GWに車を5時間ほど運転することになった。僕は数年前まで20年を超えるペーパードライバーで40歳を超えてから運転を始めたのだが、運転というのはやってみるとなかなか面白い。特にカーステレオで好きな音楽を聴きながらする運転は最高だ。そこで僕は来るドライブに向け音楽収集をしていたのだが、ある時無性に”リッキーマーティン”が聴きたくなった。
そして今、通勤中もリッキーマーティンをガンガン流しているのだが・・・やっぱりいいな!ラテンいいな!ドライブにめちゃくちゃ合うのである。
あれは1998年。当時の僕は大学を卒業しても就職せず、ベトナムで下宿しながら海外ボランティアなんぞをしていた。ベトナム語なんて話せなかった僕はテレビをつけても現地のニュースもドラマもバラエティもわからず、仕方なくアメリカのプロレスとMTVばかり見ていた。
98年はちょうどサッカー・ワールドカップ(フランス)の年で、夜になるとサッカー大好きベトナム人がテレビを見ながら大騒ぎしていた。僕が住んでいた下町でも全家庭がテレビでサッカーを見ており、ゴールを外せばため息が、ゴールを決めれば拍手と歓声が各家庭の開けっ放しの窓から漏れ響きだすという感じだった。そして子供たちは”Here we go! Ale, ale, ale! Go, go, go! Ale, ale, ale~!”なんて歌いながら路地裏サッカーを楽しんでいた。ノリが良くてサビがシンプルで歌いやすい、まさにサッカーワールドカップのために生まれたと言ってもいいお祭りソング!この歌こそリッキーマーティンが歌ったフランス大会のテーマソング「The Cup of Life」で、僕がリッキーマーティンを初めて知った曲だった。
FIFA World CUP. France 98. The cup of life. - YouTube
Ricky Martin - The Cup of Life - YouTube
あの頃のリッキー・マーティンは完全に波に乗っていて、出す曲出す曲がヒットしていた。199年に発表した”Livin’ La Vida Loca"もカッコよかった!MTVでいつもミュージックビデオ付きで見てたけど、シビレたね。カッコいいんだ。金髪で男前でガタイがでかくて、ファッションもシンプルで、まさに”男も憧れる男”だった。当時、ちょっと思いを寄せていた女性にリッキーマーティンのことを「あたしアゴ割れ男って嫌なんだよね」と言われて一気に引いたこともあった。
Livin’La Vida Locaは韻を踏んだ歌詞もカッコいいし、”Her lips are devil red,and her skin's the color of mocha(唇は悪魔の赤、肌は小麦色のモカ)"みたいな歌詞もオシャレだった。ヒロミ・ゴウのカバーもおもしろかったけど、僕はオリジナルを先に知っていたのでやっぱりこっちだな。
Ricky Martin - Livin' La Vida Loca - YouTube
2000年に発表したクリスティーナ・アギレラとのデュエット”Nobady Wants to Be Lonely”もカッコよかったな。どっちもめちゃくちゃ歌がうめぇ~んだ。もう日本人じゃ100年経ってもこんなデュエットは生まれないだろうなと思わせる秀作。そもそも日本人であれだけ色気を出せる男が少ない。無論それは文化の違いなんだろうけどさ、ちょっとうらやましく思ったな。クリスティーナ・アギレラ役が安室奈美恵さんとして、リッキーマーティン役はだれができる?平井堅・・・、木村拓哉・・・、今なら藤井風あたり・・・とにかく日本は持ち駒が少ないな。日本のアーティストはどうしても線が細いしね。あんな色気を漂わせたら逆に気持ち悪がられるだろうし。ああ、室伏広治さんとか照英さんとか歌が上手かったらよかったのに。
Ricky Martin - Nobody Wants to Be Lonely (Video (Duet Radio Edit)) - YouTube
さらに「Maria」と「She Bangs」を含めた5曲が僕のリッキーセレクション。カーステレオにこれらの曲が流れている間はスピードオーバー気味になってしまうのが難点だが、こんなご機嫌な曲があれば渋滞中も車内で踊り狂いながら時を過ごせるだろう。
2010年にゲイであることをカミングアウトしてからは、パートナーとなる男性、代理出産・代理母出産で生まれた子供4人と静かに暮らしているらしいリッキーマーティン。
でも僕はあの頃の曲、やっぱり大好きだ。久しぶりに聞いているけど無条件に楽しい!かっこいい!リッキーマーティン・サイコー!