俺よ、男前たれ

おもしろきこともなき世をおもしろく

フジのものまね番組を卒業す

先日、『爆笑そっくりものまね紅白歌合戦スペシャル』(フジテレビ系列)を見てこう思った。「ああ、これはもう僕の見るべき番組ではなくなったな」

そして後日、『ダウンタウンDX 爆笑!完コピものまね大連発SP!』を見てこう思った。「ああ、僕の見たいものまねはこっちにあったか」

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僕は元々ものまね番組が好きで、特にフジテレビの「ものまね王座」は学生時代毎回録画するほど好きだった。当時は”ものまね四天王”がいて、僕は正統派の栗田貫一(くりかん)さんが好きだった。コロッケさんの良さ・すごさは当時は理解できず、ビジーフォーさんの洋楽は元ネタを知らなかったので全部同じに聞こえた。清水アキラさんの下ネタは好きだったが、やはり飛び道具を持たずにひたすら王道を行く栗田貫一さんの姿勢に惹かれた。僕が大学生の時だから、もう25年以上前の話だ。今、昔のビジーフォーさんのモノマネなんかを見るとそのスケールの大きさ、歌のうまさ、当時の製作費の多さに感心するばかりだし、コロッケさんは本当の”芸”を持ちながら笑いと悪意を忘れない本物の芸人さんだということがわかる。いや、あの頃って本当にすごかったんだな~。

ビジーフォー  アースウィンド&ファイヤー 宇宙のファンタジー - YouTube

ビジーフォー スタイリスティックス 愛がすべて - YouTube

ビジーフォー ベン・E・キング スタンド・バイ・ミー - YouTube

 

ただ今思えば、あの当時からモノマネのネタはとにかく古かった。当時の僕でさえオリジナルを知らないくらい古かった。

コロッケさんの得意ネタ「ちわきなおみ」「美川憲一」は僕が小学生の頃から見ていたが、当時から「だれ?」という感じだった。五木ひろしさんや森進一さんはかろうじて現役で観ていたが、ものまねはとにかく古い題材を扱う傾向が強い。

未だに10代20代の視聴者の前で五木ひろしやら森進一やらのモノマネを披露しているがウケるはずがない。オリジナルを知らないんだから。30代、40代だって笠木静子やら渡辺直知子のモノマネをされたらわからない。美空ひばりだって名前は知ってるけど全盛期は見ていない。でもものまね番組はつい最近まで古臭いモノマネをずっと垂れ流してきた(アラフィフの僕にとっては嬉しい傾向だが)。

 

それが先日の『爆笑そっくりものまね紅白歌合戦スペシャル』(フジテレビ系列)を見て、一気に突き放された気がした。

司会に霜降り明星が加わったり、出演者が若手ばかりになったのは仕方がない。それよりもモノマネのネタが「『呪術廻戦』の~」とか「『ラブライブ』の~」とか、BTSとかAdoとか・・・もう新しすぎておじさんの僕にはオリジナルがわからないのである。それを審査員のみちょぱとか山之内すずさんとか森崎ウィン君が「すげ~」「似てる~!」と手を叩いて喜んでいるのである。

「ああ、終わったな・・・」「さよなら大好きだったフジテレビの『ものまね王座』」

僕は自分の居場所がもうここにないことを悟り、この番組を卒業することにしたのである。

 

もう僕が好きだったものまね番組はないんだろうな。これからはYoutubeで昔の放送を観るしかないんだろうなと思っていた翌週、僕は『ダウンタウンDX 爆笑!完コピものまね大連発SP!』を見て「ああ、まだあった!」と歓喜に沸いた。正確にはものまね番組ではないのだが、ダウンタウンDXは時折僕好みの”ものまね芸人スペシャル”をやってくれる。この日の出演者は原口あきまささん、ミラクルひかるさん、古賀シユウさん、こにわさん、モリタク河口こうへいら中堅芸人(前回はコロッケさん、山本高広さん、みかんさん、ホリさんらも)が出演していた。おそらく超若手がアニメのキャラやネットでバズっているアーティストのものまねをしてもダウンタウンがわからないだろうという配慮があるのかもしれない。この番組で披露されるネタは芸人のマネや中高年(阿部寛、松岡修造、渡部篤郎武田鉄矢など)のネタが多い。いいなぁ~。ダウンタウンはモノマネのネタがわからない時はちゃんとわからない顔をするし、モノマネの途中でも「怒られろ!」「ちゃんとやれ~!」「(そんなこと)するかぁ!」と突っ込む。芸人さんも突っ込まれるのが嬉しいのが、どんどん大げさになってふざけはじめる。この大人の遊びがたまらなくいい。やはり僕はダウンタウンとかとんねるずが司会をしているものまね番組が好きだなぁ。

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ちなみにダウンタウンが爆笑してくれたモノマネのネタは営業や他番組の一般の人(若い人?)にはウケないのだそうです。まあ、そうでしょうね。