俺よ、男前たれ

おもしろきこともなき世をおもしろく

僕の好きな先生

「僕の好きな先生」

 

たばこを吸いながら いつでもつまらなそうに
たばこを吸いながら いつでも部屋に一人
僕の好きな先生 僕の好きなおじさん
たばこと絵の具のにおいの あの部屋にいつも一人
たばこを吸いながら キャンパスに向かってた
ぼくの好きな先生 ぼくの好きなおじさん

 

たばこを吸いながら 困ったような顔をして
遅刻の多いぼくを 口数も少なくしかるのさ
ぼくの好きな先生 ぼくの好きなおじさん
たばこと絵の具のにおいの ぼくの好きなおじさん

 

たばこを吸いながら あの部屋にいつも一人
ぼくと同じなんだ 職員室がきらいなのさ
ぼくの好きな先生 ぼくの好きなおじさん
たばこを吸いながら 劣等性のこのぼくに
すてきな話をしてくれた ちっとも先生らしくない

 

ぼくの好きな先生 ぼくの好きなおじさん
たばこと絵の具のにおいの ぼくの好きなおじさん

 

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いや~、逝ってしまったね。

 

ぼくは特にファンというわけではないけれど

 

清志郎さんは好きなおじさんだったな。


子どもの頃、『ザ・ベストテン』を見ていたら、「いけないルージュマジック」のPVが流れてきた

 

あの、坂本龍一とキスをするやつ

 

それを茶の間で親と見ていて、親がしかめっ面で見ていたな

 

ぼくは親の顔と画面を交互に見て

 

「これは見てはいけないものなんだ」「あの人は悪い人なんだな」

 

と幼心に思った。

 

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それから小学校高学年になった頃

 

いつものように雑誌『平凡』の付録「Yong Song」(通称ヤンソン)を見ていたら

 

RCサクセションの『COVERS』の特集が載っていた。

 

その特集記事と歌の歌詞をを食い入るように見て

 

「とにかくすごい人たちなんだな」という思いが半分

 

発売中止騒動や反社会的なメッセージを見て

 

「怖い人たちかも」という思いが半分残ったな・・・


大学生になった頃、清志郎さんが『Hey!Hey!Hey!Music Champ』に出たのを見た。

 

その頃には僕も大人になっていたし、清志郎さんも大人になっていた。

 

清志郎さんは「(唇の下のひげに)納豆がつくんだよねえ」とつぶやくと

 

松っちゃんが「いいこと教えてあげましょか・・・・剃ったらいいんですよ。」

 

「そっか~、それは気づかなかった!」なんてことを話していた。

 

意外に優しいおじさんなんだ~と思ったな。

 

あのとき披露していた「Good Lovin’」

 

いい曲だったな~。

 

あの独特の声とビブラートが泣いてるようで

 

それでいて優しい曲だったな



その後も、君が代をロックバージョンで歌う姿や

 

自転車盗難騒動などのニュースで時々見かけるたびに

 

ますます味のある、素敵なおじさんになっていたな。


そんな僕が一番好きな清志郎SONGが「僕の好きな先生」

 

僕は学生時代、劣等性というわけではなかったけど、

 

そんなに友達とはしゃいだりする方じゃなくて

 

部活を途中で辞めてからは結構一人でポツンとしてたな


で、高圧的な先生ばかりの中に、ポツンといるダメな先生

 

好きだったな~

 

公立校の教師という、とんでもなく閉鎖的で偏屈な社会の中で

 

反抗もせず、やる気も出さず、のらりくらりと過ごしている先生


僕はそんな大人に親近感を抱き、

 

「かわいそうでもあり、かわいくもあるやつ」と見下していた

 

まさか自分が将来、そんな大人になるとは思っていなかったけどね


でも、このご時勢、「僕の好きなおじさん」と言われることの

 

なんと稀少で素晴らしいことか

 

人とはかくありたいものよ。

 

清志郎さんに合掌

 

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