俺よ、男前たれ

おもしろきこともなき世をおもしろく

はじまりはいつも雨

最近、毎日YoutubeASKAおよびCHAGE and ASKAの動画を見ている。

もちろん、ASKAが薬物使用で逮捕されたことがきっかけなのだが、正直僕にとってそんなことはどうでもいい。

とにかく、毎日Youtubeを見てはうっとりとしているのだ。


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僕は今年40歳。

だからチャゲアスのデビュー曲「ひとり咲き」までは知らない。

僕がチャゲアスを初めて知ったのは『ふたりの夏物語』(チャゲ石川優子)とか、『モーニングムーン』(チャゲ&飛鳥)あたりかな?

ふたりの夏物語』で、中途半端な長さのマイクスタンドを持ち、チリチリ頭のお調子者の兄ちゃんという感じだったチャゲが、今度はサングラスをかけて『モーニングムーン』なんだから驚きだった。

ザ・ベストテン』なんかを当時小学生だった僕は夢中になって見ていたが、チャゲアスは80年代のアイドルとは違う、渋い兄ちゃんたち、といった立ち位置だったかな?

もちろん全盛期のチャゲアスも知っている。

『Say Yes』から『Yah Yah Yah』あたりは本当に見事だった。
最初に1回聴いただけで「ああ、これは売れるな」と思ったし、当時はチャゲアスなら何でも出せば売れるというような状態だった。

この場合の売れるというのは、単にCDセールスだけの話ではない。
日本人のほとんどが知っている、口ずさめる、ということだ。

バブル期、日本で一番売れているアーティストはチャゲアスだった。
いや、日本だけじゃない。
チャゲアスはアジアでも一番売れているアーティストだった。
台湾ツアーの様子などは当時テレビでも紹介されていたが、台湾のアーティストはチャゲアスの曲をこぞって現地語で歌っていたし、台湾のチャゲアス・ファンはチャゲアスのCDを保存用と観賞用の2枚ずつ買い揃えていたな。

あと、モナコの国際音楽祭で、世界中の超有名アーティストが集まる会場で歌っている様子もテレビで紹介されていたが、これまたすごかった。

だって、日本語で歌って外人さんをうっとりさせちゃうんだもん。
子供ながら日本人としての誇りを感じずにはいられなかったな。

Youtubeで”チャゲ&飛鳥””モナコ”で検索すれば今も見られる)




僕は熱狂的なチャゲアスファン、というわけではなかった。
アルバムを1枚買ったことがあるくらいで、ファンクラブに入るとか、コンサートに行くとかはしていなかった。
テレビに出ていれば見る、といったくらいだった。

多くの人はそんな感じだったろう。それでも「チャゲアスはすげぇ」というのは日本人の共通認識だったと思う。

80年代、90年代に青春時代を過ごした人にとって、チャゲアスこそ最強アーティスト、世界に通じる日本の誇り、日本でもっとも人気のあるアーティストだった。

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で、今回の飛鳥の逮捕なんだけど、もちろん残念といえば残念。

なんでこんなことになっちまったんだろうと思う。

当然、批判されるべきだ。

でも、僕は今回の事件をきっかけに、久しぶりに往年のチャゲアスの姿をYoutubeで見まくっているのだが、これがもう・・・すごくいいんだ。

どれもいいんだよ。
やっぱりチャゲアスはすごいんだ。

正直、この10年くらいチャゲアスの歌は聞いていなかったんだけど・・・本当に青春時代が蘇るようだ。
飛鳥のソロ、チャゲとのコーラス、二人のライブパフォーマンス・・・

飛鳥の薬物使用はこの際おいておいて、チャゲアス動画を思い切り楽しんでしまっているのだ。


なかでもお気に入りは、Mr.childrenの桜井さんと「はじまりはいつも雨」を歌っている映像。

たまらんね。

桜井和寿の歌いだしのきれいな声に会場は思わず黄色い歓声

しかしその後の飛鳥の歌い出しのときには更なる大歓声が起こる。
「うわ~本物すげぇ!」「さすが飛鳥!」って感じだ。

その後は夏フェスってことを忘れさせるようなうっとりとした陶酔の世界。

会場が飛鳥の歌声に酔いしれている様子がうかがえる。


それにしてもこの「はじまりは今日も雨」って曲は不思議な曲だ。

特にメッセージ性が強いわけでも、共感を呼ぶ歌詞でもない。泣けるバラードでもなければノリノリの曲でもない。

でも飛鳥のボーカルを生かすには最高の曲だと思う。

料理において、素材が最高なら変に味付けをしないで塩だけで食うのが一番旨いのと同じように

飛鳥のボーカルを生かすなら曲はシンプルなほうがいい。

飛鳥の歌う「はじまりは今日も雨」ってのは黒毛和牛5Aランクの霜降り肉に塩だけちょっとかけて食べるような感じかな?


そしてこの曲は今や、”歌のうまい人しか歌うことが許されない”みたいな不文律を生み出してしまった罪深い曲でもある。

確かに、カラオケでこの曲を歌うやつは歌がうまい。
そして自分に酔っている。
ひどいときには聞いているやつに「どう?俺、上手いだろ?」とアピールするような魂胆すら伺える。

歌のうまいやつはこの曲を歌う。
この曲を歌うやつは歌に自信があるやつ。

そんな認識ができてしまったのは、やはり飛鳥の歌だからだ。


それにしても・・・飛鳥みたいに歌が歌えたらそりゃ人生は楽しかったろうなと思う。
歌のうまさで女にモテる、って下心もなきにしもあらずだが、それ以上にあんだけ歌がうまく歌えたら気持ちいいに決まってる。本当に飛鳥の声は神様がくれた宝物だな。

生まれ変わったらぜひあんな声帯に生まれてみたい。
僕は「はじまりはいつも雨」が好きなのだ。
なんとなく雨の日に一人でとぼとぼ歩いていると歌いたくなるのだ。
でも当然、うまくは歌えない。
ああ、僕が飛鳥の声をもっていたら・・・
自分のために歌いたいな。

もう飛鳥の生歌を聴くことはないだろうから、僕はYoutubeの中の飛鳥の歌を堪能するしかない。

飛鳥が「もう二度と薬には手を出しません!」と誓って復帰してもねぇ

歌った曲が「僕はこの目で嘘をつく」とかだったら説得力ないもんね。

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