ストリートピアノでYoutube動画再生4億回以上を誇る”ハラミちゃん”が今年のNHK紅白歌合戦に出演し、アーティストと共演したり視聴者リクエストに即興で演奏したりするとのネットニュースを見た。
おじさん視聴者の僕は当然そんなニュースを聞いてイライラしていたのだが、ヤフコメなどを中心にハラミちゃんへの批判コメントがかなり集まっていることを知り、また別の感情が生まれてきた。いつもなら自分が嫌いなものがネットでも叩かれているとほくそえんだりする僕であるが、なぜかハラミちゃんを擁護したくもなったのだ。
僕は昔から天邪鬼なのだ。
そもそも、僕はハラミちゃんがあまり好きではない。
ま、”ストリートピアノで話題になった人気Youtuber”まではいい。今、話題の人を取り上げるのはテレビの常だ。でも最近はちょっと”持ち上げられすぎ”な気がしてならない。”天才ピアニスト””絶対音感の持ち主””大人気ピアニスト”として、大物アーティストとコラボしたり、『世界一受けたい授業』(日本テレビ系)で偉そうにクラシックの魅力を語ったり、単独コンサートやピアノカバーアルバムの発売されるなどなど。
そしてへそ曲がりのこのおじさんはテレビでハラミちゃんのにやけ顔が映るたびに「そんなにすごいか?」「そもそもピアノの演奏だけ聴いて面白いか?歌があったほうがいいだろ?」「ピアノ演奏なんて道端で引いているから珍しいだけで、金払ってコンサート行く価値あるか?」なんて頓珍漢な噛みつきかたをしている。
なのに「ハラミちゃんの紅白内定報道に違和感続出!」なんてネットニュースを見ると、それはそれでいちゃもんをつけたくなる。そして結果的にハラミちゃんを擁護するように「別にいいじゃねーか。売れたもん勝ちやろがい!」なんて言いたくなる。
ハラミちゃんがテレビに出ずっぱりなのは、若い人に媚を売りたいテレビマンが影響があるうちにどんどん出して旨味を吸い取って、使いつくしてやろうと思っているから。ハラミちゃんだって10年、20年同じスタイルで売れっ子でいられるとは思ってはいない。だから出られるうちにメディアに出ておこう、ちょっとくらいネットで叩かれようが仕事をもらえることはありがたいこと、自分の演奏を楽しみにしてくれる人もいるんだからもらった仕事は全力でやろうと考えているだけ。どちらも間違っていない。
ハラミちゃんの技術に関するコメントについては、以前このブログで書いたことがそのまま通じるので、そちらを見ていただきたい。
葉加瀬太郎&高嶋ちさ子さんの実力 - 俺よ、男前たれ (hatenablog.com)
また「即興でできるのはすごいけど、ミスタッチも多い。あれくらいのピアニストはざらにいる」みたいなコメントをする人は、即興の魅力をわかっていない。それについても僕はブログで書いている。
眉村ちあきと即興ソング - 俺よ、男前たれ (hatenablog.com)
とまあ、ハラミちゃんを少し擁護してみたが、じゃあ、ハラミちゃんを見るために今年は紅白を見るかと言えば、ま、観ないだろうね。今年は特に見たいアーティストがいないし。
僕の両親は80歳と73歳だけど、もうここ数年紅白に魅力を感じなくなったのか全く見ないもんね。僕はアラフィフだけどずっと『ガキ使』だし、小学生の息子はテレビを見るくらいならYoutubeとかゲームとかやりたがるだろうしね。
せめて歌の上手いアーティストがTHE FIRST TAKEみたいに歌だけで勝負してくれたら見てみようかと思うんだけどな。
にっぽんの歌 - 俺よ、男前たれ (hatenablog.com)
ま、10代20代の若い人と、僕のような40代50代の人が一緒にテレビを見て楽しめる時代ではない。どちらかが我慢するしかない。でもどうせ若い人はテレビにそんなに興味ないんだから、テレビで育ったおじさんおばさんに合わせてくれてもいいのにね・・・