俺よ、男前たれ

おもしろきこともなき世をおもしろく

令和の性教育

『上田と女がDEEPに吠える夜』(日本テレビ系列)9月3日放送のテーマは「令和の性教育」。避けては通れない子供への性教育をどうすべきかというテーマでゲストがトークを繰り広げた。

なんでもユネスコがWHOなどと共に作成した『国際セクシュアリティ教育ガイダンス』によると性教育開始年齢は5歳からが望ましいらしい。

10歳の息子を持つ親として、僕も何かしなければならないのだろうけど、どうしていいかわからない。数年前から性教育に関するYoutubeをアップロードしているShellyさんの動画でも見せようかな?

性教育チャンネル始めました!”なんでお風呂場なのか”─の回 (youtube.com)

50代の僕は正直、ちゃんとした性教育を受けてこなかった。学校の保健体育で「第二次性徴」なんて言葉を習った記憶はあるが、あくまで試験のために覚えただけで、女性の体の仕組みとか、”赤ちゃんができる過程”なんてものはちゃんとは理解していなかった。もちろん生理の苦しみも出産の痛みもよくはわかっていない。

女性に月に1回生理が来ることは知っているが、「なんのために生理が来るのか」というのを知ったのは奥さんと結婚してからで、奥さんが猿でもわかるほどかみ砕いて教えてくれたのだ。ほとんどの男性はそういうことを誰からも教わっていない。

正直、マスターベーションも自己流で、だれかに手取り足取りやり方を教わったわけではなく、マンガとか雑誌で書いてあったのを見て「こんな感じだろう」とやってみただけ。当時の子供は学校の昇り棒をスルスルっと下りる時や、うつぶせに寝ながら地面に股間を押し付けて「ん?なんか気持ちいいゾ!」なんて勝手に性に目覚めていた。

アダルトビデオが実際のHの参考にならないと知ったのも僕はだいぶ大人になってからだったように思う。「AVの見すぎ。痛いだけ」なんて言われて初めて気づいたもんな。

今思えば、僕が子供の頃の社会はずいぶんと開放的というか、性に無頓着だった。

親子でゴールデンタイムに見る志村けんの『バカ殿』なんかでも普通にたくさんの女性がおっぱいを出していたし、『スクールウォーズ』のオープニングとか『時間ですよ』、『毎度お騒がせします』なんてドラマでもセクシーなシーンがあって男の子の期待と股間を膨らませた。

少年漫画にもHなマンガは普通に連載されていたし、コンビニでもエロ本は立ち読み自由、『投稿写真』とか『デラ・べっぴん』とかいやらしい雑誌を中学生でも買えた。夜の国道沿いにはエロ本に自販機が怪しく光り、田んぼのあぜ道や神社の裏には泥にまみれたエロ本がよく落ちていて、上級生のお兄ちゃんたちと見ていた。当時はツチノコより見つけやすいお宝だった。よく兄貴の部屋にも忍び込んでベッドの下のエロ本を拝借したものだ。

スマホもインターネットもなかったが、当時は逆に小中学生が性に目覚めるきっかけは今より多かったように思う。

ベッドのイラスト | かわいいフリー素材集 いらすとや

令和の小中学生はそのあたり、どうしているのだろう?

今はテレビでもエッチなシーンはないし、紙の雑誌なんて大人でもあまり買わない。もちろん田んぼに落ちてるなんてことも稀だし、兄貴のベッドの下もからっぽだ。

「ネットでいくらでも調べられる!」という人もいるが、小中学生がネットでHな画像やら動画やらをこっそり見たりするのかな?でもスマホを持っていない子や自分の部屋を持っていない子たちはどうするのだろうか?

うちの子はまだ自分のスマホを持っていないので、妻のスマホをいじっている。ただ変な画像や動画を観ていたら履歴で一発でバレてしまう。タブレットは自分のを持っているが自分の部屋を持っていないので観る場所がない。息子はまだ一人で留守番したり、親より遅く寝たりすることができないので、バレないようにというのは難しいだろうね。

もちろん、スマホを買い与えてあげて、自分の部屋を作ってあげれば自然にそういう情報を集めるのだろうけど、「正しい性の知識」まで独学に任せるのは不安がある。僕がそうだったように、エロ本やAVはエンターテイメントではあるが「性の教科書」にはなりえない。やはり女性の体の仕組み、子供ができる仕組み、コンドームの使い方、社会的責任・倫理・道徳、相手とのコミュニケーションみたいなことを体系的に教える必要はある。ただそれは親からではなく、やはり第三者が教えるほうが親にとっても子にとってもいいような気がする。親の責務なんだろうけど、子供だって親から教わりたくはないだろう。「なんでも相談できる親子関係を築くことが大事!」なんてのは建前としてはわかるけど、実際はねぇ・・・思春期の男の子の気持ちがわかるだけに・・・。

資料2 第2次性徴の男女の違い | PPT

ちなみに僕が最初に受けた性教育の先生はAV男優の加藤鷹さん。彼の著書の中に

”コンドームをつけないやつは、挨拶ができないやつと同じ!”

