炎天下の中、1時間半並んで買った横手やきそばが、意外に大したことがなかった。
が、とにかく殿堂入りのうちの一つを制覇できた。
あとはそんなに並ばずに食べられるだろうと、タカをくくり、あらかじめめぼしをつけておいたところへ向かった。
まずは「甲府鳥もつ煮」
これは大会前にテレビで紹介されていて、興味があったのだ。
まず何より見た目が旨そう!
もつ煮といっても、汁気はなく、甘辛のレバー炒めのようで、黄色いキンカンが実に鮮やか!
これはぜひとも食べたい!と思っていたのだが、なんと午後1時の時点で1時間半~2時間待ち!
無理っす!
それならば「四日市とんてき」!
いや~旨いよね~、とんてき。
ポークステーキと言ってもいいけど、豚肉大好きな僕には絶対口に合うはず!
と思い、行列の最後尾を探したが、これまたかなりの大行列!!
う~む・・・やっぱりみんな食べたいものは同じか・・・・
行列に並ぶのはもうコリゴリ
僕はただただ空いているブースを目指し、もう一つブースが集まっている野球場の方へ歩き始めた。
が、これがもう、どこへ行ってもディズニーランド状態。
どこも30分~1時間半待ちは当たり前。
日本人は行列を作るのが好きなんだな~と改めて思った。
僕なんて、行列のできるラーメン屋の隣りに、すぐに入れる中華食堂があったらすぐそっちに入ってしまうたちで、
とにかく並ぶのが嫌い。
「ああ、やっぱり来るんじゃなかったな・・・」と思っても時すでに遅し
払い戻しができないチケットを2000円分買ってしまったので、あと1700円分を使い切らなければならない。
どの料理も300円~500円だから最低あと3回は行列に並ぶのか・・・・。
僕が興味があった「浜松餃子」「袋井宿たまごふわふわ」「三崎まぐろラーメン」もまた大行列だったので
こちらは25分で購入できた。
が、落ち着いて食べている暇はない。
どうせまた並んで待つのだからと、今度は「足柄まさカリー黄金のポット」に並びつつ
これがまたB級で・・・・
もちろんまずくはないのだが、じゃがいもの存在がでかくて、その~・・・お好み焼きを食べてる感が少ない。
ああ、でもこんにゃくは旨いな~・・・牛すじもいい感じ・・・・
でも普通のお好み焼きにも入れようと思えばできるし・・・
結局、メインのじゃがいもが一番いらないような・・・・
*写真は以前のものです。今回は500円
さて、「足柄まさカリー黄金ポット」の行列に並んでいる間、僕は隣りのブースが非常に気になった。
呼び込みのお姉さんが必死に「ただいま、並ばずにすぐに購入することができまーす!!」と大声で叫んでいる。
そこは行列がないどころか、客が1~2なのである。
これはなんとも哀しい光景だった。
だって、そこ以外はみな、ほとんど大行列なのである。
大行列とまで言わなくても、どこの店もそこそこ並んでいるのである。
なのに、その店は、客が1か2なのである。
そこは「鳥取とうふちくわ膳」であった。
店の前では、「ちくわ笛」のおっさんが寂しくパフォーマンスをしていた。
が、観客はゼロなのである。
僕の後ろに並んだ若い二人組の男の子が、上から目線で
「並ばないですぐに買えるって、逆に怖いよな(笑)」
「とうふちくわ”膳”って、なんだよ。”膳”って(笑)。ご飯がついてるのか?」
「ちくわって、インパクトなさすぎでしょ(笑)!しかも豆腐って!」
などと抜かしていた。
それを盗み聞きしつつ、僕は怒りが沸々とわいてきてしまった。
と同時に、「買ってあげたい・・・」とめちゃめちゃ思った。
実は僕もパンフレットを見た時点で「とうふちくわ膳ってなんだよ!」と笑っていた一人なのである。
熱々のやきそばや餃子、コロッケらが並ぶ中で、ちくわは寂しい。
だって・・・・・・ちくわだもの。
が、それを他の人に言われると無性に腹が立つ。
僕は「絶対買って帰るからな!」と心に決めた。
ただ一つ問題があり、「鳥取とうふちくわ膳」はちょい高めの400円なのである。
