俺よ、男前たれ

おもしろきこともなき世をおもしろく

体罰は絶対ダメ!・・・なんだろうけど

 プロ野球・読売巨人軍の監督だった阿部慎之助氏が家族への暴行で逮捕された事件、テレビでもネットでも色々な人が色々な見解を述べている。

 なんだか真相がわからず「なんでそうなった?」「〇〇はその時なにしてたの?」という点が多いし、関わった人がだれも救われない結果になっている状況にさらにモヤモヤしている(ChatGPTまで事件の主役の一人になっている・・・)

 12歳の男の子の父でもある僕もいろいろ思うところがあるのだが、先日Yahoo!ニュースで以下の記事を読んだ。

てぃ先生 阿部監督騒動巡り“子育てのプロ”目線で新たな指摘 「これは響いた」「目から鱗」称賛の嵐(スポニチアネックス) - Yahoo!ニュース

 僕はこの先生がちょっと苦手で、この人の話を聞くたびに「それは理想論だろ」とか「いや、愛のムチってのもあるんじゃ・・・」なんて反論したくなり、ブログでもイジったりしたことがある。で、このモヤモヤがなんなのかChatGPTといろいろ話し合ったところ、最後はChatGPTが言語化してくれたので、そのことを書きたいと思う。

子育てに正解なし - 俺よ、男前たれ

 まずてぃ先生の言いたいことはわかる。多少理想論っぽいところもあるが、こういう”啓蒙する人”は世の中に必要だと思う。ただ、言い方というものがある。

 

①「体罰は子どもの心身の健康を害し、行動上の問題を長期的に増やし、肯定的な結果は一つもないと結論づけています。科学的根拠はすでに十分に揃っています」

 

→「肯定的な結果は一つもない」「科学的根拠はすでに十分揃っている」というのはさすがに言い過ぎ。そもそも「体罰を受けて育った子」と「体罰を受けずに育った子」をそれ以外の条件をすべてそろえて比較した実験などないはず。言えるのはせいぜい「体罰を受けて育った子のほうが〇〇する傾向がある」くらいだろう。だとするとそれは唯一絶対の正解ではない。「科学的に完全否定済み!」みたいな強い言葉で言われるとついそのまま信じちゃうけど、こと子育てに関しては100%ってないと思うんだよな。

 

②「叩かずに育てる方法を、大人が十分に学ぶ機会がなかっただけ」

→優しい優しいてぃ先生は「暴力を使う親を“ダメな親”と切り捨てて終わるのも違います」「多くの大人は、子どもの発達も、適切な向き合い方も、自分が怒ったときの感情の抑え方も、学ぶ機会がないまま親になります。自分がされたやり方しか知らない人もいます。」と手を出してしまう親(大人)のフォローをしてくれるのですが・・・なんかイラっとしてしまうのは俺だけか?

 なんか上から目線で、“未熟な人たち”として分類された感じ(俺のほうが年上なのに)。ネットで反論している人たちは子育て経験者だったり、親から厳しく育てられ(たまには手を出されつつ)良かったと思っている人が多いと思うのだが、もう自分以外の過去に親だった全日本人を「未熟な子羊」扱いしている感じ。

 優しい口調で「あなた達に罪はない。未熟だっただけ。」「正しい知識を身に付ければだれでも変われます」「古いやり方しか知らないままではこの先生きていけません。アップデートしましょう!」なんて言われたら、昭和のおじさんは反射的に「情報商材を売りつける詐欺師だ!」「新興宗教の勧誘だ!」「インプレ狙いのYoutuberだ!」と警戒してしまう。

 成熟した大人、最新理論のてぃ先生 VS ”旧態依然””頭の固い古い大人”って勝手に分類されている感じ。

 

③ChatGPTも曲解

僕が「父親だと暴力とか体罰って言われがちだけど、母親が泣きながら娘の頬を叩いてもそうは言われないよね」とChatGPTに話しかけるとなんと「体格差や暴力リスクの違いを考えると、47歳男性が18歳女性を投げ飛ばすのと、母親が平手で叩くのを、危険性まで完全同列に置くのも少し乱暴かもしれません。」などと回答。僕は思わず「”投げ飛ばす”ってマスコミの表現を鵜呑みにしてるの、君は?阿部監督が娘を一本背負いとか投げっぱなしジャーマン(スープレックス)で投げたと思ってる?」とたしなめてしまった。

