俺よ、男前たれ

おもしろきこともなき世をおもしろく

綾瀬はるかの哀れ

あれが僕が小学5年生の頃

僕の学校には特別学級があり、多少知恵の遅れた子が3人所属していた。

一人は小学3年生のひでお君(仮名)

もう一人は同級生(5年生)のえぐちょん(仮名)

もう一人は一つ上の6年生のフランソワ(仮名)だった。


当時の僕は典型的ないじめっ子で、よくプロレスごっこと称して体の小さい子を相手にいじめたものだ。

また、言葉による暴力もさかんにしていた。

さすがに小学3年生のひでお君をいじめるようなことはしなかったが、

同級生のえぐちょんは陰でよくからかった。

掃除の時間にえぐちょんの机を運ぶときは

「うわ~、汚ねぇ~。えぐちょん菌がついた~」とか

「お前にタッチしたから、今、えぐちょん菌、お前のとこな。バ~リア!」

などとよく友達とふざけ合ったものだ。

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そしてフランソワに対しては・・・


実は僕はフランソワのことはよく知らない。

上級生だったし、彼女は週の半分は普通学級にいたからだ。

フランソワは、小学6年生の女子ながら、身長は164センチはあったか?

当時まだ背の低かった僕はずいぶん背の高い女だと思った記憶がある。

また、フランソワは、パッと見、普通の女の子と変わらない。

というか、むしろ愛嬌のある顔がかわいかったりした。

ミュージカル「アニー」の主役アニーを、すらっと背を高くしたような感じか?


つまり、モデルのような体型でありながら、なんとも愛嬌のある女子だったのだ。

一説によると、背が高いので最初「フランケン」と名付けられたが、先生に怒られたため、「フランシー」に変化。

それも先生に咎められて結局「フランソワ」になったらしい。


が、そのいきさつを知らなかった僕は、フランス人のように色白で、手足が長いからそう呼ばれているのだと思っていた。

友達の聡くんはしきりにフランソワをからかっていたが、当時、女の子の髪の毛に唾を吐くという、とんでもないやんちゃをしていた聡くんでさえ、フランソワには遠慮がちなからかい方しかできなかった。

遠巻きに「お~い!フランソワ!」といって逃げる。

聡くんは毎日そんなことばかりをしていた。

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その歳の運動会。

当時の女子はブルマーをはいて体育をしていたのだが、

フランソワはものの見事にブルマからパンツをはみ出しながら、クラスの列に並んでいた。

フランソワはまだ一人で満足に着替えができず、よくシャツをうまくスカートの中にしまえないところがあったが、その日もフランソワはブルマの中にパンツがしまえず、そのまま校庭に出てきてしまった。

僕や聡くんがフランソワの周りでドギマギしていても、フランソワは何事もなかったかのようにニコニコしている。

「あ~あ、だれか女子が直してやればいいのに・・・」と思いつつ

そのまま先生の集合がかかるまで、フランソワのはみ出しパンツを眺めていた小5の秋であった・・・。

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時は過ぎて、2010年

僕はあるCMを見て、25年ぶりにフランソワを思い出していた。

テレビ画面の中には綾瀬はるかがいた。

なにやらチアリーダーの格好をさせられて、きゃぴきゃぴはしゃぐ役をやらされていた。

なぜ、綾瀬はるかなんだろう?


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綾瀬はるかといえば、映画にドラマに主役を張り続ける、日本のトップ女優である。

演技の実力のほどはよく知らないが、とにかく立て続けに主演映画や主演ドラマが組まれるくらいの、超売れっ子である。

だからこそ、なにもこんな軽い役をやる必要などなかった。


もっとこの役の似合う、10代のモデルやらアイドルやらだっていたはずだ。

どうしても綾瀬はるかを使いたいのなら、もっと大物女優にふさわしいキャラクターでも良かった。

しかし、綾瀬はるかはおうおうにしてこんな役をあてがわれがちだ。

VierraのCMにしろ、ケンタッキーのCMにしろ・・・

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綾瀬はるかは、どうしてこんな役をあてがわれてしまうのか?

それは、綾瀬はるかどうしようもないくらい「人が良い」からだと思う。

綾瀬はるかは確かに「彼女にしたい女優No1」の名に恥じないほどかわいい。

が、それは過分にキャラクターに追うところが多い。


綾瀬はるかが「美人」かと聞かれれば、特別な美人ではない。

これは異論はないと思う。

宮崎あおい堀北真希などの「かわいさ」と、綾瀬はるかの「かわいさ」はまた意味が違う。

だから本来なら、綾瀬はるかがスタンダードになるはどうかと思う。



が、綾瀬はるかと競演した俳優、女優は、綾瀬はるかの天然ぶりと、人の良さにほだされ、撮影終了後はまず間違いなく綾瀬はるかが好きになるそうである。

どんな仕事も明るく、どんな人にも自然に接する綾瀬はるかは、

人を疑ったり、恨んだり、嫌ったりする感情をなくしてしまっているのかもしれない。

だからこそ、いやらしいプロデューサーやCMプランナーにだまされる。

「はるかちゃん、こんな役やってよ」と言われれば

「はい!がんばります!」と一声で引き受けてしまう。

綾瀬はるかを利用しているのだ。

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僕は綾瀬はるかが哀れでならない。

僕が綾瀬はるかのマネージャーだったら、そろそろ仕事を選び、綾瀬はるかの価値を上げにかかるだろう。

宮崎あおいと、その周りの人たちように。


しかしそんなことを知らない綾瀬はるかは、今も頼まれた仕事をなんの疑いもなくニコニコと、たんたんとこなしている。


痛い・・・。

実にイタい・・・・。

あんたは、そんなことをするタマじゃないのに・・・。


それが魅力と言われればそれまでだが・・・・

あんた、だまされてるよ

バカにされてるよ

ノー天気なキャラを押し付けられてるよ。

あんたにはもっと違う武器があるはず・・・


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