芸術の秋です。
僕の周りでは「コンサートがあるから」とか「お笑いライブに出るから」とか「今回の役は結構重要だから」とか色々なことをいってチケットを売りまくる人たちがいる。
ま、どれもこれも素人に毛が生えた態度なので、知り合いじゃなければ見る気にもなれないものなのだが、今日見に行ったのはその中でも結構きつい部類に入るものだった。
その知り合い曰く「ミュージシャン、芸人、ダンサー、シンガーなど色々なパフォーマーが集まってやるライブだから絶対楽しいっすよ!チケット割引にしますんで、お願いします!」ということなので、3,500円のチケットを2,000円に値切って買ったのである。
蓋を開けてみたら秋葉原の地下アイドルやダンス教室の子ども達、さらには素人芸人たちで、集まっている客も地下アイドルのファンのおっさん、熱狂的な母親、芸人さんのバイト仲間といって体たらく
しかも、一人一人の持ち時間が長い。
一人当たり20分だから、地下アイドル達は一人3曲ずつ披露できるのである。
これはきつかった・・・。子供達飽きてるし・・・。
しかもプログラムを見たら20組ぐらい出る予定なのである。
20分×20組だから400分、つまり6時間半以上!?
僕は6番目に知り合いが出たのを確認し、家路についた・・・。
話は変わるが、お笑い芸人の中に、「宇宙海賊 ゴー☆ジャス」という人がいる。
僕がこの人のことを知ったのは1年半くらい前で、何度目かのお笑いブームが始まったぐらいの時。
5分や10分といった長いネタはできず、1分ネタや、リズムネタ、あるあるネタなど、
基本的には同じようなものを、手を変え品を変えキャラクターを変えて披露していた時代
僕はゴー☆ジャスを見た。
見た瞬間
「恥ずかしい奴・・・・」と思った。
「あんな格好をしないとテレビに出られないのか・・・・・・でもあんな格好をするくらいならテレビになんて出たくはないな」
「僕だったら罰ゲームでもない限り、絶対あんな格好しないよな。」
「あのメイクじゃ、コントや漫才はできないし、ネタは地球儀ネタ一本だけだろうな。」
「発展性がないな。これじゃ5年ももたないよ。テレビに出られるだけラッキーだよ」
「頭の悪いネタ。僕だったらもっと知的なネタを考えるのに」
「”宇宙海賊”って・・・・陳腐にもほどがあるだろうに・・・」
「あのメイクといい、『これが素顔です』というギミックといい、聖鬼魔Ⅱじゃん」
あの頃の僕は言いたい放題だった。
で、今日、フジテレビ『爆笑レッドカーペット 2時間SP』内のコーナーにて、ゴー☆ジャスの密着取材があった。
すると、ゴー☆ジャスが出演するライブ会場には彼の固定のファンもいて、黄色い歓声を上げていたのである。
ゴー☆ジャスは役者を目指して福島から上京。
(そうか・・・・ゴー☆ジャスの張りのある声は役者の発声か)
ひょんなことから出たお笑いライブで優勝して、芸人に転向したそうである。
両親は複雑な顔でゴー☆ジャスのネタを見て、ダメ出しをし、そして渋々芸人を続けることを認めた。
僕はいまでもゴー☆ジャスのことは「売れるために馬鹿みたいなことをして目立とうとする人」だと思っている。
しかし、それでもテレビに出ているということはすごいのである。
世の中にはテレビに出たくても出られない芸人たちが本当にたくさんいるのである。
ちっちゃなライブ会場でしかネタを披露できない人のほうが、圧倒的に多い。
それを思うと、テレビに出て「あいつ、つまんね~」「将来性なんてないのに、よく芸人なんてやってられるよな」と評価されることは幸せなことかもしれない。
こうして何回も「ゴー☆ジャス」と書かれていること自体、芸人としては大成功なのかもしれない。
僕は決してゴー☆ジャスのようになりたいとは思わないけど、
芸人としてAランク(いいすぎ?ま、真ん中より上のランク)にいるにちがいない。
これで島田紳助さんに好かれでもしたら安泰だ・・・・