俺よ、男前たれ

おもしろきこともなき世をおもしろく

『セックスボランティア』

河合香織 著『セックスボランティア』という本を図書館で見つけ、読んでみた。

 

~障害者だって恋愛したいし、性欲もある~というコピーが付けられたこの本、

 

著者は、障害者年金を貯めてソープへ行く脳性まひの老人や、そんな障害者を介助する福祉士、障害者専門フーゾク嬢、オランダのセックスボランティア団体などを訪ね歩いて、デリケートな話を語ってもらう。

 

おもしろいのはインタビュアーである河合氏が、”ご立派な”ジャーナリストやルポライターではなく、ごくごく普通の感性をもった独身女性だということだ。

 

だからインタビューの内容も
「お金を払ってセックスをすることをどう思うか」
「恋人がいるのにセックスボランティアとして、障害者と性交渉を持つことに罪悪感はないのか」
「子どもはいらないというが、結婚したのに子どもはほしくないのか」
「ボランティアとはいえ、セックスをした相手に恋愛感情を持つことはないのか」
などなど素人女子大生のノリ。

 

だから、いい。

 

変な博愛主義でもなく、性の解放を声高に叫ぶ変人でもなく、

 

障害者が身近にいない人と同じ

 

普段、障害者と接したことがないような人が持つ疑問や感性を持っている

 

だからこそ、読んでいて共感できるし、批判もできる。


テーマは重い

 

非常に重い。

 

だからいろいろと考えさせられる。

 

正直、「気持ち悪っ!」と思うところもある。

 

同情だったり、哀れみだったり、そんな気持ちを持つこともある。

 

「障害者年金で風俗!?俺だって金なくて行けないのに!」と怒りを覚える部分もある。


おそらく、この本を読んだ人も、そして書いた人も、口に出せないこんな気持ちがあったのだと思う。

 

でもでもでもでも

 

もし、僕が事故かなんかで体が動かなくなったら・・・

 

自分でちんこさえ握れなくなったら・・・・

 

そう思うと、やはりこの問題を真剣に考えざるを得ないのだ・・・


僕は電車の中でこの本を読みながら、うなっていた・・・・

 

なんだが、隣りに座っているばあちゃんが、本の中の「セックス」という字を見つけ

 

そわそわしているような、していないような・・・


目の前に立っているOLさんが本のタイトルを見ただけで顔をしかめたような、気のせいのような・・・

 

おい、姉ちゃん!

 

勘違いするなよ!

 

俺は性について真剣に考えてるんだぞ!

 

あんたに少しでもボランティア精神があるならば・・・

 

あんたの愛を今宵、私に・・・

 

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