また僕が「親が落ち着いて時間をかけてちゃんと説明しても、子供は必ずわかってくれるわけじゃない」とChatGPTに話すと「『話せばわかる子ばかりじゃない』は本当にそう。ただ同時に『だから体罰しかない』にも自動ではならない。だから難しい」なんて言う。

 僕はイラっとして思わず「『だから体罰しかない』とは言ってない。そこなんだよ。誰もそんなこと言ってないし、思っていないのに、てぃ先生に同意しない親は”体罰肯定論者=体罰を積極的に活用している人”に分類してくる。そうじゃないんだよ!」と打ち込んでしまった。(ChatGPTは平謝り)。そもそもてぃ先生の正論に納得できない人たちってのは子供に手をあげてしまって後悔している真面目な親が多い気がする。本当は叱りたくない、手を出したくないって思いながら、毎日苦闘しているんじゃないかな。

以下、ChatGPTがまとめてくれたものだが、

僕は「体罰を正当化したい」わけでも「親の権利を守る運動したい」わけでもない。もちろん常習的に子供を叩いているわけでもない。

ただ”子育てのプロ”とやらに“わかったように語られる感じ””啓蒙されている感じ”に、軽くイラッとするのだ。

一般的に言えば「体罰は子育てに悪影響」「愛情をもって褒めて伸ばそう」といった方が聞こえがいいのはわかる。でも毎日自分の子供の教育と躾に悪戦苦闘している親にとっては

「はいはい、また大先生が正しいこと言ってる」

という感じ。「理想は知ってる」「褒めるのがいいのも知ってる」「怒鳴らない方がいいのも知ってる」、その上で“現実はそんなに単純じゃない”と思っている。

おそらく正しいのは大先生。大先生の理屈はよくわかります、でも我が家の事情は放っておいてほしい。

大げさな話、子供に児相に相談されようが警察に逮捕されようが、少なくとも僕は「子供のため」だと思っているし、そう信じてやっているし、逮捕されても悔いはない。ま、子育ての唯一のパートナーである奥さんがそれを理解してくれていれば問題はないと思うんだけど・・・阿部さんとこは違ったのかな?

”眼鏡の人”

50代になって老眼が進んできたので、昨年の暮れに老眼鏡(Reading Glasses)を作った。ただこれまでメガネをかけない人生を歩んできていた僕は「眼鏡をかけるのはデスクワークで小さい文字が見えない時だけ!」と思っていたが、最近はそうも言っていられなくなった。

メガネの国のメガネの町 - 俺よ、男前たれ

繰り返すが、僕はこれまでメガネをかけたことがなかった(もちろんコンタクトも)。メガネに対するイメージも子供のころからあまりよくなかった。メガネは「ガリ勉」「オタク」「のび太」のイメージ、あまり主役になれそうもないイメージだった(だいぶ偏見)。

眼鏡をかけている人は初対面の人に「メガネの人」という覚え方をされるのも嫌な感じだったし、メガネで記憶されている人が急にコンタクトをしてきたときの目のあたりの違和感もモヤモヤした。

だから本当ならメガネは一生かけたくない、ずっと裸眼でいたかったのだが、老いには逆らえなかった。半年前までがんばって裸眼で見ていたパソコンの文字や会議資料も今は迷うことなく老眼鏡をかけて見ているのだが、なんと快適なことか!

というか、半年前まで、本当にストレスを感じながらボヤける文字を一生懸命眉間に皺寄せて焦点を合わせていたんだなぁ、俺。最初からメガネをかけていれば余計なストレスを感じずにいろいろな文章に触れられていたのに・・・最近ではそんな風に感じるようになった。

ただ、それでもメガネをかけるのはデスクワークの時だけにしていた。周りの人や家族に「メガネの人」認定をされることを未だに恐れているのだ。また「一度メガネをかけるともう裸眼では見えなくなる」という恐怖心があった。科学的な根拠はないがメガネの人はメガネを落とすと目が数字の”3”みたいになって、「めがね、めがね・・・」と地面のあたりを両手で円を描くように動かすことになるはずだと、本気で思っていた。

 

しかし老眼の波は容赦なく襲ってきた。今までは家の書斎と会社のデスクに老眼鏡を置いておけば間に合うはずと思っていたのに、それだけでは不自由を感じるようになってきた。

