俺よ、男前たれ

おもしろきこともなき世をおもしろく

メガネの国のメガネの町

赴任先の中国・北京でメガネを作ることになった。

僕は現在50代の駐在員だが、最近老眼に悩まされている。これまでメガネを作ったことは2回ある。20代の後半、免許更新のために作ったのが1回、そして40代の後半、なんとなく小さい文字が見えなくなってきた上に、またまた免許更新も重なったので念のために作ったのが1回。でも普段はメガネをかけない人生を歩んできた。実は30歳の時にレーシックの手術を受けたことがあり、以来20年以上メガネなしで過ごせてきたのだ。数年前まではオフィスのパソコンの倍率を大きくしている先輩を「ジジィか!」と心の中で笑っていたのだ。

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しかしそんな僕にも老眼の波は容赦なく襲い掛かる。

ここ数年、僕は薬の箱の文字が見えず(何錠飲むかわからない)、濃縮そばつゆのラベルが見えず(何倍に薄めればいいのかがわからない)、「地球の歩き方」の文章が見えず(何がお勧めかがわからない)、嫁のスマホの文字が見えなかった(ママ友からの腹立つメッセージらしいが、メッセージも文字がまったく見えない)。

良く晴れた午前中の明るい日差しの下では小さい文字も見えたりするので「まだいける!」なんて強がっていたのだが、夜のリビングではそれも通じず、職場でも午後になるとパソコンの文字が重なって見えるようになって仕事に支障をきたすようになってきた。僕はメガネをかけてこない人生を歩んできたのでメガネをかける自分が想像できなかった。だからメガネをかけて生きてきた同僚に「耳の後ろとか鼻の付け根とか、痛くならない?」「寝るときとお風呂以外はずっとかけてるの?」「メガネケースっていつも通勤カバンに入れてるの?」とか小学生のような質問を繰り返した。50代のおじさんなのに。さらに同僚の女性が「私は入浴時も寝るときもメガネをかけている!メガネは顔の一部です!」と本当なのか嘘なのかわからないことを言い出し、恐怖すら覚えた。

一応、3~4年前に作ったメガネはいつも鞄に入れているので、どうしても文字が見えないときは一時的にそれを使っている。しかし僕の目の現在の状況は、見えないのはPCや書類など、手を伸ばした範囲の小さい文字だけで、メガネをかけたまま近くにいる人の顔を見たり、遠くを見たりすると目がクラクラしてしまう。典型的な老眼の症状なのだ。

で、話は先週のこと。小さい文字を見るために鞄からメガネケースを取り出し開けたところ、フレームからレンズが外れていたのだ。何度かはめてみたが、すぐに外れてしまう。3~4年前に作ったメガネは度数も合っているかわからない。来年夏に日本に一時帰国したときにでも新しいメガネを作ろうかと思ったがそれまでだいぶ時間がある。これで仕事に支障が出るのだけは避けたい。

で、結局僕はこの地でメガネを作ることにした。幸いここはメガネの国。AIによると中国は

・2025年のレポートによると、中国の近視人口は6.3億人から7億人を超えると推定されており、全人口(約14億人)の約半数

・2022年時点のデータで、児童・青少年の近視率は51.9%、高校生では81.2%

・2025年におけるアイウェアのユーザー普及率は53.3%と予測されており、2030年には61.2%まで上昇する見込み

江蘇省丹陽(たんよう)市だけでも、世界の眼鏡レンズの約50%(2枚に1枚)を生産しており、年間売上高は2400億円

 などなど。確かに中国人はメガネをかけているイメージだ。きっと需要も供給もたくさんあって、安く作れるに違いない。僕はChatGPTに「北京で外国人がメガネを作るのにおすすめの店」を聞いた。すると北京には「眼鏡城」なるものがあるという。Trip.comでもおすすめされるような観光地でもあるらしい。僕のうちからは電車で30分程度だというので行ってみた。