という言葉があり、衝撃を受けた。学生時代、モロ体育会系だった僕にとって「挨拶ができないやつ」というのは本当にダメ人間の象徴で、それだけで”人間として下の下”扱いをされるものだった。だからこそ人間としてコンドームをつけよう!と思ったものである。ま、もともと「鷹さんのように女性に潮を吹かせるフィンガーテクを身に付けたい!」という邪な気持ちで本を買ったのだが、幸か不幸か大切な性教育を受ける形となった。そのほかにも「乳首の色が黒いのはただの色素の関係。男遊びが好きだからじゃない」「前戯・後戯が大切!」「男の女性に対する偏見はほとんど科学的根拠がない」など名言が多い鷹さん。彼こそ高校生に性教育を教えるインストラクターになるべきだな。

加藤鷹のSEX教育学

追悼「虎ハンター・小林邦昭」

9月19日より世界配信されるNetflixのオリジナルドラマシリーズ『極悪女王』が話題になっている。僕もYouTubeの予告動画を何度も観たり、改めてダンプ松本さんの生い立ちを調べたりしながら配信の日を今か今かと心待ちにしている。

ダンプさんは同期の中では落ちこぼれ、華のないレスラーで先輩からのいじめもひどかったそうだが、会社からアイドルレスラー・ユニット“クラッシュギャルズ”のライバルに指名されたときに「自分の存在感を示すために悪に徹する!」「徹底的に痛めつける」と心に決めたそうだ。

『極悪女王』予告編 - Netflix (youtube.com)

まだネットもSNSもない時代、国民の怒りと憎しみをリングの中でも外でも受け続け、嫌がらせや殺人未遂もあったそうだが、それでも悪役に徹し続けたダンプさん。

この話を聞いた時、ぼくはある別のレスラーの姿が目に浮かんだ。それは小林邦昭選手だ。

Netflix「極悪女王」ゆりやんが覚醒する衝撃の予告&新キャスト発表! スーパーバイザーとして長与千種が参加 : 映画ニュース - 映画.com

小林邦昭(あえて当時のように呼び捨てさせていただく)は1956年長野県で生まれ、高校を中退して1972年に新日本プロレスへ入門、翌年デビューした。メキシコやアメリカでの修業時代もバトルロイヤルで優勝したりベルトを巻いたりと実績があったそうだが、日本に帰ってくると空前のタイガーマスク・フィーバーが起きていて、小林邦昭はその日本人ライバルとしてあてがわれた。

タイガーマスクのライバルにはダイナマイト・キッドやブラックタイガーなど個性的な外国人選手がたくさんいたが、小林邦昭が自分の存在感を示すために取った戦略は“徹底的に悪役を演じること”。なんと“あの”超スーパーアイドル、タイガー・マスクの覆面を剥ぐという、世にも恐ろしい行為に出たのである。

https://hochi.news/articles/20201002-OHT1T50072.html

1981年、僕は小学校2年生だった。毎週金曜日のゴールデンタイムに流れる新日本プロレス中継に映るタイガーマスクの姿を憧れと尊敬のまなざしで観ていた。タイガーマスクが攻撃をすれば歓声を上げ、相手に反撃されれば胸を締め付けられ、「がんばれタイガー!」なんていじらしく応援する純粋な少年であった。タイガーマスクは毎週勝ってくれたので、毎週ハッピーな気持ちで眠りにつくことができた。あいつと戦う日以外は。

タイガーマスクは正体不明のスーパーヒーロー。ネットもSNSもない時代、だれもタイガーマスクの正体を詮索しないし、暴露しようとする者などいなかった。梶原一騎原作の漫画『タイガーマスク』でも、孤児院出身の主人公・伊達直人タイガーマスクとしてリングで戦い、自分がタイガーマスクであることを子供たちには明かさずにファイトマネーを児童養護施設に渡していた。ヒーローの正体を知るなんて言うのは野暮なことだと、僕も幼心に感じていた。当時の子供は本当に簡単に騙せたが、それは子供にとってもとても幸せな時代だった。だって口裂け女川口浩探検隊も心霊写真も世界征服のために幼稚園バスを襲うショッカーも、誰にも何も否定されないまま存在し続けられたのだから。

