あらすじ:37年近く彼女がいなかった僕に今年のバレンタインデーに初めて出来た彼女は韓国人。
速攻で結婚を誓い合ったもののその1ヶ月半後に彼女(ジュンちゃん:仮名)は帰国。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
朝はホテルから10分ほどの食堂でうどんとキンパプ(韓国風のりまき)で朝ごはん
まあ、日本料理に近いので両親もよく食べたが、ややつまらなかったかな?
その後、ホテルまでゆっくり歩きたいという両親を残して先に帰る。
両親は、それはゆっくりゆっくり歩いて帰ってきた。
ソウルが世界的な大都市だと聞いてはいても頭で理解できない両親は
父「見てみて!ロッテリアがあるよ。すごいな~」
母「ガソリンスタンドも日本と同じだよ。すごいね~」
父「これ、銀杏だよ。韓国にも生えてるんだね。すごいな~」
母「お父さん!漢字の看板があるよ!すごいね~」
父「お母さん!見てみ!見てみ!・・・・・・すごいね~」
とソウルの街を”二人なりに”楽しんでいるようだ。
いいぞ!二人とも!
11時。
バスに乗ってお出かけ。
今日は結婚式場を下見するのだ。
が、我々は遠距離結婚(?)なので、基本、彼女が一人で見つけておいてくれた式場を確認のため観にいくという形なのだ。
結婚式場は基本、日本と似ている。
が、教会とも神前ともつかない、やや協会よりの中途半端な感じ。
結婚式場にウエディングケーキがあるし・・・。
また、式場のイスのカバーが真っ白いのをみて、母親は「葬儀場みたい・・・」とつぶやいていた。
母親はここで、彼女の母親とともに、ちょっとした仕事(それぞれ祭壇のそうそくにチャッカマンで火をつける)があると知り、ちょっと緊張した。
また、父親は結婚式の後に、新郎新婦が韓服を来て両親の前で挨拶をする儀式で、偉そうに振る舞わなければならないことに緊張した。
そして僕は、
式が始まる前に、自らお客さんを迎えなくてはならない(しかも一人で)ことを知り、なんとなくげんなり。
だって、韓国で挙げる結婚式に来るのは彼女の知り合いばかりなのに・・・。
ちなみにその間、彼女は一人偉そうに飾りたてたイスに座り、来てくれた人と記念写真などを撮るそうだ。
ここに彼女の母親が合流。
両家の親が初めて対面したのである(彼女の父親は他界)
そして結婚式場を正式に予約をする。
ちなみに、韓国での結婚式の費用はほとんど彼女もち。
ということで、式場の選定から予約、支払いまで彼女と彼女のお母さんが全部進めてくれるので、正直、まだ実感がわかない。
が、これは僕の結婚式・・・・なのだが・・・・・・
う~~~ん。・・・・・・そうか・・・・・・僕が結婚するのか~
その後、地下鉄を乗り継いで、ミョンドンという観光地ヘ。
ここでお義母さんが韓定食をご馳走してくれるというので食べた。
両親もがんばって食べている。
この世代は海外へ行っても食べなれないものはなかなか口にしない人もいるのだが、幸いうちの両親は韓定食のいろいろなおかずを興味深そうに少しずつ試していた。
一方、不機嫌だったのが彼女のお母さん。
どうも思っていたより料理が出てこなかったらしく、実に不満顔。
「大事なお客さんが韓国に来てくれたから韓国の伝統的な食事を振る舞っているのに・・・・これが韓定食のすべてだと思われたらどうすんだ!」ってな感じか。
昼食後、タクシーに乗って移動。
彼女とお義母さんは布から作成、僕と母親はレンタルだ(父親はスーツのみ)。
ここではうちの母親が大興奮。
母親は出来合いの韓服を適当にあてがわれるのだと思って大して期待せずにいたのだが、
いざ始まってみると、韓服の鮮やかさにうっとり
お店の人にたくさんの布を出され、「この布はいい布だ」「この色には、ちょっと明るい上着が似合う」などと言われていくうちにどんどん欲が出てきたらしい。
試着が始まるともうノリノリ!
まるで乙女のように「ああ、あれもいい、これもいい。あ~ん、お父さ~ん!どうしましょ~う!」と喜んでいる。
あの・・・・お母さん、あなたは主役じゃないんですよ・・・。
結局、うちの母親の韓服選びに一番時間が割かれ、その間、ふつうのレンタルの礼服を着ることが決まっている父は「あ~、たばこ吸いて~」と考えていましたとさ。
その日の夜は、焼き肉!
5月につれてきてもらった、あの激ウマの焼き肉屋へ再び。
ここで彼女の一族のリーダーである叔父さんと会う。
叔父さんは異様に陽気な人で、うちの両親を歓迎してくれた。
うちの両親も恐縮しつつ、ビールやチャミスルをいつも異常に飲んでいた。
うちの父親なんて、一番の年長である上に、大事な客人なんだから、どうどうと座っていればいいのに、お酒をついで回ろうとしていた。
お父・・・・せめて韓国ではどうどうと振る舞ってくれ。
ここではあんたが一番偉いんだから・・・・
向こうの叔父さんたちは「あんまり食べてくれないな~」と思ったらしいが、
両親は普段ものすごく小食で、お酒も晩酌に二人で缶ビールを分け合う程度。
しかしそれにしてはこの日はがんばって食べて飲んでくれた。
僕もせっかく振る舞ってくれたのを残してはなるものかと、張り切って食べたのだが、
食べたものはホテルについたとたん、トイレに流れ出てしまいました。
めでたしめでたし。