 潘家园という町は、北京最大の小道具と古書、古銭の町として観光客も多く訪れる場所だが、地下鉄の違う出口を出ると全く違う顔になる。メガネの町なのだ。大通りの両側にメガネ屋だけを詰め込んだ大型のショッピングモールがあり、その周りの路面店も視力関係の店ばかり。まずは駅近くのショッピングモールに入ると、すぐに圧倒された。メガネ屋がずらりと並び、店の前に客引きの店員がハイエナのようにこちらを見ている。怖くなってエスカレーターで上階に上るが、2階も3階もずらりとメガネ屋が並び、客引きが待っている。「こんなに要るか?」「どこも一緒だろう?」「選べないだろう?」、そんな言葉が頭に浮かぶ。土曜日の午前は人もまばらで、店員が暇そうにしている。メガネなんて1日にいくつも入れるもんじゃないし、ましてやこれだけ店があるんだからやってけないだろう?しかも1つの店に店員多っ!僕はとりあえず各フロアを1周して外に出た。いや、すごい。本当にすごい。ここに来ればメガネに関してはあらゆる夢が叶うね。

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 大通りを渡り、お目当ての「眼鏡城」へ向かう。ここも大型ショッピングモールの中の個店すべてがメガネ屋という、メガネファンなら歓喜の声を上げるような建物だった。僕は事前に英語が通じる「ANN OPTICAL」という店を調べていたのでまっすぐそこに向かった。幸い、客は僕一人。中国人女性が英語で対応してくれた。念入りに左右の視力を調査し、遠視・近視の度合いも検査、レンズをいろいろ組み替えて僕に合ったものを選んでくれた。店員さんのおすすめは日本のHOYAというブランドらしい。せっかく中国に来たのに結局は日本製か、と思いつつも親切な店員さんのおすすめに従うことにした。フレーム選びもいろいろ手伝ってくれ、入店後ものの30分で注文が完了した。しかも2~3日で作って自宅まで送り届けてくれるという(旅行者にはホテルまで届けてくれるとのこと)。こりゃ楽だわ。料金は1050元(21000円程)なので日本で作るのと同じくらい(中国ではちょっと高い?)。ま、仕事で使うものだしね。

 こうしてメガネの国のメガネの町で、3年ぶりのメガネ作成は成功裏に終わった。来年もお仕事がんばります!

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『希望の丘』

2025年12月13日に放送された「ロンドンハーツSP~50TAに超人気者から楽曲提供オファーが!!」(テレビ朝日系)にて、狩野英孝扮する50TAがKing&Princeの二人のために提供した楽曲「希望の丘」

あの放送依頼、僕の頭の中でヘビーローテーションされている。

♪溢れこぼれだすエナジーを 拾いかき集め 差し支えなけりゃ差し上げます!(頂きます!)


実は僕は50TAというアーティストのことがずっと気になっていて、「Perfect Love」と「紅葉に抱かれて」はカーステレオにも入れているほどなのだ。

50TAの曲は第一印象はコミックソング。歌詞が多すぎてハマりにくかったり、フレーズも滑稽だったり、変な転調があったり・・・。だけど不思議なのは聴けば聴くほどハマってしまう不思議な魅力がある。で、ライブで歌うと普通に盛り上がるのだ。

もちろん盛り上がる理由は「テレビで制作した曲で認知度が高いから」「狩野英孝50TA)が愛されキャラだから」「バラエティ番組で作ったコミックソングなので大人から子供まで楽しめるから」ということなのかもしれないが、それだけでもないように思う。

50TAの楽曲のほとんどは番組内のどっきり企画の中で”即興で”作られる。田村淳の影の指示により「このタイトルで作れ!」「転調しろ!」「伴奏に沿ってすぐ歌って!」と無茶ぶりをされながら生まれるのが50TAの曲だ。なので奇妙で滑稽、歌詞の矛盾や語呂の悪さもたくさん含まれる。が、そこで生まれたアイディアはほとんど採用される。

