A「いや~、終わったね~。ロンドンオリンピック」
B「そうだね。日本は金メダルの数は予想より少なかったけど、結果的にはメダル総数が歴代最多。まあまあの結果と言えるだろうね」
A「それと今回のオリンピックは映像の凄さ!これ、本当にびっくりしたよ」
B「そうね。シンクロナイズとスイミングでは、水中と水上の2台のカメラを合成して、今までにない映像が見られたしね」
A「あ、あれ、プールにカメラを半分沈めたわけじゃないんだ?」
B「なんか、水中は光が屈折するので、水上よりも体が大きく映るらしいよ。だからそれをまた縮小して、水上の映像と合うように加工して・・・」
A「へ~、たまげたね~」
B「あと、体操なんかも空中に跳んだ選手の映像を180度ぐるっと回転して別角度から映す、とかね」
A「あれ、すごかったな。映画みたいだった。」
B「それ以外も、選手の動きに合わせてカメラが動くなんてのは、どの競技でも普通に行われていたしね。とにかくオリンピックのハイテク化が進んでいるのが印象的だったな」
A「オリンピックのハイテク化と言えば、バレーボール女子の監督、真鍋監督!」
B「ああ、あれね。iPad片手にね」
A「いまやゲームしながらオリンピックに出られる時代になったか」
B「ゲームじゃないよ!」
A「ん?じゃあアメーバピグか何か?」
B「だからなんで遊んでんだよ!」
A「iPadって、遊ぶ以外の目的があるの?」
B「当たり前だよ」
A「まさかエッチな動画を見てるんじゃ・・・」
B「んなわけないだろ!」
A「そういえば、真鍋監督が試合中にあせってた場面があったけど、もしかして”18歳以上ですか?”ってボタンをクリックしたら、エッチなバナー広告が消えなくなったとか?」
B「おまえと違うわ!というか、エッチな動画なんて見るか!」
A「そうだよね。そんなの見なくても目の前で繰り広げられてるんだしね」
B「お前はバレーボールをどういう目で見てるんだ!」
A「で、真鍋監督はiPadで何してるの?」
B「データ分析だよ」
A「え?それをiPadで見てるの?」
B「そうだよ。」
A「真鍋監督はプリンターを持ってないのかな?」
B「そういうわけじゃねーよ」
A「それとも単にiPadをこれ見よがしに自慢したいだけなんじゃ・・・」
B「ああ、たまに職場とかでそういう奴もいるけど、違うの!」
B「小さくて見えにくいだろが!」
A「いや、もうボロ負けになりそうになったらゲームに切り替えたらいいじゃない?」
B「怒られるわ!っつーかゲームから離れろ!あれはデータを分析してるんだから」
A「真鍋監督が?うそでしょ~(笑)。バレーばっかやってたおじさんだから最新機器に疎そうだし…」
B「お前、怒られるぞ・・・」
A「相手のデータを分析できるくらいなら監督なんかやってないでOLにでもなったらいいのに」
B「なんでだよ!しかも真鍋監督は男だよ!」
A「ちなみにiPadの壁紙とかは何を使ってるのかな?」
B「そんなとこ気にしなくていいよ」
A「意外に『まどか・マギガ』とか『けいおん』だったりして・・・」
B「美少女アニメかよ!んなわけねーだろ。」
A「でもデータ分析をiPodでやるとはね~・・・」
B「実際には、アナリストっていう、分析の専門家がいて、真鍋監督にデータを送ってるらしいよ」
A「ん?送ってる?」
B「そうだよ。試合中に、すぐに分析して、相手の打ってくるコースとか、攻撃パターンとかを監督に贈るんだよ」
A「え?マジ?リアルタイムで?」
B「そうそう。だからハイテクなんだよ」
A「そのアナリストこそOLになったらいいのに」
B「だからなんでそこまでOLになってほしいんだよ!しかもアナリストも男なんだよ」
A「そうか、残念。」
B「なんでも試合会場の近くにいて、すぐに分析するんだって」
A「でもなんか、ずるい気がしない?」
B「なんで?」
A「だって、選手でも監督でもないのに・・・」
B「でも全日本チームのスタッフの一員だよ」
A「でもさ~~。なんかコートの外からパソコンで分析して試合中の監督にデータを送るって・・・スポーツというよりもスパイっていうかさ~・・・」
B「ま、これからはそういう時代になるんだよ。体を鍛えるだけの時代じゃなくなったのかも」
A「情報戦ってわけね。でもこれが進んでいくともっと大変なことが起こるよ」
B「ん?なんで?」
A「例えばアナリストが相手チームのベンチの後ろに座っていて、相手の監督の作戦を全て盗聴して真鍋監督に教えてたり」
B「そんなわかりやすいズルするか!」
A「真鍋監督のiPadとつながらないように妨害電波を流したり・・・」
B「おお、それはありうるかも///]
A「アナリストの後ろに相手国のスパイが座って、銃とか突きつけられててさ・・・」
B「うわ!すごい世界だな」
A「そのスパイが”真鍋監督に嘘のデータを送れ!”って脅すんだよ」
B「なんか映画の世界だよな」
A「真鍋監督も試合中にエッチな画像が送られてきて夢中になっちゃったり・・・」
B「くだらねぇ!」
A「なんだったら、子供の時から相手の国に送り込んでアナリストとして相手チームに潜り込んだり…」
B「壮大な計画になってきたな・・・もうSFとかサスペンス映画だね」
A「そのうち、真鍋監督じゃなくて、選手に直接情報送った方がいいんじゃねーかって話になるんだよ」
B「ああ、確かに」
A「で、選手全員がイヤホンをつけて、アナリストからの指示をもらうようになる」
B「もうアナリストが監督になってるな」
A「アナリストが”クイック攻撃!”とか、”バックアタック!”なんて指示を出すとそのとおりに動くんだよ」
B「もはやゲームだな。」
A「未来のオリンピックは情報戦が重要になるからね。優秀なアナリストを育成した国が金メダルを多くとるようになるだろうね」
B「はあ、そうなるとオリンピックの面白みってものがね~・・・ところで真鍋監督はどうなった?」
A「やることないから、結局iPadでゲームをすることに・・・」
B「いい加減にしろ!」
A「ちなみに、iPadが買えないような貧しい国はメダルが遠のき、裕福な国ばかりがメダルを取るようになるわけだな」
B「最後に真面目な話をするな・・・」