芸能人の中には”ご意見番”と呼ばれる人たちがいる。
ファッションならば、ピーコ、ドン小西
彼らの魅力は、自らの専門性や、経験などから、
厳しくも、
ずばりと、
確信を持って発言するところにある。
張(はり)さんは、時代錯誤ではあるものの、とにかく実績のある人だけに無碍にも出来ない。
ピーコやドン小西は、「お前の悪趣味な服はどうなんだ?」と言いたくなるものの、
一応はファッションを見てきたという経験からの裏づけがあり、「こうすれば良くなる」という明確なアドバイスができる。
彼らは上から目線、命令口調、横柄な態度、妥協のない決め付け、という鼻につく面はあるものの
やはり自分の判断に括弧たる自信があって、
それを見たり聞いたりしている視聴者も、彼らのバックボーンを理解しつつ、お説を拝聴しているという関係が出来ている。
しかし、最近、その背景の説明抜きに
なぜか「悩みに答える側」に座り、堂々と人生について語っている人がいる。
が、これまで我々視聴者は、不思議なくらい、マツコデラックスを自然に受け入れてきた。
それはおそらく「名前の異形」「見た目の異形」から、
「この人はきっとすごい人に違いない!」と視聴者や読者が認識し、
心の扉を開いてしまったのだと思う。
確かに、見た目のインパクトはすごい。
化けの皮が剥がれたような気がした。
”マツコさん”と呼んで畏敬の念を抱いていたようだが
実は37歳であることが発覚。
しゃべくりメンバーより年下だったのである。
つまり、偉そうに人生経験を語れる輩でもなかったのである。
マツコは現在の肩書きは”コラムニスト”で、いろいろな雑誌にコラムを書いているらしい。
中にはレディースコミックで主婦の悩みに答えていたりするそうだが、
よくよく考えたらマツコが答えられるわけがないのである。
が、人はマツコにだまされてしまう。
あの体格で、あの顔で、あの態度で、自信満々に答えられたら・・・・・・・・・
もう信じるしかないではないか・・・
言うことを聞くしかないではないか・・・
”気がつけば、いつもそこにいるやうな・・・”
マツコ・デラックスはそんな存在なのかもしれない・・・