以前、ブログに書いたのだが、この”即興”というやり方は実は不思議な魅力を生む。

眉村ちあきと即興ソング - 俺よ、男前たれ

じっくり時間をかけて考えた歌詞は確かに理路整然としていてわかりやすいのだが、意外に頭に残らなかったりする。しかし即興で作った50TAの歌詞は不自然なだけに”引っ掛かり”を生む。

『希望の丘』のサビも「溢れこぼれだすエナジーを 拾いかき集め 差し上げます!(はい、頂きます!)」のほうがすっきりしていいように素人目には思う。

が、50TAが即興で歌ったのは「溢れこぼれだすエナジーを 拾いかき集め 差し支えなけりゃ差し上げます!(頂きます!)」

でもこれが50TAクオリティ!最初は不自然でも歌うほどに自然に響くに違いない。

番組ではKing&Princeのために制作していることは知らされていなかった。King&Princeのためと知っていたら「エナジーを君にあげよう!」みたいにきれいな言い回しになっていたかもしれない。知らなかったからこそ「拾いかき集め」「タッパーに詰めて」「直射日光避けて保管して」なんてフレーズでOKを出したのだろうし、これをKing&Princeが歌うことにまた”引っ掛かり”が生まれることだろう。

それにしてもKing&Princeはよく決断をしてくれた。先物買いの素晴らしい判断だと思う。僕は別にファンではない普通のおじさんだけど、King&Princeがコンサートでこの歌を披露してコール&リスポンスで盛り上がる姿が容易に目に浮かぶ。1年後にはイントロが流れるだけでお客さんが「来た!この曲!」と盛り上がっているだろう。全くキンプリらしくない楽曲だけどおそらくこの曲は本人とファンに間で神曲になりそう。そうなってくれたらおもしろいな。

これきっかけで50TAに楽曲を依頼する人が続きそうだけど、何よりKing&Princeの判断の速さは評価されていいと思う。先日の初披露ではまだ少しこの歌を歌うことに照れがあったようだが、何度も歌ううちに歌詞の理解も深まって「俺のエネルギーをみんなに!」という気持ちがこもるだろうし、ファンも自分流のリスポンスを開発していくことだろう。

とりあえずは12月26日(金)放送の「ミュージックステーション SUPER LIVE 2025」(昼4:30-夜11:10、テレビ朝日系)でのパフォーマンスを心待ちにしよう。

 

ショートショート

 来月の研修で「ショートショート」を書く講座をやってみようと思った。ショートショートとはユーモアやサスペンスを生かした”オチ”をつける、きわめて短い小説のことで、有名な作家に星新一さんなどがいる。

 僕はショートショート作家・田丸雅智さんのサイトからワークシートをダウンロードして自分なりにこの1か月練習していたのだが、この度、その講座自体がキャンセルになってしまった。で、もったいないので私が練習で書いたものを自分の思い出用に載せておくことにした。

海のかけら

田丸雅智の「WEB版! 超ショートショート講座」 - ショートショートガーデン(SSG)

 

練習①「没個営業」

10年ほど前に流行ったChatGPTは、その親しみやすい口調が一部の人気となったが、それはあくまで少数派で、多くの日本人はむしろ他人に対して無感情・没個性のほうがストレスが少ないと思うようになった。そこでわが社も2年ほど前から「没個営業」なる営業メソッドを取り入れることになった。要はセールスの際、無駄な世間話はしない、愛想笑いもしない、商品をシンプルに紹介し、顧客の質問にシンプルに答えるだけ。このほうが顧客は断りやすく、質問もしやすいので話を聞いてくれるのだという。先日、私は昔の癖でつい妙齢のご婦人に「お若くていらっしゃる」などと言ってしまい、怪訝な顔をされてしまった。没個営業で許されるのは挨拶と礼のみ。おかげで新人教育もやりやすくはなったし、営業技術も一定のクオリティーが保てるようになった。社内の競争がなくなり辞める社員も減ったし給料も均一になった。以前は営業トークの腕を磨いて部署のエースとして社長賞ももらったものだが、今は定年間近で新入社員と同じ給料だ。ま、これも時代だ。仕方がない。今日も例のバーによって「ボッコちゃん」に愚痴を聞いてもらおう。

