>【ロンドン時事】体操の世界選手権第5日は17日、当地で種目別決勝の前半男女5種目が行われ、女子段違い平行棒で鶴見虹子(朝日生命ク)が14.875点で2位に入り、個人総合の銅メダルに続いて、二つ目のメダルを獲得した。
いや、昨日の夜中に世界体操選手権のダイジェストを見ていたんですが、
もう興奮しましたね。
いやもう、めでたい!素晴らしい!
やっぱり一人、ヒーローかヒロインが生まれると、俄然その競技を見るのが面白くなるね。
本当にすごい!!
鶴見虹子選手はまだ幼さが残る17歳!
なのに全日本選手権個人総合4連覇中!
ということは、中学の時からずっと日本チャンピョンだったってことだ。
すごくね?
で、世界選手権に出ている選手は多くが10代で、中学生選手も珍しくない。
体操というのはそういう世界なのだ。
鶴見虹子のインタビューを見ると、日本体操界のエースとしての風格と、声の幼さとのギャップに驚く
鶴見選手と同世代の女の子は、ガラガラ声でこんなんなってるのに・・・
一方で、僕は鶴見選手の健闘を称えるとともに、
若干の不安と心配も抱えてるのだ。
というのは、女性アスリートの中には若くして選手としてのピークを迎える人も多い
体操しかり、水泳しかり、フィギアスケートしかり。
彼女は当時14歳で金メダルを獲得、一躍時の人となり、シンデレラガールとなった。
しかしその後、「成長」というごく自然な現象により、思うように体が動かなくなり記録は伸び悩んだ。
マスコミは「女性らしい体つきに」と表現を選んだが、簡単にいうと乳が大きくなって邪魔になり
背も伸びて体も大きくなり、スピードが出せなくなったのである。
人間としてはごく普通の成長なのに、選手として記録が伸びないことへの葛藤
彼女は大学卒業あたりで競技を止めたが、おそらくそれまでずっと悩み続けていたんだと思う。
僕も彼女を苦しめる世間の目の一つであったので、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいだったのだが、
先日、結婚したというニュースを聞いて、本当に「ああ、良かったね」という気持ちになれた。
彼女達のデビューは本当に鮮烈だった。
本当に「体が軽くて仕方がない!」という感じで、軽やかにジャンプし、高速で回転し、音も立てずに着地した。
彼女らが14歳~16歳ぐらいの時は
「スケートが楽しくてしょうがない!!」
そんな感じが画面からも伝わってきたものである。
が、2人にも「体の成長」は訪れた。
手足が伸び、女性としては美しい体形になった。
表現力にも磨きがかかった。
しかし、肝心のジャンプが苦しくなった。
昔のように軽やかに飛べない。
安藤美姫の試合を見ていると、いつも緊張、あせり、悲壮感が伝わってきて、
昔のチアガールでエキシビジョンを滑ってた頃を知っている身としては心苦しいのである。
同じように浅田真央
あんなに得意だったジャンプが決まらない。
今回のフランス大会でも最初のジャンプを失敗
以前は見ている人全てを幸せにするスマイルが魅力的だった彼女が、今は氷上でなかなか笑顔を見せることができない。
そして見ている方も祈るような気持ちでしか見られなくなってしまった。
同年齢のキムヨナ選手が絶好調ということは、年齢的な問題だけではないんだろうけど
なんか、真央ちゃんがどんどん堕ちていくようで怖い・・・・
さて、話はもとに戻って、体操の鶴見虹子選手である。
ロンドンオリンピックまであと3年。
オリンピックの時は20歳
体操選手としては、おそらく最後のチャンス(早っ!)となる。
今回の世界選手権では跳馬で2回ひねりを突如1回にするなど、難易度を下げ、失敗のない演技を心がけた。
今回に限っては「美しい姿勢」が評価され、メダルを獲得できたが、
素人の僕が見ても外国人選手の技の難しさ、派手さは凄かった。
姿勢のミスで減点されたものの、「すごい!」と思わせる技は外国人選手のほうが多かった。
鶴見選手は今後、D難度、E難度の技を、精度を損なわずに増やしていくんだろうけど
そこにも「体の成長」という”優しい悪魔”が忍び寄ってくる。
鶴見よ!負けるな!
ちなみに「体操がやりづらくなっても体が成長してほしい」と思うのか、「ロンドンまでは体の成長が止まってほしい」と思うのか
ご両親はどっちなんだろう?