僕がX(旧Twitter)を始めたのは2014年頃なんだけど、本当につい最近まで使い方やその仕組みをよくわかっていなかった。
なんかアカウントを開設した時に、自分の好きなジャンルを選んだような気がした。それからネットで「フォローすべき〇〇」みたいなのを調べていくつかフォローした以外は、ときどき開いて見るだけ。「♡(いいね)」は押さないし、コメントもしない。フォローもリツイートもしない。”見るだけ”。これを10年以上徹底してきた。

正直言うと、Xなんてただの暇つぶし。本当に暇をつぶすために見るだけ。(当時)40を過ぎたおじさんがXでインフルエンサーになろうなんて思うわけないし、友だちがほしいわけでもない。だから自分から発信することもほとんどなかった(このブログ更新のお知らせだけ)。
友達や知り合いにXのアカウントを持っていることも知らせていないから、フォロワーも数人程度。相互フォローなんてのもしない。元々人見知りだし、よくわからない人のつぶやきを聞いてもおもしろくもないし。
「♡(いいね)」をしないのは、面倒だから。それから本心で「いいね」なんて思ってないし、なんか「♡」が数万、数十万ってやつは放っておいても「♡」は増える。フォロワーや「♡」が増えてそいつの収入が増えるのも癪だった。
だから本当に”見るだけ”の10年だった。その間にTwitterからXへと名前が変わり、短いつぶやきから長文の投稿が増えたりと微妙な変化はあったものの、相変わらずただの暇つぶしの道具でしかなかった。僕はおじさんなのでInstagramのキラキラした投稿も見ないし、TikTokで踊る若者にも興味がない。ネットニュースの次の暇つぶし。それがXだった。
その結果、僕の「おすすめ」に表示されるのは「政治家の悪口」「選挙」「外国人排斥」「芸能人のゴシップ」「反ワク」関係のもので埋め尽くされることになった。なんでかはよくわからなかったが、「おすすめ」の表示の8割以上が人の悪口と非難で埋め尽くされ、Xを見るたびに陰鬱な気持ちにさせた。ただの暇つぶしのはずが、Xを開くたびに暗い気持ちにさせられた。そんなら見なきゃいいじゃないかと思うかもしれないが、他の暇つぶしがないので、しかたなくXを開き、他の人がつぶやく誹謗中傷を見てまた嫌な気持ちになる、という毎日を繰り返していた。ヤフコメじゃあるまいし、Xの利用者っておじさんばかりなのだろうか?

で、ある時、嫁も毎日Xを見ていることに気が付いた。嫁は政治とか経済とか全く興味ないのに・・・。でも嫁はたまに「かわいい~」とか言いながらXに投稿されたネコの動画や子供の寝姿画像などを僕に見せてくることがあることに気づいた。僕のアカウントには決して表示されないやつだ。
あれ?おかしいな?妻のXのアカウントには料理とか編み物とか動物とか、とにかく癒し系のTweetが表示されまくっている。僕のと全然違うのだ。
で、思わずChatGPTに「なんで?」と相談してみたところ、
・そもそもそういう投稿(政治批判、外国人排斥、ゴシップ等)は増えている。
・刺激的なつぶやきはエンゲージメントなるものを稼げる
・僕がその手の記事をクリックして詳細を読んでしまっている
・リスト機能を上手に使っていない
・癒し系の記事に「♡いいね」をつけていない
などが理由にあるということがわかった。つまり、「何もしない」「見るだけ」というのが原因だったらしい。
で、試しにいくつか動物系の動画を検索して、「♡(いいね)」を押してみたのである。すると次の日、いくつかのネコ動画が表示されるようになった。正直、あんまり猫に興味はないので、ネコ以外(犬、ハムスター、鳥、羊など)の動物動画に細かく「♡(いいね)」を押してみた。「ネコだからいいでしょ?」 - 俺よ、男前たれ
ついでに芸術系や人が親切なことをしている動画、名言Tweetなどにも「♡」を押してみた。フォローはせず、とにかくポジティブ投稿、癒し投稿にのみ「♡」を打ちまくったのである。
するとなんということでしょう!僕のXは1週間後には8割が明るい投稿、特に社会の役には立たない、刺激にもならないが、ほんわかした癒し投稿で埋め尽くされるようになったのだ。
なるほど、なるほど。世の中のX利用者はこうやって自分好みにXの羅列をカスタマイズをしていたのだな。納得納得。
それからというもの、僕の朝のトイレの時間、移動のバスの時間、カップラーメンを待つ時間はとても平和で優雅な時間になった。これでいいのだ。いや、これがいいのだ。
ま、一方で今まで以上に選挙に関心を持たなくなったけど・・・
