テレビ観戦記の続きです。その1を見ていない方はそちらからどうぞ。
リザーブファイト
ピーターアーツ VS グーカン・サキ
なかなか面白そうな試合。 ピーターアーツ39歳 VS グーカン・サキ26歳
開幕戦ではアリスター・オーフレイムのパワーに圧倒されたアーツだが、アーツはかつてグランプリを3度制したときよりも、今が一番強いというリビング・レジェンド
一方のグーカン・サキは昨年初出場ながら3位となった実力の持ち主。
なんでも、子供の時、ピーター・アーツと撮った写真を今も大事にしているそうな。
その憧れの選手に対し、サキはスピードとテクニックで攻める。ワンツーからのローキックが強烈!
一方、体格で勝るアーツは、リング中央でどっしり構え、サキをロープへ追い詰める
そしてワンツーからのローと、こちらもコンビネーションで積極的に攻める。
攻撃の重さではアーツだが、サキのコンビネーションにはキレがある。
第一ラウンド終了後のジャッジでは、3人の審判のうち、一人がサキ、一人がアーツ、一人がドローとまったく採点が分かれた。
どちらも積極的に攻め、お互いの持ち味を発揮しあう好勝負
超ベテランのアーツと、K1の未来を背負うサキの一戦は見ごたえ十分だったが、第2ラウンド終盤にアーツの右ストレートでサキがダウン。
タイミングといい、パンチの軌道といい、実に素晴らしいストレートだった。
結局、3ラウンドもお互いにアグレッシブに攻撃を出し合い試合終了。素晴らしい試合だった。

そして迎えた準決勝第1試合
この大会の最大の山場だ。
いや~見ているほうも知らない間に手を握り、汗をびっしょりかいている。
ちょっと心臓に悪い・・・・・。
バダハリに勝ってもらいたいが、アリスターは怪物
は~~ドキドキする。
バダハリの攻撃はいつもどおり。
重くて切れのある左右の連続フックでガードをこじ開ける作戦。
このフックでシュルトをも倒したのだが、実にスピードと伸び、そして重みのあるフックらしい。
アリスターもいつものようにぶっとい腕でガードをしているが、バダハリのフックは要警戒と見たか、打ち終わりまでしっかり固めている。
バダハリの攻撃が終わったときがアリスターの最大の勝機。豪快なフックか、頭を押さえつけての膝でなぎ倒すつもりだ。
まずは最初のクリンチはバダハリを背中から叩きつける。
これがバダハリの体がバウンドするぐらい強烈!(カメラも揺れた!)
しかしとりあえずダメージはなかったようだ。
アリスターは距離を縮め、組んでから投げ、組んでから膝蹴りを狙っているようだが、バダハリは組まれてからのことを考えていたようだ。
組まれそうになったらすぐにショートフックやバックハンドブローなどで組ませないようにする。
バダハリはアリスターの攻撃を恐れず飛び込んでパンチを上下に打ち分ける。
アリスターはバダハリの打ち終わりを待って組みつく
その度に見ている者は冷や冷や・・・・・・膝蹴りが怖いのだ・・・
バダハリの左右のフックが顔面やボディをとらえるが、その分、バダハリの顔面のガードが開くのが怖い
観ていて非常に不安になるのだが、今重えば、あれくらい思い切りパンチを振り切っていたからこそ、アリスターはバダハリの打ち終わりまでガードを開けなかったのかもしれない。
それにしてもバダハリ、パンチがうまい。
あれだけのプレッシャーを受けながらも、ちゃんと左右のフックがアリスターのガードの下のボディをとらえている。
そして1ラウンド1分30秒
場内が騒然とする中、ゆっくりと上体を起こすアリスター
カウントが進む中、落ち着いて体にダメージを聞いているかのようだ。
ゆっくり右足を立て、足がぐらつかないか確認。そして左足を立て、立ち上がるアリスター。
自分に「落ち着け、落ち着け」と言い聞かせているようだ。明らかに効いている。
が、この所作が日本の武道家のようでかっこよかった。
アリスターもまた戦士なのである。
なんとか立ち上がったアリスターだが、ダメージは歴然
バダハリは左右のフックを乱れ打ち
スローで見ると、右のパンチを放った後、しっかりと左のパンチのタメができている。
そして興奮しながらも、ちゃんとガードの隙間を狙っている。
そして右のストレートが顔をとらえ、アリスターが後ろにぐらついたところを左ハイキック!
これが見事に決まり、アリスターはコーナーに倒れるように寄りかかる。
ここでレフリーが試合を止め、このラウンド2度のダウンを奪ったバダハリの勝利となった。
(準々決勝、決勝は1ラウンドの2度のダウンを奪ったら負け)
(準々決勝、決勝は1ラウンドの2度のダウンを奪ったら負け)
「ちょっと止めるのが早いか?」とも思ったが、ハイキックで体がぐにゃりと曲がり、コーナーに両手でもたれるように倒れていたから、レフリーが試合を止めなかったらがら空きの顔面にパンチを浴びることになるだろう。
ものすごい重圧の中、しっかり結果を出したバダハリはお見事なのである!

さて、準決勝第2試合は
むしろこっちが事実上の決勝と言っていい。
まだまだバダハリをヒーローにするには高い壁がある。この層の厚さが今年のK1の魅力である。
ここからシュルトの伝説は始まったと言っていいい。
司会開始、なんと最初にダウンを奪ったのはレミー
出会いがしらの一撃が見事にヒットし、シュルトからダウンを奪う
シュルトはいつも立ち上がりに隙が多い。
1回戦でフルラウンド戦ってるレミーは、できれば早く決着をつけたい。
ダメージが残っているうちにと、果敢に攻めるレミーだが、攻撃が届かない。
ジャンプしても、手を思い切り伸ばしても届かない。
シュルトがにじり寄ると、いとも簡単にコーナーに追い詰められてしまう。
コーナーに追い詰められるとシュルトの膝が待っている。
まるでヘビに睨まれたカエル状態
何度もボディに膝とミドルキックを浴びたあげく、左右のジャブでダウンを奪われるレミー
その後、立ち上がったものの、サンドバッグ状態
最後は右のローキックでこのラウンド2度のダウンを奪われた。
1回戦のジマーマン戦のダメージも残っていたようだが・・・。今年も苦手意識が取れなかったようだ。
