先日、フジテレビのFNS歌謡祭を見た。
その日の夜は特に見たい番組が他になく、「音楽番組ならBGM代わりになるだろう」とパソコン作業をしながら横目で見ていただけだが、意外に見どころが多かった。
もちろん4時間がっつり見ていたわけではないのだが、僕が見て気になった点を挙げておきたい。
そもそもFNS歌謡祭、僕が子供のころからやっていたのだが、昔から意外な人選に驚かされたのを覚えている。
紅白ともレコード大賞とも有線大賞とも違うものとして、子供心に「おもしろそう」という認識でとらえていた。
その後、司会がSMAPの草なぎ君になったこと、「フジテレビで番組を持っている人が出られる」という大人の事情を知ってしまったこと、音楽番組が減り、歌自体がつまらなくなっていったことなどから僕は次第にFNS歌謡祭を見なくなっていた。
で、今回も全く期待することなく、見るともなく見ていたのだが、これが意外に面白いのである。
何が面白いって、まず出演者がいい!
紅白やMステには今や出ないような微妙なライン、懐かしい顔ぶれが並ぶ。
それから今年色んな歌番組に出ている面々・・・
懐メロあり、演歌あり、最新曲ありと、とにかくハチャメチャだった・・・
そのメチャクチャな感じがすごく良かった。
だって、「絹の靴下」「愛の水中花」みたいな1970年代の曲から2012年にヒットした曲まで、
年代もバラバラ、ジャンルもバラバラ・・・
んでそれをコラボで披露するからまたたまらなく面白い。
夏木マリ・幸田來未の「絹の靴下」なんかも良かったな!
出演者のほとんどがコラボなので実に新鮮
なんかコラボしないで自分の曲を歌ってるやつが逆に「心が狭いヤツ」に見えるから不思議だ。
単なる懐メロでもなく、単なるアイドルライブでもない
まさに「お祭り感」がすごくいいのだ。
紅白やMステとの差別化がうまくできていたと思う。
もともと期待の薄いアラフォーのおっさんを満足させるには十分だったのである。
また番組の構成も良かったな。
同じ生放送でも、ミュージックステーションは歌と歌の間が長く、
タモリさんが間をつなぐためだけに放つ「今年は忙しかったよねぇ~」「来年の目標は?」が実に邪魔くさく感じられることがある。
でもFNS歌謡祭は司会者の余計なつなぎが少なく、観客席にいるアーティストに感想を聞くというくだらない手続きも少なかったような気がする。
ま、僕はパソコンをしながら、自分の好きな音楽が流れてきたときだけ顔を向けていたので気づかなかっただけかもしれないが・・・。
全体的サクサク進行していたようだ。
そういえばフルコーラスではなく、ワンコーラス半で終わっていた人も多かった。
おそらくコラボでフルコーラスは覚える側が大変と制作側が判断したのであろう。
が、それが本当に”ちょうどええ!”のである。
懐メロはたいてい覚えているのは1番だけなので、ワンコーラスで十分だし
そのワンコーラスを次々たくさん聞けたので飽きさせない。
歌手にとっては「フルコーラス歌わせろや!」という気持ちだろうが
このご時世、チャンネルを変えさえないためにもこれくらい展開が早い方がいいのかもしれない。
そして今年のFNS歌謡祭はいろいろなことを考えさせてくれた。
ベテランの歌手は声量の衰えが隠せなくなっていること
浜崎あゆみの歌があまりにひどく、「歌姫の落日」を思わせたこと
それと比べられたか、意外に華原朋美の評価が高かったこと
「私がおばさんになっても」を歌っていた森高千里がその年になってもまだまだイケていたこと
玉置浩二はアーティストとしてはやっぱりすごかったこと
なかには3~4曲も歌わせてもらった人もいるのに、持ち歌を歌わせてもらえない人もいたこと
AKBやSKEはバックダンサーとしてはなかなか面白いこと・・・
そして子供の頃、「なにかやってくれるはず!」と期待していたとんねるず
その後継者が意外にも”ももいろクローバーZ”であったこと
*ももクロは胸にフジテレビのマークと「FNS歌謡祭」の文字を入れ、気合十分で臨むも持ち歌披露なし。
その代わりに番組の最後の最後を狙って「NHK紅白歌合戦」と後ろに書かれたマントを披露
こういうのは昔はとんねるずの仕事だったんだよね~
ももクロ・・・・Mステと紅白でもなんかやらかしてほしいな・・・