練習②「商売繁盛雲」

客A「明日、大事な商談があるんです。僕はうまく行くでしょうか?」

占い師「そうですね。では占ってみましょう。ふむふむ。これはいい!この水晶を見なさい!商売繁盛雲が映っている!」

客A「それって、雲が映っているだけでは?」

占い師「これが私の占い方です。大丈夫、明日の商談はうまく行きます。」

客A「わかりました!ありがとうございます!」

占い師「次の方!え?恋愛運?どれどれ…おお!恋愛成就雲が見えます!問題なし!」

客B「・・・そうですか」

占い師「次の方!ははぁ、子宝に恵まれないですか。大丈夫、ワタシには子孫繁栄雲が見えてます。ハイ次!」

客C「ちょっと!先生!昨日の占い、全然当たってないんですけど!」

占い師「昨日?あ、絶対合格雲が見えた方。仕方がありません。雲は形を変えるものだし、あなたも・・・流れてしまったんでしょう」

 

練習③「タッチパネル式社長」

A「最近、社長が古くなっちゃってね。買い替えようと思うの。何かいいモデルある?」
B「御社の社長はもう7年目ですものね。ちょうど新型が出ましたよ」
A「でも、うちは挨拶とスピーチと印鑑、あとは接待くらいしか使わないのよ。多機能すぎると困るわ」
B「でしたら、こちら。機能を絞った“タッチパネル式社長”です」
A「え、条件をタイピングしなくていいの?」
B「はい。スーツやネクタイの色はタッチで変更、体格もピンチアウトで調整できます。社長の隣に立って確認できますよ」
A「面白いわね。でも指紋とかベタベタつかない?」
B「お手入れは必要です。あと握手のとき誤動作が起きやすいので…」
A「それは不便ね。あれ?反応しないわ」
B「奥様、ハンドクリームを?」
A「もう年かしら、指紋も薄くなってきて(笑)。まあいいわ、これに決める」
B「ありがとうございます。現社長はどう処理しましょう?」
A「もうアナログは疲れたの。処分ね。あと次はね……音声入力できるAI社長を開発しておいて

 

練習④「枕の群れ」

とある高級ホテルのスイートルーム。キングサイズのベッドの上では今日も6つの枕たちが言い争いをしていた。
枕F「最近、寒くなりましたね~。1月でこの寒さなんで8月はもっと寒いかも」
枕A/B/C/D/E「・・・」
枕F「いやその、真剣な話をする前に、ちょっと話のまくらをと思いましてね」
枕A「私は以前、デラックスルームのダブルベッドにいたが、そこには私の外に3つのライバルがいた。私はいつも選ばれていたが、親友のピラーはいつも蹴落とされていた。4つでもそうなのだ。6つは多すぎる!」
枕B「ふふふ。まるで”自分は選ばれるからいいけど、他の人はかわいそう”みたいな言い方ですね。ま、私は低反発素材なんでね、当然・・・」
枕C「私は固め、太目。あまり選ばれることはないが、ベッドの背板に寄り掛かるときに腰に置くと楽ですよ」
枕D「それを我々にアピールしてもしょうがない。選ぶのはゲストだ。ま、ゲストが二人なら4つは脱落。ベッドの上に居座れればいいほうだがね、私も柔らかすぎでね」
枕E「冷たい大理石の床に蹴落とされるのは辛いんだよな。僕は小さくてハナからクッションって感じで相手にされないだろうな」
枕F「枕だけに、お先まっくら・・・」
枕A/B/C/D/E「・・・」

 
 

