たれ

おもしろきこともなき世をおもしろく

息子の好き嫌い

息子は偏食だ。僕は昭和生まれのお父さんだ。そして妻は外国人だ。

我が家では僕だけが所謂”正常”な食事を摂る。

僕から見ると、妻子の食事は異常だ。

だが妻子にしてみれば、何がおかしいかわからない。

僕は家族内で孤立しているわけではないが、僕が出張などで家を空けると妻は喜び、僕が有給などで家にいると少し苦い顔をする。理由は「三食ちゃんと用意をしなければならないから」

妻からすると僕が”異常”ということらしい。

息子(11歳)の食事は異常だ。

①野菜嫌い

枝豆とトウモロコシ、ジャガイモは食べられるが、あとは基本拒否反応。ニンジンとブロッコリーはなんとか食べられるがその他は全滅。薬味のネギも、ハンバーグの中の玉ねぎも全部だめで丁寧に取り除いて食べている。

そもそも火を通した玉ねぎなんて何の味もしないし、野菜のえぐみとか青臭さなんかないような気もするのだが、食べる以前に彼の脳が”野菜の存在”を認識し、本能のように拒否反応を示すらしい。だから姿が見えなければ口に入れてもアレルギーなど起こすわけではないが、緑や赤い物体を見るとすぐに「食べてはいけないもの」と脳が命令するようだ。

全く野菜を食べないのはさすがに体に悪いだろうと、息子がかろうじて食べられるニンジンなどを食べるように促すと、食事の最後に「しょうがねぇ、片付けるか」という感じで口に入れ、無理やりお茶で流し込み、もだえ苦しんでいる。僕が「嫌なものは先に片付けたら?それから白飯を食べたら口直しになるだろうに」というのだが、息子は「嫌いな食べもので口が汚れたらその後美味しいものが美味しくなくなる」という謎理論を返す。「そんなら好物のチーズとかで味変したら?」というと「そんなの男らしくない」とこれまた変な言い訳を返す。で、結局、嫌いな野菜そのものの味をしっかり味わいながらもだえ苦しんでいるのである。バカだ・・・。

②三角食べができない。

現代っ子には多いらしいが、うちの息子もこれができない。夕食がハンバーグの時は付け合わせのポテトをまず平らげ、次にハンバーグを全部食べる。そして白飯とニンジンが残る。白飯はお茶漬けにして食べる。ちなみにこの半年、毎晩お茶漬けを食べている。ご飯とおかずを交互に食べるように何度も言ったのだが一向に直そうとしない。そして最後に食後のデザートのように残しておいたニンジンと格闘する。アホだ・・・。

③同じものを何度も食べる。

先にも書いたが、息子は毎晩お茶漬けを食べる。我が家はお茶漬けの素を切らしたことがない。息子はみそ汁は基本飲まないが、アサリの味噌汁(アサリ抜き)の時だけは、味噌汁にご飯を投じて猫まんまにして食べ、その後おかわりをしてお茶漬けを食べる。

納豆も好きで、パックのまま食べたり、納豆パスタ、納豆グラタン(ご飯に納豆とチーズをのせてトースターで焼いたもの)にして食べる。納豆はまあ体にいいし、嫁は「こりゃ楽!」とばかりに納豆ばかり食卓に出す。(で、僕に「野菜は?」と叱られる)

お弁当は塩チャーハン、おかかおにぎり、オムライスをローテーション。しかも「今週はおかかおにぎり」と5日連続で食べる。

とにかく自分の好きな物しか食べないし、好きなものは何度でも食べる。妻が息子に「何食べたい?」と訊くと、大体10種類くらいの中から選んでくるので妻は大喜びなのである。

④シンプルな味付け

息子は基本、シンプルな味付けの炭水化物が好きだ。米、トウモロコシ、ポテト、麺、パンなど。変に味付けしたり他の具材や薬味が入っていると手をつけない。肉もそのまま焼いたものを出せば、自分で塩コショウを振って食べるが、こちらが生姜焼き・みそ焼きなどにしてしまうともう食べない。カップラーメンはまず粉末スープの素を網で濾して薬味のネギを取り除いてから麺にかける。焼きそばは両面を油でカリカリに揚げた具なし麺を食べる。

一番困るのは外食で、食べられるものがほとんどないので最悪息子は米だけ、パンだけ、ポテトだけをかじって食事を済ませる。他の人から見ると虐待しているように見えるのだが、息子は気にしていない。食べたいものを食べているのだから。

 

で、僕の外国人妻も幼少期、偏食がひどかったが「それでも大人になったら普通に食べられるようになったから」と食事に関して息子にうるさく言うようなことはしない。うるさく言うのは僕だけだ。

さらに妻自身も「食べたくなったら食べる」主義だったそうで、今でも「昼に辛い物を食べておなかの調子が悪い」とか「シンプルに食欲がない」と食事をスキップさせたり、「りんごだけ」「サラダだけ」なんて日がよくある。

 

そんな妻子にとって邪魔なのが僕なのである。

僕は朝・昼・晩、ちゃんと食べたいタイプなのである。食欲がなくても時間になったら形だけでも食事をしたいタイプなのである。

だから僕が家にいると妻は食事のことを常に考えている。朝ご飯を作りながら「お昼ご飯、何がいい?」と訊き、朝ご飯が終わると「夕食どうする?」「あ、明日のパン、買わなきゃ」と思考を巡らせる。

妻のおかげで僕はでっぷりと腹は出たものの健康体。一方妻子はかかりつけの医者に「体温を上げる野菜を食べなさい」「コーヒー、炭酸は飲みすぎ注意!」などと言われ、お互いのニキビを気にする結果になっているのである。

因果応報だ・・・。