俺よ、男前たれ

おもしろきこともなき世をおもしろく

レディースクリニックに行ってきた

結婚して1年半が経つ。

僕は来年もう40歳なので、なるべく早く子供が欲しかった。

40歳までに子供が生まれれば、なんとか高校までは行かせられて、成人式のお祝いぐらいはできる。その後、大学に行きたいなんてぬかして来たら「新聞配達でもなんでもして、自分の力で行け!」と言えばいい。

とにかく早く子供を作らねば、と思っていた。

ただ、つまらないこだわりかもしれないが、「早生まれ」だけはかわいそうだと思っていた。

早生まれは、小学校くらいまでは結構きつい。

だって、4月生まれのやつと比べたら、1年近く遅く生まれてくるのだ。(だから、早生まれというより”遅生まれ“と言ってもいいかもしれない)

体も小さいし、かけっこも遅い。そんでいじめられたり、負け癖がついたり、「私は何をやってもみんなに勝てない」なんて卑屈になったらかわいそうだ。

そこで嫁と相談して、結婚して最初の3か月(4月~6月)まではコンド―さんを使って、子供ができないようにしていた。

で、7月ごろからちゃんと子作りをすれば、タイミング的にもばっちりだ!なんて考えていたのだ。

が、僕は甘かった。

子供なんてコンドーさんを使うのを辞めればすぐにできるものだと思っていた。

だって、バカな芸能人なんて、簡単に子供ができちゃって周りからヒンシュクを買ったりしているんだもの。

ウチだってすぐにできるさ、なんて軽く考えていた。

が、半年たっても、1年たっても子どもはできなかった。

その間、嫁の親友たちから続々と「子どもができた!」「二人目が生まれる!」なんて出産報告が届いていたらしく、嫁が羨ましそうに報告してきた。

僕は最初は「こういうものは神様からの授かりものだからな」とのんびり構えていたが、次第にあせりみたいなものを覚え始めた。

ネットで調べると、2年以上、夫婦関係を結んでいて子供ができないと「不妊」ということになるらしい。

うちは1年半だから、まだ不妊と呼ぶには判断は早いが、それでもうちは兄嫁も弟嫁も不妊治療を受けているので、ちょっと嫌な予感がした。

そこで、先月、思い切ってレディースクリニックに行くことにしたのだ。

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ネットで「評判がいい」と噂のレディースクリニックはうちから電車で30分くらいのところにあった。

嫁と二人で受け付けの前の椅子に座っていると、当たり前と言うか周りにいるのはほとんどが女性一人の患者さん(?)で、年齢も二十歳前後から、見た目50手前くらいの女の人までいた。

僕はなんとなく気まずさを感じながら、スマホをいじっていた。

で、名前を呼ばれ、嫁と一緒に診察室に入り、お医者さんから説明を聞いたことによると、嫁は生理の周期に合わせて4種類くらいの検査を受けるのがベストらしい。

まずは血液検査。

次に排卵検査。これで赤ちゃんができやすい日を教えてくれるので、その日に必ずエッチをしろ、とのこと。

さらに次の生理期間中にあそこのレントゲン撮影を二日連続と、嫁は全部を検査を受けるなら4回は病院に行かなければならないらしい。

けっこう面倒だ。

が、僕のほうも大変っちゃ大変。

特にエッチをする日を指定されて、その日に必ずするってのが結構プレッシャーだ。

僕は平日は結構夜遅くなることがある。

「仕事で疲れてぐったり家に帰ってからセックスか・・・」

そう思うとちょっとげんなりしたが、子供のためだから仕方ない。

これで上手くいけば、その後の検査もいらなくなるし。

しかし、そう簡単にはいかなかった・・・

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嫁はその後も生理が来たので、次の検査に移ったのだが、女医さんが僕にも

「精液検査を受けてみては?」というのだ。

精液検査?

せ・い・え・き・け・ん・さ?

「つ、つまり、その~・・・あれですか?あの~・・・あれを搾り取るという」

「ええ、そうなります。」

「その~、ピンクの白衣を来たエロいナースがやってきて、ベットの上で少しずつ服を脱いでって・・・」

「いえ、当医院はそのようなサービスはしていませんので、ご自分でなさってください」

「あ、そうですよね。オカズはなんでもいいですか?その~、ロリコンもので抜くとバチが当たるとかないですか?」

「そんなこと知りません。というか、奥さんに手伝ってもらったらいかがですか?」

「あ、まあ、じゃあ、とにかく自分で精子を取って、持ってくる、と」

「ちなみに検査の2時間前までに搾り取ったものをお願いします」

「あ~・・・新鮮なやつですね」

「・・・・・そうですね。」

「でも検査の2時間前って・・・」

「例えば、夕方5時に予約をされた方は、3時以降に取ってもらいます」

「・・・この病院って、土日休みじゃなかったでしたっけ?」

「ええ」

「ということは、平日の午後3時におなぬーをするのか・・・・会社を早退して・・・。これって、会社に正直に言った方がいいですかね?せんずりするんで早退しますって」

「そんなことは知りません!」

「う~む・・・でもこの検査って、けっこうプレッシャーだな~・・・。これでダイヤモンド☆ユカイみたいに”無精子病”なんて言われたら・・・自分を責めるだろうな・・・」

「あ、ちなみに、採取する直前3~4日は、射精をしないようにしておいてください」

「と、もうしますと?」

「ま、検査のためなので」

「つまり、濃ゆ~い、ドロッとしたやつがほしいと?」

「訴えますよ」

「すみません」

「逆に、5日以上たまっていたものは、精子が死滅しているのでご注意を」

「ああ、なるほど。ま、そんなことは小5でオナニーを覚えて以来、ないんですけどね」

「知らねーし」


で、そんなこんなで僕も精液検査を受けたのだが、やっぱり結構恥ずかしかった。

その発射する瞬間にプラスチックの容器にこぼれないように入れるのがなんともマヌケで。

で、それにちゃんと名前を書いて提出するのがまた恥ずかしい。

「お願い!元気に泳いでいておくれ!俺の精子よ!」と願って提出した。



そして今日、結果が出たのだが、僕は特に異状なし!

むしろ元気でよろしいとのこと。

あなたの精子はバタフライで泳いでいたとお医者さんに言われたとか言われなかったとか。

おお、一安心。

奥さんも異常がなかったので、あとはタイミングと、神様の機嫌次第かな?

はあ、なんか、いい経験でした・・・。

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