 そんな中、子供たちの、いや日本の国民的ヒーロー・タイガーマスクの覆面を剥ぐなんて言うのは、神への冒涜に近い行為であった。あってはならないことだった。

 小林邦昭はタイガーを投げると後頭部にある覆面の紐に手をかけ、ほどきはじめる。なぜかあまり抵抗しないタイガーも不思議だったが、当時8歳の僕は「ダメダメ~!」と可愛らしく悲鳴を上げた。マスクばかり気にしていると、タイガーマスクのローリング・ソバットの“パクリ”、小林邦昭の後ろ回し蹴りやフィッシャーマンズ・スープレックスが決められてしまう。

 カウントスリーを奪われまいとフォールを跳ね返すタイガーマスクに対し、今度は覆面の目の部分に指を入れ、引きちぎろうとする小林邦昭。またもや会場のプロレスファンならびにお茶の間の視聴者は悲鳴を上げ、「やめろ!」「反則だぞ!」と罵声を浴びせる。

 あの頃、小林邦昭が本当に憎かった。許せなかった。「タイガーマスクに勝ってほしい、やっつけてほしい」という思いと、「対戦してほしくない」という気持ちが交錯していた。全国民の憎しみを一身に受けながら小林邦昭は戦い続けた。おそらくプライベートでも嫌がらせを受けることも多かっただろう。ご家族も辛かったと思う。初代タイガーマスク自体が短命だったので、ライバルだったのは1981年と82年の2年程だったが、その短い期間に一生分の罵詈雑言を浴びたかもしれない。もう一度言うが、ネットもSNSもない時代、「実はいい人」なんて情報は回らなかったし、「実は佐山サトル初代タイガーマスク)と仲がいい」なんて情報も会社は流さなかった。プロレスのファンタジーに国民は純粋に酔いしれた。そんな時代、小林邦昭は“日本国民共通の敵”、“最も憎むべき日本人”だった。

初代タイガーマスクの引退後、新日本プロレス中継はゴールデンタイムの放送がなくなり、僕のプロレス熱も少し冷めた。大学生になった時、深夜放送で平成維新軍の一員として戦う小林邦昭選手を見たが、もうその時には嫌な感情は何もなく、「お!小林邦昭!」と懐かしむくらいの気持ちだった。実はその時にはすでに癌で何度も手術をしていたそうだ。

2000年に引退後、新日本道場の管理人などで会社に残っていて、TVやYouTube等で新日本の合宿所内が映ると意外に元気な(しかも鍛えている)姿を見せていた。そこには「国民共通の敵」「虎ハンター」の顔はなく、オールバックでばっちり決めた黒髪のシブい好々爺の姿があった。

https://www.youtube.com/watch?v=3GFAbAXNrdQ

2024年9月9日逝去。享年68歳。ご冥福をお祈り申し上げます。

虎ハンター”の異名で活躍…小林邦昭さん死去 武藤敬司や真壁刀義が追悼「今のプロレス界があるのもアノ人のお陰」 | ORICON NEWS

”オジサン”を受け入れたら・・・

2024年9月3日放送の『踊る!さんま御殿!!』(日本テレビ系列)を観ていて、色々思うところがあった。9月3日放送分では「世代間ギャップに悩んでいる有名人」が集まってそれぞれの思いを語っていた。Z世代からは村重杏奈さん、山之内すずさん、大西流星さんらが年上世代への本音を語り、年上世代の出川哲郎さん、佐藤仁美さん、望月理恵さんらを驚かせた。

面白かったのはその間の世代の男性陣(ウエンツ瑛士風間俊介花村想太)の反応で、彼らは揃いも揃って「”自分もオジサンだ”と自虐的に言ってはいるが実はそれを認めたくない」という思いを抱えている。

あ~、わかる。僕もそうだった。

昨年50代に突入してすっかり解放された僕は、彼らに深く同情するのであった。

https://tver.jp/episodes/eplyg3obdm

男性が”オジサン”を自覚するようになるにはいくつかのきっかけがある。

例えば結婚して子供が生まれ、子供の友達が家に遊びに来るようになれば”オジサン”と呼ばれるのも当たり前だし、自分のことを指すときも”オジサンがやってあげよう”なんていうことになる。例え自分が20代でも、子供の親という自覚があれば自分のことを”お兄ちゃんがやってあげる”なんてふうには言わない。

