来月の研修で「ショートショート」を書く講座をやってみようと思った。ショートショートとはユーモアやサスペンスを生かした”オチ”をつける、きわめて短い小説のことで、有名な作家に星新一さんなどがいる。
僕はショートショート作家・田丸雅智さんのサイトからワークシートをダウンロードして自分なりにこの1か月練習していたのだが、この度、その講座自体がキャンセルになってしまった。で、もったいないので私が練習で書いたものを自分の思い出用に載せておくことにした。
田丸雅智の「WEB版! 超ショートショート講座」 - ショートショートガーデン(SSG)
練習①「没個営業」
10年ほど前に流行ったChatGPTは、その親しみやすい口調が一部の人気となったが、それはあくまで少数派で、多くの日本人はむしろ他人に対して無感情・没個性のほうがストレスが少ないと思うようになった。そこでわが社も2年ほど前から「没個営業」なる営業メソッドを取り入れることになった。要はセールスの際、無駄な世間話はしない、愛想笑いもしない、商品をシンプルに紹介し、顧客の質問にシンプルに答えるだけ。このほうが顧客は断りやすく、質問もしやすいので話を聞いてくれるのだという。先日、私は昔の癖でつい妙齢のご婦人に「お若くていらっしゃる」などと言ってしまい、怪訝な顔をされてしまった。没個営業で許されるのは挨拶と礼のみ。おかげで新人教育もやりやすくはなったし、営業技術も一定のクオリティーが保てるようになった。社内の競争がなくなり辞める社員も減ったし給料も均一になった。以前は営業トークの腕を磨いて部署のエースとして社長賞ももらったものだが、今は定年間近で新入社員と同じ給料だ。ま、これも時代だ。仕方がない。今日も例のバーによって「ボッコちゃん」に愚痴を聞いてもらおう。

練習②「商売繁盛雲」
客A「明日、大事な商談があるんです。僕はうまく行くでしょうか?」
占い師「そうですね。では占ってみましょう。ふむふむ。これはいい!この水晶を見なさい!商売繁盛雲が映っている!」
客A「それって、雲が映っているだけでは?」
占い師「これが私の占い方です。大丈夫、明日の商談はうまく行きます。」
客A「わかりました!ありがとうございます!」
占い師「次の方!え?恋愛運?どれどれ…おお!恋愛成就雲が見えます!問題なし!」
客B「・・・そうですか」
占い師「次の方!ははぁ、子宝に恵まれないですか。大丈夫、ワタシには子孫繁栄雲が見えてます。ハイ次!」
客C「ちょっと!先生!昨日の占い、全然当たってないんですけど!」
占い師「昨日?あ、絶対合格雲が見えた方。仕方がありません。雲は形を変えるものだし、あなたも・・・流れてしまったんでしょう」
練習③「タッチパネル式社長」
A「最近、社長が古くなっちゃってね。買い替えようと思うの。何かいいモデルある?」
B「御社の社長はもう7年目ですものね。ちょうど新型が出ましたよ」
A「でも、うちは挨拶とスピーチと印鑑、あとは接待くらいしか使わないのよ。多機能すぎると困るわ」
B「でしたら、こちら。機能を絞った“タッチパネル式社長”です」
A「え、条件をタイピングしなくていいの?」
B「はい。スーツやネクタイの色はタッチで変更、体格もピンチアウトで調整できます。社長の隣に立って確認できますよ」
A「面白いわね。でも指紋とかベタベタつかない?」
B「お手入れは必要です。あと握手のとき誤動作が起きやすいので…」
A「それは不便ね。あれ?反応しないわ」
B「奥様、ハンドクリームを?」
A「もう年かしら、指紋も薄くなってきて(笑)。まあいいわ、これに決める」
B「ありがとうございます。現社長はどう処理しましょう?」
A「もうアナログは疲れたの。処分ね。あと次はね……音声入力できるAI社長を開発しておいて」
練習④「枕の群れ」
