新撰組リアン・ドラフト会議

司会S「では、ただいまより、新撰組リアンの所属事務所、指名会議を始めたいと思います。」

各事務所「（わいわいガヤガヤ）」

司会S「まず最初に新撰組リアンのご紹介をいたします。新選組リアンは、日本テレビ系列で放送されているバラエティ番組『人生が変わる1分間の深イイ話』から生まれた男性アイドルグループでございます。」

芸能事務所社長A「またか・・・・」

司会S「私Sが地元京都の観光人気を取り戻すことを目的として発案し、京都市とタイアップしてスタートしたアイドル開発プロジェクト”平成の新撰組プロジェクト”で、2518人の応募から選ばれたメンバーでございます。」

芸能事務所専務B「（ひそひそ声で）番組の企画？京都市の企画？それともSさんの個人的なやつ？」

司会S「そもそもグループ名の”リアン（lian）”はフランス語で”絆”を意味します。芸能活動ももちろんしますが、京都学生祭典の活動に必ず参加したり、月一回の京都市内のパトロール参加などが義務付けられています。」

京都府知事「え？月一回？週に1回くらいを期待したてたんですが・・・」

司会S「今回はこの新撰組リアンの所属事務所を決めていただこうと思って、みなさんにお集まりいただいた次第です。じゃ、とりあえず彼らの写真をお見せしましょう。どうぞ」

司会S「えっとですね、新撰組リアンは5人組でして・・・」

会場「（どよどよ・・・）」

司会S「写真右から・・・・・あれ？これ違うやんけ！これ昔ジャニーズにいた忍者やんけ！」

スタッフ「す、すみません。間違えました。こちらです。」

司会S「そうそう、これこれ。この７人が・・・・・って、これ関ジャニやんけボケェ！」

スタッフ「え！そうなんですか？すみません。あの、イベント終了までには用意しておきます」

司会S「まったく・・・・。えっとですね。で、今日は日本テレビさん、フジテレビさん、京都市長さん、吉本興業さんに来ていただいてですね。彼らをぜひ引き受けてもらいたいと思っている次第なんですわ。」

フジ「ま、日テレさんの番組企画ですから、日テレさんが世話するのが道理でしょう。」

日テレ「いや、もともとは京都府とのタイアップですし。彼らは京都の観光アピールのために作られてのですから、やはり京都府に引き受けていただいて・・・我々もPRをお手伝いする用意はありますから。」

フジ「ああ、PRのお手伝いならうちでもしますよ。『ヘキサゴン』でも『ホンネの殿堂！紳助にはわかるまいっ』でも歌ってもらいましょう」

日テレ「いや、ちょっと待ってください。それはないでしょう。彼らのオーディションからずっと放送し続けたのはウチなんですから。オーディションの費用だって、そっちは一銭も出してないだろう。フジに出るのは違うんじゃないかな？」

フジ「しかし既にSさんが『ヘキサゴン』で歌わせるって明言しちゃってるし・・・」

京都府「とにかく、ウチは県の予算が足りないので、新撰組を養う余裕はありませんよ。」

司会S「そんな～。京都府さん。私、京都の観光大使としてこの企画思いつきましたのに～」

京都府「だってSさん、ずっと沖縄ばっかりPRしてたじゃないですか。本まで出して！それに京都のアイドルを作るのに、なんでわざわざ全国放送で歌まで出すんですか！」

司会S「それは、やはり全国区の顔にならんと。そうすれば他県の人は彼らに会いに京都に来てくれますやん」

京都府「でも彼らの京都での活動は京都学生祭典と月１のパトロールだけでしょ？」

司会S「ま、彼らもまだ学生ですし」

京都府「でも彼らがものすごく売れたらどうするんですか？」

司会S「そりゃ、第二弾、第三弾をやりますけど。でも活動期間を区切りますから。後は私も手を出しませんので」

京都府「ほら！そうやってまた使い捨てみたいに！Sさんの手を離れたらね、私達じゃどうプロデュースしていいかわからないんですよ。最後まで面倒見てくださいよ。」

司会S「・・・・・。えっと、吉本興業さん、どうですか？」

吉本「お前が考えたんだ。お前が責任取れ」

司会S「・・・・・。あ！そうだ！彼らの歌聴いてください！感動しますよ！聞いてください！『男道』

～きばってこ～ぜ～イェイ・イェイ・イェイ、張り切っていこ～ぜ～ほら　ブンブン！～♪

司会S「おいコラ、スタッフ！これ関ジャニ∞の『ズッコケ男道』やんけ！」

スタッフ「すみませ～ん。これですかぁ？」

～どこから吹いてくる葵の風が　弱音吐いたら負けと　背中にからみつく　じんとじんと　じんと沁みて・・・

司会S「ちょっと待て！これは・・・・これは・・・・・北島三郎さんの『男道』やろ！」

スタッフ「すみません！よくあるタイトルだったもので！これかな？」

～男道(男道)　男道(男道)　男道(男道)　誠に生きる 男道～♪

司会S「アホかぁ！こんな単純な歌詞のわけ・・・・・あ、これやこれや！これ！どうですか！」

京都府「どれもあんまり変わんないんじゃ・・・。それなら関ジャニのほうが・・・」

日テレ「僕は”お祭り忍者”が好きでしたね」

司会S「・・・・あ、フジテレビさん。良かったら、『僕らの音楽』とか『Mフェア』とか『HEY！HEY！HEY！』とかどうですか？なんなら松本に話通しますよ！」

フジ「いや、あの、Sさんの番組だけで結構です」

日テレ「ウチはもともと歌番組少ないんだけど・・・・Sさんの息のかかった番組が多いな・・・」

京都「ちなみに、CDの売り上げってどうなるの？」

フジ「ま、もちろん売れたら事務所と歌手と作詞家・作曲家で分けるんだろうけど・・・売れるのか？」

司会S「大丈夫！売れまっせ！僕の番組で歌わせるだけで、もう、視聴者の皆さん、何回も聞くことになりますから。覚えちゃいますよ！」

日テレ「ところで、『ヘキサゴン』のユニット。あの全然売れないやつ。あれ、いつまでやるの？」

フジ「売れてないとは失礼な！」

日テレ「じゃ、売れてるの？」

フジ「・・・・・・羞恥心とか・・・・・・・羞恥心とか・・・・・・・羞恥心とか・・・・・」

京都府「とにかく、最初は京都の観光アピールになると思ったんですが、どうもSさんの個人的なプロデュース趣味を満たすのが目的みたいなんで・・・・とにかくうちは学生行事とパトロールだけで結構ですわ。」

日テレ「あ、うちも・・・・・なんか、番組の主旨と全く関係ないんでそろそろ辞めたいんですけど・・・」

フジ「うちも第二弾はいいですから。じゃ、失礼します」

（ぞろぞろと部屋を出て行くお偉いさんたち）

リアン「Sさん！僕らの所属、決まりましたか！」

司会S「・・・・・心配いらん・・・・俺が最後まで面倒見たる・・・・・。」

リアン「Sさん！」

司会S「ま、ダメだったらしょうがないわな。お前らまた普通の学生にもどれ！」

リアン「え～～！！」