甥っ子・姪っ子を相手にする場合も以前はそうだったのだが、最近はちょっと気を使うようになったのか、自分の子供に「~おじさん」「~おばさん」とあえて使わせない動きも出てきたようだ。確かに僕も息子には僕の兄弟のことを「(下の名前)さん」で呼ばせている(が、兄も弟も僕の息子と対等に遊んでくれるので息子に呼び捨てされている)。

ただ不思議なことに、自分の甥っ子・姪っ子には”オジサン”と呼ばれてもすんなり受け入れるのに、独身アラサーぐらいだと知らない子供に「オジサン!」と呼ばれることには抵抗があるのだ。道で「オジサン、ハンカチ落としたよ」と言われてもおそらくすぐには自分のことだと思わないし、「ん?”オジサン”?」なんて一瞬戸惑ってしまい、「ああ、どうも」なんてその知らない子に丁寧語で答えてしまったりする。まだオジサンの自覚がないのだ。

自分を指さすイラスト|無料イラスト・フリー素材なら「イラストAC」

問題は35歳~45歳くらいの独身男性、つまりウエンツ瑛士(38歳)・風間俊介(41歳)・花村想太Da-iCE 34歳)の世代だ。この世代が一番”オジサンをこじらせる”。

まずこのくらいになると少しずつ体に変化が出てくる。見た目も白髪が出てきたり、腹が出てきたりするし、疲れが取れなかったり忘れ物が増えたりおならがよく出るようになったりする。だから「いや~、もう俺もオジサンだよ」なんて自虐的に言ったりすることがある。

が、実際は(独身アラフォーなら)全然”オジサン”を受け入れられていない。

「結婚して生活感が出てしまっている同年代の友達に比べたら、自分はまだファッションにも気を遣っているしイマドキの流行も抑えている。下の世代の気持ちもわかるし、話題にもついて行ける。性欲も体力も好奇心もバリバリ!後輩ともよく遊んだり飲んだりしている!少なくとも自分はまだ”オジサン”とは見られていないはず!」なんて思っている。

で、面倒なのは独身でいる間は10年くらいこの状態が続く。つまり”オジサンをこじらせる”。「まだいける、まだいける」なんて45歳くらいまで思い続ける。それが独身男性という生き物だ。

もちろん学生さんから見たら35~45歳は立派なオジサンなのだが、普通の社会人は彼らと直接関わる機会があまりないのでこの勘違いはかなり長引く。

先の『踊る!さんま御殿!!』でも「(自分の事を)オジサンと思っている」と言っていたはずの花村さん(34歳)」が16歳の女性タレントに「俺っておじさん?」と聞いて「はい」と即答されて撃沈されていた。実は「そんなことないですよ!」待ちだったようで、「マジで!?」と言わんばかりに目を見開いてびっくりしていた。同じく風間さん(41)が大西さん(26歳)に「そんなに変わらないよね?」と聞いて「いや、全然違いますよ!」と完全否定されていた。

心配している人のイラスト(中年男性) | かわいいフリー素材集 いらすとや

でも花村君、ウエンツ君、風間君に言いたい。

年を重ねるごとに「まだいける」という抵抗の気持ちの割合より「もうオジサンだ」というあきらめの気持ちのほうが強くなり、50を過ぎれば自然に楽になる。だから大丈夫。

今僕は名実ともに、心身ともにオジサンになり、解放されている。「LINEに絵文字を使ったり赤いビックリマークをつけるのは”オジサン構文”!」と言われても「オジサンはLINEの文章が長い!」と言われても「まあ、本当にオジサンだからね」でスルー出来る。「その服、色合いも組み合わせもダサい。オジサンっぽい」とバカにされても「やってることが非効率、昭和の考え!」とdisられても「「まあ、その通りだからね~、ごめんね~」でスルー出来る。

変に若い人に合わせようとしなくなるし、好かれようともしなくなる。「世代が違うから」、「ま、仕事以外ではお互い交わることもないし」なんて変に納得しながら「お互いの平和のためにそれぞれでやりましょう」で着地する。

不思議なことに僕の父親世代(団塊の世代)と違って「最近の若いモンは!」みたいな若者に対する怒りや不満は全くない。僕ら令和の50代は居酒屋でおじさん仲間と「最近の子はすごいねぇ~」「令和っていう感じだねぇ~」「いや~、俺たち理不尽に慣れちゃって気づかなかったねぇ~」「なんも言い返せなかったよぉ~」なんて若い世代に感心したり自虐したりしている。僕らも若い世代が苦手で、あんまり交わりたくないのだ。

これがいいことなのかどうかはわからないけれど、とにかく”おじさん”を受け入れると下ネタも言えるしダジャレも言える、おならも出せるし体の不調ネタで2時間飲める。つまりのところ”解放”される

オジサン(という名の魚)

TUBEの名曲は「あー夏休み」?

