俺よ、男前たれ

おもしろきこともなき世をおもしろく

これが、いいのだ!その2

中条省平 著『天才バカボン家族論 「パパの品格」なんていらないのだ!』を読んだ。

 

なかなかおもしろかったので、無断引用満載でご紹介したい。


この本は、赤塚不二夫氏の『天才バカボン』から、現代の家族論を見直すというもの。

 

そもそもマンガの世界をとって、「これが理想だ」なんて語るのはナンセンスだ。

 

無理やり『天才バカボン』を良いように解釈して、赤塚不二夫を語るなんて・・・

 

そういうふうに、難しく語られるのを一番嫌っていたのがあの人のはず。


しかし、それを差し引いても愛すべきパパ像、家族像を見せてくれるのがこの作品の魅力だ。


そして僕が一番感動したのが「ハジメちゃんの誕生」


バカボンの弟、ハジメちゃんはとても難産の子だった。なかなか生まれてこない赤ちゃんとママを気遣うパパとバカボンはママが入院している病院を何度も訪れては「いい子を産んでね」「待ってるよ」とママを励ます。

 

そしてハジメちゃんの誕生。

 

バカボンは感極まって涙を流し、二人は赤ちゃんを「ぜったい、ぜったい、ぜったいにかわいがる」と誓う。

 

子供が生まれるということはこんなに嬉しいことなのか、と改めて感動してしまう。

 

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この後も、ハジメちゃんがはじめてしゃべった、はじめて歩いたと言って、二人は狂喜乱舞。

 

ハジメちゃんは急速に成長して親と兄の能力を一気に追い抜く天才児になるのだが、そうなってからもパパとバカボンの愛情は変わらない。

 

祝福されながら生まれ、愛されながら育つことって、どんなに素晴らしいことなんだろう・・・

 

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そしてパパの魅力

 

バカボンのパパには、父親の責任だとか、一家を支えなければならないというストレスはない。

 

バカボンとは友達のように、対等の関係で遊び、

 

ハジメちゃんに「ご本を読んで」と甘え、

 

おやつを我慢させるママに「やだい、やだい、やだい!」と駄々をこねる。


いいな~、こうして生きていけたら人生はどんなに楽だろう。

 

どんなに楽しいだろう・・・


そんなパパだから、家にいること、家族みんなといることに余計なストレスやプレッシャーを感じることがない。

 

ママに怒られて家を追い出されても、夜には「怒られてもやっぱりママのいる家がいい」と帰宅する。

 

そんなバカボンとパパを、ママは優しく受け入れ、

 

「疲れたでしょう。もう寝なさい」と諭す。


いいな~、理想だな~

 

家庭って・・・いつも帰りたくなる場所

 

なぜだか安心できる場所であってほしい


本来なら、ただ「居る」だけでいいのに

 

僕は今から「毎日家族と一緒にいたら何を話せばいいんだ?ネタがない!」なんていらぬ心配をしている。


無理に関わりをもたなくても、無理に話しかけなくても

 

ただ、同じ居間に居る


「これで、いいのだ!」

 

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