まずレストラン。メニューが読みづらくなった。特にどんな料理か説明している文章が軒並み見えなくなった。次にスマホ。SNSの文章はもちろん、Kindole漫画などもスマホサイズではセリフが小さくて見えず、1ページずつピンチアウト(拡大)して見なければならなくなった。また同僚に「これ見てくださいよ!」とスマホの画面を向けられるのも苦痛だし、出先でチラシ、パンフレット、資料なんかを渡されても見えていなにのに「へ~いいですね~」なんて話を合わせないといけないのである。

こうなったら「完全眼鏡」の道も考えたのだが、幸か不幸か今、僕が不自由しているのは”文字”だけで、この老眼鏡をかけたまま人の顔や遠くを見ると逆にピントが合わずに頭がクラクラする感じなのだ。

 

そこで今、考えているのが第三の老眼鏡である。ChatGPTのお薦めはこれ

Thin Opticsという商品で、折りたたんでスマホの後ろにケースごと貼り付けることができるらしい。眼鏡の蔓がないので鼻の上に乗っけるだけなのが不安(というか不安定)だが、スマホに常に貼り付けられるなら出先でもさっと必要な時だけ取り出せて使えるからいい。今度日本に帰ったときに買ってこよう。

とにかく僕の老眼は絶賛進行中なので、今後は「完全眼鏡」への道も考えておかなければならない。でも嫌だなぁ・・・”メガネの人”って呼ばれるの・・・

1/2と1/3では、どちらが大きいでしょう?

ある小学校の教員がSNSで以下のような投稿をしたという。

「1/2と1/3では、どちらが大きいでしょう?」という問題を出して、多くの子が1/2と答えた後、「1/3が大きいこともある」事実だけを提示して、それはどんな時かを考える中で、割合の「もとのする量」の重要性に気づいたりする授業をふと思いついた。もう既にけっこうやっている?

投稿した教員はその後「この教え方は誤っている」として投稿自体を削除しているらしいが、その後もこの教え方に賛否両論、様々な意見が寄せられているようだ

「1/2と1/3ではどちらが大きいか?」小学校教員の授業案が炎上…学校教育にケチをつける大人が続出するワケ

 

ちなみに我が息子は大の算数嫌い(勉強嫌い?)。数字が関わるものすべてが苦手で小学六年生になってもカレンダーや時計の読み方があやふや。お金の計算もできないし九九もあやしい。文章題になると加減乗除がめちゃくちゃ。算数の問題文を何度説明しても次に復習するときにはきれいさっぱり忘れているという特殊能力を持っている。毎晩息子の勉強を見ながらあまりの出来なさ加減に時に声を荒げてしまう僕は、その後反省をしつつ「彼はやる気スイッチがまだ入っていないだけ」と信じようとしている。

 

そんな息子はもちろん1/2と1/3のどちらが大きいかわからない。

父:1/2と1/3では、どちらが大きいでしょう?

子:え?1/3?

父:どうして?

子:え?じゃあ1/2

父:そうじゃなくて、どうしてそう思ったの?

子:え?じゃあ同じ?

父:いやいや、そうじゃなくて、俺が知りたいのは「どうして最初1/3のほうが大きいと思ったのかってこと。理由を知りたいの」

子:ん~・・・3だから?

父:・・・この分母が3だからってこと?この3が何を意味してるかわかる?

子:え~・・・3つ?

父:・・・なにが?

子:・・・わからん

(息子は感性型なので言語化がすごく苦手なのだ)

父:あの~・・・1/2ってわかる?

子:わからん

父:たとえばケーキがあるじゃない?

子:あ~、ケーキが2個

父:じゃないじゃない。ホールケーキ。誕生日のあのでっかくて丸いやつ。

子:あ~あれね

父:ちょっとケーキの絵を描いてみ

子:(ケーキの絵を描く)

父:うん・・・そう・・・立体にしなくてもいい。皿もいらない。イチゴはもっといらない。ま、とにかくこれを2つに切るのよ。2つになるように切ってみ。

子:(ケーキの絵の真ん中に直線を引く)

父:そうそう。1/2っていうのは、2つに切ったうちの1つ。これ!(半月型のケーキを指さす)

子:ああ~。

父:1/2ってそういうこと。2つに分けたうちの1つ。ま、半分ってことね。じゃあ1/3は?