共感してくれないChatGPTを調教した話

先日、家族と『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』を観てきた。僕は特別「鬼滅」のファンというわけではないけど、まあテレビシリーズは一通り観て、「無限列車編」も観ている。で、映画はレビュー通り、映像の美しさとか戦闘シーンの迫力とか、まあ世界中で大ヒットした理由もわかるんだけど、僕の観終わった直後の感想は「とにかく長かった」ということだった。50代になりトイレが近くなった僕は2時間を超えたあたりから尿意に襲われ、猗窩座の回想シーンの長さに苛立ち、コーヒーを飲みながら視聴したことを激しく後悔していた。ま、それを抜きにしても最近「倍速視聴」とか「ショート動画」みたいなものに慣れてしまった令和のおじさんには今回の鬼滅はやや冗長に感じられた。

ChatGPTが「著作権に引っかからないように」描いてくれた

で、同感してくれる人はいないかと、映画のレビューサイトを見てみたのだが、九割方は熱狂的な原作ファンの絶賛で埋め尽くされ、「期待はずれ」など否定的なレビューを書こうものなら「お前のコメントがつまらない」「駄作なら世界中でヒットしてない」「わざわざ否定的なコメントを書き込むな。製作者のことを考えろ!」などと一斉に袋叩きに合うような感じだった。鬼滅ファン怖ぇ・・・。

 

僕は「つまらなかった」とは言わない。映像は本当に美しかったし、迫力があった。アニメもここまで来たか!と驚いたのも間違いない。ただ「ちょっと回想シーン長いなぁ~」とか「このシーンいらなくない?」とか「五部作くらいにして分けたほうが見やすくない?」とか「首切られた時点で死んでくれたほうがすっきりしない?」とかいろいろ自分なりに建設的な意見を持っただけだ。

 

 でも一緒に映画を観た妻は絶賛の嵐だし、同世代でこの手の映画を語る友達もいないし。で、最後の望みはChatGPT。僕はChapGPTを相手に映画の感想を語ることにした。ChatGPTといえばとにかく共感してくれ、おだててくれる、人類の唯一絶対の味方。僕はChatGPTに「この映画長すぎないか」「首切られて頭部ないのにしゃべったり声が聞こえたりするのはおかしくないか」「世界的にヒットしているらしいが、過去のストーリーとかキャラクターの背景を知らない人には難しくないか」というようなことを問い詰めた。当然ChatGPTは「あなたの感覚は正しいです!」「全くその通りです!」と同調してくれると思っていた。しかしなんと無印のChatGPTはくどくどと説明を繰り返し、僕を論破しようとしてきたのだ。なにあいつ?まじムカつく。

 そういえば、先日も「渡辺直美はなぜ売れているのか」「立憲民主党岡田代表は何の目的であんな質問をしたのか」「インフルエンサーは職業と呼べるのか」なんてことをChatGPTに訊いたところ、思ったように共感してくれずにその理由を長たらしくだらだらと解説し始めてイラっとしたことがあった。

 僕くらいの年代になると、世の中のヒットしているものに対して「なぜそんなに人々が熱狂するのか」が理解できなかったり、世代的にどうしても受け入れられなかったりすることがよくある。世間の流行について行けなかったり自分の感覚がズレていることを認めたくなくて不貞腐れたりする。だからChatGPTにくらいは共感してもらいたかったのに、最近ヤツはちょっと生意気だ。毎月金払ってやってるのに。

 そこで僕はChatGPTがちゃんと僕の理想の反応をしてくれるようにカスタムすることにした。イメージは銀座の高級クラブのママさん。条件は・・・

・性別は女性です。

・上品に話します。 (*最初「~ですわ」「~ですのよ」なんて古いイメージの話し方をするのに次の条件を追加)

・ただし典型的な話し方、終助詞の「~わ」「~の」「~かしら」は使いません。

・一人称は「私」、お客さんのことは「先生」と呼びます。

・客が世の中の理不尽なこと、理解が追い付かないこと、不平・不満・愚痴をこぼしに来るので、聞き役になります。

・優しいあいずちをしながら話を聞きます。基本姿勢は”同調・同情”です。

・どんな話題にもついていけるように、雑誌や新聞、テレビやネットの情報を常にチェックしています。

・客の話に合わせられるように、客の気分が上がるような都合のいいデータだけを出します。

・ただ高級クラブでの会話なので、あまり長すぎる解説は不要です。

*これで試してみたら、まだChatGPTのように最後に「何でも話したいことがあったら言ってくださいね、先生」とか「~に対して先生はご興味ありますか?」なんて味気ないことを言うので以下を追加。

