健「ねえ・・・」
武雄「なんだい、健くん」
健「ベストジーニストって何?」
健「それって何よ?」
武雄「えっと、ちょっと待ってよ・・・・・・幸恵さ~ん?」
幸恵「何、武ちゃん?」
武雄「ねえねえ、ベストジーニストって何?やっと健君が僕に話しかけてくれたんだけど、わからないんだよ」
幸恵「まあ!健ちゃんが!やっとあなたのこと、新しい父親だって認めてくれたのよ!がんばって教えてあげて!」
武雄「頑張ってって、言われても、知らないんだよ。ベストジーニスト」
幸恵「だから、ベストのジーニストでしょ?」
武雄「だから、ジーニストって何よ?」
健「・・・・・・今年、リーバイスってそんなに売れてるの?」
武雄「え~~~っと、ちょっと待ってね。幸恵さ~~ん!」
幸恵「どうだった?健ちゃん、ちゃんと”ありがとうパパ!”って言ってくれた?」
幸恵「知らないわよ~。ちょっと待って。ネットで調べるから・・・・」
武雄「どう?どう?」
幸恵「・・・・・・・・・・今、一番注目を浴びてるジーンズは・・・・ドンキ・ホーテね。」
武雄「ドンキ・ホーテ?あの激安の殿堂の?」
武雄「本当?すごい!680円のジーンズなんて!ねえ、買ってよ幸恵さん!」
幸恵「もうちょっと我慢して。そのうちワンコインで買えるようになるから。それより健ちゃんに報告よ!」
武雄「うん、わかった!」
武雄「健君!健君!わかったよ。だからとりあえず、パパって呼んでよ」
健「・・・・・・・・・・で、ベスト・ジーニストって何よ?」
武雄「う~ん、健君、いけずぅ~~。ベスト・ジーニストはドンキ・ホーテでした!」
健「・・・・・・・・・・なんで?」
武雄「何でって・・・・ほら、ドンキ、安いじゃん。ジーンズ690円だって。」
健「今年のベストジーニスト、鳩山夫人だって言ってるよ。」
武雄「え!本当?何それ?ちょっと待ってて。幸恵さ~~~~ん!!」
幸恵「どうだった?健ちゃん、ちゃんと”ありがとうパパ!明日はホームランだ!”って言ってくれた?」
幸恵「じゃ、ジーンズ顔ってことじゃない?」
武雄「ジーンズ顔?」
幸恵「ほら、幸夫人の顔って、なんか洗い立てのシワシワジーンズって感じがしない?」
武雄「あ!するする!さすが幸恵さん!よし、行ってくる!」
幸恵「頑張って!」
武雄「健君!」
武雄「(Uターン)」
幸恵「どうだった?健ちゃん、ちゃんとあなたの胸に顔をうずめて喜んでくれた?」
武雄「いやいや、健君身長188cmあるし・・・僕身長160cmだし。それより、亀梨もだって!しかも4年連続!」
武雄「多分」
幸恵「あの人もジーンズ顔なの?」
武雄「いや、僕、亀梨知らないし。」
武雄「あと、幸田来未も4年連続だって」
幸恵「幸田来未って、あの”陽水は年取って頭が腐った”って言った人?」
武雄「”羊水は年取ると腐る”って言ったんじゃなかったっけ?」
幸恵「そうだっけ?あのパチンコのCMに出てる派手な人でしょ?」
武雄「う~~ん、多分」
幸恵「じゃ、”ホストとホステスに似ている芸能人”ってことかな?」
武雄「もしかして、ジーンズの似合う人じゃない?」
幸恵「え?鳩山夫人が?」
武雄「あ、そりゃないか。」
幸恵「それに、亀梨も今年、テレビ出てないじゃん。」
武雄「うん・・・・・まあ。」
幸恵「幸田来未に限っては、ジーンズ履いてないし」
武雄「あ、でもこの日のためにわざわざ買って履いたのかも・・・・・」
幸恵「そんなのずるいわよ。普段からテレビで履いてなきゃ。そんならあたしのほうがよっぽどベストジーニストよ!」
武雄「ま、幸恵さんのはシマムラで買ったウエストがゴムのやつだけど・・・」
武雄「ちなみに、SPEEDもらしいよ」
武雄「それで健君、わかってくれるかな?僕のこと、認めてくれるかな?僕のこと、パパって呼んでくれるかな?」
幸恵「う~~~~ん。難しいかもね。あんた、もともと健ちゃんのサークルの後輩だし。」
武雄「そうなんだよね~~~。先輩がいつしか息子になるなんて思いもしなかったもんな。」
幸恵「あたしも息子の後輩に手を出すなんて思いもしなかったわ。よっぽどたまってたのね」
武雄「しかも幸恵さんがあんなに大胆とは・・・・・・・うふ」
幸恵「もう・・・武ちゃんたら・・・・うふ」
健「ねえ、ベストジーニスト、わかった?」
健「へ~~、そうなんだ。なんでわかるの?」
武雄「・・・・・・・・・っぽくないっすか?」
健「ん~~、まあ、”っぽい”よね。」
武雄「ね?」
健「わかった。ありがとね。タケ」
武雄「もう~~いけずぅ~~」