俺よ、男前たれ

おもしろきこともなき世をおもしろく

板尾創路を考える

最近本当によくテレビで目にするようになった板尾創路

 

特に最近は役者としての活躍が目覚ましい。



多くの板尾ファンはブラウン管で彼の姿を見かける機会が増えて喜んでいるかもしれない。

 

が、僕は彼がテレビに出れば出るほど頭を悩ます反・板尾派である。

 

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よく言われるように、板尾創路には「熱狂的なファン」と「全く理解できない人」がいる。

 

熱狂的なファンから見ると板尾創路は「とにかく面白い」「天才的な人」であり、ファン曰く「ダウンタウン松本人志に並ぶ」「M-1の審査員になってもらいたい」ぐらいの人らしい。

 

一方で、僕のように板尾創路の笑いを全く理解できない人にとっては「何が面白いの?」「なんでみんな笑ってるの?」「今田さんやジュニアさんほどの人がなんで板尾を認めてるの?」と疑問ばかりが浮かんでしまい、たとえばたまに日本テレビガキの使いやあらへんで』に出てきても全く笑うことができずに終わることになる。

 

先日も深夜のドラマ『木下部長とボク』に出ていたのをたまたま見たが、たしかに不思議な雰囲気を持っている人ではあるが、ドラマの主役になるほどではないし、とりたてて面白いわけではない。

 

また、本屋などでたまたま目に付いた『板尾日記』をパラパラめくってみても、全くと言っていいほどおもしろいことは書いておらず、本当に普通の日記なのだが、これが第3巻、第4巻と次々に発売されている。つまり、売れているらしいのだ。

 

で、以前なら「わかる人にはわかる、板尾創路の笑い」ということで見過ごすことができたのだが、最近はかなり露出が増えて、いろいろなところで目にするようになり、各方面で高い評価を受けているために、どうしても「なんで板尾創路がウケるのか」を考えざるを得ない状況になってきた。

 

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僕の知り合いにも板尾創路を大絶賛する男がいる。

 

彼は『ごっつうええ感じ』の頃からのファンだそうで、彼曰く「板尾さんはいるだけで面白い」「空気が面白い」のだそうだ。

 

う~む・・・・わかるような、わからないような・・・。



一般的に”シュール”と呼ばれる人たちがいる。

 

昔の”よゐこ”のネタや、最近ではPoison girl bandなんかもそうかもしれない。

 

しかし、Poisonのネタは大好きだし、よゐこがウケた理由も理解はできる。

 

しかし、板尾創路のネタはさっぱりわからないのである。「意味が不明なことを言う」という笑わせ方もあるが、板尾創路は「何もしない」し、「(特別なことは)何も言わない」のである。

 

でもみんなは笑うのである。

 

なんでだ?

 

最近のドラマや僕の大好きなペ・ドゥナとの共演作『空気人形』などを見たが、役者としても特別巧いわけではない。

 

多彩な役を演じ分けているわけではないし、台詞も一見棒読みだ。

 

そこにいるのはあくまで「板尾」なのである。

 

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以前は板尾創路を認知できる人自体が少数派(2割以下?)だったため、むしろ僕らは板尾支持派を「変わり者」と見下すことができた。

 

板尾創路ファンは肩身が狭そうで、誰にも共感してもらえない苦しい立場にいたし、あえて理解してもらおうともしなかった。



が、最近では逆に僕のほうが

 

「板尾さんの笑いがわからないの?可哀想に・・・」

 

「板尾さんの魅力がわからないようじゃ、まだまだだね」

 

なんて見下される始末。

 

僕自身は今でも「日本人の8割は板尾創路では笑えないはず」「一見不思議に見えるただの大根役者」だと信じているが、実際にネットや雑誌、テレビなどで、声として現れる評価から見ると、むしろ板尾創路を認めないなんていう方が「人を良さを認めたがらない意地っ張りなひねくれ者」なんていうレッテルを貼られてしまう。

 

だけど、僕は本当にわからないのだ。
なんとか理解しようと努力はしているのだが、笑える要素が全くないのだ。

 

他のみんなは本当に板尾創路で笑えるのだろうか?

 

俳優・板尾創路を認めているのであろうか。

 

あんなわけのわからない男を・・・

 

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そんな折り、テレビのCMで『板尾創路の脱獄王』の宣伝が流れた。

 

そしてそのCMを見た瞬間、不覚にも僕は「ああ、なるほど。これはおもしろそうだ・・・」と思ってしまったのだ。

 

監獄に入れられても脱獄ばかりを繰り返す、脱走の天才。

 

彼はいったい何故に脱獄を繰り返し、また簡単につかまるのか。

 

そうした精神異常者を演じる板尾創路のキャスティングに、僕は不覚にも”納得”し、”合っている”なんてと思い、 ”これは面白そう”などと感じてしまったのである。

 

う~む、ちょっと悔しい・・・。

 

それにしても、”板尾創路の~”と自分の名前を冠する映画なんて、普通の俳優・監督でもできないぞ。

 

「ドリフの~」とか、「チャップリンの~」、「北野武の~」「黒沢明の~」と同レベルなのか?



”本物の”俳優・映画監督さんたちはこのことをどう思っているのだろう?

 

僕と同じ気持ちでいてくれるだろうか?

 

とにかく、最近の板尾フィーバーを苦々しい気持ちで見ている僕なのである・・・・。

 

だれが板尾創路の魅力を教えてくれ・・・・

 

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もっとも、昔からの板尾ファンも「昔の、露出が少なく、ファンも少ないころのほうがプレミア感があって良かった」と思っているかもしれない。

 

また、あえて言うなら主役よりも「個性的な脇役」のほうが合っているような気もするが・・・。