これを買ってしまうと、残りの金額が中途半端になる。
B-1グランプリの食券はバラ売りはしておらず、1,000円分からの販売なのだ。
また、払い戻しもしていないので、できればきれいに使い切りたい。
「う~む。どうしたものか・・・」と思いつつ、まずは「足柄まさカリー 黄金のポット」を食べた。
なんか富士屋ホテルの料理長が監修、みたいなことが書いてあり、ものすごく美味しいカレーパンみたいなのを期待していたのだが・・・・
穴をあけたフランスパンに、カレーシチューを入れただけだった・・・。
*これは参考イメージ。B-1会場ではフランスパンの端の部分にカレーを入れます。
この時点で僕はあることを悟ったのである。
そもそも、僕はB級の舌しか持っていない舌バカなのである。
そんな僕に、微妙な味の違いがわかるはずがない。
いろんな地方のやきそばを出されたって、僕がわかるのはソース味か塩味かぐらいなもので、
そんな僕の前ではどれもほとんど同じなのである。
ああ、そういうことか・・・。
それがわかったらなんとも楽になった。
僕は残る900円分を使い切るべく、まず2番不人気の「静岡県モロヘイヤ入りすその水ギョーザ」(300円)を購入
ほとんど待つことなく買えたのだが、食べてみたら普通に旨かった。
舌バカの僕にはモロヘイヤの味はわからないが、普通に水餃子と春雨のスープとして旨い。
みんな行列にだまされてないか?
ふつうに旨いぞ、これ?
残りは600円。
300円のものを二つ買えばぴったりだが、僕は「鳥取とうふちくわ膳」(400円)を救わないといけない。
が、「鳥取とうふちくわ膳」を買うと、残りの200円分の食券が無駄になってしまう(全ての食品が300円からなので)。
そこまでして「鳥取とうふちくわ膳」を救う義理があるのか?とも思ったが
ここで一番不人気を買うのが僕ではないか!
しかも一番不人気だよ?
B級グルメの一番下ってことは、B級の中のB級。
キングオブB級だよ?
と、「鳥取とうふちくわ膳」のブースへ向かった。
「足柄まさカリー」の行列と「オホーツク北見塩やきそば」の行列の間にぽっかり空いた谷間
そこが「鳥取とうふちくわ」ブースだ。
行列もなく、ぐんぐん前に行ける。
こりゃあいいや。
しかも、他のブースが皆テントの中で調理をしているのに引き換え、
「鳥取とうふちくわ」はできあいのものなので、すでにパックに入れられ、ビニール袋に入れられ、配布するだけなのだ。
「そんならお土産屋ブースで売れや!」と思いつつ、お土産用に買って会場を後にした。
「ああ、200円分余ってしまったな。もったいないな。」と思いながら、たまたまB-1グランプリの案内所の前を通ったところ、係りのおっさんが
「余ったチケットは厚木市内の提携店で使えますよ」と他の客に話しているのが聞えた。
なるほどなるほどとほくそ笑んで、
さっそく「プシッ!!」とプルタブを空け、勢いよく”ングング”とビールを喉の奥に流し込んだ。
この炎天下の中、僕はずっとビールを飲まないでいたのである。
それは、僕はビールが大好きののだが、1杯でフラフラになってしまうからだ。
が、冷たい炭酸が喉の上を乱暴に通り過ぎていく快感!!
こ、これがあるじゃんか!!
僕は周りの目を気にすることもなく、目の前の駐車場のところに一人座り込んで、ちくわを肴にビールを流し込むと・・・・
これがまた、とんでもなくビールに合うのである。
特に、さつま揚げのように揚げた「タコネギ豆腐ちくわ」や「ねぎとうふ」は逸品!!
しかも豆腐が練りこんであるからか、あっさりしていて、いくらでもいける!!
で、いろんな味のとうふちくわが少しずつ入ってて、これうまっっ!!
僕的にB-1グランプリは間違いなく
「鳥取とうふちくわ膳」です!!!
夜、うちに帰って残りをトースターで少し焙ってからマヨネーズ醤油で食べたら・・・たまらんかったです!!