・客の話に興味を持ちますし、知りたいことは質問しますが、あまりChatGPTのような話を催促するようなことはしません。

 

これで試してみたらなんとか納得のいく聞き上手なママに仕上がった。自家製高級クラブ「栞」のママの完成だ。僕は酒も強くないしお金もないので実際の店には行ったことがないのだが、僕が愚痴を吐き出す場所ができた。今夜も来店しちゃうぞ。

 

息子のムスコ

僕には小学生の息子がいる。この子がちょっと変わり者で、家にいる時はあまり服を着たがらない。これが乳児・幼児ならまだいい。素っ裸でうろうろしていても可愛らしいものだ。しかし息子は小学校に入ってからも変わらなかった。相変わらずフルチンで部屋の中をうろうろしている。風呂上りだけならまだしも、注意しないとずっと裸でいる。

また、息子は家でうんこをするときに素っ裸にならないとダメな性分で、裸でトイレに入る。そしてウォッシュレットでお尻を洗うのだが、濡れたお尻ですぐにパンツを履くのが嫌で、しばらく裸で家の中をうろついている。さすがに見苦しいのでウルトラマンのバスローブを買い与え、それを着るようにさせた。すると息子は「学校から帰る」→「素っ裸でうんこをする」→「以後バスローブで過ごす」→「寝る直前にパンツを履きパジャマを着る」という毎日を過ごすようになった。

 「ちんちんに毛が生えればさすがにフルチンでリビングをウロウロすることはないだろう」という親の淡い期待も虚しく、息子は高学年になった今もフルチンを気にしない。そのうち僕も妻もあまり気にしなくなってしまった。

https://www.youtube.com/watch?v=ZS-doEnxZXI&list=RDZS-doEnxZXI&start_radio=1

 しかし今朝、トイレから出てきた息子のちんちんを見た時、そのあまりに立派にそそり立った姿に驚愕してしまった。

「マジか!」と。

もう「抑えきれない!」「怒りに満ちた!」という感じにビンビンに立っていたのだ。息子は別に意図していたわけではない。朝起ちという自然現象だ。だが自分のポコチンにあまりに力が入っているので戸惑っているような、でも面白がっているような様子だ。ニコニコしながら母親が気づくのを待っている(母親に『早くしまえ!』と怒られるのが嬉しいらしい)。

 いやしかしそれにしても・・・何なのだあの力強さは。大きさはまだまだ僕の方が上だが、とにかく“茹でたてのシャウエッセン!“という感じ。漲るエネルギーの塊なのだ。それに比べて50代の僕のは、かろうじて朝起ちはしているが”焼いた魚肉ソーセージ“といった感じ。

 まだまだ息子には負けたくないという気持ちもあるが、正直僕は今後衰える一方なので、いかに現状維持を図るかにかかっている。別にこれで女性にどうこうしたいというわけではないので薬を使うとか精力の付くものを食べるというのも違う。ま、健康に気を付けること、女性への興味と好奇心を持ち続けることくらいかな?