子:・・・

父:ケーキ描いてみ。そんでそれを3つに分けてみ

子:(ケーキの絵を描いて1分止まる)

父:(ケーキを三等分する線が書けなくて悩んでるんだろうな・・・)

  あ、じゃあいいや俺が切る。こうよ。これで三等分でしょ?あの~3つ同じ大きさでしょう?

子:うん

父:1/3ってどれよ?

子:(三等分されたホールケーキ全体を〇で囲む)

父:・・・いや、その・・・1/3に切った後のケーキはどれよ?

子:これ?(三等分された一切れのケーキを指す)

父:そうそう。それで・・・え~と、なんだっけ?ああ、そう1/2と1/3のどっちが大きいか?って話

子:こっちでしょ?”いちに”

父:いちに?あの~、これ(1/2)、何て読むか知ってる?

子:ああ、”にいいち”?

父:”にぶんのいち”

子:にぶんのいちのほうが大きいです!

 

小学校2年生(?)で習った分数を毎年ホールケーキで復習して4,5年経つのだが、我が家は来年もこれをやるのだろうか?息子も中学生になるのに。

 

「1/2と1/3では、どちらが大きいでしょう?」という問題を出して、多くの子が1/2と答えた後、「1/3が大きいこともある」事実だけを提示して、それはどんな時かを考える中で、割合の「もとのする量」の重要性に気づいたりする授業をふと思いついた。もう既にけっこうやっている?

 

まあ、賢い子が通う小学校とか頭の良い子がそろっているクラスでは応用問題みたいなのをやってもいいだろうけどね。うちの子のクラスでは止めてほしいかな。

1/2と1/3を理解するだけで手いっぱいだから。

 

 

上海で警察に捕まった話

その日、僕は妻の友人夫妻と会食の予定だった。

指定されたのは日本人駐在員御用達のイタリアンレストラン。せっかく上海に旅行に来たのにイタリアン?とは思ったが、とてもおいしくて地元で評判なのだそうだ。

宿泊しているホテルからは車で7分、歩いても25分だという。で僕らが選んだのはなんと自転車。中国ではよく利用されているシェアサイクルで向かうことにしたのだ。上海の町をのんびり自転車を漕ぎながら行くってのも乙ではないかということで、妻はスマホの地図アプリを自転車に固定しつつ、僕を先導して進んだ。

4月初めの上海は暑くもなく寒くもなく、18時半の街は自転車を漕ぐのに最適だった。僕らはやや交通量の多い道路の自転車専用通路をスイスイと進んでいった。

妻はナビを見ながら大胆に進んでいく。中国での自転車の乗り方にだいぶ慣れたようだ。あるT字の交差点、我々は直線路の方を走っていたのだがなぜか歩行者用信号は赤になっていた。正直「車はともかく、自転車専用通路のある自転車や歩行者は直線路で止まる必要なくね?」とも思ったのだが、中国ではときどきこういう道路がある。妻も危険性はないと思ったのだろう、そのまま止まることなく直進をした。

しかし50メートルほど進んだ交差点で、ある警察官に呼び止められた。「なんだろう?」と思いつつ、自転車を路肩に寄せて止まる。何やら早口の中国語で話してきたのだが、こちらは全く聞き取れず、片言の中国語で対応できる感じでもないので「What?」と英語で反応してみた。

するとその警察官は自分のスマホの画面を向け、監視カメラ映像らしきものを見せてきた。そこには妻と僕が信号を無視して直進している上からの映像が移されていた。中国では街中の至るところに監視カメラがあるが、どうやらこの日は交通違反の取り締まり強化日だったのだろうか、映像はすぐに警察のスマホに転送され、待ち伏せされていたのだ。

反射的に「まずいな・・・」と思った。証拠はばっちり撮られているので言い訳はできない。外国で警察に捕まるってのがすでにヤバいし、ここは中国で僕は日本人。罰金なら御の字で、最悪「連行」「拘束」なんて可能性もゼロではない。背中に冷たい汗が流れた。

僕らを呼び止めた若い警察は英語も話せた。彼が言うには「上海では今、交通ルールの徹底を呼び掛けて、事故を未然に防ぐようにしている」とのことだった。で、「パスポートを見せて」と言われたのだが、僕らはその時、パスポートを携帯していなかった。「(やばいな、まずいな・・・)」、警察が僕らを捕まえる理由がまたできてしまった。僕は頭の中で瞬間的に

