それはおとといのこと。
仕事でへとへとに疲れて帰宅し、力なくスーツを脱いでいると、いつものように台所から嫁がいろいろなことを話しかけてきた。
「嫁の話を聞くのが夫の務め」とはわかりつつも、これがなかなか難儀
こっちはスーツを脱ぐことですら苦労するくらいヘトヘトなのに、やれ「益若つばさが離婚しそうだ」とか、「中国で車にひかれた女の子を誰も助けない」とか、「今日は鶏モモ肉が安かった」なんてことを話されてもすんなり耳には入らない。
しかたなく適当に「へ~、小森純がもう離婚か」なんて答えてしまうとすぐに「小森じゃないよ!益若だよ!ちゃんと聞いてるの?」なんて怒られてしまう。
どっちも同じようなものなのに。
で、シャワーを浴びてやっと夕食にありつけると思ったら、テレビを見ながらまたまた嫁がいろいろなことを言ってくる。
「最近、芦田愛菜ちゃんの笑顔があまりにも狙いすぎていていやらしい」などなど。
主婦らしい厳しい意見だが、これはこれで納得するに足る意見だったので
「前から言ってるけど、小雪なそれほど美形じゃないのに、日本でそういう風になっているだけ」
「前田敦子は、最近では逆に制作側が不細工を強調している気がする」
と僕なりの意見を返しておいた。
そして食事が進み、妻は思い出したようにこんなことを言い出した。
「あ、そういえばあたし今日、ゲロ吐いたよ」
食事中になんて素敵な話題を・・・と思いつつ、「なんで?」と尋ねると
今朝、パートに行く前に喉が渇いたのでコンビニでジュースを買って飲んだら気持ち悪くなってしまい、パート先で吐いたという。
こんなことを書いて、花王さんから営業妨害で訴えられないか心配だが、吐いてしまったものはしょうがない。
実は妻はもともと生姜がダメな人なのである。
じゃあ、なんで買ったんだ?と思われるかもしれないが、「“ジンジャー”が“生姜”だと気付かなかった」なんてことは妻の名誉のためにも口が裂けても言えない。
おそらく“新しモノ好き”の妻は、コンビニでヘルシア・ウォーターの新商品に貼ってある「秋の新味!」というラベルにつられて買ってしまったのだろう。
で、最初に一口飲んで「うげっ!これ生姜だ!」とわかったらしいが、もったいないので4分の1ほど飲んでみたらとたんに気持ち悪くなってパート先のトイレに直行したそうだ。
本当に漫画のような人生を歩む女だ・・・
で、「あたしはもう飲まないから、残りは飲んで!」と言われて僕も飲んだのだが、
これがもう、笑っちゃうくらい「不味い」のだ。
「え?まじ?」というレベル。
旨さを追求する気ゼロか?と思った。
たしかに商品のラベルにはいろいろ体に良さそうな謳い文句が書いてある。
「歩く、を応援」
「茶カテキン540㎎」
「脂肪を消費者しやすくする」
「スポーツドリンク」
「ビタミンC配合」
「カロリーオフ」
「食生活は、主食、主菜、副菜を基本に、食事のバランスを」
もう、うるさいくらいに「体にいい!」を謳っているのだ。
そりゃ最近運動不足のうちの嫁が食いつくのも無理はない。
が、健康を追求して作った結果がしこたま“まずい”
まず一口、口に入れた瞬間に生姜の味がする。
この生姜味がけっこう強い。
「生姜の絞り汁いれてんな~~~」とはっきりわかるくらいきつい。
で、生姜のきつさをゆずがなんとかマイルドに収めようとしているのだが、
最期に茶の苦みというか渋みが口に残って、「なんじゃこりゃ?」
生姜の味ではじまり、茶の渋みで終わる後口
僕はゲロを吐くほどではなかったが、これはもう、はっきり「まずい」
「最初はおいしく感じなくても、次第に慣れてきてクセになる!」のかと思いきや、最後までマズイ。
なんか、生姜とお茶が合わない。
全体として統一感がない。
お茶を作りたいのか、ゆずジュースを作りたいのか、生姜湯を作りたいのか・・・軸がないのだ。
結局、何を飲んでいるのかわからず、後口の悪さだけが残る。
花王さんよ、よくこれを商品にしたなぁ?
まあ、体にはいいんだろう。
「生姜」「ゆず」「茶カテキン」
単体で見れば体にいいものばかりだ。
これを飲んでウォーキングでもすれば、体もポカポカになり、脂肪もどんどん消費するんだろう。
でも味としてのまとまりよりも、効用を重視したのだ。よっぽど効果がないと勝負にならんよ。
せっかくなら「脂肪を消費しやすくする」じゃなくて、「脂肪を消費する!」ってはっきり謳ってくれよ。
じゃないと、こんなマズイものを飲んで効果で出なかったら罰ゲームだ。
ま、僕は効果があるとしても、もう二度と飲まないと思うけど・・・
不買の原因を自ら作ってるような気も・・・