俺よ、男前たれ

おもしろきこともなき世をおもしろく

上田晋也よ永遠に・・・

『上田と女が吠える夜』(日本テレビ系)を見て僕は思った。

上田晋也さんはやはりすごい。

僕とテレビをつなぐのはやはり彼だ、と。

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僕はアラフィフのおじさんだが、最近テレビを見るのが辛い。

昔からテレビが大好きで、毎日4~5時間は普通にテレビを見ていたのだが、ここ数年はテレビ各局が視聴者のメインターゲットを若い世代(特にF1/F2/F3層といった若い女性)に絞ったことで、おじさんが見て面白い番組が減ってきたなと感じるようになった。

長寿番組消滅で“若返り”に躍起 テレビはなぜ50代以上を切り捨てた?(AERA dot.) - goo ニュース

まあ、確かに仕方がない流れなのかもしれない。若い人がテレビを見てくれて、ついでにテレビCMを見てくれればスポンサー企業は万々歳だ。そのためにアイドル、声優、若手芸人、SNSインフルエンサーなどをどんどん出したほうがいい。好奇心旺盛で流行りものにお金をどんどん使ってくれる若い人に比べ、おじさんは悲しいほど購買意欲が弱い。そんなおじさん相手の番組につくスポンサーなんて限られている。

 

で、若い人向けのバラエティ番組を仕方なく見ていると、非常に高い確率で”おじさんがバカにされる展開”に出くわすことになり、胸を痛めるのである。

ところが先日、『上田と女が吠える夜』という特番を見て、上田晋也さんのMC捌き、振る舞いの上手さに非常に感銘を受けたのである。「ああ、こういう風に振舞えばいいのか!」と感心するとともに、「上田さんが司会をしてくれるなら若い女性タレントばかりの番組でも見ていられる!」と一筋の光を見いだせた。

 

この『上田と女が吠える夜』は、元々『女が女に怒る夜』というタイトルで不定期に放送されていたものの後継番組で、今回は2021年に話題になったトピックについてゲストの女性が”吠える”内容だった。このテのテーマは本当に苦手で、女性ゲストが品悪くおじさんの悪口を言うのがお決まりのパターン。女性ゲストがギャーギャーと大騒ぎをして収集がつかなくなったり、ゲスト同士で言い合いになってギスギスしたりすることもある。毎回自分でも”見なけりゃいいのに”思うのだが、見ると「あ、俺はこの点は大丈夫だ」と安心したり「俺も影でバカにされてるんだろうな」と落ち込んだりして、またブログに書いちゃうタチの悪い代物だ。

しかし、今回のスペシャル、内容以上に印象に残ったはまず上田さんの”例えツッコミ”。これが実にテンポよく、そして確実に場の空気を緩和してくれるので、番組としては最後まで穏やかな雰囲気が流れていた。そして自分を自虐的に落としながらもしっかりとトークを回す技術は出演者も一目置いているようで、ギャルタレントから女性ベテランタレントまでもが上田さんの掌の上でお行儀よく盛り上がっていたように見えた。すげーな、上田さん・・・。

”例えツッコミ”の使い手は他の芸人さんにもいるが、これほど即座に、相槌のように軽く、そして効果的に出せる人はなかなかいない。そして上田さんのワードは出演者に合わせたものなのか、女性がヒクような下ネタ、おやじギャグ、古いネタはなく、普遍的に使えるものに終始している。覚えている限り羅列してみると

 

① ギャルモデル・ゆうちゃみさんに、ギャルの先輩・若槻千夏さんが「守ってあげられないよ」と言うと即座に

この番組に関してはセコムも守れない

 

② トークのテーマに”#”が付いているのを見て「俺にはハッシュタグの文化がない」「シャープだと思ってた」と嘆いてバカにされると

トークのテーマに)シャープおじさん入れといて!

 

③「#クソリプおじさん」「おじさん構文」の話題になり、自身のLINEで若い女性ゲストがヒクと

それ、『羊たちの沈黙』のリアクション!

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④ 「LINEに指関連の絵文字、感嘆符(ビックリマーク)、顔文字が入っているとおじさん」と言われて

俺、コンプリートしてる

ビックリマークとアロエ重曹は万能だと思っていた

 

⑤上田さんの写真で「#イエベブルべ」診断をされ、青いスーツが似合わないと結論付けられると

頼んでないのに勝手にやられてんのよ。

やってることはセンサー付きのトイレと一緒!

 

⑥最近は”パリピ”という言葉より”やりらふぃ”という言い方が流行っていると言われ

パリピ”が先週届いたばっかりなのに!

 

⑦「男性がおごるのが当然という流れが信じられない!」という若いTikTokerが自分と同じ熊本県出身だと知って

俺が育った熊本はどこ行った!?

熊本なくなったぁ!

 

いや、さすがです。

久しぶりに『くりぃむしちゅー語入門』読みたくなりました。

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自虐なんだけど、ちゃんと笑えて場を和ませる。実にスマートだ。

こういう風に振る舞えばいいんだろうな。

そしてそのツッコミを引っ張るでもなく、すぐに次のゲストにトークを回すので後腐れがない。一人変な毒を吐いていたゲストもいたが、そこも上田センサーが危険を察知し、深堀りを避けたので変な空気にならない。

この技術に絶対の信頼があるからMEGUMIさんや若槻さん、大久保佳代子さんやいとうあさこさんといった中堅・ベテランタレントさんも実にうまくフォローしたり自虐を入れたりしてくれ、番組を成立させている。だから若手が悪く映らない。

ああ、みんな素晴らしいな。

 

上田さんは『しゃべくり007』のような男だらけの番組ではまた違う顔を見せる。その捌きもすごいし、相方・有田さんとのやり取りもたまらなく好きなのだが、今回の女性だらけの番組の捌き方も実に見事だった。上田さんが司会をしてくれるなら、これからもテレビのバラエティ番組を観続けられるな。上田晋也よ、永遠に・・・。