俺よ、男前たれ

おもしろきこともなき世をおもしろく

嫁の実家に帰省する その②

嫁の実家に帰省してきた。

嫁の実家、韓国のソウルにて6泊7日の帰省は後半戦を迎えていた。


3 韓国のテレビ

僕は韓国は6回目だし、今回は嫁の実家に帰省するのが目的なので、特に観光をする予定は入っていない。

起きて、飯を食って、寝るだけだ。

必然的にホテルでテレビを見る時間も多くなる。

僕はとにかくオリンピックが見たかった。
日本人選手の活躍が知りたかった。

が、韓国のテレビで見られるのは当然韓国人選手の活躍ばかり。

当然と言えば当然なのだが、期待のNHKワールドチャンネルもほとんどオリンピックニュースを流さないのである。

しかたなくアメリカのプロレスWWEを見たり、普段見ないアニメを見ていたりしていた。

その中で猛烈におもしろかったのが『ワンピース』のサンジである。

彼は常にタバコをくわえているキャラクターなのだが、韓国では子供の見る番組でタバコを吸っている姿を映してはいけない決まりがあるらしい。

サンジが加えているタバコには、常時モザイクがかけられているのだ。

この違和感がとんでもない!

だって、サンジの口からずっと長いモザイクがかかっているのである。

これによってサンジは必然的に常にフェ○チオをしている感じになっているのである。

哀れ、サンジ・・・

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4 嫁の友だち

 嫁は1年ぶりの帰省を堪能していた。

昔ながらの友人、知人と会って、旧交を温めていた。

僕にとってもこれはとても喜ばしいことである。

口には出さないが、やはり普段、異国の地で、母国語を使わずに生活するのは多かれ少なかれストレスに違いない。

日本でも嫁はいとこが近所にいるし、日本人のパート仲間もいる。僕の家族もみな嫁を温かく向けてくれている。

それでもやはり昔からの友だちと会えないことは寂しいこともあるだろう。

僕は嫁にこれまでの1年分と、次の1年分くらい友だちとおしゃべりをしてほしいと思っていた。

が、これには僕にもそれなりの努力が求められた。

つまり、嫁が友だちと会う時は、僕もついていかなくてはならないのだ。

僕としてはホテルで本を読んだりブログを書いたりしながら留守番をしていても構わなかったのだが、このプランは妻や義母から「不自然だ」「(一人にするなんて)心配だ」「かわいそうだ」と断られた。

妻の友人らも「日本人の夫っとやらがどんなやつか見てみたい」ということなので僕も駆り出されることになったのだ。

が、僕は韓国語が話せない。

本当は妻の友だちの手前、「(妻は)日本でがんばっている」「うちの両親にもかわいがられている」ぐらいのことを言って、妻や友達をいい気持ちにさせてあげたいところなのだが、いかんせん、僕が韓国語がわからない。

よって、黙って飯を食うことになる。

話は変わるが、韓国で“いいお客さん”になりたかったら、「出された料理をおいしそうにたくさん食べる」ことが求められる。

僕はこれまで、韓国ではこれ一本で乗り切ってきた。

とにかくおいしそうにたくさん食べる。

これだけで「おお、どうやらあいつは悪い奴じゃないようだな」と思われるそうである。

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僕は嫁がおしゃべりをしている間、ひたすら笑顔で食べまくった。

おしゃべりもしないで食事をすると、男はたいてい10分程度で食べ終わってしまうものであるが、嫁のおしゃべりは2~3時間は続く。

だから僕は食べ続ける。

少しは韓国語が話せるなら「まいう~」「これは何の料理ですか?」「この~、舌の上でまったりと溶けるような食感がたまらないですね~~」なんて言いながら時間を稼げるのだが、僕にはそれができない。

テレビを見たり、ケータイを見たりしながらご飯が食べられるなら、少しはダラダラと飯を食えるのだが、もちろんそれも論外だ。

だからひたすら食べる。

嫁の友人たちは最初は「ああ、食事を気に入ってくれているようだわ。良かったわ」という感じで見てくれるのだが、2時間以上も何もしゃべらず、黙々と、そして不気味に笑いながら食べ続ける日本人をだんだん不憫に思ってくるものらしい。

僕は正直、連日、韓国料理をごちそうになり、毎回毎回満腹になり、満腹中枢も少し壊れかけていた。

彦麻呂さんとか、石ちゃん石塚英彦)のようなグルメリポーターの気持ちが痛いほどわかった。

いつも笑顔で、おいしそうに、たくさん食べる。

正直、胃腸薬やカロリミットなども事前に飲んでいるのだが、そんなものはまるで効果を発しないほど食べた。

それが唯一僕にできることだからだ。

嫁は友達とおしゃべりするのが仕事。

僕はひたすら食べるのが仕事。

結局、韓国で15食以上食べたが、うんこも15回以上したと思う。

正直、食べるたびに出していた。

その結果、ケツの穴がとんでもないことになった。

あえて詳しくは描写しないが、この尻の穴の痛みこそが、嫁の実家へ帰省し、見事いい旦那を演じた男の勲章だと思う。


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