俺よ、男前たれ

おもしろきこともなき世をおもしろく

篠原涼子の神通力は・・・・

篠原涼子の「アサヒ ストロングオフ」のCM

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夜空に大量の花火が開く中、

大きな仕事を終えた社員達が、屋上で缶ビールで打ち上げをしている。

おそらく篠原が一児の母ということを知らない新入社員が

「篠原先輩!先輩の好きなタイプの男性ってどんな人っすかぁ~?」などと酔いに任せて訊いたのであろう。

篠原はその新人君のほうを向き、にっこりと

優しい人は好き・・・・・・でも・・・・強い人はもっと好き


などとつぶやく


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僕はそれを見て、高校時代にほのかに恋した女の子のことを思い出したりした。



僕の高校時代。

それはそれは悲しい、切ない、そしてなんの面白味もない毎日の連続だった。

彼女もいなかったし、これといって打ち込める趣味もなかった。

部活は途中で退部してしまったし、進学校だったからアルバイトもしていない。
受験勉強も青春を費やす対象としては魅力に欠けていた。

僕の高校生活で、唯一、ほんのやすらぎを覚えられる瞬間

それはクラスメイトのSさんとあいさつを交わす時だった。



Sさんはものすごい美人、というわけではなく

ものすごく性格がよかった、というわけでもない。

特別頭がいいわけでも、特別お嬢様だったわけでも、おっぱいが大きかったわけでも、すぐにヤラしてくれそうというわけでもなかった。


ただ”彼氏がいない女子”という、非常に限定的な選択肢の中では間違いなくナンバー1だった。

積極的につきあいたいわけではないんだけど、あの中で選ぶならば・・・・・まあ、いいんじゃない?

帰宅部の僕は、遠目でSさんを見ながら、勝手に上から目線でうなずいたものだった


大親友のU君は「俺、彼女と同じ中学だったぜ」と、なんとも微妙な自慢をしていて、でもなぜだか当時の僕は少しU君がうらやましく

U君と共にクラスの端っこから、ねっとりとした視線をSさんに向けたものだ。

しかし僕もU君も当時からうだつの上がらない男子だったから、Sさんに対してバカな想像してバカ笑いをするのが精一杯。

結局、何の行動を起こすこともなく卒業式を迎えた。

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面白味のない高校生活の末の卒業式になんの感動を覚えるわけもなく、卒業式をたんたんと寝て過ごし、友達に起こされて教室に移動した。

担任の教師は「一人ずつ前へ出て一言ずつあいさつしろ」などとわけのわからないことを言いだしたので

僕はなるべく目立たないように「みなさんお世話になりました」なとど当たり障りないことを言ってそそくさと席に着き、U君も「3年間、ありがとうございました」などと言って「クラス替えしたから2年間じゃね?」などと無難に突っ込まれていた。

クラスメイトの挨拶がたんたんと続き、リーダー的存在の男の子がしんみりと語り出したり、感極まって涙をこぼしたりするのを、「早く帰りてぇ~な~」などと思いながらぼんやり聞いていると、Sさんの番になった。

そのころはもうSさんのことなどどうでもよくなっていて、4月から始まる浪人生活を悲観することに全ての神経を注いでいたのだが、Sさんの言葉は、卒業から19年経った今も覚えているほど、僕にとってはインパクトがあった。

「みなさん、お世話になりました。私は、強い人が好きなので、みなさん強い人になってください」



今、思えば「へ?何言っちゃってんの?」

「お前好みの男になれってこと?どんだけ上からだよ!」

「別にクラスのマドンナじゃあるまいし!あんた、並だよ?並!」

というようなセリフだ。

僕とU君もあれ以来、未だに時々思い出して話のネタにしているのだが、

一浪後に入った大学で僕は少林寺拳法部に入部し、10年ほど続けることになったことを思えば

あの日のSさんの言葉は、一人の男の人生に軽く影響を与える程度にはインパクトがあったと言える。

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今でも僕は純粋な「けんかの強さ」にあこがれて、「グラップラー刃牙」をむさぼるように読みつつ

「強さとは、それだけではないはず」とたるんだ腹を握りしめ

「経済力だって大きな力のはずだ!」と、預金通帳の額の少なさと格闘したりしている。


そして今、篠原涼子がCMで放つ

「強い人はもっと好き」というセリフを聞く度に

「女って軽々しく言ってくれるよな~、そういうことを・・・」と

今も胸を痛めるのであった。

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それにしても今の篠原涼子に「強い人が好き」って言われて、ドキッとする奴なんてはいるのか?