「スパイ容疑で逮捕」→「警察に拘留」→「領事館が救援」→「釈放は認められず裁判」→「刑務所に拘留」→「銃殺」

なんてことを考えてしまった。

で、一か八かでスマホのフォルダに保存してあったパスポートのPDFを見せたところ、若い警察官は「OK」と意外なほどすんなり納得してくれた。パスポート番号をメモするわけでもなく、本人確認をするでもなく、パスポートデータがあることを確認しただけだった。

だがまだ油断はできない。このあと警察車両に乗せられて警察署で事情聴取なんて流れがあるかもしれない。するとその若い警官は自分のスマホの画面にあるQRコードを読み取れ、というのでスマホで読み取ったところ、何やらまた映像が流れてきた。内容はバイクや自転車は交差点で事故に遭いやすいので、車両に注意すること、減速すること、信号を守ることみたいなことを言っていた。いわゆる教習ビデオだ。僕と妻は「何これ?」と思いつつ、真面目にその3分ほどの教習ビデオを自転車に跨ったまま視聴した。

動画が終わると若い警官は「じゃ、これから気を付けて」といって僕らを釈放した。「あれ?罰金は?逮捕は?拘留は?銃殺刑は?」

なんかよくわからないが、とにかく助かった。妻もだいぶビビっていたようだが、僕はできるだけ冷静を装い、今度は僕が先導してイタリアンレストランへ向かった。

上海のイタリアンは旨かった。

 

メガネの国のメガネの町

赴任先の中国・北京でメガネを作ることになった。

僕は現在50代の駐在員だが、最近老眼に悩まされている。これまでメガネを作ったことは2回ある。20代の後半、免許更新のために作ったのが1回、そして40代の後半、なんとなく小さい文字が見えなくなってきた上に、またまた免許更新も重なったので念のために作ったのが1回。でも普段はメガネをかけない人生を歩んできた。実は30歳の時にレーシックの手術を受けたことがあり、以来20年以上メガネなしで過ごせてきたのだ。数年前まではオフィスのパソコンの倍率を大きくしている先輩を「ジジィか!」と心の中で笑っていたのだ。

AIによるイメージ画像

しかしそんな僕にも老眼の波は容赦なく襲い掛かる。

ここ数年、僕は薬の箱の文字が見えず(何錠飲むかわからない)、濃縮そばつゆのラベルが見えず(何倍に薄めればいいのかがわからない)、「地球の歩き方」の文章が見えず(何がお勧めかがわからない)、嫁のスマホの文字が見えなかった(ママ友からの腹立つメッセージらしいが、メッセージも文字がまったく見えない)。

良く晴れた午前中の明るい日差しの下では小さい文字も見えたりするので「まだいける!」なんて強がっていたのだが、夜のリビングではそれも通じず、職場でも午後になるとパソコンの文字が重なって見えるようになって仕事に支障をきたすようになってきた。僕はメガネをかけてこない人生を歩んできたのでメガネをかける自分が想像できなかった。だからメガネをかけて生きてきた同僚に「耳の後ろとか鼻の付け根とか、痛くならない?」「寝るときとお風呂以外はずっとかけてるの?」「メガネケースっていつも通勤カバンに入れてるの?」とか小学生のような質問を繰り返した。50代のおじさんなのに。さらに同僚の女性が「私は入浴時も寝るときもメガネをかけている!メガネは顔の一部です!」と本当なのか嘘なのかわからないことを言い出し、恐怖すら覚えた。

一応、3~4年前に作ったメガネはいつも鞄に入れているので、どうしても文字が見えないときは一時的にそれを使っている。しかし僕の目の現在の状況は、見えないのはPCや書類など、手を伸ばした範囲の小さい文字だけで、メガネをかけたまま近くにいる人の顔を見たり、遠くを見たりすると目がクラクラしてしまう。典型的な老眼の症状なのだ。

で、話は先週のこと。小さい文字を見るために鞄からメガネケースを取り出し開けたところ、フレームからレンズが外れていたのだ。何度かはめてみたが、すぐに外れてしまう。3~4年前に作ったメガネは度数も合っているかわからない。来年夏に日本に一時帰国したときにでも新しいメガネを作ろうかと思ったがそれまでだいぶ時間がある。これで仕事に支障が出るのだけは避けたい。