先日、『ザワつく金曜日』(テレビ朝日系列)を見ていたら「40代~60代に訊いた“好きな夏歌”ランキング」なるものを発表していた。

んでTUBEの「あー夏休み」が1位になったんだけど、なんとなく違和感が残った。僕も50代なので、「夏と言えばTUBE」「TUBEと言えば夏歌」で育ってきた。だからTUBEの歌が1位になってもいいんだけど、それでもTUBEの夏の名曲1位って「あー夏休み」か?40代~60代にとって夏の名曲1位って「あー夏休み」か?

ちなみに僕は特にTUBEのファンというわけではないが、それでも小・中・高とTUBEの曲を毎年夏に聴いてきたように気がする。『ベストセラー・サマー』『シーズン・イン・ザ・サン』『Summer Dream』『Dance with you』『Beach Time』なんかは「ザ・ベストテン」「夜のヒットスタジオ」なんかの歌番組やテレビCMでもよく聴いていた。雑誌『明星』の付録「Young Song(ヤンソン)」なんかで歌詞を見ながら自分でもよく歌っていたな。毎年夏になるとTUBEの曲が流れてきて、「ああ、もうそんな季節か」「今年も夏が来たな!」という感じがした。もう「冷やし中華始めました」くらいの夏の風物詩だった。

ただ夏のイメージが付きすぎて冬に出すシングルが売れなかった。さらに「またTUBEは夏の曲か」とちょっとマンネリ感を感じていたころに出した曲が『あー夏休み』だったように記憶している。

TUBE前田亘輝、「あー夏休み」の替え歌熱唱!「初めて替え歌に挑戦」 「GREEN DA・KA・RA やさしい麦茶」新テレビCM「晴れ空マエダくん」編  - YouTube

TUBE前田亘輝、「あー夏休み」の替え歌熱唱!「初めて替え歌に挑戦」 「GREEN DA・KA・RA やさしい麦茶」新テレビCM「晴れ空マエダくん」編 (youtube.com)

正直、今年のTUBEの曲が『あー夏休み』だと知った時は失笑した。「ネタ切れか?」「コミックソングか?」「さすがにベタすぎだろう、このタイトル」なんて思った。それまで“波”“ビーチ”“太陽”“サマー”とテンションが上がるワードで曲を仕上げていたのに『あー夏休み』って!宿題が終わらないまま新学期を迎える小学生か!って感じで思い切りバカにしたものだ。案の定、『あー夏休み』はオリコン最高位10位、CD売り上げも20万枚ほどだったので、本来なら“TUBEの代表曲”“日本の夏の代表曲”になるべきものではなかった。

 ただ、その後に発売されたTUBEの曲は揃いも揃って名曲ばかりだった。僕は後にベストアルバム(『TUBEestⅡ』)を買ってヘビーローテーションをすることになるのだが、『さよならイエスタデイ』『ガラスのメモリーズ』『夏を待ちきれなくて』『夏を抱きしめて』『恋してムーチョ』『ゆずれない夏』『あの夏を探して』…。

この頃のTUBEは潔かった。5月と7月の2回、1年に2曲夏歌を出した。「夏は稼ぎ時!」「開き直って“夏”で売る!」という感じがした。で、どれもTUBEらしい、夏を感じさせる曲に仕上がっていた。もともとボーカルの前田さんの声質や歌い方が夏に合っていたこともあったのだろうが、TUBEの曲を聴くと自然に夏を感じてしまうくらい、当時の日本人は“パブロフの犬”状態だった。

個人的に“TUBEの名曲”“日本の夏歌”を選ぶなら、『さよならイエスタデイ』か『ガラスのメモリーズ』を選ぶだろう。

ガラスのメモリーズ〜さよならイエスタデイ〜あー夏休み 2005 // TUBE [歌詞] (youtube.com)

さよならイェスタデイ 細川たかし (youtube.com)


ではなぜ、40代~60代が選ぶ“夏の名曲”が「あー夏休み」となったのか。

それはやはりタイトルのインパクトの勝利だろう。ベタすぎるほどベタで、ちょっとコミカルで、ロックなのに日本の祭りっぽくて、老若男女取っつきやすいタイトルだからこそ、人々の脳裏に刻まれたのだろう。

 おそらくモノホンのTUBEファンは「あー夏休み」を特別視しない。が、TUBEファンがTUBEファン以外にTUBEの曲を紹介するなら「『あー夏休み』って曲知らない?」と訊いてしまうかもしれない。音楽番組がTUBEを紹介するときもやっぱり「TUBEの皆さんに歌っていただきましょう!曲はお馴染み!『あー夏休み』です!」とやってしまうかもしれない。

