俺よ、男前たれ

おもしろきこともなき世をおもしろく

ベストジーニスト賞2009

健「ねえ・・・」

武雄「なんだい、健くん」

健「ベストジーニストって何?」

武雄「ベストジーニスト、ベストジーニスト・・・あの・・・ベストのジーニストでしょ?」

健「それって何よ?」

武雄「えっと、ちょっと待ってよ・・・・・・幸恵さ~ん?」

幸恵「何、武ちゃん?」

武雄「ねえねえ、ベストジーニストって何?やっと健君が僕に話しかけてくれたんだけど、わからないんだよ」

幸恵「まあ!健ちゃんが!やっとあなたのこと、新しい父親だって認めてくれたのよ!がんばって教えてあげて!」

武雄「頑張ってって、言われても、知らないんだよ。ベストジーニスト」

幸恵「だから、ベストのジーニストでしょ?」

武雄「だから、ジーニストって何よ?」

幸恵「もう、武ちゃんったら!ジーパンよ!ジーパン!」

武雄「ああ、ジーパンか!一番いい、ジーパンね!OK!OK!」


武雄「健君!あのね。ベストジーニストってのはね、あの、一番いいジーパンのことだよ。リーバイスとか、エドウィンとかで、一番いいやつ」

健「・・・・・・今年、リーバイスってそんなに売れてるの?」

武雄「え~~~っと、ちょっと待ってね。幸恵さ~~ん!」

幸恵「どうだった?健ちゃん、ちゃんと”ありがとうパパ!”って言ってくれた?」

武雄「今年って、そんなにリーバイスって売れたの?エドウィンとかの方が上じゃない?それとももしかしてジーンズメイトとか?」

幸恵「知らないわよ~。ちょっと待って。ネットで調べるから・・・・」

武雄「どう?どう?」

幸恵「・・・・・・・・・・今、一番注目を浴びてるジーンズは・・・・ドンキ・ホーテね。」

武雄「ドンキ・ホーテ?あの激安の殿堂の?」

幸恵「そう。g.u.が980円、西友が880円、そんでドンキが680円でジーンズを売ってるみたい」

武雄「本当?すごい!680円のジーンズなんて!ねえ、買ってよ幸恵さん!」

幸恵「もうちょっと我慢して。そのうちワンコインで買えるようになるから。それより健ちゃんに報告よ!」

武雄「うん、わかった!」

イメージ 1


武雄「健君!健君!わかったよ。だからとりあえず、パパって呼んでよ」

健「・・・・・・・・・・で、ベスト・ジーニストって何よ?」

武雄「う~ん、健君、いけずぅ~~。ベスト・ジーニストはドンキ・ホーテでした!」

健「・・・・・・・・・・なんで?」

武雄「何でって・・・・ほら、ドンキ、安いじゃん。ジーンズ690円だって。」

健「今年のベストジーニスト、鳩山夫人だって言ってるよ。」

武雄「え!本当?何それ?ちょっと待ってて。幸恵さ~~~~ん!!」

幸恵「どうだった?健ちゃん、ちゃんと”ありがとうパパ!明日はホームランだ!”って言ってくれた?」

武雄「何それ?それよりベスト・ジーニストって、ジーパンのことじゃないよ。今年のベストジーニスト、鳩山夫人だって!」

幸恵「じゃ、ジーンズ顔ってことじゃない?」

武雄「ジーンズ顔?」

幸恵「ほら、幸夫人の顔って、なんか洗い立てのシワシワジーンズって感じがしない?」

武雄「あ!するする!さすが幸恵さん!よし、行ってくる!」

幸恵「頑張って!」

武雄「健君!」

健「(テレビを見ながら)へ~、KAT-TUNの亀梨と幸田来未も今年のベストジーニストで4年連続なんだ~」

武雄「(Uターン)」

幸恵「どうだった?健ちゃん、ちゃんとあなたの胸に顔をうずめて喜んでくれた?」

武雄「いやいや、健君身長188cmあるし・・・僕身長160cmだし。それより、亀梨もだって!しかも4年連続!」

幸恵「亀梨って・・・・昔、『修二と彰』とかやってた人?『青春アミーゴ』とか歌ってた人?」

武雄「多分」

幸恵「あの人もジーンズ顔なの?」

武雄「いや、僕、亀梨知らないし。」

イメージ 2


武雄「あと、幸田来未も4年連続だって」

幸恵「幸田来未って、あの”陽水は年取って頭が腐った”って言った人?」

武雄「”羊水は年取ると腐る”って言ったんじゃなかったっけ?」

幸恵「そうだっけ?あのパチンコのCMに出てる派手な人でしょ?」

武雄「う~~ん、多分」

幸恵「じゃ、”ホストとホステスに似ている芸能人”ってことかな?」

武雄「もしかして、ジーンズの似合う人じゃない?」

幸恵「え?鳩山夫人が?」

武雄「あ、そりゃないか。」

幸恵「それに、亀梨も今年、テレビ出てないじゃん。」

武雄「うん・・・・・まあ。」

幸恵「幸田来未に限っては、ジーンズ履いてないし」

武雄「あ、でもこの日のためにわざわざ買って履いたのかも・・・・・」

幸恵「そんなのずるいわよ。普段からテレビで履いてなきゃ。そんならあたしのほうがよっぽどベストジーニストよ!」

武雄「ま、幸恵さんのはシマムラで買ったウエストがゴムのやつだけど・・・」

イメージ 3


武雄「ちなみに、SPEEDもらしいよ」

幸恵「あ、だから、たぶん、ベストジーニストってのは、なんか・・・・昔あんなに人気があったのに、下火になっちゃって、ジーンとさせちゃう人?みたいな感じじゃない?」

武雄「それで健君、わかってくれるかな?僕のこと、認めてくれるかな?僕のこと、パパって呼んでくれるかな?」

幸恵「う~~~~ん。難しいかもね。あんた、もともと健ちゃんのサークルの後輩だし。」

武雄「そうなんだよね~~~。先輩がいつしか息子になるなんて思いもしなかったもんな。」

幸恵「あたしも息子の後輩に手を出すなんて思いもしなかったわ。よっぽどたまってたのね」

武雄「しかも幸恵さんがあんなに大胆とは・・・・・・・うふ」

幸恵「もう・・・武ちゃんたら・・・・うふ」

健「ねえ、ベストジーニスト、わかった?」

武雄「え?あ、健君、あのね、わかったよ。なんとなく。で、あの~~~、とりあえず、来年は中島美嘉堂本剛だから!」

健「へ~~、そうなんだ。なんでわかるの?」

武雄「・・・・・・・・・っぽくないっすか?」

健「ん~~、まあ、”っぽい”よね。」

武雄「ね?」

健「わかった。ありがとね。タケ」

武雄「もう~~いけずぅ~~」

イメージ 4