あらすじ:37年近く彼女がいなかった僕に今年のバレンタインデーに初めて出来た彼女は韓国人。
速攻で結婚を誓い合ったもののその1ヶ月半後に彼女(ジュンちゃん:仮名)は帰国。
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夕方4時。成田空港で両親と待ち合わせ。
空港にはポロシャツをズボンにしっかりシャツインし、セカンドバックを斜めにかけた父と
「韓国は暑いから帽子を忘れずに」というジュンちゃんのメールどおりに、忠実に帽子をかぶっている母
いかにも田舎のおじいさんおばあさんの海外旅行スタイルだが、それが実にかわいい。
そんな両親を伴って、ユナイテッド航空のカウンターでチェックインしようとすると、予約した席番号と違う。
おかしいと思って職員に言ってみたのだが「いい席になっておりますので」と取り合わない。
しかたなくそのまま出国手続きをして入る。
両親はここで、ジュンちゃんの家族に手渡すおみやげを大量購入。
自宅からもおみやげをたっぷり持ってきているんだからこれ以上はいらないだろうに。
田舎の人はお土産命だから困る。
結局両親は、搭乗ギリギリまでお土産を購入していた。
まあ、そんなに急いで乗り込まなくても、他の客があらかた乗り込んだ後でも大丈夫だろう。
そう思って、最後の最後に搭乗したのであるが、奇妙なことにもぎりのフライトアテンダントに「ビジネスのお客様は先の乗ることができますので、次回からはお早めにどうぞ」などと言われる。
は?僕らエコノミーですけど。
しかし、発券された席番号に行ってみてびっくり。なんとビジネスクラスだったのだ!
なにかの手違いか、席が空いていたので老人をグレードアップさせてくれたのか
よくわからないけど人生初のビジネスクラスである。
ここで両親以上にテンパったのが僕である。
海外は意外に何度も行ったことがあるのだが、いつもエコノミーなのでビジネスクラスの対応がわからない。
なんかイスからして、エコノミーにはないボタンがいっぱいあって、どこをどういじったらいいのかわからない。
しかも席に座っていきなり「ウェルカムドリンク」
すげー!さすがビジネス。
なんか、座席もふかふかして、スペースも十分。
というか、イスがでかすぎて(西洋人仕様?)足つかねーし。
![イメージ 1](https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/Y/Yamazy2019/20191012/20191012000933.jpg)
しかし、そこからがひどかった。
「出発の準備が整いましたので、まもなく出発いたします」
とはいうものの、なかなか出発しない。
そのまま説明がないまま30分が過ぎ、両親も心配を通り越してイライラし始めたときに「整備士から異常を示す信号が点灯しているとの連絡が入ったので・・・・」などとアナウンスがあり、そこからさらに30分。
自分一人ならプリプリと怒りながら「UAつぶれろ!」と悪態をついて終わればいいのだが
ヘビースモーカーの父が予定より1時間半、たばこが吸えなくなってトイレとかでこっそり吸い出すんじゃないかと気が気でなく、
また韓国の空港に迎えに来ているはずの彼女を1時間半待たせるのもまた申し訳なく、なんともいやな離陸となった。
初めてのビジネスクラスはなんとも居心地が悪い。
席は広いからいいかと思いきや、背もたれが最初から後ろに傾斜していて飯が食べにくい。
イスはふくらはぎの部分が上にあがって気持ちいいかと思いきや、あれがまた地に足が着かない感じでリラックスできない。
韓国便(近距離)なので映画などもやっていないし、
頼みの文庫本(椎名誠『海を見に行く』)も異常につまらなくて失敗。
う~む。
ただし食事だけはテーブルにきれいなナプキンを敷かれ、トレイにもナプキンをしかれ、フランス料理のような演出があった。
また食事を出すタイミング、下げるタイミングなども、エコノミーとの差をこれでもかと見せてくれる。
「いや~ビジネスはすごいな~」と思ったらフランスパンは堅く、生ハムは食べなれないせいか気持ち悪く、たいしてうまくもなかった。
結局飛行機は1時間遅れで仁川空港に到着。
やっと彼女と久しぶりの対面を果たせた。
空港でおいしそうにたばこを吸う父親がなんともいじらしい。
そこからバスで一時間ほどで市内へ。
韓国のことなど何も知らない両親
日本が最も発達していて、アジアの国はみな貧しいと思っているふしのある両親
バスの窓から見える夜景に
「すごいね~」
「日本みたいだね~」
「お父さん!セブンイレブンがあるよ!」
と関心している。
ホテルに着いた時には夜の11時近くになっていたが、このまま寝るのもなんなのでお夜食へ。
今晩は韓国ドラマ『華麗なる遺産』でも主人公が勤めていた”ソルロンタン”のお店へ。
ソルロンタンとは、牛肉のスープなのだが、豚骨スープみたいでなかなかうまい。
これにご飯を入れてクッパのように食べるとしみじみ旨い。
深夜に牛肉のスープなんて、両親の胃には重たいかもしれないと心配したが、両親は始めての韓国料理を素直に楽しんでいる。
しかも、両親は意外にキムチに興味を示した。
実は両親は辛いものが大の苦手。
キムチなんてもってのほか。
だから、彼女には「両親には辛くない韓国料理を」とお願いしてあったのだが、
ソルロンタンと一緒に出てきた付け合わせのキムチを食べてみて、意外に食べられたのでびっくりしたらしい。
1年以上漬けた酸味の強いやつはダメだが、浅く漬けた白菜の、白い部分があまり辛くなくておいしいと知った両親は「韓国でキムチが食べれた!」とうれしくなってバクバク食べていた。
今回の訪韓は両親の反応だけで楽しめそうだ。
さあ、明日からまた忙しくなるぞい!
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