最近、テレビがあまりおもしろくない。
特にバラエティがつまらなくなった。
これはテレビ側が悪いのか、僕が年をとったからなのか。
僕は御年37歳
もう立派なおじさんだ。
ただ家庭も築いていない、外で飲み歩くこともないおじさんの唯一の楽しみはテレビなもので
しかたなくバラエティを観るのだが、
「はんにゃ」やら「フルーツポンチ」らの笑いにはついていけず、
吉本芸人の団体芸にも置いてけぼり。
アイドルの作り出すバラエティにいたっては目も当てられない。
おじさんはなんとなく、疎外感を感じながらも、しかたなく遠くから見させてもらっている状態なのだ。
そんなおり、ちょっと嬉しい名前が二つ出てきた。
この番組は、年代別に衣食住を徹底比較したものだが、おじさん世代にとっては自分達の時代が実に懐かしく、イマドキの若い人にとっては「当たり前じゃない?何がおもしろいの?」という番組だ。
その中で、イマドキのファッションについて紹介していたときのこと
今年のギャルファッションの中に、「怪獣ファッション」というのがあるらしく、モコモコしたファーをブーツにつけたり、”しっぽ”と呼ばれるアクセサリーをつけたりするのが流行っているらしい。
が、それを見たスタジオゲストの土田晃之は開口一番
「ブロディじゃん!!」
とのたまわったのだ。
すると陣内孝則も反応。
「ブロディ!ブロディ!」と土田らははしゃいだが、若いゲストはキョトン顔。
そりゃそうだ。
この「ブルーザー・ブロディ」って名前、テレビを見ている人はどれくらい知っているのだろう?
もちろん、僕は知っている。
あまり好きなレスラーではなかったが、インパクトはすごかった。
あのモコモコの靴と言ったら「ブルーザーブロディ」
これはおじさんたちにとっては共通概念。
しかしそれにしても彼の名が2010年のゴールデンタイムで連呼されるとは・・・・・
同じく10時からのTBS『リンカーン』の「朝までそれ正解」のコーナー
なにげにこのコーナーが好きなのは、平均年齢42歳のリンカーンメンバーのイメージするものが、実に僕と近いからだ。
今日は「”あ”で始まる、卒業式でいいたい言葉」「”あ”で始まる、小腹が空いたときに食べたいスイーツ」などのテーマがあり、最後に
「”あ”で始まる、『背の高い人』」というお題が出た。
「あ」ではじめる背の高い人
その瞬間、僕の頭の中に1人の大男の名前が浮かんだのだが、さすがにそれはないだろうと、別の候補を浮かべてみた。
しかしどれも「あ」から始まらない。
そうこうしているうちに時間終了。
しかたない。最初に浮かんだあの男の名前を出そう。
プロレスがゴールデンタイムで放送されていた時代
アントニオ猪木らを苦しめた、”人間山脈”の異名をとった大巨人だ。
金曜の夜8時
家族で食卓を囲みながらプロレスを見ていた僕は、アンドレこそ世界で一番デカい男だと思っていたし、
アンドレがリングに上がるたびに
「ああ~、ずるい~、あんなにデカいの反則だよ~~。猪木がやられちゃうよ~~」
と情けない悲鳴を上げたものだ。
番組開始以来、全員一致は初めてらしい。
やはり、僕らの世代で「でかい男」と言えば、やっぱり「アンドレ」なのだ。
次から次へと、新しいお笑い芸人が出てきているが、彼らは不幸にもプロレスがマイナーな世代。
せいぜい、マニアックなモノマネ芸人からプロレスラーの存在を知るくらいだ。
とはいえ、今でもバラエティを仕切っているのは、40前後から50代の芸人。
彼らはまだゴールデンタイムにプロレスを見ていた世代だ。
彼らが仕切ってくれている間は、僕はまだバラエティが楽しむことができる。
今は亡き、彼らの雄姿に乾杯!!