それは先週末のこと
もうすっかり秋めいて、朝晩の気温が下がってきたため、夏物衣料をしまう時期になっていた。
僕は少し遅い衣替えをしようと、透明ケースにあったTシャツなどを片っ端から洗濯して干し、折り畳もうとしていた。
そして今年着たのか着なかったのかわからないTシャツ陣の中に、そいつがいたのだ。
それは昨年末、海外で買った「オモシロTシャツだった」
恥ずかしい話だが、僕が昨年まで海外風俗にハマっていた。
仕事で貯めたお金を、年に何回かの海外風俗で消費するというような生活を続けていた。
飛行機代やホテル代を含めれば、日本の風俗で済ましたほうがよっぽど安上がりであるが、
それでも僕は骨休め、および骨抜きになるために夏、冬、そして連休を見つけては海外へ飛び、女遊びに惚けていた。
友達の一人は「ハマったらやめられなくなるぞ」「一生こんなこと続けるつもりか?」と僕をたしなめたが
半分くらいは
「どうせ結婚なんてできないんだし、お金を払ってHできるならそれでいーじゃん」
「なんだったら海外で仕事見つけて一生海外で安い性を買う生活だっていーや」
なんてことを本気で考えていた。
「結婚したらこんなに楽しい女遊びだってできなくなるんだよ?それなら一生結婚できなくたっていーや!」
そんなことすら考えていた。
そして昨年末、僕はぶらりと立ち寄った海外の露天でこのTシャツに会った。
基本、僕は海外に出てもおみやげは買わない。
だってお土産を誰かに渡す際、「海外で一人で行って何してるの?」って聞かれても困るからだ。
だから友達が少ないことをいいことに、こっそりと海外へ行って、休み明けにこっそりと職場に戻る。
故におみやげなどは不要だったのだが、このときばかりはTシャツの替えがなくなってしまったため、仕方がなかったのだ。
日本には売ってないようなオモシロTシャツで、あまり下品じゃなくて、ちょっとシャレが聞いたようなものがいいなあと思って、これを選んで僕は帰国した。
その1ヶ月半後
僕に人生初めての彼女ができ、
3ヶ月後
婚約が決まった。
「GAME OVER」
”結婚は人生の墓場だ”なんて言った人もいるが、
僕の場合はそこまではわからない。
せいぜい”女遊び(ゲーム)はもうおしまい”ぐらいなものか。
これからは「THE REAL START!」なのだ!