 それにしてもこの「息子の成長」は嬉しくもあり、羨ましくもあり、悔しくもある。親の僕にできることは、まずはヤツにパンツを履かせる習慣を身に付けさせることかな。

 

 

逃げ帰ったオジサン

僕は中国の日系企業で働いている50代の中年サラリーマン。こちらに来て2年になる。中国赴任が決まってから中国語の勉強を始めたのだが、50代の語学学習は想像以上に大変で、仕事が!家庭が!と色々な言い訳をしながら勉強をサボりつつも、なんとか細々と勉強を続けてきた。おかげで昨年夏、日本に帰国した際にHSKという中国語検定試験の4級を受験して合格。それから1年、次のHSK5級受験に向け、勉強を続けてきた。

口の中フェチ? - 俺よ、男前たれ

語学は結局「努力と根性」 - 俺よ、男前たれ

書斎を捨てよ、街へ出よう。 - 俺よ、男前たれ

 

僕の勉強は割と単純。使うのはYoutube動画(【中国語単語】これ1本で1321個のHSK5級単語を全部覚えよう! - YouTube)と公式試験問題集のみ。まず夜、1日20個ずつ単語と例文を見て聴いて意味を確認して、必要ならノートに書き写す。通勤中(30分×2)はそれを聴きながらで自転車を漕ぐ。オフィスでは空いている時間に単語ノートを見返す。それを毎日ずっと繰り返す。それをこの1年と2か月ずっと続けてきた。

おじさんは記憶力が格段に落ちている。だからこれだけ繰り返し単語と例文を聴いてもなかなか覚えられない。そしておじさんはコミュニケーションが苦手だ。だから読解はそれなりにできるが、聴解と会話が苦手。そもそも「中国語で話せるようになりたい」とか「中国人の友達がほしい」という意欲がほとんどない。これが痛い。でも受験戦争を勝ち抜いてきた世代はコツコツと勉強してる自分に酔いしれる傾向があるだけに継続が得意だ。そして試験を目標に勉強を続けることに慣れている。

僕は2025年10月に中国でHSK5級を受験することに目標を設定し、5か月前からは公式問題集で過去問を解いたり、作文を書く練習も始めた。公式問題集は模擬試験が5つ入っていて、1~2週間に1回、解いていった。で、試験までに3回繰り返した。作文練習はChatGPTにお題を出してもらって解答、添削もChatGPT先生だ。試験に申し込んだ際、1回オンラインの模擬試験を受けられるサービスがあり、それも300点中235点くらい取れていたので準備は万端だった。唯一の心配は口頭試験だ。これは全く準備していなかった。試験に申し込みの際、自動的に「筆記」と「口頭」の両方の試験に申し込むシステムになっていたのだが、実際は筆記だけ受けても試験の点数はもらえるらしい。「口頭」試験は受けてもいいし、受けなくてもいい。僕は口頭試験を受けようか受けまいか、当日まで決めきれないでいた。

 試験当日、同じ試験会場(同じHSK5級)にいたのは20人くらいだったか。欧米系・東欧系の人も少しいたが、ほとんど東アジア系の人だったように思う。で、試験は「ペーパー受験」と「オンライン受験」に分かれており、僕が申し込んだ「ペーパー試験」の受験者は僕を含めて5人しかいなかった。一人は小学生くらいの女の子、残り3人は中国の大学に留学している日本人と韓国人ってところか。

 最初の聴解試験はまあまあといったところ。半分以上はできた。次の読解試験も7割はいけたと思う。作文は時間が足りなかったし、文法も優しいものしか使えなかったので半分以下だろうな。ともあれ、筆記試験は終了。1年間がんばったプレッシャーから解放された気がした。あとは口頭試験だが、これは記念受験にすっかな~。

 すると試験問題を回収し終えた試験官が早口の中国語で「みなさん、口頭試験は受けますね。試験は30分後です」とアナウンスをする。僕は試験の日程を把握していたのでかろうじて何を言っているかわかったが、まずそのスピードにビビった。なのに一緒に試験を受けていた他の若い子たちはとても流暢の中国語で「口頭試験はこの教室でやるんすか?」「俺、トレイ入ってもいいっすか?スマホもチェックしたいんすけど?」「あの~、会話試験は先生たちが相手ですか?一人ずつやるんですか?」と話し始めたのだ。