 シブがき隊の名曲は個人的には『Zokkon命』『飛んで火にいる夏の令嬢』『月光淑女』だと思うが、一般的には『スシ食いねェ』か『NAI NAI16』。

https://www.youtube.com/watch?v=rPO6BC1aLcE&list=RDrPO6BC1aLcE&start_radio=1

https://www.youtube.com/watch?v=-W0TqJZEC-Y

 名曲が必ずしも人の記憶に刻み込まれるとは限らない。やはり曲のインパクトって大事なんだな。

スマホのカラバリって・・・

何年振りかにスマホを買い替えようかと思っていて、まずはAndoroidにするかiPhoneにするかというところから悩んでいる。

僕はゲームもやらないしNetflixも見ない、動画も撮影しないし写真の加工もしない。スマホは連絡を取ったりSNSを見たりするくらいのライトユーザーなので、本当にこだわりがない。今はXiaomiを使っているが、その前はiPhoneだった。

充電ケーブルのことを考えると、iPhoneにするならType-Cが使える15以降ということになるが、値段がかなりネック。でいろいろな比較サイトなんかを見ているのだが、iPhoneを薦める人の意見で必ず出るのが「カラーバリエーションが豊富!」というやつだ。それを見るたびいつも思う。

スマホにカラーバリエーションって・・・要るか?

iPhone 16 Plusのカラバリは7色展開になるようだ | ギズモード・ジャパン

Apple製品全般に言えることだが、iphoneにせよ、iPadにせよ、とにかくカラーバリエーションの豊富さをアピールしたがる。確かに広告としては映えるんだろうけど、僕は生まれてこのかたスマホの色を気にしたことがない。

iPhoneを買った時も、一応は色を選んだんだけど、スマホの色なんて本当にどうでもよくて、わざとちょっと派手目の色を選んでいた。だってスマホ購入と同時にカバーも買ってかけてしまうので、次にスマホの色を見るのはカバーを外すとき、つまりスマホを買い替える時なのである。

ちなみに2022年の調査では日本人の9割以上がスマホケースを使用していて、「ソフトタイプ(クリアタイプ)」「ハードタイプ」「手帳タイプ」が大体3割ずつということだ。透明タイプのケースを使っている人はいるものの、「6割以上はスマホのカラーを隠しながら利用している」とも言える。

【LINEリサーチ】9割以上の人がふだんスマホケースを使用、使っているケースのタイプは「手帳型ケース」「ソフトケース」がTOP2 | LINE株式会社のプレスリリース (prtimes.jp)

「好きな色(のスマホ)を見ると気分が上がる!」みたいな意見もないことはない。そういう人はスマホケースを使わないか、クリアケースやリングだけなど色が隠れないものを使っているのだろう。だが、日本人の大多数はスマホをケースで覆ってスマホ本体の色が見えない状態で使っている。気分を挙げたいならスマホケースの色選びのほうが大切だったりする。

おそらくiPhoneユーザーはいつか売ることを想定している。

だから人気というか無難な白か黒を選ぶし、できるだけ傷つかないように(高く売れるように)カバーをかける。

2024年はiPhone16が発売される。カラーバリエーションは7色展開とのことで、ブログや動画などでスマホ情報を発信している人は「またカラバリが増えたぞ!」「みんなは何色を選ぶ?」なんて発狂している。

iPhone 16 Plusのカラバリは7色展開になるようだ | ギズモード・ジャパン (gizmodo.jp)

そして一応は買う直前だけ「ピンクがかわいい!」「グリーンが上品!」なんて盛り上がるフリだけ見せて、すぐカバーをかけてしまう。1年もすれば自分のスマホの色なんて忘れてしまうだろう。

家電みたいに「不人気色は在庫があるのでお安くしますよ」なんて店員が言ってくれるなら、僕は率先して安い不人気色を選ぶのだが、iPhoneはなかなかそうならない。というか、過半数が黒を選ぶのだから、最初から黒を多めに製造してるんだろうな。「どうしてもイエローがいいので、何か月でも待ちます!」なんてやついないだろうし。

スマホのカラバリをこれでもかとアピールする売り手と、それに煽られる買い手。

日本は平和だ。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000060.000019031.html

 

