『マツコの知らない世界』(TBS系)の前回のテーマはマツコの知らない”ハイトーンボーカルの世界”。歌手の平原綾香さんが愛してやまない(男性)ハイトーンボイスの魅力を徹底解説した。
ただ1984年生まれの平原さんは僕より約一回り違うので、お好みのハイトーンボーカルはやや若め。
そこで今回は1973年生まれの僕が衝撃を受けたハイトーンボーカルをご紹介したい。
ちなみに『マツコの~』において平原さんは「最近、ハイトーンボーカルが増えた」として、好みのハイトーンボーカルを紹介。小田和正、さだまさし、小野正利、B’zといったベテランから、ゴスペラーズ、平井堅、K、クリスハートなどの中堅、さらには秦基博、Official髭男dismの藤原聡、One O’clockのTAKAといった新鋭などを挙げていた。
もちろん彼らはかなり高音を出すことができるのだが、歌が上手いと言われるアーティストは大概広い音域を持っているし、平原さんが推す玉置浩二さんやエレファントカシマシの宮本浩次さんぐらいになると(もちろん高音は出るが)もはやハイトーンのイメージがない。
まあ番組内でマツコさんも言っていたが平原さんはちょっと恋愛妄想癖がありすぎる”ヤベェ女”みたいなので、歌が上手い男性がとにかく好きなんだと思う。
ちなみに’73年生まれの僕が”ハイトーンボーカル”と聞いて最初に思いつくのはやはりクリスタルキングの田中昌之さん。代表曲「大都会」や「愛を取り戻せ」などで見事な高音を披露していた。ただ正直僕がその声を初めて聴いた時にはすでに「クリスタルキングの”大都会”=声が高い」というのが世間の一般常識となっており、「大都会」が歌えるというのはもはや高い声が出せる人の一発芸に近かった。だから田中さんのボーカルを聴いて驚いたというより、栗貫こと栗田貫一さんが『ものまね王座決定戦』で歌った時の方が驚いた。
では僕が最初にその声を聴いて驚いたハイトーンボーカリストはだれか。
それは何と言ってもこの人である。
アルフィーは1983年にリリースした16枚目のシングル「メリーアン」で『ザ・ベストテン』(TBS系)に初登場。当時の小学生は「メリーさん?」とベタにボケつつ、その覚えやすいメロディーを口ずさんでいた。次のシングル「星空のディスタンス」で小学生だった僕も「桜井さんの歌はカッコイイ!渋い!」とわかるようになり、僕の中でアルフィーは生まれて初めて認識した”ロックバンド”となった。
そして1984年に発売された18枚目のシングル「STARSHIP-光を求めて-」で事件は起きた。
曲の出だしは桜井さんの渋いボーカル。「星空のディスタンス」と同様、ロック調のメロディーに桜井さんの落ち着いた張りのある声が見事にマッチしている。Aメロ、Bメロ、サビととにかくかっこいい!と思ったその瞬間、たかみーこと高見沢俊彦さんが素っ頓狂な高音で歌いだしたのだ!
あぁ~つぅ~い口づけを交わせぇばぁ~ なぁ~み~だの滴が ほっし~になぁるぅ~
僕は目が点になった。どっから声出してんだ?なんちゅー声してんだ??
めちゃくちゃ面白かった。小学生の僕にとってその高音はすごいというより「女みてぇなたっかい声だして変なの!(*当時小学生だった僕の素直な感想なので”差別意識”とかはありません)」という感じだった。そして学校でマネして歌おうとするのだが、全く声が出なかったのでそれがまた面白かった。当時テレビで「浅田飴の舐めすぎで高音が出るようになった」と語っていたな。
THE ALFEE - STARSHIP -光を求めて-【2016 冬フェス】 - YouTube
THE ALFEE STARSHIP ~光を求めて~ - YouTube
19枚目のシングルもたかみーメインの「恋人たちのペイヴメント」。アルフィーの代表曲の1つでもある名バラードだ。
もうこの頃になるとアルフィーは出す曲出す曲が大ヒット。僕も80年代のアルフィーの曲は大・大・大好き!しかもあの高音を70歳近くなった今でも出せるんだから、やはりアルフィーはすごいのだ。
あとアルフィーが活躍していた同じころ、『ザ・ベストテン』で観たルックというグループの「シャイニン・オン 君が哀しい」という曲もインパクトがあったな。wikipediaによるとこの曲はルックのデビュー曲で活動期間はたったの4年。つまりは一発屋ということなのだが、でもこの曲は出だしからハイトーンボーカルがさく裂してて今でも覚えている。少しかすれたハスキーな高音がバラードに合ってて、哀愁が漂っていいんだよ。
LOOK - 「シャイニン・オン君が哀しい」 HD Live - YouTube
今、「昭和歌謡ブーム」が来てるらしいし、また出てくれないかな・・・