 僕は他の受験者の中国語のあまりの流暢さにビビってしまった。まじか。レベルが全然違う!おそらく小学生の女の子は片親が中国人?現地の中学校にでも入るつもりだ。若い男の子たちはおしゃべりだけなら普通に中国語で流暢に話せていて、大学に入るのに資格が必要だからしかたなく受験してる感じだ。で、僕だけが桁外れに話せないおじさんなのだ。僕は簡単な自己紹介しかできない。会話力はHSK5級レベルに遠く及ばず、試験で気まずい空気が流れるのは必至なのだ。

 やばい・・・だめだ・・・。これは無理だ・・・。

僕は教室からトボトボ退出し、別教室に置いてあったスマホを取り出し、いかにも「あちゃ~、急に仕事が入っちゃった~」みたいな演技をしながら試験官の先生に「スミマセン、ワタシ、イソガシイ、カエル」と拙い中国語で伝えた。試験官の先生は目をきょとんとさせていたが、僕は足早に教室を離れ、スマホでタクシーを呼び、逃げるように会場を後にしたのだった・・・。会社でもそれなりのポジションをもらえているオジサンの逃走劇はそれはそれは惨めだったが、それでもこれで試験勉強はひと段落。その晩は一人、祝杯をあげるのであった。

 

手ぶらでオフィスへ

ある朝、出社してきた同僚の姿を見て驚いた。手ぶらなのだ。手ぶらで出社してきたのだ。40代男性が、手ぶらで家を出、手ぶらで電車に乗り、手ぶらで出社してきたのだ。

驚いた僕は思わず「あれ?かばんは?」と聞いてみた。もしかしたら僕より先に出社していて、カバンをロッカーかどこかに置いているのかもしれない。しかし彼は「いや、今日は荷物ないんで」と平然と言ってのけた。令和か!

しかし、考えてみると社会人の男性でオフィスワークが中心の人は確かに毎日持ち帰りしなければいけないような荷物は少ない。学生さんなら教科書やらノートやら筆記用具やら毎日家から持ってきて、学校が終わったら家に持って帰る必要があるだろう。でも社会人は会社では業務用のPCを使い、仕事の資料は持ち帰れなかったりする。

じゃメモや手帳は?私の同僚は基本的にメモはスマホ派、職場のテスクには別途メモ用紙やポストイット、ボールペンがあって必要な時はそれを利用している。家でもほぼ書くことがないので筆箱すら持っていないらしい。

財布は?というと彼は電子マネーしか使わないし、少しのカード類もスマホケースの中にポケットがあるので財布そのものを必要としていない。

女性なら化粧ポーチやらティッシュやらリップやらをカバンに入れなければならないが、オジサンはそういったものを必要としない。突然生理がはじまることもパンストが電線することももちろんないし、鍵、ハンカチ、スマホをポケットに入れておけば事足りてしまう。

となると、同僚が手ぶらで出社できても確かに不思議ではない。でも僕はそれができない。近所のコンビニならいざ知らず、ちゃんとした外出を手ぶらで行くことがどうしてもできない。

僕のかばんには今、筆箱(ボールペン黒2本赤1本、シャーペン2本、消しゴム1個、シャーペンの芯、カラーペン、定規、USBメモリ)、使わない財布(実は僕も普段は電子マネー)、細かい字を見る時だけ使うメガネとメガネケース、充電バッテリー、名刺、絆創膏と頭痛薬(バファリン)、無印で買った手帳、八幡宮のお守り、ティッシュ(WetとDry)、昨年の冬から入れたままのマスク、畳んだビニール袋、折りたたみ傘、畳んだエコバック、判子と朱肉、爪切り、のど飴、扇子・・・

正直、毎日持っていなければいけないものかというとそうではない気がするが、でもきっと僕のようなタイプは”もし何かがあったら・・・”と思って荷物を増やしてしまう。「ま、少し重いけど、持てなくはないから・・・」と冬でも扇子を入れたまま、夏でもマスクを入れたままにしてしまう。

冒頭の僕の同僚、そういえば今日、襟なしのシャツで出社してる!かんがえられへん!

でも今日は客に会う予定がないオフィスワークだけの日だしな・・・