植村花菜というシンガーソングライターがいる。
が、彼女の歌う『トイレの神様』はラジオなどでは大きな反響を呼び、今年の日本有線大賞の特別賞まで受賞したそうである。

が、正直言うと、僕がはじめて『トイレの神様』を聞いた時の印象は
「ん?・・・・・・これって・・・・”アレ”の便乗じゃない?」
というものだった。
”アレ”というのは、2009年3月、日本テレビ『誰も知らない泣ける歌』で紹介された代田幸子の『おばあちゃんの歌』である。
僕は1年前にこの歌を聞いた時、不覚にも泣いてしまった。
子どもの時から両親の代わりに世話をしてくれた大好きなおばあちゃん。
最愛の孫・幸子のために、育児日記までつけていたおばあちゃん。
そのおばあちゃんがある日、認知症で、幸子のことを認識できなくなってしまう。
”あの”あばあちゃんが自分のことがわからなくなってしまったことに絶句した幸子だが、
ある時、不意に微笑んでくれたことに感激し、以後、おばあちゃんに会いに行く時は化粧を落とし、黒い髪の、昔のままの姿で行くことにしたという。
そのおばあちゃんは代田が番組に出演する数ヶ月前に他界したが、
そのエピソードも含めて実に感動的なLIVEで、MCの西田敏行は号泣。
僕もテレビの前で思わず泣いてしまった・・・。
その後、代田幸子の『おばあちゃんの歌』は”全国的な大反響!”・・・・・・・とはならず、
なんとも泣かず飛ばずな感じになってしまったのだが、
それでもあの歌のインパクトは、僕の中に今でも残ってる。

そりゃ~・・・いい印象はない。
「優しいおばあちゃん、ありがとう」みたいな歌は、僕は1年前に感動済みなのである。
僕の中で、祖母への感謝の歌は、代田幸子の『おばあちゃんの歌』で、
それ以降の曲は「便乗」か「パクリ」みたいなものなのである。
高校時代に反抗をしたりして素直じゃない。
が、植村は売れて、代田は売れなかった。
その理由はズバリ、「ルックス」だと思う。
代田はいかにも田舎っぽい少女顔で、だからこそ「優しかったおばあちゃん、ありがとう」というメッセージにリアリティがあった。
一方、植村はいかにも今風。
黒くてサラサラの美しいロングヘアーで、背も高く、顔も美人。
だからこそ、代田を見た後ではなんとなくわざとらしい”売れ線”の歌、という感じすらする。
「どう?感動的でしょ?」
みたいな・・・・・。
しかし、売れたのは植村
世の中は不公平だ・・・・

その植村
ここ、ズーラシアは植村がかねてより来てみたかった場所とのこと
園内は大きな陸カメが闊歩していたり、カピバラと触れ合えたりする。
そのズーラシアで植村は「ぐっさんとセッションがしたい!」と言い出し、まるで企画を知らされていないぐっさんは、スタッフにギターを手渡され、急遽、セッションをすることになったのだ。
ゴリラやヘビのオブジェが並ぶ広場で、ギターを持つぐっさんと植村
二つのコードだけで、シンプルに弾き始めるが、さすがにどうしようかと様子を探る植村
するとぐっさんはおもむろに
「ゴリラがこっちを見てる~♪ ヘビがとぐろを巻いてる~♪ まるで(チョコ)コロネみたい~♪」
と歌い始める。
植村はぐっさんの後に輪唱のようについていく。
なんとも優しいメロディで、幻想的な歌が完成。
セッションは大成功のうちに幕を閉じた。
しかし、それにしてもぐっさん・・・・・・・・
もともとミュージシャン志望だったとはいえ、「なんでできちゃうの?」
もちろん、歌の上手いことも、ギターが弾けて、CDも出してることも知っている。
が、それにしても・・・・・・・・・器用すぎる!!
ギターが弾けて、歌も歌えて、モノマネもできて、お笑いもできて、
絵がまた上手で、バイクに乗れて、習字もたしなみ、声優も俳優もできる。
おまけにがっちりした体格と、端正な顔。
人当たりの良さ、どんなまずい料理も「美味しい!」と言ってしまう舌バカさ
マルチすぎるにもほどがある!!
VTRが終わると、スタジオゲストもその才能に感嘆
ぐっさんをよく知るMCのベッキー、レギュラーのガレッジセールらでさえ、改めてぐっさんの才能に感心し、
植村花菜については「ついていける植村さんもすごい・・・」とフォローするに留まった。
まあ、ゲストを完全に喰ってしまうというのも問題はあると思うが、
植村花菜よ
まだまだよのぉ~~~
