俺よ、男前たれ

おもしろきこともなき世をおもしろく

マツコ・デラックス2題-その2

芸能人の中には”ご意見番”と呼ばれる人たちがいる。


スポーツならば大沢啓二張本勲の「アッパレ・喝!」コンビ

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ファッションならば、ピーコ、ドン小西

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人生相談なら細木数子野村沙知代美輪明宏

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そして芸能界全般なら和田アキ子北野武などなどで


彼らの魅力は、自らの専門性や、経験などから、

厳しくも、

ずばりと、

確信を持って発言するところにある。



大沢親分は、言わずと知れた元プロ野球選手であるし、

張(はり)さんは、時代錯誤ではあるものの、とにかく実績のある人だけに無碍にも出来ない。


ピーコやドン小西は、「お前の悪趣味な服はどうなんだ?」と言いたくなるものの、

一応はファッションを見てきたという経験からの裏づけがあり、「こうすれば良くなる」という明確なアドバイスができる。

細木数子は、占星術という技術があるし(結構当たるらしい)

美輪明宏野村沙知代は、何十年も世間やマスコミから叩かれ「異形」と言われてきた人生経験がある。
(美輪さんにいたっては変なものが見える力があるらしいが・・・)


彼らは上から目線、命令口調、横柄な態度、妥協のない決め付け、という鼻につく面はあるものの

やはり自分の判断に括弧たる自信があって、

それを見たり聞いたりしている視聴者も、彼らのバックボーンを理解しつつ、お説を拝聴しているという関係が出来ている。


しかし、最近、その背景の説明抜きに

なぜか「悩みに答える側」に座り、堂々と人生について語っている人がいる。

それが、「マツコ・デラックス」だ。
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が、これまで我々視聴者は、不思議なくらい、マツコデラックスを自然に受け入れてきた。


それはおそらく「名前の異形」「見た目の異形」から、

「この人はきっとすごい人に違いない!」と視聴者や読者が認識し、

心の扉を開いてしまったのだと思う。


確かに、見た目のインパクトはすごい。

これまでのご意見番と言われる、細木数子美輪明宏野村沙知代らと並んでも遜色ない。


しかし、先日、日本テレビ系「しゃべくり007」に出たマツコ・デラックスを見て、

化けの皮が剥がれたような気がした。


しゃべくりメンバーのくりぃむしちゅー(有田・上田)やネプチューン(名倉、原田、堀内)は、マツコ・デラックスのことをずっと年上だと思っていたため

”マツコさん”と呼んで畏敬の念を抱いていたようだが

実は37歳であることが発覚。

しゃべくりメンバーより年下だったのである。

つまり、偉そうに人生経験を語れる輩でもなかったのである。


マツコは現在の肩書きは”コラムニスト”で、いろいろな雑誌にコラムを書いているらしい。

中にはレディースコミックで主婦の悩みに答えていたりするそうだが、

よくよく考えたらマツコが答えられるわけがないのである。


が、人はマツコにだまされてしまう。

あの体格で、あの顔で、あの態度で、自信満々に答えられたら・・・・・・・・・

もう信じるしかないではないか・・・

言うことを聞くしかないではないか・・・



そしてマツコは今日も根拠のない”ご意見番”として、視聴者や読者の悩みを聞き、アドバイスを送っている。


”気がつけば、いつもそこにいるやうな・・・”

マツコ・デラックスはそんな存在なのかもしれない・・・

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