俺よ、男前たれ

おもしろきこともなき世をおもしろく

死ぬとか、死なれるとかって・・・

学生時代の友達から珍しく連絡があった。

「Bちゃんが死んだって・・・」

「へ?・・・・」

僕は言葉を失った。


学生時代、僕の所属していたサークルに一組のカップルが誕生した。

男の方(A)は僕と同期、女の方(B)は1こ下で、学部の後輩でもあった。


2人は卒業後、一度別れたものの、またよりを戻し、結婚。

僕が彼らに最後の会ったのは、2~3年前のサークル仲間の結婚式のとき。

そのとき、確かBは小さな赤ちゃんを抱えていた・・・


つまり、Bはまだ2~3歳の子どもと主人Aを残して死んでしまったのだ。

まだ30代半ばで・・・


Aは今、放心状態だと言う

そりゃ、そうだろう。

あまりに若すぎる。突然すぎる。

まるっきり心の準備もしていなかっただろう・・・


僕は、なんか、わからないけど、

ぽっかり穴が開いたような、未だに信じられない感じ

死ぬって・・・どういう・・・あの・・・・なんだ?

不思議と悲しみはない。涙も出ない。

大学を卒業して13年、ほとんど連絡は取っていなかったからか?

他人事だからか?


でもテレビの向こうのニュースとはやはり違う。

僕の知り合いが死んだのだ。

でも、わからない、わからない。

なんなんだろう、この感覚は?


僕にはまだ両親もいる、兄弟もいる

正直、年に1~2度会うくらいなんだが

彼らが死んだら、僕は泣くのだろうか?

泣くよな?泣くよ、泣くはずさ。


でも少なくとも今僕が感じているのは

悲しみとは違う・・・なんか、呆然とした感じ?

本当に、なくなっちゃったの?

この世から存在がなくなっちゃったの?

なんか、それが信じられないというか・・・

なんなんだろう・・・?


僕は、正直、今すぐ死ぬなんてことは想像できない。

ま、普通の人はそうなんだろうけど・・・

でも命は突然、終わることがある

それって・・・どうなんだろう?

受け入れられないよ、ね?

あ、でも今、僕は自分が死んだら自分の死でさえも

「へ?死んだの?あ・・・そう・・・そうなんかぁ・・・ほんとに?」と

なんとなく受け入れてしまうような気がする。

もしくは自分が死んだことが信じられずにうろうろするような気がする。


両親は悲しんでくれるのだろうか?

友人は、職場の知り合いは悲しんでくれるだろうか?

ま、そんなに影響力のある男ではないので、別段、ひきずる必要はないのだが

せめて葬式のときくらい涙の一滴は流してもらいたいものだ。


としたら、やはり僕は他の人の死に対しても涙を流したほうがいいのだが、

なんだろう?

悲しみじゃないんだ。今、感じているのは?

「本当に本当なの?」って感じ。

遺影を見て、遺体を見たら少し違うかな?違うよな。違わなきゃおかしいよな。


それにしても・・・、じいさん、ばあさんが死ぬのは自然の摂理

まだ若くして死ぬってね・・・・

なんなんだろう、その運命は?

Bの場合、病死らしいが、不摂生からは程遠い人で、本人が悪いわけではない

もし神様がいて、神様が人の運命を決めるとするならば、

なぜBを産んで、なぜBを死なせた?

そしてなぜ、僕を今、生かしている?

悪いことをしている人たちを生かしている?


Aはどうやってこの悲しみを克服していくんだろう?

Aは結婚して幸せだったかな?幸せだよな?

僕は結婚していない分、パートナーに死なれることもない。幸せか?


人はいつかは死ぬものとは言え、

やはりそれなりに寿命ってものがあるだろうに。

せめて60年くらいは生きてもよかろうに。


なぜ、神は若い人を死なせる?

なぜ、残された人を悲しませる?


なんか、もう・・・代わってやりたいよ