俺よ、男前たれ

おもしろきこともなき世をおもしろく

彼女がいなくてもいいやと思う瞬間

昨日、なにげなく「gooランキング」というページを見ていたら

”彼女がいなくてもいいやと思う瞬間”ランキングなるものの結果が出ていた。


”彼女がいなくてもいいやと思う瞬間”


そんな瞬間あるか!?

あるわけない!

そんなのは”彼女”というものに不自由していないヤツらがもつ贅沢な幻想

なんか、金持ちが「金なんて持ちすぎるとかえって疲れちゃうよ」とかぬかしているのに似ている。


ちなみに「彼女がいなくてもいいやと思う瞬間」は

1位が「趣味に没頭している時」

2位が「自分の家で一人でくつろいでいる時」

3位が「男同士で遊んでいる時」

4位が「仕事がおもしろいと感じるとき」

だそうである。


思うか!?

趣味に没頭していても彼女はほしいだろ?

自分の家で一人でくつろいでいる時にも、彼女はほしいだろ?

男同士で遊んでいる時も、話題は「彼女がほしい」だろ?

仕事がおもしろいと感じててもやっぱり彼女はほしいだろ?



ああ、腹立たしいと思いつつ、ジャージに着替え、朝の公園へ向かう。

週末の朝はよく公園へ行って運動するのだ。


今年になってずっと体調を崩していたので、週末の運動は今年初めて。

やはり運動は気持ちがいい!

風は少し冷たいが、天気はいいし、絶好の運動日和だ。


公園に着いたらまずはラジオ体操。

普通の人はウォームアップでラジオ体操を行うが

俺ぐらいになるとラジオ体操がメインになる。


ゆっくりヨガのような動きでラジオ体操を楽しむ。

背筋がビッと伸びて気ン持ちいい~!!

肩がボキボキなってえくすたすぃ~!!


ラジオ体操でオルガニズムに達したのでベンチに腰かけ、ゆっくりあたりを眺める。

すると公園の芝生にいる一人のおっさんに目が止まった。

おっさんは持参した折りたたみイスに座って、ラジコンを操作している。

竹と紙で作ったものに、小型のモーターをつけているようだ。

”ブーン”という音を立て、風にゆられながら、ボウフラのようにラジコン飛行機はおっさんの上空を飛んでいる。


おっさんは「趣味に没頭している」


ちょうど「彼女なんていなくてもいいや」と思う瞬間である。

果たしておっさんはそのように感じているのだろうか。


日曜日の公園で、一人ラジコンに興じるおっさん。

背中に一抹の寂しさを漂わせたおっさん。

なあ、おっさん、あんたは本当に幸せなのかい?


するとおっさんはラジコンをやめ、ジュラルミンケースの中から銀色の水筒を取り出す。

フタを開け、それをコップに中身を注ぐ。

中身は紅茶かコーヒーか

うまそうな白い湯気を上げている。

おっさんは2・3度フーフーした後、ズズズズズっとドリンクを吸い上げる。


そしてさも幸せそうに「はーっ」と白い息を吐いた。


おっさんは今、まがいもなく「幸せ」を噛み締めている・・・。