で、結局僕はこの地でメガネを作ることにした。幸いここはメガネの国。AIによると中国は

・2025年のレポートによると、中国の近視人口は6.3億人から7億人を超えると推定されており、全人口(約14億人)の約半数

・2022年時点のデータで、児童・青少年の近視率は51.9%、高校生では81.2%

・2025年におけるアイウェアのユーザー普及率は53.3%と予測されており、2030年には61.2%まで上昇する見込み

江蘇省丹陽(たんよう)市だけでも、世界の眼鏡レンズの約50%(2枚に1枚)を生産しており、年間売上高は2400億円

 などなど。確かに中国人はメガネをかけているイメージだ。きっと需要も供給もたくさんあって、安く作れるに違いない。僕はChatGPTに「北京で外国人がメガネを作るのにおすすめの店」を聞いた。すると北京には「眼鏡城」なるものがあるという。Trip.comでもおすすめされるような観光地でもあるらしい。僕のうちからは電車で30分程度だというので行ってみた。

 潘家园という町は、北京最大の小道具と古書、古銭の町として観光客も多く訪れる場所だが、地下鉄の違う出口を出ると全く違う顔になる。メガネの町なのだ。大通りの両側にメガネ屋だけを詰め込んだ大型のショッピングモールがあり、その周りの路面店も視力関係の店ばかり。まずは駅近くのショッピングモールに入ると、すぐに圧倒された。メガネ屋がずらりと並び、店の前に客引きの店員がハイエナのようにこちらを見ている。怖くなってエスカレーターで上階に上るが、2階も3階もずらりとメガネ屋が並び、客引きが待っている。「こんなに要るか?」「どこも一緒だろう?」「選べないだろう?」、そんな言葉が頭に浮かぶ。土曜日の午前は人もまばらで、店員が暇そうにしている。メガネなんて1日にいくつも入れるもんじゃないし、ましてやこれだけ店があるんだからやってけないだろう?しかも1つの店に店員多っ!僕はとりあえず各フロアを1周して外に出た。いや、すごい。本当にすごい。ここに来ればメガネに関してはあらゆる夢が叶うね。

AIによるイメージ画像

 大通りを渡り、お目当ての「眼鏡城」へ向かう。ここも大型ショッピングモールの中の個店すべてがメガネ屋という、メガネファンなら歓喜の声を上げるような建物だった。僕は事前に英語が通じる「ANN OPTICAL」という店を調べていたのでまっすぐそこに向かった。幸い、客は僕一人。中国人女性が英語で対応してくれた。念入りに左右の視力を調査し、遠視・近視の度合いも検査、レンズをいろいろ組み替えて僕に合ったものを選んでくれた。店員さんのおすすめは日本のHOYAというブランドらしい。せっかく中国に来たのに結局は日本製か、と思いつつも親切な店員さんのおすすめに従うことにした。フレーム選びもいろいろ手伝ってくれ、入店後ものの30分で注文が完了した。しかも2~3日で作って自宅まで送り届けてくれるという(旅行者にはホテルまで届けてくれるとのこと)。こりゃ楽だわ。料金は1050元(21000円程)なので日本で作るのと同じくらい(中国ではちょっと高い?)。ま、仕事で使うものだしね。

 こうしてメガネの国のメガネの町で、3年ぶりのメガネ作成は成功裏に終わった。来年もお仕事がんばります!

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『希望の丘』

2025年12月13日に放送された「ロンドンハーツSP~50TAに超人気者から楽曲提供オファーが!!」(テレビ朝日系)にて、狩野英孝扮する50TAがKing&Princeの二人のために提供した楽曲「希望の丘」

あの放送依頼、僕の頭の中でヘビーローテーションされている。

♪溢れこぼれだすエナジーを 拾いかき集め 差し支えなけりゃ差し上げます!(頂きます!)


