P「Yさん、お疲れ様です」
Y「はい、お疲れ様です。いつもありがとうございます。」
P「いや~、久しぶりっすね。ドラマでこれだけ番宣されるのも」
Y「いや~、ちょっと充電期間が長かったもんで」
P「でもYさんがこんなに精力的に番宣に協力するなんて、ちょっと意外でしたよ」
Y「え?そうですか?自分が出た作品ですし、スタッフさん、監督さん、共演者のみなさんらとがんばって作った作品ですから、たくさんの人に見てもらいたいんですよ。だからこれくらい当然です」
P「いや~、そう言っていただけるとありがたい。ありがたいついでにと言っちゃなんなんですけどね、今度秋田行きません?」
Y「秋田ですか?えっと・・・番宣でですか?」
P「そう。兼ねてね。」
Y「はあ。で、秋田で何をするんですか?」
P「今度秋田の大曲ってとこで花火大会をするんですよ。コロナ禍で2年くらいやってなかったんですけど、今年は盛大にやるってんで、NHKで生中継をするんですよ。」
Y「へ~すごいですね。」
P「え~、NHKで5夜連続で生放送をする特別番組なんですけど、日本中、いや世界中と中継をつないで現地の声を届けたり、アーティストに歌ってもらったりするんですよ。」
Y「あ~、で、僕も歌うんですか?」
P「あ、いや、歌うんじゃないんですけど・・・その~、ぜひ花火師さんと話をしていただいて」
Y「え?僕がインタビューするんですか?」
P「ええ」
Y「花火師さんに?」
P「ええ、あと町の人に」
Y「『この2年間どうでしたか?』みたいに?」
P「ええ、そんな感じで」
Y「それ、僕が行く必要あります?」
P「いや、まあ、その~、2年ぶりの花火大会ですしね、コロナ禍で大変だった花火師さんたちのこの2年の苦労とか、この花火大会にかける思いなんかをね、」
Y「それって・・・結構大事な仕事ですよね。番宣ついでにできることですか?」
P「いや、番宣っちゃ番宣なんですけど」
Y「ちゃんとしたアナウンサーの人に時間かけてやってもらったほうがいいんじゃないですか?」
P「まあ、そうなんだけどね、絵的にさ、君が現地にいたほうが」
Y「でもそんなに大事な花火大会に大勢で押しかけたら、かえって邪魔になるんじゃないですか?テレビ中継の対応だけでも花火師さんたちには大変なのに、僕がお邪魔して話を聞いている暇なんてないんじゃないですか?」
P「いや、まあそうかもしれないけど・・・大曲の人も宣伝になるじゃない?」
Y「テレビ中継をするならそれだけでも十分な宣伝になりますよ。というかやっぱり僕が行ってもどれだけ話を引き出せるかちょっとわからないですし、かえって迷惑になるんじゃないですか?」
P「いや、そこは僕らが上手く台本も作るし、花火師さんの邪魔にならないようにタイミングよく呼ぶんで、それまでY君は車で待機してもらって・・・」
Y「なおさら僕である必要あります?僕、秋田にゆかり無いですし、ドラマとも関係ないし・・・。僕だって大曲の人を応援したいですし、花火も生で見てみたいですけど、かえって混乱を招くなら行かないほうがいいんじゃないですか?花火師さんに話が聞けるのって10~20分でしょう?生ですし。」
P「ま、そうね」
Y「それならスタジオからちょっと質問するだけでもいいんじゃないですか?まだコロナの新規感染者も5万人くらい出てる中で秋田まで移動するのはお互いにとって微妙ですよね。後で何言われるかわからないし」
P「うん、まあ、そうなんだけど・・・」
Y「僕が行って、花火師さんに話を聞いて、番宣してって出しゃばるより、純粋に花火師さんとか大曲の人だけを映したほうが絶対に絵的にいいですよ。僕も悪目立ちしたくないですしね。」
P「う~ん・・・じゃ、だめ?」
Y「すみません、ちょっと僕が行く意義を感じません」
P「そっかぁ~・・・」
D「おう、どうだった?行ってくれるって?」
P「ダメでした。『僕が行く必要ありますか?』って。門前払いされました」
D「まじ?番宣になるのに」
記「まじですか?あのYピーが?へ~、あのYピーが・・・」
D「ん?あんた誰?」
記「あ、私は通りすがりの者です。お気になさらずに。それではさいなら~」
D/P「・・・」