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都道府県魅力度ランキング2021

ここ数年、毎年のようにニュースで取り上げられる「都道府県魅力度ランキング」が今年も発表された。

このランキングについて「なんのための、だれのためのランキングなのか」といつも釈然としないまま聞き流していたが、最近ようやくわかったことがある。

それはこのランキングがランキング下位の北関東各県のための一大イベントだということ。

そして今年の栄冠は再び茨城県の元に・・・

魅力度ランキング2021|都道府県まとめ!最下位はどこ? | TRENDIA

都道府県魅力度ランキング」はブランド総合研究所なる機関が全国3万人を対象に行った消費者調査の結果で、今年で16回目を迎える。「以下の自治体についてどの程度魅力を感じますか?」という問いに対して「とても魅力的」を100点、「やや魅力的」を50点、「どちらでもない」「あまり魅力を感じない」「全く魅力的でない」を0点として集計した結果で、点数が大きいほど消費者はその地域を”魅力的”と感じていることになるらしい。

ここ数年は毎年ネットのニュースでも取り上げられるし、『秘密のケンミンSHOW』やら『月曜から夜更かし』でも最下位争い常連の茨城・群馬・栃木・埼玉を揶揄しつつ応援するような特集が組まれている。今年は『世界一受けたい授業』で生放送でランキングが発表されるなど、ちょっとしたお祭り騒ぎになっている。(日本テレビ系列の番組が多いのは偶然か?それとも何らかの癒着があるのか?)

ちなみに僕は神奈川県の出身だが、大学は茨城、最初の就職先が埼玉、そして千葉にも仕事で通っていたことがあるので関東各県に思い入れがある。だから映画『翔んで埼玉』なんかも非常に楽んで観ることができた一方で、茨城や埼玉の順位の低さにはいつも首をひねっていた。

そもそも47位まで発表する意味は何なのだろうか?順位が低い都道府県はこんなものを発表されて当然不愉快だし、風評被害もひどいし、名誉回復のために県で予算を立てて対策を立てなければならないなど、かなり大きく振り回される。もう名誉棄損で訴えてもいいんじゃないかと思うくらいだった。

でも今思うと、このランキング、実は上位はあってもなくてもいいようなもんなのだ。TOP10は放っておいても観光客は集まる。11位~40位はランキングに変動があっても興味すらもたれないし、当事者でさえ「ふ~ん」という感じだろう。では何のためにこのランキングがあるのか。それは下位争いをする県のためにあるのだ。もっというと、北関東の茨城、群馬、栃木、埼玉のためにあるのだ。

茨城、群馬・栃木、埼玉はこのランキングにより毎年特集が組まれ「こんなにいいところ!」「おいしいものがたくさん!」「観光名所もいっぱい!」とテレビで紹介される。また”田舎””見所なし”と面白おかしくdisられることによっても逆に注目を浴びる。”芸人県”としては非常においしいのだ。今年2年ぶり11回目の最下位となった茨城県なんて佐賀に最下位を取られず「OK!」と小さくガッツポーズをしたはずである。勝つなら北関東のライバルに勝ちたい。負けるなら最下位がおいしい。それが芸人県。

”魅力度”なんて非常にあいまいな基準だが、個人的には「観光で行ってみたいか」くらいの意味だと思っている。当然、観光地は順位が高くなるが”そこに住みたいか?”という話になるとまた別の話だ(奈良、とかね)。僕は埼玉にも茨城にも住んだことがあるが、実は非常に住みやすいところで、東京へも通勤圏内、なのに東京ほど物価が高くなくて自然も豊か。いいところだった。だからこそ当の茨城、埼玉も「なんでだろ~ね~、住みやすいのに」とどこか余裕があるし、このランキングも笑って受け入れている。栃木・群馬は知らんけど。

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