実は僕は50TAというアーティストのことがずっと気になっていて、「Perfect Love」と「紅葉に抱かれて」はカーステレオにも入れているほどなのだ。

50TAの曲は第一印象はコミックソング。歌詞が多すぎてハマりにくかったり、フレーズも滑稽だったり、変な転調があったり・・・。だけど不思議なのは聴けば聴くほどハマってしまう不思議な魅力がある。で、ライブで歌うと普通に盛り上がるのだ。

もちろん盛り上がる理由は「テレビで制作した曲で認知度が高いから」「狩野英孝50TA)が愛されキャラだから」「バラエティ番組で作ったコミックソングなので大人から子供まで楽しめるから」ということなのかもしれないが、それだけでもないように思う。

50TAの楽曲のほとんどは番組内のどっきり企画の中で”即興で”作られる。田村淳の影の指示により「このタイトルで作れ!」「転調しろ!」「伴奏に沿ってすぐ歌って!」と無茶ぶりをされながら生まれるのが50TAの曲だ。なので奇妙で滑稽、歌詞の矛盾や語呂の悪さもたくさん含まれる。が、そこで生まれたアイディアはほとんど採用される。

以前、ブログに書いたのだが、この”即興”というやり方は実は不思議な魅力を生む。

眉村ちあきと即興ソング - 俺よ、男前たれ

じっくり時間をかけて考えた歌詞は確かに理路整然としていてわかりやすいのだが、意外に頭に残らなかったりする。しかし即興で作った50TAの歌詞は不自然なだけに”引っ掛かり”を生む。

『希望の丘』のサビも「溢れこぼれだすエナジーを 拾いかき集め 差し上げます!(はい、頂きます!)」のほうがすっきりしていいように素人目には思う。

が、50TAが即興で歌ったのは「溢れこぼれだすエナジーを 拾いかき集め 差し支えなけりゃ差し上げます!(頂きます!)」

でもこれが50TAクオリティ!最初は不自然でも歌うほどに自然に響くに違いない。

番組ではKing&Princeのために制作していることは知らされていなかった。King&Princeのためと知っていたら「エナジーを君にあげよう!」みたいにきれいな言い回しになっていたかもしれない。知らなかったからこそ「拾いかき集め」「タッパーに詰めて」「直射日光避けて保管して」なんてフレーズでOKを出したのだろうし、これをKing&Princeが歌うことにまた”引っ掛かり”が生まれることだろう。

それにしてもKing&Princeはよく決断をしてくれた。先物買いの素晴らしい判断だと思う。僕は別にファンではない普通のおじさんだけど、King&Princeがコンサートでこの歌を披露してコール&リスポンスで盛り上がる姿が容易に目に浮かぶ。1年後にはイントロが流れるだけでお客さんが「来た!この曲!」と盛り上がっているだろう。全くキンプリらしくない楽曲だけどおそらくこの曲は本人とファンに間で神曲になりそう。そうなってくれたらおもしろいな。

これきっかけで50TAに楽曲を依頼する人が続きそうだけど、何よりKing&Princeの判断の速さは評価されていいと思う。先日の初披露ではまだ少しこの歌を歌うことに照れがあったようだが、何度も歌ううちに歌詞の理解も深まって「俺のエネルギーをみんなに!」という気持ちがこもるだろうし、ファンも自分流のリスポンスを開発していくことだろう。

とりあえずは12月26日(金)放送の「ミュージックステーション SUPER LIVE 2025」(昼4:30-夜11:10、テレビ朝日系)でのパフォーマンスを心待ちにしよう。

 

ショートショート

 来月の研修で「ショートショート」を書く講座をやってみようと思った。ショートショートとはユーモアやサスペンスを生かした”オチ”をつける、きわめて短い小説のことで、有名な作家に星新一さんなどがいる。

 僕はショートショート作家・田丸雅智さんのサイトからワークシートをダウンロードして自分なりにこの1か月練習していたのだが、この度、その講座自体がキャンセルになってしまった。で、もったいないので私が練習で書いたものを自分の思い出用に載せておくことにした。

海のかけら

田丸雅智の「WEB版! 超ショートショート講座」 - ショートショートガーデン(SSG)

 