緑茶が出てくるありがたさ

夏に帰省した時のこと

母が食後に出してくれる緑茶をしみじみと飲みながら考えた。

食後に緑茶が出てくるというのは、なんとありがたいことか、と。

お茶と急須のイラスト | フリー素材 イラストミント

実家を出てから早33年。

なんとなく「食後はコーヒーか麦茶」が習慣となっていたが、久しぶりに実家に帰って熱い緑茶を飲むとつくづく「自分は日本人だ」と感じる。うまいのだ。熱々のお茶をズズズ~と吸い込み、口蓋と喉を熱で刺激しつつ胃袋に落とし込む瞬間が実に快感。

これが冷たい飲み物だとそうはいかない。定食屋で食後に飲む水も悪くはないが、どうもこれは歯と歯の間に挟まった食いカスを取り除く方が主目的の気がする。またペットボトルのお茶も良く飲むのだけど、500ミリリットルはさすがに多い。小さいほうのペットボトル(280ml)でもその場で飲み干すにはやや多い。

あの”湯飲み一杯分”というのは本当に絶妙な量だと思う。食後にちょうどいい量。腹をたっぷんたっぷんさせることもなく、食後の口の中の粘り気みたいなものをきれいに熱湯で洗い流してさっぱりさせてくれる量。激熱のお茶をがんばって飲み干せて、達成感を得られる最適の量。

2ページ目 | 湯のみイラスト|無料イラスト・フリー素材なら「イラストAC」

そしてあの”濁り加減”とか”濃さのばらつき”も実にいい。ペットボトルのお茶はどうもきれいすぎる。清涼すぎる。すっきりしすぎる。あれはほぼ”水”だ。

一方、急須で入れたお茶は実に多様な表情を見せる。僕の実家は高級な茶葉なんてものは使っていなし、量も適当。だから時に濃すぎるお茶も出てくるし、出がらしも出てくる。前に淹れたものに継ぎ足して出されることもあるし、抹茶みたいに粉々にくだけた茶葉が濁りに濁って出てくることもある。でもこれがいい。お茶ってのはこうでなければいけない。特に食後のお茶はこれくらい下品でいい。洗練されてなくて正解。「なんか今日のお茶、渋いな」なんで話題を提供できたら最高である。僕はお茶の味の差なんて1ミリもわからないんだけど、食後に母が淹れてくれたお茶が滅法好きなので、熱々のうちに口をつけ、休むことなくズズズと吸い続け、一気に飲み干してしまう。「もう飲んだの?早いわねぇ~」なんて母の言葉を聞きながら、オリンピック中継などを見ていたのだが、実はこれも今や日常ではないらしい。

父が元気だったころは毎食後と10時と3時に急須でお茶を淹れていたらしいのだが、ここ数年、父は体の調子が悪くなり、薬を飲むためにお茶ではなく白湯を飲むようになったらしい。そして母は自分だけのためにお茶を淹れるのが億劫になり、お茶を淹れる回数が減ったとのこと。そういえば僕が帰省中、母は何度も「お茶飲むかい?」と僕に確認を取っていた。僕は何も考えずに「飲む」と答えていたのだが、もしかしたら僕が「要らん」と答えたら自分も飲まずに済ませたのかもしれない。

とにかく実家で飲む食後の緑茶が本当に旨かったので、この習慣を続けたいなぁと思ったのだが、これはなかなか難しいかもしれない。妻と息子はそもそも熱い緑茶を飲まない。妻はコーヒー、息子は牛乳かココアだ。僕だけのために妻に食後に緑茶を出してもらうのは申し訳ない。じゃあ自分で淹れればいいじゃないかと思うかもしれないが、僕が一人のために急須と湯飲み、茶葉を揃えるのがまずもったいないし、急須に茶葉を淹れ、1杯だけ入れて飲み、茶葉を捨て、湯飲みと急須を洗う・・・この作業を毎回するのはタイパが悪い。母は家族のためにずっとそうしてきてくれたことに感謝はすれど、僕が自分一人のためにそれをするのは・・・なんか嫌だ。

やはりありがたいのは急須で淹れた熱々のお茶が食後に”出てくる”ことなのだ。これは食後に腹を押さえながら立ち上がって自分で淹れるのでは得られないありがたさなのだ。単に食後にお茶を飲みたいだけではない。僕は”お茶が出てきてほしい”のだ。

 

で、帰省を終えて近所のスーパーで緑茶のティーパックを買い、職場で飲んでいるのだが・・・これもちょっとちがうんだよなぁ~・・・旨いけど。

そんな思いを知らない妻は、「コーヒー淹れるけど、飲む?」と私に聞く。僕は「うん、飲む」と答える。旨いからいいけど。

なんだかなぁ~

終業時刻まであと・・・

現在、時刻は17:10。就業まであと20分だ。この20分をどう乗り切ろうか。
以前、ネットで調べたのだが、会社が制服着用を義務付けたり、業務上必要な物を使ったりした場合、その片づけを含めて「労働時間」となるらしい。就業規則に書いてなくても過去の裁判でそういう判例があるらしい。つまり終業時間前に片づけを始めても怒られる筋合いはないと言える。がまだ17:10・・・。

