それは今から14年前のこと
ベトナム語は少しは勉強していたが、テレビ番組がわかるほどではなかったので、しかたなく、かろうじてやっていたMTVばかり見ていた。
そこで初めて洋楽というものに本格的に触れることになった。
それまで日本のPOPとRockにしか興味がなかった僕だったが、洋楽も聞き続けているとなかなかいい。
当時は、リッキー・マーチンが大人気だった。
「Livin' La Vida Loca」は日本でも郷ひろみがカバーした。
僕は原曲を先に聞いていたので、郷ひろみのカバーを聞いたときは思わずズッコケたものである。
リッキーマーチンはその後、ゲイであることをカミングアウトしたり、「アゴ割れ」とバカにされたりしたが、当時は掛け値なしに”世界一セクシーで、カッコよくて、イケてる男”であった。
http://www.youtube.com/watch?v=NvrxqWFpT9g&feature=fvwrel
(「Go!Go!Go!Ale!Ale!Ale!」)
http://www.youtube.com/watch?v=DXm8AnXdEYs&feature=related
「Livin' La Vida Loca」)
(「Go!Go!Go!Ale!Ale!Ale!」)
http://www.youtube.com/watch?v=DXm8AnXdEYs&feature=related
「Livin' La Vida Loca」)
女性シンガーで言えば、NELYYさんとか、Missy Elliottという黒人女性がカッコ良かったな。
また、Destiny Child、Backstreet Boys、Westsideなんかもいたような気がする。
で、やっぱり”ホンモノ”はすげーんだわ。
声量もハンパねーし、歌唱力も桁違い。
特にウマい人同士のデュエットなんてきたら、迫力がものすごい!
しびれるような声の響き!高音!ビブラート!
あれだけ自由に声が出せたらそりゃ気持ちいいだろうな。
カッコいいんですわ。
例えば、リッキーマーチンとクリスティーナ・アギレラのデュエットと同じような豪華さを
日本人アーティスト同士でできるだろうか?
女性アーティストは何人か思い当たるが、日本は男性ソロシンガーの人材がちょっとさびしい。
歌の上手い人はもちろんいるけど、どうも洋楽と比べると迫力とか色気とか艶っぽさが足りない気がする。
日本でデュエット曲っていったら、
「男と女のラブゲーム」とか、「三年目の浮気」とか、「銀座の愛の物語」みたいなものしか浮かばないもんな。
で、話は変わって2012年
僕は日本テレビ「世界一のSHOW TIME」という番組を見ていた。
ま、小倉さんが自分の番組で強烈に推すアーティストって、それほど大したことないので、福原美穂も期待しないで見ていた。
が、紹介VTRを見てたまげてしまった。
北海道の地方局の番組で、街角を歩いている人を適当につかまえて歌を歌わせるコーナー。
賞金1万円で妹にクリスマスプレゼントを買いたいと言って登場した高校1年生の福原美穂は、北海道の道端で歌うには場違いなほどのウマさでマライヤキャリーのクリスマスソングを歌いあげた。
そのあまりのウマさに、放送を見ていた音楽関係者が即スカウトに走ったというが、それもうなずけるほど、ずば抜けたウマさだった。
が、高校1年時の歌声のインパクトときたら、もう気になって気になってしかたがない。
嫁は「あれ、『カエルの女王様』ってドラマに出てたよ」なんて言ってたが、そんなドラマ見てないし!
で、思わずYoutubeで調べて見たら、久々に鳥肌が立つ歌を聞いたような気がした。
『グータンヌーボ』という番組で披露したAIとのディエットは、かつて僕がMTVで見たような本物の歌声がかけあっていたし、
和田アキ子とのコラボもまあ、かっこいい!
ひさびさにアーティスト・和田アキ子を見た感じ。
なんでこれが話題にならないんだ??
福原美穂が”本物”のアーティストであることは間違いない。
こういう人の曲が、もっと日本で流れるべきだし、もっと注目を浴びていいし、もっと売れていい。
もっと評価されるべきだし、日本人はもっとこういう歌手がいることを誇っていい。
悲しいかな、今、日本はAKBと嵐しか売れない時代なのだ。
実力のあるアーティストほど日の目を見ず、CDが売れず、事務所に推されず、地道にコンサートで歌を披露するしかない時代なのだ。
福原美穂は生まれる時代を間違えたのかもしれない。
もしくは生まれる国を間違えたのかもしれない。
日本には今や福原美穂を正しく評価できる土壌がない。
福原美穂はなんとも哀れである。