練習①「没個営業」

10年ほど前に流行ったChatGPTは、その親しみやすい口調が一部の人気となったが、それはあくまで少数派で、多くの日本人はむしろ他人に対して無感情・没個性のほうがストレスが少ないと思うようになった。そこでわが社も2年ほど前から「没個営業」なる営業メソッドを取り入れることになった。要はセールスの際、無駄な世間話はしない、愛想笑いもしない、商品をシンプルに紹介し、顧客の質問にシンプルに答えるだけ。このほうが顧客は断りやすく、質問もしやすいので話を聞いてくれるのだという。先日、私は昔の癖でつい妙齢のご婦人に「お若くていらっしゃる」などと言ってしまい、怪訝な顔をされてしまった。没個営業で許されるのは挨拶と礼のみ。おかげで新人教育もやりやすくはなったし、営業技術も一定のクオリティーが保てるようになった。社内の競争がなくなり辞める社員も減ったし給料も均一になった。以前は営業トークの腕を磨いて部署のエースとして社長賞ももらったものだが、今は定年間近で新入社員と同じ給料だ。ま、これも時代だ。仕方がない。今日も例のバーによって「ボッコちゃん」に愚痴を聞いてもらおう。

練習②「商売繁盛雲」

客A「明日、大事な商談があるんです。僕はうまく行くでしょうか?」

占い師「そうですね。では占ってみましょう。ふむふむ。これはいい!この水晶を見なさい!商売繁盛雲が映っている!」

客A「それって、雲が映っているだけでは?」

占い師「これが私の占い方です。大丈夫、明日の商談はうまく行きます。」

客A「わかりました!ありがとうございます!」

占い師「次の方!え?恋愛運?どれどれ…おお!恋愛成就雲が見えます!問題なし!」

客B「・・・そうですか」

占い師「次の方!ははぁ、子宝に恵まれないですか。大丈夫、ワタシには子孫繁栄雲が見えてます。ハイ次!」

客C「ちょっと!先生!昨日の占い、全然当たってないんですけど!」

占い師「昨日?あ、絶対合格雲が見えた方。仕方がありません。雲は形を変えるものだし、あなたも・・・流れてしまったんでしょう」

 

練習③「タッチパネル式社長」

A「最近、社長が古くなっちゃってね。買い替えようと思うの。何かいいモデルある?」
B「御社の社長はもう7年目ですものね。ちょうど新型が出ましたよ」
A「でも、うちは挨拶とスピーチと印鑑、あとは接待くらいしか使わないのよ。多機能すぎると困るわ」
B「でしたら、こちら。機能を絞った“タッチパネル式社長”です」
A「え、条件をタイピングしなくていいの?」
B「はい。スーツやネクタイの色はタッチで変更、体格もピンチアウトで調整できます。社長の隣に立って確認できますよ」
A「面白いわね。でも指紋とかベタベタつかない?」
B「お手入れは必要です。あと握手のとき誤動作が起きやすいので…」
A「それは不便ね。あれ?反応しないわ」
B「奥様、ハンドクリームを?」
A「もう年かしら、指紋も薄くなってきて(笑)。まあいいわ、これに決める」
B「ありがとうございます。現社長はどう処理しましょう?」
A「もうアナログは疲れたの。処分ね。あと次はね……音声入力できるAI社長を開発しておいて

 

練習④「枕の群れ」

とある高級ホテルのスイートルーム。キングサイズのベッドの上では今日も6つの枕たちが言い争いをしていた。
枕F「最近、寒くなりましたね~。1月でこの寒さなんで8月はもっと寒いかも」
枕A/B/C/D/E「・・・」
枕F「いやその、真剣な話をする前に、ちょっと話のまくらをと思いましてね」
枕A「私は以前、デラックスルームのダブルベッドにいたが、そこには私の外に3つのライバルがいた。私はいつも選ばれていたが、親友のピラーはいつも蹴落とされていた。4つでもそうなのだ。6つは多すぎる!」
枕B「ふふふ。まるで”自分は選ばれるからいいけど、他の人はかわいそう”みたいな言い方ですね。ま、私は低反発素材なんでね、当然・・・」
枕C「私は固め、太目。あまり選ばれることはないが、ベッドの背板に寄り掛かるときに腰に置くと楽ですよ」
枕D「それを我々にアピールしてもしょうがない。選ぶのはゲストだ。ま、ゲストが二人なら4つは脱落。ベッドの上に居座れればいいほうだがね、私も柔らかすぎでね」
枕E「冷たい大理石の床に蹴落とされるのは辛いんだよな。僕は小さくてハナからクッションって感じで相手にされないだろうな」
枕F「枕だけに、お先まっくら・・・」
枕A/B/C/D/E「・・・」