俺よ、男前たれ

おもしろきこともなき世をおもしろく

10代~20代の約半数、ほぼテレビ見ず

(引用)10代、20代の半数がほぼテレビを見ない――。NHK放送文化研究所が20日に発表した国民生活時間調査で「テレビ離れ」が加速している実態が浮かび上がった。

10~20代の約半数、ほぼテレビ見ず「衝撃的データ」:朝日新聞デジタル (asahi.com)

(引用終わり)

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僕は子どもの頃からテレビっ子だった。

「テレビが大好き!」というより、家に帰るとテレビはずっとついていた。

 小学校時代、朝、起きて居間に降りると「おはスタ」(テレビ東京系列)や「ポンキッキ」(フジテレビ系列)などがついていた。朝ご飯を食べたり、身支度を整えたりしながらなんとなくテレビを見ていたな。学校へ行く前に1時間~1時間半見ていたのか。

学校が終わって帰ると、「夕焼けニャンニャン」(フジテレビ系列)から寝室に入るまでずっとテレビはついていたからざっと5時間くらいはテレビを見ていた。もちろんその間にお風呂に入ったり歯を磨いたりしていたのでガッツリ見ていたわけではないが、我が家はテレビを見ながら晩御飯を食べる家庭だったので、テレビがついている時間は長かった。1日平均6時間とか7時間テレビがついていたことになる。1980年代くらいの話、いわゆる”とんねるず世代”なのだ。

 

大学生になって一人暮らしを始めても、テレビがついてないとなんとなく寂しかったので、部屋にいる間はずっとテレビをつけていた。スマホはもちろん、ネットもまだそれほど普及していなかったので暇つぶしにテレビを見るのは自然の流れだった。

僕は子どもの頃、ファミコンを買ってもらえなかった反動で、自分のお金で買えるようになってからもゲームには一切手を出さなかった。ちょっと意固地になっていた。友だちも少なかったので、家でテレビとAVばかり見ていた。TV・TV・AV、TV・AV・TVってぐらいテレビを見ていた。ダウンタウンにはまったのもこの頃で、『ガキの使い~』のトーク部分をVHSのビデオテープに録画して繰り返し何度も何度も見ていた。90年代のことだ。

 

 今、僕はアラフィフのおじさんだ。結婚して子供もいるが、テレビ視聴習慣はそれほど変わっていない。朝起きたらテレビをつけ、朝食や出勤の支度をしながらなんとなく見ている。子供ができて、朝の子供番組に付き合うことも増えたが、Eテレの面白さにはまってしまったこともある。仕事が終わって帰宅したらテレビをつけ、寝室に入るまでテレビをつけている。僕はきっとこんな生活を死ぬまで続けるのだろう。

 でも家族は違う。妻は基本スマホにかじりついている。食事中は僕のテレビに付き合うこともあるが、基本スマホがあればいい人なので、僕がテレビを見ている時はもちろん、外出時、就寝時、居間にいる間もずっとスマホでネット、SNS、ゲームなんかをしている。

 子どもはまだアニメも見るためにテレビを見ることもあるが、僕が自分の好きな番組を見始めると特に不満を言うでもなくタブレットやゲーム機に向かう。『Minecraft』というゲームが好きで、自分で街を作ったり、Youtubeの実況動画をずっと見ている。放っておくと何時間でもゲーム実況を見てしまうのだが、子供向けアニメを卒業したら彼もまたテレビを必要としなくなるだろう。

 結果我が家は、僕一人がテレビ、妻子はスマホタブレットでゲームと動画という構図になっている。だから「10代~20代の約半数がほぼテレビ見ず」と聞いても特に驚くべき事実ではない。息子が自分のスマホを持つようになったらInstagramTikTokみたいなSNSも加わるだろうし、話題のアニメだってネットで見られる時代なのでテレビはますます見なくなるだろう。昔からのテレビっ子としては寂しさもあるが、これも時代の流れだ。僕だって正直現在はテレビだけでなくYoutubeもかなりの時間見ている。

 

ただ生粋のテレビ好きとして、どうしても言いたいことがある。

それは「テレビがつまらなくなった」ということは、「イコールYoutubeのほうがおもしろい」ということではない、ということだ。

 

 テレビは確かにつまらなくなった。特にバラエティ番組は規制やクレームが増えて過激なことができなくなったこと、ここ数年ターゲット視聴者層が変わり、M2層(35-49歳の男性)M3層(50歳以上の男性)が楽しめる番組が減ったこと、同じ内容(情報バラエティ、クイズ・ゲーム、大食い、面白動画、ネタ見せ等)の番組が増えたことなどで、僕自身も見たい番組が急激に減っている。「どの番組も同じようなタレント・芸人ばかり」「当たり障りのない内容ばかり」「マスコミの偏向報道、ヤラセ、口だけのコメンテーターなどうんざり」という声もその通りだと思う。


 しかしYoutubeのコンテンツがすごく面白いものが多いかというと、そうでもない。

テレビへの不満と全く同じことが動画の世界でも起きている。コンテンツの量は莫大だが、同じようなものが多いし、1つバズったらみんながそれをマネする。CMが邪魔なのもヤラセ・偏向報道も多くメディアリテラシーが必要なのも同じ。

 ただYoutubeならある動画がつまらなかったら次々と他の動画にスキップすればいいので、暇つぶしにはなる。自分の好きなものだけに集中できるので気づくと数時間経ってしまうこともある。

が、「テレビより面白いのか」「質が高いのか」と言われると…そうでもない。コンテンツに関してはまさに”質より量”という感じだ。

ネット動画の最大の魅力は現代の視聴習慣にマッチしているということだと思う。

好きな時間に好きなだけ、自分の興味のあるものだけを見られる。

自分の見たいコンテンツにこちらからアクセスできるし興味のないものに時間を費やす無駄がない。ネット上に大量にコンテンツがあるので、半永久的に見ていられる。

僕も昔のバラエティ番組をネットで観ているので、実はYoutubeなどのネット動画にも大変お世話になっているのだが、面白いと思って見ているコンテンツは大体テレビのものなので、テレビを見ない世代に「テレビはオワコン」「テレビはつまらん」と単純に切られるのもなんだが違う気がする。僕の世代から見たらYoutuberのゆるい感じの動画はとうてい満足できるものではないので「令和はこの程度で満足できてマウントを取りに来るのか…」と内心思っている。

 

とは言っても、テレビの視聴者・視聴率が飛躍的に上がることは将来的にはないだろう。今後はスポンサーからの広告費も集まりにくくなり、番組の質が下がり、テレビ離れは加速する。

 

 

私も妻子とますます話が合わなくなるんだろうな。

家族それぞれが自分の好きなものの世界に没頭し、共通項のない未来。

大人も無理に子どもの趣味に合わせようとしない個別未来

あはは、楽しみすぎて死にたくなっちゃう