俺よ、男前たれ

おもしろきこともなき世をおもしろく

おじさん構文とやら

”おじさん構文”というものがあるらしい。

おじさんである僕は当然気になる言葉である。で、調べてみるとやはりというか…ものすごくバカにされた気持ちになって落ち込んでしまったのである。で、改めて悟ったのである。

「おじさんは何をやってもバカにされるもの」

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おじさん構文というのは、次のような特徴があるものらしい。

・主に中高年男性が、若い女性社員に送るLINE文章によく表れる。

・同僚、部下なのに「ちゃん」付けで呼びかける

・ポップな文章を演出するためにやたらと顔文字(😁、😲)や絵文字(❓、❕)を使う。また文末に「カナ」「ネ」などのカタカナを多用。

・句読点が多い。

・1つのメッセージが長い。

・聞いてもいない近況や今何しているかといった情報を盛り込む

・親切心をアピールするが、裏に下心が見え見え。

・下ネタ、親父ギャグ、下心をごまかそうとするくだり

 

ま、とにかく若い女からしたら”もらって気持ち悪いメッセージ”のことを言うらしい。ああ・・・なんか・・・俺も気持ち悪くなってきた。違う意味で。

ちなみに僕は顔文字は多用はしないが使っている。その理由はご多分にもれずポップにするためだ。おじさんなりに固いメッセージにならないように、命令・指示・お説教にとられないように、気さくなおじさんを演出するために使っている。

きっと僕の見えないところで「うわ~、おやじ構文が来たよ」なんて言われてるんだろうな。嫌だなぁ~、まあ・・・いいけどさ。

「若い人は句読点を使わずにポンポンとやりとりをする」「顔文字は二度手間」「おじさんはメールの名残で長い文章を作る」などいろいろ言われているが、おじさんだっていろいろ気を使ってるんだけどね。

友だち同士ならおじさんだって短い文でポンポンとメッセージのやりとりをするし、絵文字もさほど使わない。だって友達だもの。相手も時間を割いて相手してくれるしね。

でも若い女性は自分みたいなおじさんとやりとりなんてしたくないだろう、そう自覚している。だからできるだけ1回で済ませてあげよう、用件だけ伝えようと思って長いメッセージを送るのである。下心のあるおじさんの心理はわからないが、少なくとも僕はそうだ。LINEスタンプを送るとはしゃいでいるように見えるし、妙に馴れ馴れしく映るかもしれない。でも文字だけだと業務連絡みたいで固くなってしまう。それで「おじさん構文」と言われようと顔文字を加えているのだ。おじさんなりに、相手が委縮しないよう、相手に気持ち悪がられないよう、気を遣って遣った結果、”おじさん”とバカにされている現状なのだ。

あの木村拓哉だって、顔文字を使ったことで「おやじ構文を使っているところ以外はカッコいい」とか「おやじ構文だけど好感度があがった」などと茶化され、委縮してつかわなくなったのである。

確かにいくつか顔文字、絵文字は入っているけど・・・これだけで”あの”キムタクをおじさん認定して茶化すのである。若い世代は。同世代としてはもう胸が痛い。

なのに今やおじさん構文を簡単に作れるアプリが開発され、若い女の子同士ておじさんっぽいメッセージを送り合って遊ぶのだそうだ。

おじさんは悲しい。長渕剛さんがドラマ『とんぼ』で絡んできた若者に「茶化して喜ぶおもちゃじゃねぇんだよ、人間ってのはよぉ」ってビンタしてすごんでたけど、本当にそうだと思う。ま、そんな声が届くこともなく、おじさんLINE遊びはちょっとだけ流行って、そのうち飽きられて忘れられるのだろう。

そして僕は悟るのである。

別に顔文字があるからでも、句読点が多いからでもない。「おじさんは、おじさんだからバカにされるのだ」と。絵文字を入れなければバカにされ、入れればバカにされ、スタンプを入れても気持ち悪がられる。おじさんがメッセージを送ってくること自体が若い人には”気持ち悪い”のだ。仕事だからグループに入れてやっている、連絡先を交換しているけど、できれば相手をしたくない。だから小馬鹿にしてストレスを軽くしたいのだろう。

「若者のLINEから絵文字が減っている?」アンケートで調査したら驚きの結果に! | ラジトピ ラジオ関西トピックス (jocr.jp)

(↑ 実は若者もそれなりに絵文字は使っているらしい。)

 

若者がおじさんをバカにするのは世の常で、僕だってそうだった。尾崎豊を聴きながら「サラリーマンにはなりたかねぇ」なんて歌ってた。僕がそれを言われる番になっただけだ。そしてそこにはそれほど悪気もない。もちろんうるさい上司は嫌いだし、下心丸出しのおじさんは気持ち悪い。でもおじさんをバカにするのは単なる遊びなんだと思う。若い仲間同士の格好のターゲット。酒の肴。それがおじさんなのだ。

だから僕ができることは、バカにされないようなメッセージを送ることでも、かわいいおじさん認定をされる努力をすることでもない。

”俺も世間にバカにされる立派なおじさんになったんだ”と自覚して受け入れることである。そしてあの境地へ・・・

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