最近、バラエティに引っ張りだこの渡部陽一
これまで、それほど渡部陽一に注目していたわけではなかったので、単にしゃべり方がおもしろくて、マイペースな人ぐらいにしか思っていなかった。
「この人・・・・ただの変わり者じゃない!しかも、かなりバラエティのセンスのある人だ!」
渡部陽一は1972年生まれの38歳
大学生の時、アフリカのコンゴ民主共和国に旅行に行ったときに少年兵に銃をつきつけられ、「少年が銃を持ち、強盗をしなければならない状況を、世界の人に伝えなければ!」と思ったそうな。
だから、基本、この人はまじめなのである。
低い声で、ゆっくりと、たんたんと語る口調は、子供の時からだそうだが、
これは別にバカにしているわけでもなく、たまたまそんなしゃべり方なのだ。
今、マスコミはそのしゃべり方と、何事にも動じないキャラクターを面白がり、バラエティ番組でコメンテーターをさせたり、旅番組のロケをさせたり、いろいろなことをさせている。
が、僕はものすごい違和感を感じるのだ。
なんか、してはいけないようなことをしているような・・・。
渡辺さんは本当に”いいヒト”なんだと思う。
正義感、使命感のために、危険な国へと向かうし、
奥さんもとても大事にする。
きっと彼の奥さんは彼のことを尊敬し、愛しているに違いない。
人の頼みごとを断れず、バラエティ番組でどんなにバカにされても決して怒らず
決して笑いは狙わず、淡々と、かつ一生懸命質問に答えようとする。
本当に良いヒト。
それがテレビを通して伝わってくるから、あれだけ個性が強いキャラでも、人は彼を嫌いにならない。
「テレビ用の作ったキャラ」と言われることはあっても、「生意気」「むかつく!」「目障り」と言ったことは決して言われない。
以前、『行列ができる法律相談所』に出た時も、最初は強烈な個性で紳助をビビらせたが、最後には「自分が戦場の写真を撮り続ける理由」を切々と語り、紳助を感心させた。
これだけテレビに出ていても、戦場の様子にはなかなか触れてもらえず、いつも道化扱いされてしまう渡部さん。
戦場カメラマンとしての話を始めても、カットされるか、話をさらされるかで、結局自身のキャラクターをオチに使われてしまう渡部さん。
彼をからかって遊ぶのはもうやめにしてくれないか・・・
しかし、渡部さんのつらいところは、バラエティにしっかり対応できてしまうところである。
これがまたすごい。
これまでも素人ながら、バラエティ向けの人もいた。
コメントが面白い、見かけが面白い、リアクションが面白い、
オタクや変人、ムチャをする、照れる素人ぶりがかわいいetc・・・
が、渡部さんはそれらとは全く違う。
彼が考えていることはおそらくただ一つ
それだけなのだ。
だから、どんな無茶ブリにも、大きなリアクションも照れも笑いもなく、誠実に答える。
先日、『しゃべくり007』に出たときも――――――――――
堀内「カラオケでよく歌う曲は?」
渡部「・・・すぴーど」
上田「ちょっと歌ってもらっていいですか?」
渡部「はーてーしーなーい~~光の~かな~た~へ~・・・」
まったく照れがない。
有田「渡部さん、AVとか見るんすか?」
渡部「僕自身はAVは・・・・・・見ます」
まったくごまかしがない。
渡部「あるとき取材をしていたら、現地の人に『その写真を撮り終えたら、すぐに家族を作りなさい、子どもを産みなさい、恋人にプロポーズしなさい』と言われ、そのとおりにしました」
上田「そのシーン、やってもらっていいですか?徳井!相手役やって!」
徳井「お帰り・・・」
渡部「・・・イラクから、無事、戻ってきました・・・」
徳井「あなたが無事、戻ってくれたら、それでいいの・・・」
渡部「僕、ずっと、考えていたことがあるんです。あなたと、結婚したいんです。僕と、結婚してください。」
徳井「わ、わかりました(渡部さんの声真似で)」
芸人じゃあるまいし、いきなりプロポーズのシーンをやれ、と言われて、なんでできちゃうんだろう?
渡部さんはまったく躊躇もなく、拒否することもなく、照れ笑うこともなく、
徳井の目を見つめながらプロポーズを再現してみせたのである。
なんなんだろう?この対応力は?
誠実にもほどがある!
極めつけは、自分の弱点を発表したとき。
渡部さんの弱点は「『ニューシネマパラダイス』の音楽を聴くと涙腺が緩むこと」
で、実際にその音楽を流してみると・・・・・・・・・・・・(↓の動画をまず見るべし)
で、もう少し聞いたら泣けるかもしれないと、もう一度音楽を流してみた。
「ニューシネママラダイス」の音楽がなり、カメラが渡部さんの涙を取ろうと、ずっとズームアップしていく
渡部さんはちょっと照れながらカメラを見つめたまま・・・・・・・・・・やっぱり泣かないのである・・・・
なんなんでしょう?この面白さは?
しかし言い訳もせず、照れながらカメラ目線をくずさない渡部さん。
たまらないっす。
最後は、渡部さんの大好物のパエリアを食べたのだが、そこで『ニューシネマパラダイス』の音楽を再び流すと、スプーンを止め、しっかりカメラのほうを見て、先ほどと同じ、照れた表情を崩さずキープするのである!(でも泣かない)
この対応力!
バラエティで、自分が何を求められているか、ちゃんとわかってるのである。
それを頭の中で計算しているのか、単に誠実に対応しているだけなのか
それは本人しかわからない。
が、僕は渡部さんはとんでもなくいい人なんだと信じたい。
世の中に、こんな人が一人ぐらいいてもいい。
バラエティ番組でからかわれる渡部さんに、「戦場の現状」を伝えるチャンスをぜひ与えてもらいたいと思いつつ
やっぱりバラエティの渡部さんも見ていたい!
なんとも愛らしい渡部陽一さんなのでした。
『しゃべくり007』に出演した時の渡部さんのYoutube動画が見られなくなってるのは何でなんでしょうね?