俺よ、男前たれ

おもしろきこともなき世をおもしろく

今さらながら『バベル』を観た

本当に今さらだが、映画『バベル』を観た。


僕は正直、映画、ドラマ、小説などのフィクションものはほとんど観ない。

なぜならフィクションのものを見ても、僕の仕事や人生にとって何の役にも立たないし、所詮「作り話」。

「そんなうまく行くか?」という先入観がどうしても先行してしまい、全く感動できないからだ。


で、たまに観るとしても、リラックス目的の「アクション」「コメディ」か

感動目的の「ドキュメンタリー」「ノンフィクション」「スポ根モノ」くらい。

テレビだってほとんどバラエティ、報道、スポーツばっかりだしね。



そんな僕であるが、なぜか即興劇を習っていたりする。

我ながらなんとも矛盾がある気もするのだが、一つ言い訳させてもらえるなら

即興劇は台本がない。

全部アドリブでやらなければならないので、ある意味リアルな反応が求められる。

おそらく僕が演じるものだって観てる人にはつまらないものかもしれないが、

まあ、演ってみると意外におもしろいので、僕はあくまでも「趣味」として即興劇をやっている。



もう3年ぐらいやっているので、最近は長いお話を即興で作る練習をしているのだが、

そこの先生が「お手本として観ておくといい」と提示したのが

『バベル』と『マグノリア』という作品。


もちろんどちらも観たことはなかったのだが、『バベル』は菊池凛子助演女優賞にノミネートされて、話題になったからタイトルぐらいは知ってる。

で、どちらもオムニバス的にいくつかのバラバラなストーリーが進んでいって、どこかで接点が出てくる、みたいなものらしい。

即興劇のクラスで、今期めざすものもまさにそんな感じで、

「ある共通のテーマを作り」、「設定がバラバラのいくつかのシーンをはじめ」、「接点を作っていき」、「一つのストーリーにする」

こんな感じで進めるらしいのだが、これがまた難しい。

まあ、習っているのもみな素人だし、与えられている課題も難しい。

そこで先生が参考作品として『バベル』らを紹介したというわけだ。


早速、TSUTAYAへと向かったが、1年半ぶりのTSUTAYAはとっくにカードの有効期限が切れていた。

また、一緒に借りた『天使にラブソングを 2』と『アメトーーーク』はすぐに観たのだが

『バベル』は返却前日まで手をつけず。

よって昨日の夜中に慌てて観ることになったのだ。

イメージ 1


内容を書くのは面倒なので、WIKIから引用すると

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『バベル』 (Babel) とは、2006年のアメリカの映画。監督は、アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ

2006年カンヌ国際映画祭コンペティション部門で上映され、監督賞を受賞。菊地凛子が米映画批評会議賞新人女優賞を受賞。2006年10月にアメリカで、2007年4月末に日本で公開された。

イニャリトゥ監督の過去の作品と同じく、時間軸が交差する作品である。モロッコアメリカのカリフォルニア、メキシコのティファナ、そして東京と、遠く離れた地域の人物たちのそれぞれのストーリーが、ある事件をきっかけに交差する。


バベルは『旧約聖書』の「創世記第11章」にある町の名。町の人々は天まで届くバベルの塔を建てようとしたが神はそれを快く思わず、人々に別々の言葉を話させるようにした。その結果人々は統制がとれずばらばらになり、全世界に散っていった。これを背景に、「言葉が通じない」「心が通じない」世界における人間を描く。


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てな感じ。


感想はまあ、他のみなさんと同じように「気持ち悪い」「わけがわからない」に尽きる。

真夜中に布団にもぐりこみながら観ていたので多少は耐えられたが、

昼間に映画館で見たら嫌や~な気持ちになったろうね。



まあ、僕の場合はもともと期待して観たというわけではなく、「研究資料」として観たので、おもしろい・おもしろくないは関係ない。

が、バラバラのストーリーの接点が見えた時はちょっと関心したな。

なんか映画通の人に言わせると「よくある手法」らしいが、素人の僕には「へ~。考えてるな~」という感じだ。

でもこれを即興で作るって・・・・・・先生も難しい課題を与えたものだな~

まあ、バラバラの話を無理やりこじつけて一つにするのは、もしかしたら不可能じゃないかもしれない。

でも、一つ一つのシーンをしっかり作るのはね~・・・

イメージ 2


10人は8人は「つまらない」という『バベル』だが、

演劇の練習をしてみて、初めて「ああ、菊池凛子ちゃんって、すげ~な~」とわかったな。

助演女優賞にノミネートされるだけのことはあるな。


『バベル』の中の菊池凛子ちゃんは実に不思議。

役柄は聾のイカれた女子高生。

「聾唖による差別感」「母親の自殺によりトラウマ」「父親との関係」「ドラッグ、SEX」などなど

観ていて吐き気がするようなキチガイ女子高生を演じていて、脚本や監督を手がけた人をぶん殴りたいほど不愉快なのだが、

菊池凛子の演技(?)自体はものすごい。


最初に画面に出てきた時はえらい”ブッサイク!!”

田舎者の、だっさいネーちゃんで、およそ現在の菊池凛子とは結びつかない。


しかし友だちと遊んでいるシーンでは実に若くてかわいくて魅力的になり、

それが1人でトボトボ歩いているシーンになると、急に老け込んだような表情になり・・・って

本当に同一人物か?


これ、すごいよ。

もちろん、メイクさん、照明さんらの技術もあるんだろうけど・・・

シーンによってあれだけガラッとイメージを変えられたら・・・・かっこいいだろうね。

僕は即興の舞台(というほどのものではないが)であれを目指すんだから・・・・こりゃ大変。

はあ、本物の役者さんって・・・すげーな~・・・

イメージ 3


ちなみに、いくつかのバラバラなシーンが一つにつながる日本の小説(映画にもなったが)として、

『ララピポ』ってのもあったね。


当時僕は、物語の主人公達とあまりにも共通点がありすぎて驚愕したものだ。

ま、今はさすがに隣りの部屋のSEXの声を盗み聞きすることはないけどね・・・・・




お隣さん、引っ越しちゃったから。