困った顔で働く会社員のイラスト(男性) | かわいいフリー素材集 いらすとや
 例えば僕が作業着を妙にゆっくり、ストリッパーのように脱ぐ色っぽいおじさんだったら、17:15くらいから着替え始めてもよいのだろうか?筆箱にシャーペンやら、ボールペンやらをゆっくりゆっくり10分くらいかけて入れながら帰り支度をはじめたら部長に怒られないだろうか?
 とりあえず何か別の仕事でもしようかとも思ったが、困ったことに今の僕には20分でキリがつく仕事がない。出張の報告書は明日時間をかけて作りたい。20分で出張目的だけ書いて作業を止める、なんてことはしたくない。顧客から届いている資料に目を通しはじめたら1時間はかかるはず・・・。途中で止めたら明日結局最初から読まなきゃならなくなる。逆にこちらから先方に新しい企画案を添付してメールなんて送ったら先方も「え?帰ろうと思っていたのに!」って迷惑に感じるだろうし、新製品のアイディア出し・・・も今からやるより明日以降、時間に余裕があるときにしたほうが絶対いい。
 同期の吉田は・・・パソコンの画面をボーっと見つめ、時が過ぎるのを待っている。
 1個下の池田は・・・あいつの席、うしろが壁だからいいんだよな。絶対手元にスマホを置いてなんか見てるよな・・・。
 田添さんは・・・手帳を見てスケジュールチェックをしているフリをして、きっとアニソンフェスに行く計画を立てている(はず)。
 高嶺の花子さんは・・・ネイルを気にしつつ、指のささくれを引きちぎろうと必死
 新人の三池は・・・まだ仕事している・・・すげぇ・・・
 中途採用の迫さん・・・もなんか作業している
 2年目の市川は・・・完全に帰り支度を終了して瞑想中。課長にめっちゃ睨まれてる・・・

仕事をサボる人のイラスト(ゲーム) | かわいいフリー素材集 いらすとや

 う~ん、なんとかして終業時刻前に会社を出る方法はないかな?「社内点検をします!」とかいってカバンを持ってロビーまで下りてって、17時半ぴったりに会社を出るとか・・・ダメかな?
 そもそも「就業時間」って何で決まってるんだっけ?別に時間給ってわけでもないのに。自分の仕事とかノルマが達成していれば帰ってもいいと思うんだけどな。
 でも終業時間が決まってないと16:00くらいに帰りだす新人とか出てきそうだな。そのうち「仕事は家でやります」なんて言って午前だけで帰り出す奴も出てきたりして・・・。でもそれってなんで駄目なんだっけ?
 まあ、決められた業務とかノルマだけでいいなら外部委託とか派遣さんだけでもいいしな。在宅勤務って絶対サボる口実だろうし・・・。っつーことは社員を就業時間内ずっと会社に置いとくのはプラスアルファの仕事を頼むためなのかもな。会社にとっては就業時間いっぱい社員をこき使ってもいいわけだから、なるべく社員をオフィスに留めておきたいんだろうな。
はあ、あと10分か。
 吉田も池田も田添さんも花子さんも市川も、定時組は残り10分仕事を進めずひたすら時間が過ぎるのを待ってるだけだろ?これって会社にとってなんのメリットもないよな。でも会社が「仕事のキリがついたら多少早めに上がってもいい」なんていったら絶対歯止めが利かなくなるよな。市川なんて15時頃帰りそうだもんな。あいつトイレ休憩、たばこ休憩もたっぷりとってるくせに。
 ということは、社員に時間いっぱい仕事してほしいなら会社側が10分とか20分で終わる仕事を用意すればいいんじゃね?「チラシ折り」「給湯室の湯飲み洗い」「書架の整理(一段分)」「共有PCフォルダの整理」「簡単なデータ入力(ベタ打ち)」みたいなのをホワイトボードに書いといて、5時以降大仕事を始めたくない奴が自分で選んでやる、みたいな。
・・・というかこれからは生成AIを使えば15分くらいでも企画書・報告書の下書きなんかもできるんじゃね?

内職のイラスト(男性) | かわいいフリー素材集 いらすとや
そうこういっているうちに定時だ!17時半だ!今日もがんばったな!よし帰ろう!社長の俺が帰らないとみんな帰りづらいしね!